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転生したらスライムだった件 作者:伏瀬

色々番外編

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番外編 -未知への訪問- 17 破滅への扉

 十数機の戦艦が連なって、天空に威容を誇っている。
 その中の一つ、旗艦ローダラーンの艦橋にて。
 クリストフ大将は、その鋭い眼差しで六連暴爆帝ゼクスタイラントを観察していた。
 直径100キロにも及ぶ広大な範囲を、特異連環障壁エーテルリングバリアの虹色の膜が覆う。
 その内部では、この世で考え得る最大の暴威が荒れ狂っているはずだ。

 ギガトン級の熱核爆弾――それは、この地上に小型の太陽を生み出す殺戮兵器だ。
 それが六基、絶妙な配列で同時に爆発する。
 熱線と衝撃波は全て障壁に跳ね返され、中央へと押し寄せ、そして反発し――計測不能の破壊力を齎すのだ。

「生き残る者などおるまい――」

 思わず呟くクリストフ。
 新皇帝フュードラより与えられた任務は、レジスタンスの殲滅。
 ジギルが上手く誘導し、現存戦力の大半を集結させる事に成功した。
 警備網が手薄だとジギルに誘導され、哀れな獲物達はまんまと死地へと入った。
 第一次作戦は完了、これより第二次作戦に移行する。
 戦力の大半を失ったレジスタンスの隠れ家を襲撃し、実験素材として捕らえる予定なのだ。

「左様ですね。あの超兵器の実用を目の当たりに出来るとは、科学者冥利に尽きますわい」

 子供のようにはしゃぎながら、科学者達の長がクリストフに追随した。

 理論上では、この地上に置ける最大級のエネルギーが生じている。しかしそれは、虹色の皮膜にて完全に制御されていた。
 この、人類が生み出した英知の結晶。
 科学者達の興味は、特異連環障壁エーテルリングバリアの耐性に集約される。
 前大戦時、都市を完全に守りきった無敵の盾。
 それは今回も期待通りの働きをした。
 しかし特筆すべき点は別にある。
 都市のように電力を供給して障壁の維持を行うのではなく、熱をそのままエネルギーへと変換するその仕組み。
 超大型の核爆弾が生み出した天文学的熱量を、見事に特異連環障壁エーテルリングバリアの動力へと変換した、その理論と実践。四甲機将マシーナリーフォーのみが持つとされる、熱核反応を完全に制御する恒星機関スターシステムの雛形である。
 四甲機将マシーナリーフォーの高出力核融合炉は、この恒星機関スターシステムの完成版が搭載されている。たった三基のみしか現存しない、希少な完成版なのだった。
 アルムスバイン亡き今、それは不可侵のシステムとなっている。
 仕組みを理解出来る者は一人もいないのだ。
 故に科学者達は、天才科学者アルムスバインの遺産を目の当たりにして興奮を抑えられないのだろう。

 クリストフは特に感慨もなく頷くと、次なる命令を口にしようとした。
 しかしその時、クリストフの目が空間の歪を捕らえる。
 完全無欠のはずの特異連環障壁エーテルリングバリアに微細なヒビが走り、そこの極小の隙間から漏れ出たエネルギーが周囲へと影響を及ぼした結果であった。
 クリストフはそれを逸早く察知し――

「全艦対衝撃障壁展開!! 同時に、速やかに降下せよ!!」

 と、叫ぶように命令を発した。
 この地点から六連暴爆帝ゼクスタイラントの発動地点まで、最短でも20キロは離れている。しかし万が一にも特異連環障壁エーテルリングバリアが破れたならば、内部で超圧縮された破壊の力は、音よりも速くこの周辺一帯を焦土に変えるだろう。
 クリストフは自分の判断に従い、危険を避ける為に速やかな退避を選択したのである。


 鍛え上げられた精鋭であるクリストフの配下の将兵は、何の疑問も抱かずにその命令に従った。
 驚いたのは科学者達である。

「クリストフ様、一体何を?」

 興をそがれたのか、不満そうに問う科学師長。
 しかし、その問いにクリストフが答えるよりも早く――警報が響き、船外の障壁バリアに衝撃が走った。全艦緊急着陸していなければ、被害が出ていた可能性もあっただろう。
 続いて、天を圧するような轟音が鳴り響いた。
 それは振動となり、防音効果の高い船内からも確認出来る程であったのだ。

「な、何が起きた!?」
「まさか、核六基分のエネルギーに特異連環障壁エーテルリングバリアが耐えられなかったのか?」
「ギガトン級の直撃が限界か……」
「いや、メンテナンスも行えぬ機構だぞ? 不具合が生じたのやも知れぬな」

