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uso8,000,000:嘘八百万 (うそやおよろず)(←シュレディンガーのぬっこ続編) 作者:Pー龍

一章 冒険者への道

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第四十四話

「タッケルぅ、わらわたちも早う天狗を探しに行こうぞ。ほれ、このままではみなに出遅れてしまうぞ。」
「そうだぞぅパパ、早くぅ。」
「ちみっ子さん、スサオくんちょっとだけ待ってて。このイイヅナさんをどうしよっか?」

 レジャーシートの真ん中でお弁当の残りをすっかりキレイに平らげてしまって、お弁当箱の中でゴロゴロしつつ満足そうな顔のイイヅナさん。

「言われてみればこんなヤツもおったのぅ。・・・そうじゃったな。こやつをこのままここに放置しておくわけにもいくまい。さて・・・――――のぅ、イイヅナよ、お主がこれまでの悪戯三昧の所業を悔い改め、此処でおとなしくわらわの・・・そうじゃな、眷属にでもなるというのならばこの縄、解いてやらんでもないがどうじゃ。わらわ神じゃからな、そちの振る舞い次第ではそれなりの待遇も保障してやろうと思うのじゃ。食事もそれなりのモノが食えると思うのじゃがなぁ。」

 イイヅナさん、ちみっ子さんの話をゴロゴロしながら聞いてましたが、食事の辺りでちみっ子さんに食いついてきてしきりに頭を下げて頷いていらっしゃいます。変化しちゃうくらいだから言語理解力はあるんでしょうね。

「そうか、ふむふむ、ならばこの縄解いてやろうかのぅ。良いか、今後はくれぐれも勝手な悪戯は慎むのじゃぞ。とはいえ、わらわ組織の長としては理解あるほうじゃで何が何でも悪戯禁止と言うことでは無いのじゃ。わらわの企画でわらわと一緒に悪戯する分には構わぬでな、今後はわらわの言うことに黙って従っておれば良いのじゃ。それとな、そこなタケルの言うこともわらわの言うことと同様じゃと思うて従えば良いのじゃ。タケルはわらわのおもちゃで保護者なのじゃ。実はちょうどここにお主を入れるに良さげな竹筒があるのじゃ。でな、この中にぬしは入っておるが良いのじゃ。ちと中は窮屈かもしれんが、これも日本の伝統ゆえ我慢するのじゃぞ。」

 ちみっ子さんは2次元ポケットの中から取り出した竹筒の中にイイヅナさんを収納して、そのまま俺の腰にぶら下げました。これってさっきまでのイイズナさん対応とほぼ変わってないんじゃない? 結局それ俺の腰に付けるんですねぇ。

「うむ、これでよかろう。ほれ、早くせぬと時間が無くなってしまうぞ。わらわ達はさっさと天狗探しに行かねばならんのじゃ。そのために今日はこのような登りたくもない山に登って来たのじゃ~。」

 ちみっ子さんに急き立てられて3人による天狗捜索を開始しました。ところでちみっ子さん、背負われてましたよね。


「パパ、これなんか天狗っぽいかんじだぞ。」
「ほぅ、確かに天狗の鼻のようではありますね。でもこの時期にキノコって珍しくないですか?」
「種類によるのじゃ。大概のキノコは秋に収穫されるものが多いようじゃが、春取れるキノコもあるじゃろうなぁ。シイタケなどもそうじゃな。スサオよ、折角見つけたのじゃ。写真を取っておくが良いのじゃ。」
「おぅ姉ちゃん、わかったぞ。(♪カシャ)」

「お前さまはいったい何を撮影しておるのじゃ?」
「(♪カシャ)そこの木の上に蛾みたいな虫が止まってましてね、よくよく見ると頭のトコロに長い鼻みたいなのが付いてるんですよ。これも天狗っぽいと言えるかなぁって思いまして。」
「ふむどうじゃ、うまく撮れたかや?」
「ちょっとぶれちゃったみたいなんですよね。」
「多分それはテングチョウじゃろうな。東京都では絶滅が報告されておるはずなんじゃが・・・」

「ちみっ子さんが撮影してるのって・・・」
「(♪カシャ)うむ、登山客の背負った荷物にくっついて居る(♪カシャ)天狗のキーホルダーなのじゃ。あれは山を登って来る途中に下の土産物屋で買うたのじゃろうのぅ。(♪カシャ)あるいは前に来た時に買うて帰ったモノなのかも知れぬが。」
「そりゃ確かに天狗っぽいですけども。」
「このゲーム、細かいことは言わんのじゃろ?」
「・・・・・・」

「スサオくん、今度は何を撮ってるんですか?」
「(♪カシャ)パパ、あそこの雲の形がなんとなく天狗っぽいかなって思ったんだけど。」
「どれどれ、あの雲ですか。」
「うん、でも改めて見てみたらそれほどでもないんだぞ。」
「雲の形って刻々と変化していきますからね。」
「お前さまよ、人の目は自分の知っているモノを見ようとする傾向があるのじゃ。雲もそうなのじゃが、壁の染みなんぞを長いこと見つめているといつの間にか人の顔に見えてくるなどというのもそれじゃな。木目などでもあることなのじゃ。そこな木の幹などにも天狗はおるのやもしれぬぞ。ほれ、この折れた枝を鼻に見立ててやればこれも天狗の顔に見えぬかのぅ。」
「せっかくですからちみっ子さんもそこの写真撮っておいたら?」
「うむ、そうじゃな。(♪カシャ)」

 こんな感じで天狗探しゲームが行われた結果、ギルドチームの皆さんは天狗のお面や天狗のキーホルダー、天狗の置物、天狗の絵といった写真ばかり撮ってきて、審査員の失笑を買う始末。師匠は太郎さんの写真を撮って来てましたけどお面やキーホルダーに紛れて無事スルーされました。めでたしめでたし。
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