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uso8,000,000:嘘八百万 (うそやおよろず)(←シュレディンガーのぬっこ続編) 作者:Pー龍

一章 冒険者への道

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第三十七話

 現在、ギルド職員2人のわがままを叶えるため、通らなくても良いはずの沢沿いの道を琵琶滝という場所に向けて歩いている冒険者一行でございます。
 春を告げる小鳥の鳴き声やせせらぎの音、木の葉の風に揺れるざわめきといった長閑な景色の中を春のぽかぽかとした日差しを浴びて歩くひととき。心地よい時間が流れております。歩く道も舗装路からそれらしい山道へと変わりました。

「タッケルぅ、わらわもみなと一緒に歩きたいのじゃ、ここらで降ろしてたもれ。」
「いいですよどうぞ。さっさと降りて自分の足で歩きやがってくださいね。」

 頭上のちみっ子さんの脇に腕を差し込んで持ち上げ、目の前の地面に立たせます。

「(スサオ、天狗はおったかのぅ?)」
「ん? どうだろ。まだカメラに映ってないと思うぞ。」
「(もし天狗を見つけても決して大きな声で皆に知らせてはならんのだぞ。わらわとタケルだけにこっそりと知らせるのじゃ。あの2人にバレてしもうてはたまらんからのぅ。)」
「なんでこっそりなんだ?」
「(天狗を見つけてしまうとな、そこでタケルの仕事は終了になってしまうのじゃ。そうなってしもうた場合はわらわたちも天狗探しを続ける名目がなくなってしまうじゃろ。せっかくのピクニックじゃというにお弁当も喰わぬうちから天狗なんぞに邪魔をされてはたまらんのじゃ。断固ピクニックなのじゃ。そう思わぬかや?)」
「おおぅ、そうだな・・・あれ? 今日はピクニック?」
「(そんなことはどうでもよいのじゃ。とにかく、スサオは天狗を見つけたらわらわとタケルだけにこっそりと知らせればよいのじゃ。いいか、わかったな。)」
「おっ、おぉぅ。わかったよ、姉ちゃん。」

 のんびりと景色を楽しみながら、・・・天狗の姿を探し求めながら沢沿いの道を歩いて本日の第一目的地、琵琶滝へと到着しました。
 そこには下駄を履いて若干鼻が大きめなかんじがする水行インストラクターの方がお2人立っていらっしゃいます。その背中にある鳥の羽みたいなのなんですか?

『天狗じゃ、あそこに天狗がおるぞぉ。』(脳内補完)
『ahosaag,@usa亜;sapp,g,pu』(あわててます。)
『ほんとに天狗っているもんなんだね。』(脳内補完)
「ねぇねぇタケル、あれって天狗よね、そうよね?」
「ディーネさん、ディーネさん、お、もち着いてくだしあ、いや落ち着いてください。あぁっ、ごほんごほん、おっほん、やだなぁ、こんな所に天狗だなんているわけないじゃないですか。あれはコスプレというヤツですよ。ね、ちみっ子さん、そうですよね。」
「うむ、アレはまごうことなき普通の修験者なのじゃ。下駄を履いておったところで別に珍しくもなんともないじゃろ。鼻は大きい方が呼吸がしやすくて何かと修行に便利なのじゃろうな(棒)。背中に付けてあるのは引敷(ひつしき)というて、座布団みたいなもんじゃな。」
「そうなのか? 一応撮影しておくぞ。」

「そなたらが本日の水行修行に予約を入れた者どもかな?」
「おはようございます。えっと俺は水行体験希望じゃないです。申し込んだのはこの4人です。」
「うむ。拙者当山で修業中の太郎坊と申す者である。今日はよろしくお願い申す。そこに控えおるのは拙者の同輩で次郎坊と申す。指導料をお支払い頂こうかな。ついでに点呼も取らせていただく。ディープとやらはどなたかな? 行衣はお持ちかな? 次ジョニー・・・ そのお2人は見たところ異国の方のように見受けられるが、日本語はご理解いただけるのかな?」
「2人とも聞き取るのは全然大丈夫です。ただ日本語はちょっと話せないんで、・・・そうだ、代わりに俺が通訳しますね。」
「わかり申した。それではあなたに通訳をお願い致すこととしよう。宮津姫奈殿、・・・はそなたじゃな。行衣はお持ちかな?」
「いえ、こちらでお借りできるというふうに電話で聞いてます。」
「うむ、次郎坊にその旨申すが良い。乙城葉菜殿、――むむっ、そなた人ではないなっ。いったい何物じゃ。臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前、そこな化生、疾く我が前にその真の姿を現すが良い。えいやっ。・・・やや、どこへ消えおった?」

 乙城さん、天狗コスプレの太郎坊さんに錫杖で打ち据えられちゃった・・・ら、あら不思議。ちっこい動物に変身しちゃった。太郎坊さんは目が悪かったのでしょうか、乙城さんの姿を見失って探してます。犯人はちみっ子さんに捕まえられて手足をバタバタと暴れております。ねぇちみっ子さん、それっていったい何ですか?

「姫奈ちゃ~ん、山田さぁん、ふ~、やっと、ふ~、やっと追いついたぁ。ふ~。」

 もう1人の乙城さんが背後から登場。

「何で葉菜のこと待っててくれなかったんですかぁ? 葉菜を置いて先に行っちゃうなんてみんな酷いですよぅ。」

 乙城さんお胸様をゆさゆさと揺らしながら走ってやって来ました。肩で息をしてらっしゃいます。呼吸のたびに上下に揺れるおっぱい様に合わせてスサオくんと俺の視線が上下するというのもこれはもう不可抗力としか言いようのないことなのでございます。乙城さんはのどが渇いてらっしゃるようで、持っていたペットボトルからお茶を飲み始めましたが、慌てて口の周りを濡らしてしまってそれはもう素敵な光景が繰り広げられたのでございます。
 このあと、乙城さんを見つけた太郎坊さんに追いかけ回され、俺に抱き着いてきたおっぱい様を守るために太郎坊さんの錫杖に殴られてみたりしましたが、どうにか誤解は解けました。
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