 科学者達も馬鹿ではない。
 直ぐに状況を理解し、口々に考察を述べ始めた。
 しかし、中には疑問を感じた者も居たようだ。

「しかし解せぬ。まだ熱量の大半は消費されていなかったはず。圧縮された内部と外部の圧力差を考慮すれば、この程度の衝撃では済まぬのではないか?」
「ふむ。それに、モニターを見てみるが良い。火球が確認されておらぬ。爆発は起きたが、思ったよりも小規模だぞ?」
「連鎖反応に失敗して、核融合が不完全だったのか?」
「いや、それはなかろう。反応物質の空中濃度を見よ、異常値を示してはおらぬであろう」
「左様。爆発は正常に起きた。しかし何らかの原因で、その大半のエネルギーが消失した、と見るべきかのう」

 艦橋の観測システムを睨み、口々に意見を戦わせる科学者達。
 クリストフはそんな彼等を一瞥し、重々しく口を開いた。

南部都市サウスシティの天頂閣が破壊された」
「何と!?」
「一体何が?」
「どうやら特異連環障壁エーテルリングバリアの一部のみが先に欠落したようで、そこから一気にエネルギーが迸り出たのだ。それがたまたま・・・・天頂閣を貫いたのだよ」

 クリストフは忌々しそうにそう説明した。

「馬鹿な――ッ!?」
「そんな偶然が……」
「イカン! あそこでは今、陛下がミッシェルの身体構造の解析を行っておられるのだぞ!?」

 科学師長の叫びに応じるように、クリストフは頷いた。

「うむ。幸いにもミッシェルの暴走に備えてアルヴィンもいるが、陛下が心配だ。俺は一旦戻る。貴様達はこのまま南下して、レジスタンスの生き残りがいないか確認せよ」
「ハハッ、了解しました!」
「大将、生き残りなんていないと思いますよ」

 クリストフも同意である。
 特異連環障壁エーテルリングバリアですら耐えられぬ暴威を前に、矮小なレジスタンスに抵抗など出来ようはずもないのだ。
 だが、思い込みは危険。
 クリストフは最後に釘を刺しておく事にした。

「ふむ。だが、油断はするな。殲滅完了の確認が終えたら、その後は予定通り第二次作戦に移行せよ。抜かるなよ?」
「「「了解!!」」」

 その返事を聞き満足そうに頷くと、クリストフは戦艦を出て飛翔を開始する。
 目指すは南部都市サウスシティ
 100キロに満たぬその距離を、クリストフは瞬き一つの間にけ抜けるのだった。


      ◆◆◆


「さて、ようやくオレの悲願が達成される時が来た」
「はい、フュードラ様」

 込み上げる歓喜。
 それを押し殺しつつ、フュードラはミッシェルの胸に触れる。
 その奥にある英知の結晶を求めて。


 フュードラは皇帝アルムスバインから帝位を簒奪し、最高権力を手中に収めた。
 そして今、長年の夢であった無限機関メビウスシステムの秘密に迫るべく、ミッシェルを手に入れて胸を高鳴らせていた。
 無限機関メビウスシステム――それは、天才科学者アルムスバインが生み出した夢のシステムだ。
 核とは異なる理論により、終わりなきサイクルで永久にエネルギーを生産し続ける。
 人類の夢、全てのエネルギー問題が解決するのだ。

「君の父上であるアル先輩は、優しすぎた。犠牲を恐れて、科学の進歩を妨げたんだ。若き頃のあの人の頭脳があれば、必ず成功したはずなのにね。結果を恐れて、無限機関メビウスシステムの完成を放棄したのさ。残念だったよ。後輩として、とても残念だった」

 誰に言うでもなく、一人饒舌に語り続けるフュードラ。
 ミッシェルは副官のジギルの変質に気付かずに、戦闘後のメンテナンスに入った。
 その際に脳の機能を保護状態に切り替えられて、自力では目覚める事の出来ぬ眠りへと誘われていたのだ。
 後は、その体内に隠されている無限機関メビウスシステムを調べるだけ――フュードラの思い描いた計画通りであった。
 アルムスバインが自ら改造手術を行った四名、最高の戦闘能力を持つ機械化人間サイボーグ――四甲機将マシーナリーフォー
 その内の三名は、核融合の完成形である恒星機関スターシステムが採用されていた。
 文字通り、体内に極小の恒星を秘めたる者達。
 たった一人で都市の全電力を賄う事も可能な、紛れもない超越存在だった。
 しかし、無限機関メビウスシステムは次元が違う。
 たった一人で、この星の全てのエネルギーを賄えるのだ。
 その完成を夢見て、フュードラはアルムスバインを全身全霊で支えてきた。
 しかし、その完成を目前にして、アルムスバインはこの研究の永久放棄を決断した。
 フュードラは納得出来なかった。
 このシステムが完成すれば、全人類が幸福に暮らせる世の中が実現する。それを思えば、諦める事など出来ようものではなかったのだ。

