20,【久しぶりだね】
「お譲様、ただいま帰りました。」
後ろの方から優し可愛らしい少女の声がし、振り返った。
「!!」
「トリシア!」
リーネはフワリとした髪にメイド服を着たトリシアと呼ばれた少女の姿を見て言った。
「はい、お嬢様」
「トリシア!私ね、紹介したい人がいるの。」
「今日泊まると言う新しいお友達ですか?」
「うん、そう!何で知ってるの?!」
「他の人から聞きましたから」
トリシアは、リーネの横に立っているアスアを見た。
「なっ・・・!!」
「どうしたの?トリシア、アスアと知り合いなの?」
「いやっ・・・なんでもありません。」
アスアから目をそらしリーネも見る。
「お嬢様、アスア様というのですか?このお方は・・・。」
「うん、そうだよ。」
「そうですか」
「どうしたの?」
「いえっ、アスア様。」
トリシアは、またアスアも見る。
「なんでしょう」
「初めまして、トリシア・フェンリルと言って
リーネ・ラタトスクお嬢様の専用のメイドをしております。」
「リーネから聞いています。あたしはアスアといいます。」
ニコリと笑いアスアは言った。
「お嬢様」
「何?」
「メイド長さんから言われて、私はアスア様に部屋を案内しなければ
ならないのでアスア様をつれって行ってもいいでしょうか?」
「うん、いいよ。私もついって行ってもいい?」
「駄目です。お嬢様はこれからお稽古があるのですよ。」
キラキラと輝いていた目が『お稽古』という言葉で変わった。
「えぇーーーー!!」
「さっき、ハティスが探してましたよ。早く行かなきゃ怒りますよ。」
トリシアの言葉にリーネは浅く頷きしぶしぶと元来た道へと行った。
「久しぶりですね・・・・・・アスア。」
リーネが見えなくなった途端、トリシアは冷たい声でアスアに言った。
「うん、久しぶりだね・・・トリシア・フェンリル。」
アスアはトリシアとは違い微笑みながら言ったのだった・・・
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