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正妃になりたいわけじゃないっ!! 作者:ぺぺ
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大急ぎで更新したため、推敲しておりません(汗)誤字脱字のご迷惑をお掛けします(;´Д`A
そして、ご報告を頂けると有難いです☆テヘ

今回、後半にお食事中の方には向かない表現がなされます。また、そのような表現が苦手な方はご遠慮下さい(汗)その点の苦情は受け兼ねますのでご了承下さいね。

ちなみに前回、ヤヤの救済を望まれた方…、すいません。今回、ヤヤの救済はございませんorz
反乱の処理に追われ、一ヶ月して漸く、ヴァンディットは対の間に迎えたヤヤとの時間を取ることができた。

ヤヤは知らないが、ヴァンディットはこの一ヶ月、ヤヤの寝顔を毎日にのように見てはいたが、朝から早くから夜遅くまで執務が忙しく、ヤヤの起きている時間に会うことは叶わなかった。

血に酔うことがなければ理性的なヴァンディットだったが、何故か一日に一度はあの顔を見なけれは気がすまず、本人の了承も得ずに部屋に忍び込んでは、その寝顔を見ながら自分の不可解な気持ちに向き合う羽目になるのだった。
いっそ起こしてしまおうかと何度も思ったが、反乱の処理に目処さえつけばいくらでもと、己を律し、ヤヤの頬をそっと撫でては自分の部屋に帰るのが常だった。

そうして迎えた今日。昼食の誘いを先触れしたヴァンディットは、午前中の執務を終えると、足早に対の間へと向かった。

伴ってきていたセリウスが対の間をノックすれば、慌てたように出てくる侍女の姿に、ヴァンディットとセリウスは違和感を覚えた。

「へ、陛下に置かれましては、ご機嫌麗しく…」

型どおりのお辞儀をする侍女を尻目に、ヴァンディットは室内へと歩を進める。そして目にした一ヶ月ぶりの起きたヤヤを目にして眉を顰めた。

「…陛下?」

ぽつりと呟かれたヤヤの言葉が、ヴァンディットを不愉快にする。

それに対して、ちょこんとソファーに腰掛け、ボーッと外を眺めていたヤヤは、突然のヴァンディットの訪問に心底驚いていた。

(覚えてたのね…)

一ヶ月も音沙汰なしで、いつになったら後宮に帰れるのかと指折り数えていただけに、この訪問はヤヤにとって嬉しくないものだった。

「何をしている…」

しかも、絞り出すように出されたヴァンディットの声に、機嫌が悪いことを察して、八つ当たりでもされるのかしらと、内心溜息を吐いた。

そんな状態のヤヤはぽかんと口を開けたまま、ヴァンディットを見返しており、服装も皇帝に食事に誘われて待っていたとは思えない、普段通りの簡素なドレス。

「見苦しい姿でお出迎えもせず、申し訳ありません」

ハッと気づいたように立ち上がり、頭を下げたヤヤを、ヴァンディットは目を細めて見下ろすと、さっと侍女たちに目を走らせた。

侍女たちは困惑した表情を浮かべながら、ヤヤを取り囲むと、口々にギリギリヴァンディットたちの耳に入る大きさで話始めた。

「ヤヤ様、いつまでもまだ間に合うと、お着替えをなさらないからこのようなことになるのですよ?」

「そのような御姿ではお恥ずかしいでしょう。さぁ、お着替えをお手伝いいたしますから」

「これ以上陛下を待たせてはいけませんわ。急いでお支度をいたしましょう」

侍女たちの言動で一言もヴァンディットの訪れを耳にしてはいないヤヤは、目を白黒させながら謀られたことを悟った。
だからといって、どうすることもできずに、ヴァンディットとセリウスに視線を向ければ、厳しく冷たい視線とかち合う。
ヤヤはキリリと痛む腹に手をそっと当て、溜息を押し殺すことに専念した。

(これで早くもとの部屋に戻れるかしら?)

謀られた失態ではあるが、正式に婚姻の儀をしていない以上、後宮に戻される可能性に繋がると考えたヤヤは、痛む腹を押さえつつも少しだけ希望を抱く。
その少しの希望は、あれよあれよという間に着替えさせられ、ヴァンディットの前に連れて行かれる頃には、今の現状からしてヴァンディットが今すぐにでも後宮に戻れと言ってくれるのではないかと、ワクワクしながら安直な思考を展開させるまでに至っていた。

「お待たせして、申し訳ありませんでした」

期待に胸を膨らませつつも、詫びを入れ、ヴァンディットの前に立ったヤヤだったが、一ヶ月前にヴァンディットに言われていたことをすっかり忘れており、そんなヤヤにヴァンディットが不快そうに顔を歪めた。

突然グッと顎を掴まれる感触にヤヤが視線を上げると、目の前に現れる榛色。

「目を見ろと言わなかったか?」

低い声がヤヤの耳を打ち、その肩がピクリと震える。

「陛下…」

暗く揺らめく榛色に、ヤヤは背筋が寒くなる思いがした。

(怖っ!!)