『先輩、何故ですか!?』
『危険だからだ。これは、人の手には過ぎたる力。まかり間違えば、この宇宙すらも崩壊せしめてしまうだろう……』

 納得は出来なかったが、アルムスバインの決意は固かった。フュードラは仕方なく、表面上は賛同する他なかったのだ。
 しかし、それも終わる。
 自ら開発した生体改造人間バイオノイド生体集積回路バイオコンピューターならば、量子コンピューターをも上回る演算能力が期待出来る。
 その演算能力とフュードラの頭脳を以ってすれば、天才を超える。無限機関メビウスシステムを完璧に解析し、完成に導く事が出来るはずなのだ。

「先輩……あの頃語り合った夢は、僕の手で完成させて見せますよ」

 フュードラはそう呟き、作業に着手する……。


 科学元老院の長老共の目を逸らす為に、六連暴爆帝ゼクスタイラントの使用に踏み切りもした。
 使えぬ兵器など、あって無きもの。
 データを収集する為にも、有効活用させてもらった。
 それに無限機関メビウスシステムが完成すれば、恒星機関スターシステムなど過去の遺物となる。
 フュードラはそう考え、惜しげもなく許可を出したのだ。
 これで邪魔が入らずに作業に集中出来る、そう考えたフュードラ。
 ミッシェルの胸に添えた手をそのまま沈めて、神経網に接続させていく。
 脳と繋がる演算素子に干渉、そして、秘められし扉に触れた。
 その先にあるのは、希望の光。
 そう信じて、フュードラはその扉を抉じ開ける……。


 或いは、少しタイミングがずれていたら、その事態は回避出来ていたかも知れない。
 状況が万全だったならば、もう少し対処のしようもあっただろう。
 だがしかし、最悪のタイミングで最悪の事態が起きた。
 悪魔が微笑むように、扉が開いたその瞬間にそれが起きたのだ。

「――むっ!?」

 その流れは一瞬だった。
 フュードラは、自分の危機本能が恐れを抱くような、超高密度のエネルギー反応を感知した。
 と同時に、万が一に備えて控えていたアルヴィンが動く。
 そしてフュードラとミッシェルの入ったカプセルを守るように、特異連環障壁エーテルリングバリアを展開させた。
 その直後、南部都市サウスシティで一番安全だと思われた天頂閣が瞬時に蒸発したのだ。

 フュードラ達は、危機一髪で死を免れた。
 しかし、直ぐにフュードラは顔を青褪めさせる事になる。

「まずい! 無限機関メビウスシステムが作動した――」

 それは停止していていて尚、余剰エネルギーだけで恒星機関スターシステムを凌ぐ。
 そんな無限機関メビウスシステムが、設備も何もない都市外部の更地にて、始動してしまったのだ。
 フュードラは慌てて、機関の停止を試みる。しかし、それは不可能だった。
 生み出されるエネルギーが膨大過ぎて、それが暴走しないように制御するので手一杯なのだ。

「まさか、これ程とは――ッ!?」

 冷静さをかなぐり捨て、生体改造人間バイオノイドとなった自身の全ての細胞を制御演算に回して、それでも尚、濁流のように生み出されるエネルギーを押し止めるは困難で――

「手伝え、アルヴィン!」
「御意」

 漏れ出るエネルギーを、アルヴィンの特異連環障壁エーテルリングバリアで中和させていく。
 しかしそれも一時凌ぎであった。

(――そうか、これが……。これが、無限機関メビウスシステムの正体か!? 先輩……やはり、アル先輩は天才ですよ!!)

 驚愕、感動、えも言われぬ歓喜。
 フュードラの科学者としての本能が、場違いにもそうした感情を齎している。
 そして同時に、恐怖する。

 ――まかり間違えば、この宇宙すらも崩壊せしめてしまうだろう――

 天才の言葉が脳裏を過ぎる。
 その言葉は真実だった。

(これは確かに、人の手に余る代物だ。これを先輩は……)

 こんな時だというのに、アルムスバインへの尊敬の念が湧いてくる。
 しかし今、その天才はもういない。
 フュードラは、自分が傲慢であったと理解した。
 そして後悔する。
 破滅への扉を、フュードラの手によって開いてしまったのだと……。


      ◆◆◆


 クリストフは現場に到着し、唖然とする。
 軌道エレベータによって支えられた上部構造部――天頂閣が吹き飛び、消え失せている。
 そして支えを失ったエレベータ部分は、重力に引かれるままに地上へと落下し、都市部に甚大なる被害を齎していた。
 都市の防衛機構によって守られた基幹部分は無事なので住民への被害は出ていないようだが、上部に集中していた各種施設は壊滅している様子。
 大戦直後を彷彿とさせる惨状であった。

