FILE:12 枯れ行く涙?枯れない涙?
「そう…か…?」
新一はゆっくり蘭から視線を外す。
「うん…いい…よ…絶…対………」
心なしか蘭の声が震えているように感じた新一は蘭に視線を戻した。
肩を小刻みに震わしながらすすり泣く蘭、蘭、蘭。
「どうした!? 蘭!?」
新一は我を忘れ、無我夢中で蘭に駆け寄り、目を覆っている両手をどけ、手を強く握った。
目は真っ赤になっていて、はれている。
「何でもないの…ね…?? お休み、新一……っ!!」
蘭は手を振り払うと勢いよくドアを閉め、部屋に行ってしまった。
取り残された新一はなぜ蘭が泣いたのか?
その理由を考える気力さえ失うほど、蘭を心配していた。
部屋に逃げ帰り、ベットに倒れこんだ蘭は流れ出る涙を必死で堪えた。
堪えないと枯れそうなんだもん。
涙が。
涙ってモノは枯れ行くことないと思ってた。
ずっと涙ってあると思ってた。
だけど、もしかしたら枯れちゃうのかもしれない。
だけど涙が枯れる時は、枯れるか枯れないか信じられなかった時、その人の涙が枯れるのかもしれない。
信じきれなかったら枯れちゃうかもしれないよ?
永遠に出なくなっちゃうかもしれない。
それって楽かもしれない。
涙という厄介な代物が出ないんだもん。
だけど、感情が表せなくなる。
哀しいとき、辛いとき、嬉しいとき。
涙が枯れたら感情が表せないんだ。
だから涙は枯れちゃ駄目。
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