月と太陽、決して交わることのない二人(29/30)縦書き表示RDF


月と太陽、決して交わることのない二人
作:沙和子



最終話 最高のプロポーズ。数ヵ月後の天からの贈り物


「新一」


蘭の手料理を食べていた2人にとって、レストランの食事はたいして美味しく感じなかった。


「何?」


「お前、これからどう考えているんだ?」

「え?」

「蘭君と過ごして、のちに赤ちゃんを授かるだろう。生活費だよ」


優作は新一の痛いところをついたらしく、新一は頭を抱えた。


「働く。探偵としてな」

「そうか…何かあったらなんでも言いなさい。出来るだけ手を貸そう」

「サンキュ」


久し振りの親子の会話に和みながら、優作と新一は今後の事について話し合った。








そして。








「え? 展望レストラン? うん、分かった」

電話で蘭は新一に呼び出されていた。
小五郎は眉を顰めたが、行って来いと頷いた。
英理は、蘭に羽織り物をかけた。

「風邪、引いちゃ駄目よ」

「うん。ありがとう!」


蘭はお礼を言うと、期待に胸を膨らませながらオシャレして出かけた。
と同時に、別れ話かと不安も覚えた。



「あ、蘭ー!」

「新一!」


新一の明るい声で、蘭の不安は吹っ飛んでしまった。


新一は、席に蘭を案内した。
どうやら決まっているようだ。

注文を取りに来たウェイトレスは、笑いながら去っていく。


「ねぇ、何で笑ってたの?」

「…あのな、蘭」

「ん? なあに?」

蘭は新一の顔を覗き込むようにする。





「俺と…結婚してくれ!!」








大声で叫んだ新一は、蘭の手を掴みながら蘭の瞳をじっと見つめる。



「…うん!」


こうなる予感が、心のどこかであった気がする。
新一の大声のプロポーズ。
普段は凄く恥ずかしいけれど、今はすっごく嬉しいよ。




蘭は涙をぽろぽろと零しながらも、しっかりと新一に抱きついた。


周りのウェイトレスや、お客は盛大な拍手で祝う。








そうして2人は早くも高校で結婚式を挙げた。
まもなくだった。

蘭のおなかに新しい命が宿るのは。






ねぇ、新一。
私、今、すごく幸せだよ―――――…




























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