「陛下は――」

 クリストフが反応を探ると、少し離れた地上部分にフュードラの識別信号を感知した。どうやら無事だったようで、クリストフは安堵する。
 しかし、それは長くは続かなかった。
 フュードラの下に向かおうとしたクリストフだったが、思わずその足を止める。クリストフのセンサーが、見慣れぬ巨大エネルギーの接近を告げていたのだ。
 意思を持つかのように、真っ直ぐにクリストフを目指すそのエネルギー反応。
 敵だ、とクリストフは直感した。
 そして――

「クアーーーッハッハッハ! 我、参上!!」
「アタシもいるよ!!」

 クリストフは遭遇した。
 想像も及ばぬような理不尽と。

「ネズミめが、何処から紛れこんだ?」

 怒りを滲ませて問うクリストフ。
 しかしヴェルドラは気にしない。

「ほう、貴様もそれなりに力を持っているようだな。だが、我には及ばぬ。邪魔をしなければ見逃してやる故、この場から去るが良かろう」

 尊大にそう言い放った。
 これにはクリストフも不快感を隠せない。
 生体改造人間バイオノイドとなった今も、クリストフ・・・・・の記憶と感情は有しているのだ。

「なるほど、身の程知らずな愚か者であったか。レジスタンス如きでは、俺を知らぬのも無理はない。冥土への土産に、俺の名を教えてやろう。俺は、クリストフ。貴様如きネズミでも、その名に聞き覚えがあるのではないか?」

 その名を耳にして絶望しない者などいない。クリストフはそう考え、自ら名を名乗った。
 今重要なのはフュードラの安否であり、無駄な戦いをしている時間が勿体無い。
 ネズミの始末など、何時でも出来るのだ。
 邪魔なネズミが逃げ出すなら見逃そうと思っていたクリストフだが、そんな考えはヴェルドラ達にとってはお笑いぐさだ。

「ラミリスよ、あんな事を言っておるぞ? クリストフ、か。聞き覚えがあるか?」
「うーん、あるようなないような? て言うか、この世界の有名人なんて、アタシが知る訳ないじゃん」
「そうよな。まあ、どうでもいい話であるな。クリストフとやら、我はヴェルドラである! 偉大なる"竜種"にして、大魔王リムルの盟友よ。我が身の程知らずかどうか、試してみるか? 脆弱なる貴様達に、少しは我の偉大さを伝えてやるぞ? クアーーーッハッハッハッ!!」

 クリストフに退く気がないと見て、ヴェルドラは軽く遊んでやる事にした。
 そしてクリストフも、目の前の愚か者に現実を教えてやろうと身構える。

「仕方なし。では、死ね!」

 バチン! と、空気が爆ぜた。
 クリストフが空気を圧縮させて、音速を超えて撃ち出したのだ。
 空気圧縮弾エアブラスト――機導術式マシーナリーアーツの奥義の一つである。
 撃ち出された空気弾は、ヴェルドラの顔面を捉えた。
 普通なら、頭が弾け飛ぶ。
 普通なら。
 しかし、ヴェルドラは普通ではない。
 ノーダメージ。
 その程度の攻撃では、痛くも痒くもないのだ。

「おいおい、そんな攻撃では我には無意味だぞ? 本気でくるが良い。そうすれば、少しはマシな戦いになるというものよ」

 腕を組み偉そうに、ヴェルドラは弟子を相手に教え導くようにそう言った。
 そしてラミリスも。

「諦めた方がいいよ? アンタ程度じゃ、話にならないワケ」

 ラミリスは、勝てると思った相手にはとことん強気である。
 クリストフの戦士としての誇りも、ラミリスには興味がない。
 ラミリスには悪気などなく、ナチュラルにクリストフを煽っている。
 これに激昂するクリストフ。

「生意気なネズミ共め。ヴェルドラに、ラミリスと言ったか……。確か、ジギルからの調書にあった名だな。ミッシェルと戦ったとかいう、レジスタンスの秘密兵器だったか。スマンな、ミッシェルが手加減したから勘違いしてしまったのだろう? 狭き世界で天狗になっている所を悪いのだが、この俺が現実を教えてやるとしよう」