他にかける言葉も見当たらず、皇帝と無言で見つめ合うシュールさは、ヤヤには馴染みがなく、いたたまれなくなる。
だからといって、気まずさ故に視線を外せば、頭からバリバリと食われるんじゃないかという強迫観念に駆られて、視線を外すことは出来ない。

そんな二人を見兼ねたように割ってはいる軽い咳払いに、ヤヤは金縛りが解けたようにそちらを見やることが出来た。

「…陛下、ヤヤ様との語らいはお食事の時でもよろしいかと」

軽い咳払いのあとに、涼やかな声を響かせたセリウス。
そんな彼に内心、土下座しかねないくらいの感謝の気持ちを送りながら、ヤヤは久しく見ていなかったセリウスに頬を染めた。

反乱直後は、想定外のことばかり起き、セリウスと顔を合わせても、その美貌を気にする余裕もなかったヤヤ。一ヶ月ぶりの改めて間近に見るセリウスに、ヤヤは天使が降臨したっ!!と感動していた。

(う、美しすぎるっ…)

熱くなった頬を押さえて、咄嗟に俯いたヤヤの腰をヴァンディットが面白くなさそうに引き寄せる。そして、行くぞとセリウスに声をかけ、ヤヤを引きずるように対の間を後にした。

それに続くヤヤの侍女たちは、目配せをしてほくそ笑みあうと、何事もなかったかのようにヴァンディットたちの後を追った。





ヴァンディットたちの向かった先は、皇族がプライベートで使用する部屋で、城の各所にあるような仰々しい室内ではなく、城にあるにしてはこじんまりとした造りの部屋であった。
壁に掛けてある絵画や室内を彩る花をいける花瓶などは、パッと見でも名のあるものと思われたが、置いてあるテーブルや椅子の数をみれば、少人数で食事や歓談を愉しむために造られた部屋だと知れた。

ヴァンディットに促されて席の前にヤヤが立つと、恭しくセリウスが座るように椅子を引く。
これまでの生活で、リンクスにされたことはあったが、名高き皇帝の美しい片腕に椅子を引かれるという怪奇現象に恐縮しながらも、礼を言って腰掛けた。

ヴァンディットにも同じようにしたセリウスは、ヴァンディットに目配せをしてから、給仕に合図を出した。

そして始まる食事は、壁際にセリウスとヤヤの侍女が控え、とても和やかとは言い難い悲惨なものであった。

ヤヤにしてみれば、話す話題もなければ、身分が遥かに違う皇帝に自分から話しかけるわけにもいかず、黙って食事に集中するしかない。
ヴァンディットはヴァンディットで、喜んで迎えるような女ではないと思ってはいたが、いざ会ったヤヤの瞳に喜色が全くなかったばかりか、一種の怯えを感じとり、何を話すのだったか忘れてしまっている。

相手が自分に対し何を思おうが特に気にしたことのないヴァンディットは、今、非常にヤヤが何を思っているのかが気になっていた。

それを眺めるセリウスは、話す方ではないが会話が成立しない程の口下手ではないはずのヴァンディットが始終無言であることに不気味さを感じている。

そんな静かで何とも言いようのない食事は、小さな闖入者によって終わりを告げた。

ヤヤが気づいた小さな影は、食器の隙間を縫ってヤヤの皿に近づく。

(鼠…?)

ちょろちょろと動く影はヤヤのスープの皿に狙いを定めると、ぴょーんと跳ねてスープの皿に飛び込んだ。

飛び散るスープに何事かと慌てる周りを余所に、ヤヤは食い入るようにその皿を見つめる。

スープの海に飛び込んだ小さな影は、その瞬間にジタバタともがき、ゆっくりとその動作を治めたかと思うと、ピクピクと痙攣してから腹を上にしてぷかぷかと浮かんだ。

甲高い悲鳴が室内を満たし、ヴァンディットとセリウスが慌ててヤヤに駆け寄る中、ヤヤの臓腑も悲鳴を上げた。

せり上がってくる嘔吐感に椅子を引き、床を見てやり過ごそうとするが、堪えきれずにヤヤの口から吐瀉物が吐き出される。

慌てて口を押さえたヤヤの手の平と着ていたドレス、そしてその下の床が、吐瀉物に塗れた。
その中に明らかに食べたものではないどす黒いものにヤヤの目が見開かれるが、直後に襲ってきた眩暈に抵抗することも出来ずに、スーッと意識を手放すしかなかった。

(吐血とか…、初めてだし)

ぼんやりと霞む視界の中で、自分の初体験を感慨深く思うヤヤが最後に思ったこと、それは。

ーあの吐いたモノの上には倒れたくないっ!!

それだけだった。
ほらね、救済はなかったでしょ(ーー;)

もう、ヤバイよね…。ヤバイよね!?

でもね、このまま進めちゃうんだ、私ってば( ̄皿 ̄)

ごめんなさいね( ;´Д`)
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