FILE:17 蘭VS志保
新一の視線の先には―――美しい女性が1人。
赤みがかかった茶髪。
「宮野! お前どーして……」
どうやら二人は知り合いのようだ。
それもただの知り合いではないような気がする。
蘭は直感的に思った。
新一は蘭を置いて彼女の元へ駆け寄った。
何で?
告白したんだよね、新一。
その答え、まだ聞いてないよね?
聞きたいよね?
私の答え。
何で置いていくのよ。
新一は私より宮野って人の方が大事なワケ?
そりゃ、美人だし、スタイルいいし…。
私なんかより新一と前から知り合いみたいだし。
蘭は込み上げる怒りを必死で堪えた。
駄目駄目、ここで拗ねてもあの人の思うツボよ。
此処は我慢よ!
根性よ蘭!!
蘭は必死に自分に言い聞かせた。
二人の会話は時折風に乗って聞こえてくる。
「あの人は?」
「あぁ、親父が再婚した新しい母さんの連子。蘭っていうんだ」
新一がどうやら蘭を紹介しているらしい。
勝手に紹介しないでよ。
宮野さん、絶対絶対新一の事好きよね。
時折私を睨みつけるようなあの視線。
間違いないわ。
蘭は確信を持つと、余裕を持ちながら新一の傍に駆け寄った。
「初めまして! 工藤蘭です」
「こんにちは、宮野志保よ。志保って呼んでくれる?」
ライバルに呼び捨てなんていい度胸じゃない…。
蘭は志保に敵心を抱いていた。
「ええ勿論。私も蘭って呼んでくださいね」
蘭はにっこり営業スマイルじゃないが『ライバルに余裕のスマイル』を浮かべた。
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