 武人として、英雄として。
 クリストフはヴェルドラを敵として認めた。
 自分が本気を出すに値する敵、と。

「クハハハハ! 我に勝てる気か? 面白い!」
「あの子、諦める気はなさそうね。やっちゃえ、師匠!」

 ヴェルドラは笑って応じ、ラミリスは完全に他人任せだ。
 負けないとわかった以上、ラミリスに遠慮はない。
 そしてヴェルドラも、ラミリスに言われるまでもなかった。

「フッフッフ。思い出すな、ゼギオンと訓練した日々を。貴様も中々見所があるぞ。その体術、理に叶っておる。しかし、我には通用せぬよ」

 驚愕するクリストフに、ヴェルドラはどこまでも悠然と構えてそう言った。

「その大言は、地獄で後悔するがいい!!」

 その言葉を残し、クリストフは自身を光弾と変えて疾駆する。
 自信満々で棒立ちのヴェルドラ。
 その傲慢を撃ち砕く為に。

 残光は虚体となり、敵対者の視覚を狂わせる。
 エネルギーを残留させる事で、熱センサーも無効化させて。
 音よりも速く移動する為、音波測定など通用しない。

 必殺の攻撃は、神速の一撃より生まれるのだ。

最大衝撃拳マキシマムインパクトッ!!」

 変幻自在にして自己再生能力も備えた生体改造人間バイオノイドの身体に、この世に三基しかない最高の恒星機関スターシステムを組み込み、そして武人としての極みにある男。
 それこそが、四甲機将マシーナリーフォー最強のクリストフ大将なのだ。
 戦場で無敗を誇るその拳が今、ヴェルドラに突き刺さり――

 ――そして。
 その全ての運動エネルギーが、突き出した拳に跳ね返る。
 結果。
 クリストフの右腕は、肩の付け根から吹き飛んだ。

「――何ッ!?」

 思わず後ずさり、ヴェルドラから距離を取るクリストフ。
 そんなクリストフに、ラミリスとヴェルドラの会話が届いた。

「やっぱりね! 師匠、思った通りだね。コイツも、ザザやカルマンとそんなにエネルギー量に違いがないみたい。あのミッシェルという女が特別だったんだよ!」
「そうだな。我々の『解析鑑定』でも見通せなかったが、コヤツのエネルギーの流れは簡単に読み取れる。やはり、あのミッシェルとやらに協力してもらうのが良さそうである」
「うんうん。そうしたらさ、ベレッタにそのエンジンも搭載したいよね!」
「はあ? お前は一体、ベレッタを何処に向かわせたいのだ?」
「いいじゃん! そしたらベレッタも、凄いパワーアップ出来そうじゃんよ!」

 クリストフという敵を前に、二人の会話には気負いすらなかった。

(ふざけるなよ、この俺が眼中にないとでも言うのか!?)

 脳が灼熱するような、心の奥底から湧き出るような怒り。
 生体改造人間バイオノイドとして生まれ変わってからは、これ程までに感情が揺れ動く事などなかった。
 どんな状況でも冷静に、フュードラの駒として動く為にのみ存在する――それが自分なのだと、クリストフは漠然と思い込んでいたのだ。
 だが、それはどうやら間違いであったようだ。

(俺は、戦士としての俺は死んではいなかったのか……)

 英雄と持て囃されて、嬉しいと感じた事などなかった。
 ただ、親友だったアルムスバインの期待に応えたい、それだけがクリストフの願いだったのだ。
 それを今、思い出した。
 クリストフは吹き飛んだ自分の腕を見て、再びヴェルドラに視線を戻す。
 その心は既に、波一つ立たぬように落ち着いている。

「何をした!? 俺の拳は、確かに貴様を捉えていた。拳には特異連環障壁エーテルリングバリアを纏わせていたのだぞ?」

 ゆっくりとそう問いながら、クリストフは右腕の再生を試みる。
 新しい生体改造人間バイオノイドとしての身体は、クリストフの意を汲みその性能を遺憾なく発揮する。
 瞬く間に、右腕の再生が完了した。

「――それに、貴様の事を見縊っていたようだな。非礼を謝罪するよ。どのような強度の物質であれ、砕けぬハズがないと思い込んでいたようだ。機体性能に頼ったのではなく、技術の一種だろう?」

 怒りを飲み込み、ヴェルドラを強者と認めるクリストフ。
 あらゆる物質を砕ける拳が防がれた――ならば答えは、ヴェルドラが機導術式マシーナリーアーツにはない技術を習得した達人である、とクリストフは判断した。
 その答えを確かめるべく、ヴェルドラが何をしたのか、会話しつつヒントを引き出そうとしたのである。

 最強の攻撃は、究極の防御の上に成り立つ。
 基本に忠実に、クリストフは万全を期して攻撃したのだ。それなのに、その結果が自身の右腕の消失である。
 クリストフが驚愕するのも無理のない話であった。
 だが、クリストフは勝利を諦めない。
 会話しつつ隙を窺い、恒星機関スターシステムを最大出力で運転させていく。

「ほう、わかるか? それはな、"柔よく剛を制す"である! 簡単に言えば、格闘術の極意だな」

 自慢気に答えるヴェルドラ。
 なのに、その言葉は出鱈目だ。
 クリストフの攻撃が通用しなかったのは、ヴェルドラが精神生命体だからである。
 単純にネルギー密度の関係で、クリストフの放った衝撃が押し戻されただけの話。
 ヴェルドラは防御すら行っていないのだ。
 "柔よく剛を制す"などと、とんでもない。
 寧ろこの場合は、"剛には柔が通じず"なのだった。
 この世界最強の男、クリストフ。
 彼の敗因は、常識すらも通じぬ異世界からの来訪者を相手にしてしまった点にある。
 クリストフでは、最初から勝てる道理のない相手だったのだ。

