挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
パンデミック・マン 作者:ですの

エピデミック編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

16/65

第十六話 トリガー

SWARPA内から感染者が発見され、三上達が脱出を試みる前。

時刻は深夜一時を回っていた。

関東某所にある発電所。
ここは、各発電所の中枢として機能する施設であり、関東地方へのエネルギー供給の要となっている。
施設の三方を山に囲まれ、残る一方はそのまま浜辺へと繋がっていた。

海のさざ波が夜の海岸から絶え間なく聞こえる。

発電所の警備にあたっている男が欠伸をしながら海を眺めていた。

「国中が大パニックだってのに、警備の仕事なんてやってられるかよ……」

その警備の男は気づかなかったが、山側から数十人程の人影が忍び寄っていた。
彼らは一様にマスクを装着し、しっかりと小銃を抱え慎重に発電所に近づいていく。

「専用チャンネル開いておけ。間もなくショータイムだ。合図で一気に歩哨を片付けて中に入るぞ。歩哨は西側二階に二人、東にも二人、海岸側三階に一人……」

集団のリーダーらしき男が無線連絡を入れる。
武装集団は山の側面から合図を静かに待っていた。

間もなく、空に照明弾が打ち上げられた。
海を眺め、欠伸を連発していた警備の男は思わず振り返り、空に目を向けた。

「なんだぁ……?」

直後に銃声が激しく鳴り響き、波の音がかき消された。

男は思わず身を屈めた。
銃弾が高速で男の頭上を掠めていく。
風を斬る銃弾の音がマスク越しに聞こえてきた。

明らかに自分を狙った銃撃である事に気付いた男は
無線で仲間の警備員へ連絡を試みた。

「おい!! 一体何だってんだ!? 助けてくれ!!」

無線から返事はなかった。

男は無線機を乱暴に投げ捨てると、連絡通路を這いつくばりながら射線から何とか逃げ出す。
発電所を挟んで、攻撃してきた者たちの反対側にうまく回り込むことが出来た。

裏口から施設内に入り、身を隠そうとする。
しかし、あちこちから強引に扉を破る音が聞こえてきた。

足音がゆっくりとこちらに近づいてくるのを男は聞いた。

「テロだ……。テロリストだ……」

「それは違う」

男は声の方を振り返ろうとするが、二発の銃弾を撃ち込まれ絶命した。


武装集団は施設内の警備員や職員を次々と制圧していく。
そして発電所の管理室に入り込んだ。

「火力水力を初めとする自然エネルギー供給は停止させろ。原子力エネルギーは、ここから操作できる二基の原発をメルトダウンさせろ」

リーダーの指示に従い集団が慌ただしく設置されていたコンピュータを操作し始める。
リーダーの男は一人呟いた。

「これで世界は危機から脱した」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