騎士(1)
「じゃまだぁぁぁぁぁ!」
第十七訓練所。
盛大な声が響く。
「少しは静かに戦えないのかしら・・・・あいつは!」
大型モニターから聞こえてくるザガランの大声を聞きながら、シュメルはこめかみに怒りマークを立てた。
一体で複数の敵機と戦う訓練。
場所は廃虚と化した街。
訓練を受けているのはザガランだ。たった今、四機の内、三機目を落としたところである。
「さすがですね。ザガランさん」
クルスはモニターを見ながら見事に敵機を撃墜していくザガランに声をあげた。ザガランは巧みにジンを操り、たった数分で三機とも撃破したのである。多少むちゃなところもあったが、さすがと言える腕前だ。
「おう! 当たり前だ!」
ジンは周囲を警戒する。残り一機だが、先ほど敵との交戦中でもレーダーに最後の一機の姿は映っていない。その時―――
「!」
一瞬、気づいたがそれと同時に、警告音がコアの中に響く。
「おわっ!?」
とっさに建物の陰に隠れる。先ほどいた場所を緑色のエネルギーが通過していく。
「ビーム兵器か!」
ジンはそーっと頭部を陰から出す。するとその頭部に向かってエネルギー弾が直進してくる。
「とっと」
再び陰に頭部を引っ込める。頭部があった場所をエネルギー弾が大きく削った。
「おもしれぇ」
と、言うとジンは建物の陰から飛び出した。
「さてと、ザガラン。ここが正念場よ」
ザガランには聞こえていないがシュメルは語りかけるように呟いた。
最後の一機は狙撃用のビーム兵器を装備し、ミラー粒子を大量に辺りに散布している。そのためレーダーには映らずセンサーにも引っかからない。そのため慎重に行動する必要がある。
だが、慎重に動くかと思ったがジンは建物から飛び出した。
「!? ちょっと! ザガラン何やってるの!」
とっさにジンに通信を入れる。
「おうおうおう。よーく、聞きやがれ! CPU!」
通信は入っているはずだが、聞こえていないようだ。
「ルナテレスに君臨する不屈の部隊! どんな状況でも立ち上がり! 進んだ道は引き返えさねぇ! それがぁ! 十七部隊リーダー! ザガラン・クラフクだぁぁぁぁ!」
シュメルは思わず、すべった。狙撃機の前で姿を現すどころか、大声を上げるとは。こちらの位置を教えるようなものである。
狙撃機はジンに標準を合わせると発砲する。
「! そこかぁぁぁぁぁ!」
ザガランはこれを待っていた。ビーム兵器は発砲と同時に光を放つ。その放った場所が敵の位置だ。ジンは超振動剣を逆手に持ちかえると、光った場所へ一直線に投げる。
投げた瞬間、わずかに動いたため、エネルギー弾が肩をかすめてゆく。
そして、遠くで爆発。高々と上がる煙が命中したことを告げていた。
「よぉし。任務完了だ!」
ザガランが高々に勝利宣言をした。 |