 しかし、クリストフは現実を受け入れられない。
 常識が邪魔をして、その可能性を思い浮かべる事が出来ない。
 ヴェルドラが一切の防御を行ってすらいなかった、などと……。
 この世界で、最強の存在として君臨してきたクリストフ。
 だからこそ、自分の理解出来ないレベルの存在がいるなどと、理解する事が出来なかった。
 否。
 本能では理解したのかも知れない。しかし、それを認める事が出来なかったのだ。
 何故ならばクリストフこそが、天才アルムスバインの最高傑作なのだから。
 だからクリストフは、あくまでも自分の常識で判断した。
 そして、ヴェルドラに再び挑みかかる。

「戯言を! その程度の技術で、この俺に勝ったと思わぬ事だ!」

 クリストフは、己の最強の名に賭けて叫んだ。
 だが、その想いは届かなかった。

「ドラゴン、パーーーーンチ!!」

 ちょっと威力を落としてみました的に勢いを弱めて、ヴェルドラの拳がクリストフを穿つ。
 その拳の前には、最強クリストフの特異連環障壁エーテルリングバリアも意味がない。
 瞬時に砕かれ、そしてその衝撃でクリストフの全身が麻痺した。
 高まっていたエネルギーも、行き場を失い霧散する。

「ば、馬鹿な……」

 敗北を認めず、戦士として最後まで戦うつもりだったクリストフ。
 だがそれは、非常にタイミングが悪かった。
 ヴェルドラは既に、クリストフへの興味をなくしていたのだ。
 何故なら今まさに、フュードラが扉を開いてしまっていたからだ。
 ――破滅への扉を。
 ヴェルドラは、それを本能で察知した。
 ミッシェルのエネルギーが急速に増加した事で、なんとなく嫌な予感がしたからだ。
 その結果、遊んでいる場合ではない緊急事態だと、ヴェルドラをして危機感を抱いたのである。

「悪いな。どうやらミッシェルに異常が起きたようでな、貴様と遊ぶ時間がなくなった。もっと遊んでやろうと思ったのだが、次の機会にしよう。それまで、もう少し腕を磨くと良いぞ!」

 そう言って高笑いを残し、ヴェルドラとラミリスはその場を去ったのだった。
 残されたクリストフは――

「ク、ククク、まさかな。まさか本当に、この俺に興味がなかったとは……。それにしても、なんという強さよ……。あれは人なのか? いや、それよりも……俺は…………」

 迷い、悩み、そして考える。
 そんな自分に戸惑い、クリストフは立ち上がれない。
 ヴェルドラからの強烈な一撃で、本能に刷り込まれていたフュードラからの絶対支配は解けていた。
 クリストフがそれに気付くには、もう少し時間が必要だった……。


      ◆◆◆


 ヴェルドラはひとっ飛びでミッシェルのいる場所までやって来た。
 緊急事態なので自重なし。
 迷わずに『瞬間移動』を行っている。
 そこで目にしたのは、見なければ良かったと思える光景だった。

「……師匠。あれ、ヤバくない?」
「言うな、ラミリス。もう我にも手が施せぬ。見なかった事にして、さっさと引き上げるとしようではないか」
「でもさ、そうするとザザやシャルマやリンドウ、子供達やカルマンとか、こっちで出会った皆を見捨てる事になるじゃん? アタシ達はなんとでもなるけど、あの子達を見捨てるのは嫌なんですけど?」
「う、む。そうよな……。しかし、これは何ともならんぞ……」
「師匠でも無理なワケ?」
「無理だな。何しろ――」

 何しろ、そこに広がる光景はこの世の崩壊を告げるに相応しいものだったのだから。
 アルヴィンが死に物狂いでミッシェルから漏れ出るエネルギーを中和し、フュードラが目を血走らせて迸るエネルギーを制御している。
 ヴェルドラ達の出現に気付くでもなく、自分達の作業に熱中しているのだ。
 ヴェルドラは一目見て、彼等が行っている作業の内容を理解した。
 ベレッタよりも多いと読み取ったミッシェルのエネルギー量だったが、それが全力で解放されようとしているのだ、と。
 だがそれよりも厄介なのは――

(これ程とはな。我でも読み取れなかった動力炉だが、他の者達とは原理からして違うのか。これは、太陽ではない。太陽の寿命が尽きた後の、超新星――いや、重力渦コラプサーか? 放出されるエネルギーは膨大、そして厄介なのは周囲の物質を吸収するその速度だな……)

