FILE:23 条件 1
新一の発言に、小五郎は顔色一つ変えずに、コーヒーを口に運んだ。
「新一、今、なんつった?」
小五郎は、コーヒーカップをテーブルに置いた。
そして新一は、唇をぎゅっと噛み締めると、もう一度深呼吸をし、強い口調で叫んだ。
「蘭さんとの…結婚の承諾をしてもらうためですよ」
「ふざけんなぁ!」
コーヒーカップが、ガチャンと音を立てて、割れた。
残り半分くらいのコーヒーが、テーブルクロスと床にこぼれ、染み付く。
「結婚だと!? ふざけんな! 俺は認めねぇ!」
「貴方、別れた元夫が言う立場かしら? 時と場を考えなさいよ」
英理は全く動揺せずに、寧ろこうなることが分かっていたかのように、冷たく言い放った。
「小五郎さん、私が口を出すのも何ですが…新一がおきに召さないんですか?」
優作は、新一の肩に手を置き、話し始めた。
「新一は、本気です。蘭以外、目を向けようとしません。蘭は金の卵、という表現が合っているでしよう。新一にはもったいないと思います。ですが、17歳の初恋、認めてやって下さいませんか?」
優作に言われ、小五郎は少し迷うな表情をした。
「私にとって、も…初恋だよ…? 新一以外、考えられないよ…お父さん…! 分かって…?」
蘭は仕舞いには泣き出してしまい、英理は蘭を支えるように抱きしめた。
蘭の涙に弱い小五郎は、ふうっと溜息を漏らすと、口を開いた。
「蘭も…そんな奴と巡り会ったのか。そうかそうか…。大事な大事な娘の蘭の願い、聞いてやろうか」
「「本当ですか!?」」
「「本当!?」」
新一と優作の声が重なり、英理と蘭の声が重なった。
「ただし! 条件がある」
小五郎はライターで煙草に火をつけると、驚きの条件を出した。
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