月と太陽、決して交わることのない二人(22/30)縦書き表示RDF


月と太陽、決して交わることのない二人
作:沙和子



FILE:21 小五郎現る


「貴方にそんなこと言う権利はないわ! 貴方はもう蘭とは関係ないのよ!! 私ともね!!」

「ふざけるな!! 蘭は俺の娘だ!! 今まで黙ってたが、蘭を返してもらう! 俺は蘭と一緒に暮らす、お前は下がれ!!」

「貴方、自分が何を言ってるか分かってるの!? 蘭には兄妹がいるのよ!? それに蘭の恋してる人は連れ子の新一なのよ!? 貴方には一切関係ないわ!!」

「んだとぉ!?」


早朝4時。

英理のけたたましい怒鳴り声が工藤邸を騒がせた。
英理を熱くさせているのは元夫、小五郎。

先日街で偶然会い、電話をして来たのだった。
“蘭の隣にいる男は彼氏か!? あいつは工藤新一だぞ!?”と。

小五郎は二人が付き合っていることと、再婚した優作の連れ子と聞くと、4時から、蘭を返してもらうと電話をして来たのだった。


その怒鳴り声は凄くて凄くて。



新一と蘭と優作は目が覚めてしまい、事情が飲み込めると最悪な雰囲気で食卓についた。



3人の表情は複雑で、暗かった。

長い沈黙を経て、蘭が口を開こうかとした時、英理がリビングへ来た。


「…いたのね…」

「ごめんなさ…聞くつもりはなかったんだけど……」

「いいのよ、蘭。あのね、小五郎が蘭を返してくれって」

途端に蘭の目が大きく見開かれた。
優作は俯いたまま、新一は蘭の手を握り締めたまま、悔しそうな表情をしていた。


「どういうこと…?」

「母さん、俺、蘭が好きなんです」

新一は俯いたまま、呟いた。
蘭は新一の手を握り返した。
英理と優作は顔を見合わせた。

「気づいてたわよ。ねぇ?」

「あぁ。新一、蘭を守る自信は…小五郎君を納得させれる自信はあるのか?」

優作は険しい表情をしながら尋ねた。

「…100%じゃない…けど! ぜってー諦めねぇって誓ったんだよ! おっちゃんは何とかする! 父さん、母さん、蘭、協力してくれ!!」

新一は蘭の手を放すと、床にひざまずき、土下座どげざをした。
蘭は新一を申し訳なさそうに見つめていた。












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