 ――これは不味い、とヴェルドラは思った。
 漏れ出るエネルギーを無効化させる事は不可能ではないが、吸い込む力を止める事が難しい。
 重力渦コラプサーが満足するまで満たしてやれば、飽和して状態が安定するだろう。しかしそれは、重力渦コラプサーが一つだけだったならば、の話なのだ。
 ヴェルドラの目には、急速に規模を増大させる二つの重力渦コラプサーが視えていた。
 片方が吸い込んだ物質を、片方が純粋なエネルギーとして放出している。
 それはつまり、満たされる事のない『胃袋』を持つ、貪欲なる暴食之王(ベルゼビュート)の如き姿であった……。

「――リムルの力みたいだから?」
「その通りよ」

 ラミリスも答えに辿り着き、ヴェルドラも正解だと頷いた。

「どうするのさ? このままじゃ、皆も……」

 ラミリスの呟きに、ヴェルドラも即座に答えが出ない。
 ヴェルドラが本気で中和しようとすれば、かなりの時を稼げるだろう。
 しかし、その他の手段――例えば結界による『隔離』などでは、この規模のエネルギーを抑え込む事は困難だった。
 いずれ喰い破られ、世界は破滅を迎える事になる。
 何しろ、桁が違う。
 今はいいが、このまま放置すればこの宇宙をも飲み込む程なのだ。

「しょうがないな……。気は進まぬが、我が気合で抑え込むとしよう」
「大丈夫なの師匠?」
「やるしかあるまい」

 ここで放置する、という選択肢はない。
 口では逃げるだなんだと言っていたが、本当にその気ならばとっくに実行に移している。
 それをしないのは、ヴェルドラとてこの世界の崩壊を望んではいないからだった。
 ヴェルドラは、この過酷な世界で懸命に生きる者達を気に入っていた。
 生意気なザザや、ふてぶてしいカルマン。
 クソ真面目なリンドウに、意外にしたたかなシャルマ。
 そして、どんな状況でも絶望しない子供達。
 愛すべき人間達を、ヴェルドラは決して見捨てない。
 偶然知り合っただけの縁でしかないが、そこには何らかの意味があるはずだった。
 袖振り合うも多生の縁――ヴェルドラにとって、偶然と必然に違いなどないのだ。

 やるからには成功させる。
 失敗など、ヴェルドラの誇りが許さない。
 だからヴェルドラは、不本意ながら使えるものはなんでも利用する事にした。

「我が抑え込んでいる間に上手く中和に成功すれば、状態は安定する。聞いておるか、人間共。本当に気は進まぬが、この我が協力してやろうぞ。速やかに完全なる調律を行い、二重螺旋メビウスの大きさを同一とせよ!!」

 ミッシェルの改造を行ったと思わしき人間達、フュードラとアルヴィンにも協力を要請したのである。
 人間に協力を求めるなど、"竜種"にとっては屈辱ものだ。
 ヴェルドラの姉達ならば、柳眉を逆立てて激怒するだろう。
 だがヴェルドラは、その辺はかなり柔軟な思考の持ち主だった。
 速やかにミッシェルに向けて自分の妖気オーラを放出しつつ、呆然と立ち尽くしているフュードラ達を叱咤したのである。

「し、しかし。ミッシェルは、アル先輩でさえ制御不能と諦めた――」
「黙れ! 我が協力しておるのだ、つべこべ言わずにさっさと作業に取り掛かるが良い!! いいか、同じ人間同士だぞ? そこに優劣はあれど、越えられぬ壁とまでは言えぬであろうよ」

 ヴェルドラらしく、無茶ぶりである。
 だが、そんな無茶苦茶な精神論だったのに、心を揺り動かされた者がいた。

「やりましょうフュードラ様。ここで諦めたら、僕達の行動は全て無意味になる。ミッシェルを、妹を救いましょう」
「アルヴィン……貴様……」
「迷っている場合ではない。この暴走を止められなければ、どっち道貴方の野望も潰えるのです」
「――まさか……意識が戻ったのか!?」
「戻ったというより、最初から。演技ですよ、演技。こんな事もあろうかと、僕は"脳"のダミーを用意しておいたのです。もっとも、フュードラ様は僕達を殺す気などなかったのでしょう? あの生体改造人間バイオノイドは、僕の偽脳ダミーを破壊しなかった」
「チッ、オレを謀ったか。流石は先輩の息子、思っていたより頭が切れる……」
「買いかぶりです」
「何故オレに従うフリをした?」
「フュードラ様の考えに賛同したからですよ。もっとも、無限機関メビウスシステムがこんな危険な代物だと知っていれば、最初から反対したでしょうけど」
「何を勘違いしているか知らんが、オレは自分の野望を――」
「今頃は、ジギルやクリストフさんも意識が戻っているんじゃないですか? 初めから、そういう計画だったのでしょう? 悪役を買って出て僕達に倒される予定だった、違いますか?」
「何を馬鹿な――」
「後々障害となりそうな裏事情を知る者を排除する辺り、徹底し過ぎだとは思いましたがね。まあ、今はそんな事はどうでもいい。さっさとミッシェルを救いましょう!」

