FILE:11 妹(らん)の幸せ
「蘭!!」
新一はいきなり蘭を呼び捨てにしたかと思うと、目を輝かせた。
「しん…」
「そうだ! 別に恥ずかしがらなくてもよくね!? だって兄妹だろ!?」
笑いを取るために言ったのか、本気で言ったのか。
蘭は突然のことについていけない、と思いながらも少々オーバーな発言をした。
「だよねー!!! 新一!!」
「あぁ! 蘭蘭蘭蘭蘭!!!」
「新一新一新一新一新一!!!」
互いの名前を連発し、二人はプッと吹いた。
「もう大丈夫だな!」
「だね!!」
蘭の笑顔に新一は少しドキッとしながらも頷いた。
そして新一は気になっていたことを告げた。
「蘭ってさ、付き合ってたりした奴いるの? 結構美人だし」
結構じゃなく【かなり】の間違いだが。
恋の質問に蘭は全く動じなかった。
「ううん。付き合った人はいないよ。告白とかは何回もされたけど。好きな人はいるけどね」
それは新一だよ。
そういいたいのを必死で堪えた。
「誰?」
「秘密」
だってずっと新一のこといいなって思ってたから。
それは恥ずかしくて言えないけれど。
蘭は思った。
そりゃーそーだろーなー。
と新一は思った。
大体、蘭を見てフリー男が告らないかっつーの!!
自分で突っ込み、新一は口を開いた。
「そうか」
「そーゆー新一は?」
突然の蘭の質問に新一は驚いた。
「付き合った人とかいるんじゃない? カッコイイじゃん」
面と向かって意識し始めた蘭にいわれ、新一は正直に言った。
「いねーよ。つい最近意識し始めた奴はいるけど」
それは蘭。
言いたいけど言えないんだ。
「そっかー幸せものだね! 新一に好きになられたヒトは」
それはお前、それはお前、それはお前、それはお前。
そう言いたい。
けど言えない。
兄妹だろ?
俺とお前は。
血は繋がって無くても。
兄妹だろ?
いつか諦めきれる。
妹の幸せをちゃんと願ってやれるよ。
いつかきっと――――。
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