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uso8,000,000:嘘八百万 (うそやおよろず)(←シュレディンガーのぬっこ続編) 作者:Pー龍

一章 冒険者への道

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第二十八話

 ここ作戦会議室(【ヤマダトーイ】店内奥の部屋)に現在20人ほどの商店主が顔を揃えています。みなさん婆ちゃんの前で床に正座。某3人の爺さん以外はオンザブトン。3人は床に直接座らされております。爺さんたちゴメンね、多分俺たちのせいなんじゃないかなとは思うけど、でもしょうがないよね。サクヤさんがお茶の入った湯呑み茶碗を商店主の皆さんに配布中。ちみっ子さんがサルミアッキキャンディ配布中。それは配らなくてもいいと思うの。配らないほうがいいんじゃないかな。2次元ポケットの中にあった黒糖キャンディを取り出しますた。こっちでお願いしますね。ちみっ子さんご不満顔ながら黒糖キャンディ配布中。

「今日はみんな、アタシの呼びかけに答えて良く集まってくれたねぇ。みんなもう知ってるかもしれないが、いま地震がどうだとかって言って社会に不安を煽ってる迷惑な連中がいるみたいだねぇ。この近所でもあいつらの集会があったなんて話もアタシの耳に届いているよ。まさかあんたらの身内にあいつらの関係者はいないとは思うけど、あいつらについて何か知ってることがあったらアタシに教えて欲しい。このサクヤさんはヤツラに連れ去られそうになっていたところをうちの孫に助けられたんだよ。そんな不埒もの、許しちゃおけないじゃないか。それに加えて最近じゃ連中に煽られたお客さんたちが災害用の備蓄をしようってんで、売上急増中の店が増えてるらしい。この商店街でも客が増えてるんだろ。田山んところは昨日から小売りを始めた。なのに商店街にある他の食料品店も売り上げは落ちてないどころか軒並み上がってるっていうじゃないか。」
「あぁ最近になって売上あがってないのは本屋に花屋、あとは着物屋くらいなんじゃねぇか?」
「うちの本屋だって、問屋のすすめでサバイバル本や震災関連の本のコーナー作ってみたところガンガン売れているよ。アウトドア雑誌なんかもよく売れてるねぇ。」
「アタシの花屋じゃ大きな動きは無いけど、商店街全体に客の出が増えた分だけわずかなんだけど売り上げは伸びてきてるねぇ。」
「俺ん所じゃさすがに着物は売れやしないけど、防災ずきんと非常用持ち出し袋を店頭に並べたら飛ぶように売れてるよ。」
「――――要するにどこもそれなりに売り上げは伸びてきてるってことだね?」
「スターマウンテンはタケルくんの買い物が減って売り上げ減少中なんだけど。」
「あんたにゃ聞いてないよ。売上が上がってることそれ自体は結構なことじゃないか。あの連中のおかげさね、ここについては文句は無いさ。ただタケルから聞いた話だとよその商店街じゃ、外国人が買占めを始めたらしいね。客が商品を奪い合っての乱闘騒ぎも起きていたって話だよ。店側で販売数量の制限をしてみても、日本語が通じない振りして外国語で騒ぎ立てて店員の言うことなんぞ聴きゃしないってさ。いまのところはまだこの商店街じゃそういう話、私の耳に入ってきてないね。でもあんたたち、これをよその話だって安心してちゃいけないよ。余力のあるいまのうちに対策はしっかりとたてとかないと、明日この街に連中があらわれるかもしれないんだからね。」
「いっそのこともう売れ筋は店頭から撤去して、どうしても欲しいって客には値段吹っかけて売るってのはどうだ?」
「田山、あんたはそれが許されると思うのかい?」

 田山の爺さん、睨まれてます。視線を外すたびにロックオンされて完全追尾型。

「アタシら商売人はお客さんのお蔭で日々生活できてるんだ。そのことを忘れちゃいけないよ。目先の利益に目が眩んで暴利をむさぼろうなんざ、道義に欠けるとは思わないのかい?」
「・・・・・・」
「この商店街に他にもそんな考えのヤツはいないだろうねぇ。いいかい、人の道を外れるようなマネをするんじゃないよ。アタシゃ、あんたたちのことを思って言ってるんだよ。そんなことしてみてごらん、ここは大都会じゃないんだ。街の人はずっと忘れちゃくれないよ。たちまちこの街にいられなくなっちまう。」
「買占め騒ぎが起きたら、個数制限は必要になってくるんじゃないかなぁ。」
「そうだよな。他のお客さんが買えなくて困るようなことになっちゃまずいよな。」
「でも個数制限しても守らないんだろ?」
「じゃ、やっても無駄ってことか?」
「やらないよりはいいんじゃないかなぁ。」
「個数制限はあらかじめ各お店で在庫と仕入れを計算して考えておきな。売れ筋になりそうな商品には事前に販売数制限を付けておくんだ。いいかいあんたたち、商品を切らすんじゃないよ。代替商品がある間はまだいいけど、それも無くなったらパニックが起きるかもしれないんだ。商売人の社会における役割は商品を供給し続けることだよ。」
「その販売数制限を守らない客が来るって言うんだろ。時枝さん、何かいい方法ってあるんだろうか?」
「向こうがわけのわからないこと言ってがなり立ててくるんだったら、こっちもわけのわからないこと言ってがなり立ててやればいいんだよ。目には目をってヤツさ。声の大きいものが勝つって言うんなら、こっちが声を大きくすりゃいいじゃないか。そのためにもあらかじめ練習しておきゃいいんじゃないかねぇ。毎朝朝礼でがなり立てる練習してみちゃどうだい?」
「店頭で客同士の暴力沙汰は困るなぁ。」
「警察にパトロールしてもらうのはどうかな?」
「警察は事件が起きてからじゃなきゃ、動いてくれないんじゃないかな。」
「この商店街で騒ぎが起こるようじゃ、他でも起きてるだろうから警察も人手が足りないんじゃないか。」
「お金出しあって商店街で警備員雇う?」
「金出すくらいならうちの自宅警備員使えばいい。」
「うちにもいるよ。」
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