 話は終わりだと、アルヴィンはミッシェルの無限機関メビウスシステムへと干渉を試みる。
 フュードラもまた、不本意だと思いつつも優先順位を間違いはしない。
 ここで無限機関メビウスシステムの制御に失敗すれば、本当に全ては無になってしまうのだ。
 それを忘れて言い争っている時間などないのである。

「うむ、速やかに行うのだ。さもないと、我も魔素エネルギー量も尽きてしまうやも知れぬ」

 いつになく真面目にヴェルドラが言う。
 実際、洩れ出るエネルギーの無効化だけなら簡単なのだが、吸収し続けるもう片方が厄介だった。
 下手にエネルギーを与えれば、絶対値が増大して放出されるエネルギーも増大してしまう。
 それにつられるように、吸収力も増してしまうのだ。
 そして厄介なのが、放出されるエネルギーの質に法則性がない点である。

「ちょっと師匠、これを計算するのは根本的に不可能なんじゃ!?」

 ヴェルドラに協力していたラミリスが泣き言を言った。
 それもそのハズで、ミッシェルから放出されるエネルギーは常にその状態を変化させ続けていたのである。
 そう、まるで異なる次元から、違う種類のエネルギーを引っ張りだしているかの如く……。

「うむ。そうでなければ、とっくに回路を繋いで循環するように仕向けておるわ!」

 ヴェルドラも、泣きたい気持ちでラミリスに答えた。
 ヴェルドラの究極能力アルティメットスキル混沌之王ナイアルラトホテップ』によって『真理之究明』を行っても、常に変化し続けるエネルギーでは法則を読み取れなかった。その結果、洩れ出るエネルギーを読み取り、無害化させるという消極的な策しか取れないのである。
 更にもう片方の吸収を、自分の妖気オーラで抑え込まなければならない。この作戦は、ヴェルドラにとっても難易度の高い、終わりの見えぬ過酷なものでだったのである。

 そして、ジリジリと時間が経過する。
 終わりは見えない。
 円周率の終わりが見えぬように、素数が無限に広がるように。
 在るようで、無い。
 無いようで、それは確かに在る。
 人智の及ばぬ、目に見えぬ法則で支配されたそれ。
 量子コンピュータを上回る演算能力があろうとも、その命題に答えは見出せない。
 それを今直ぐこの場で解き明かせと言われても、不可能だと答えるしかないのが真理であった。
 だが、誰も諦めようとはしなかった。
 天頂閣が消し飛び大騒ぎする都市の指導部へと指示を出しつつ、アルヴィンが情報を整理する。
 その整理された情報を読み解き、在るか無いかも不明な法則を見出そうとフュードラがその頭脳をフル回転させる。
 ヴェルドラとラミリスは、そんな彼等に影響が及ばぬように、必死にミッシェルの状態を現状のまま維持していた。
 しかし、少しずつ天秤が傾き、暗黒球が大きく成長し始めている。
 誰の目にも、限界が近い事が明らかだった。

 そして、またも調律に失敗し、大きくエネルギーバランスが崩れた。
 ヴェルドラが慌てて調整し暴発は防いだものの、そのサイズは既に誰にでも視認出来る程だ。
 マイクロブラックホールと呼ぶには成長し過ぎており、それが次に解き放たれた場合、ヴェルドラをしても抑え込むのは困難となるだろう。

「不味い……。ここまで来ると、我でもヤバイかも知れぬ……」

 と、思わず漏らすヴェルドラ。
 だが、誰も文句を言う者はいない。
 何故なら、既にフュードラ達でさえも、ヴェルドラの異常性に気付いていたからだ。
 既に何度か暴発した無限機関メビウスシステムを、力ずくで制御しているのがヴェルドラなのだから。
 ヴェルドラがいなければ、この世界はとっくに滅んでいたのである。
 皆が最善を尽くそうにも、時間的猶予が少なすぎた。
 諦念と絶望がその場を満たそうとした、その時。

 スパーーーン!!

 という小気味良い音が、ヴェルドラの頭から響いた。
 そして――

「おいおい、これは一体どういう事だ!? お前ね、何で俺が留守をしていた一週間ちょっとの間で、世界を一つ滅ぼしそうになっているんだよ!!」

 という、かなり立腹した調子の声がした。
 そこに浮かぶのは、ハリセンが生えた謎のスライム。
 いや、その正体は――
 ヴェルドラ達を連れ戻しに、大魔王リムルがやって来たのだった。
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