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uso8,000,000:嘘八百万 (うそやおよろず)(←シュレディンガーのぬっこ続編) 作者:Pー龍

一章 冒険者への道

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第十六話

 窓口での振込を終えて、ロビーのソファで待ってるちみっ子さんをお迎えにいきます。

「タッケルぅ、もう銀行は良いのかや?」
「えぇ、いまさっき振込は終わりました。なのでスサオ君たちの所へ戻りましょうか。先程の女性はどちらへ?」
「サクちゃんならお手洗いに行っておるのじゃ。しばし待つのじゃ。」
「構いませんけど、あの方、サクちゃんてゆうんですか?」
「そうなのじゃ、サクちゃんはお風呂の人の別れた奥さんの妹さんなのじゃ。」
「そういえば、ビルの絵で見た2人の女性の1人に似てますかね。」
「うむ。もう1人はサクちゃんのお姉さんなのじゃ。」
「ふーん、てことはサクちゃんさんも神様ってこと?」
「まぁそうゆうことになるのかのぅ。」
「神様・・・、宗教勧誘なんかに絡まれてんなよ。」
「ごめんなさい。わたし、あぁいった男性がとても苦手なものですから。」


 サクちゃん登場。頬を赤く染めて、あいかわらずとても御美(おうつく)しゅうございます。こんなにも美しい神様なんですからきっとお手洗いでは浄化のための聖水を振り撒いておられたことでしょう。決してよからぬ想像はしておりませんよ。これっぽっちもしていません。そういえば着物って下着付けないんだってねー。
 銀行にいた男性諸氏の視線はサクちゃんに釘付け。おばちゃんの嫉妬の目もビームのように突き刺さってきております。用も済んだし、そろそろ銀行出ましょうかねぇ。

「そろそろ出ましょうか。そう言えば、さっき俺のこと山田さんって呼んでましたけど? なぜに俺のことをご存じなのでせうか?」
「お噂はかねがね・・・さきほどはオヒルネ様とご一緒の所をお見かけしましたのできっと山田様に違いないと、藁をもすがる思いで声を掛けさせていただきました。ご紹介が遅れてしまって申し訳ありません。わたくしサクヤと申します。先程は突然のお声掛けにもかかわらず、わたしのような者を助けていただきまして、まことにありがとうございました。」
「いえいえ、サクヤさんはちみっ子さんのお知り合いだったんですねぇ。なるほど。・・・俺ってどんな噂になってるんですか?」
「はい。新しいオヒルネ様のおもちゃが出来たと。」
「ほぅ・・・・・・」

 思わずちみっ子さんをジト目で睨んじゃいましたけど、ちみっ子さんはくちびる尖らせて斜め上を見ていらっしゃいます。
 銀行を出ました。

「(ひゅーひゅーひゅーひゅーひゅー)」
「サクヤさんはこの辺りにおすまいなんですか?」
「いえ、毎年この時期は桜の花を見ながらの旅をしております。」
「(ひゅーひゅーひゅーひゅーひゅー)」
「ほぅ、桜の花ですか。いいですねぇ、風流ですねぇ。では宿はどちらに?」
「その辺にある公園のベンチで。」
「? って、そりゃまずいでしょ。ちみっ子さん、これどうゆうこと? あとその口笛、音が出てませんよ。」
「(ひゅーひゅーひゅー、さっぱりダメじゃのぅ。)神社のお堂か何かでもこの辺りにあれば良いのじゃろうが、最近じゃと郊外では神社の数もめっきり減ってしもうたからのぅ。神であっても野宿くらいはするじゃろうて。経済活動をしておる神ならば稼いだ金を使うて宿も取れるんじゃが、サクちゃんはそうゆうのしとらんからのぅ。(ひゅーひゅー)」
「――! サクヤさん、部屋余ってますから俺のアパートに来ませんか? 家賃は・・・そうだ、俺の仕事・・・いろいろ・・・無難なところで・・・何かあったっけ? お手伝いしてもらえれば家賃は要りません。どうでしょう。このままホームレス生活続けるよりもいいと思うんです。またさっきみたいな連中に襲われてしまってもいけませんし。」
「サクちゃん、タケルの奴もこう言うておる。どうじゃ、わらわたちのところへお主も越してこぬかや? 確か隣りの部屋が空いておったかのぅ。その隣もじゃ。2階もほとんど空いておったのじゃ。うひゃひゃひゃ、タケルのアパートはガラッガラなのじゃ。」
「本当によろしいのでしょうか。私のようなものがオヒルネ様が住まう山田様の所へお邪魔してしまってもよろしいのですか?」
「それはもう、サクヤさんさえ良かったら、是非。」
「あぁ、ありがとうございます。それでは厚かましくもこのサクヤ、山田様のお世話になろうかと思います。どうか何卒よろしくお願い致します。かくなる上はこのサクヤ、山田様の御為に如何様にでも御使い頂いて構いません。今宵の山田様の湯女と夜伽は是非このサクヤめにお申し付けくださいませ。」
「・・・・・・」
「タケルぅ、わらわ母上にはこのこと黙っておいてやるのじゃ。(ディーネもよいな、母上には黙っておくのじゃぞ。)」
「・・・・・・」
「(今年の夏ゴーヤ栽培してくれるんならいいわよ。)」
「(うむ、タケルよ、プランターと種を買うて帰らんといかんのぅ。土と肥料もいるのぅ。網も構えんといかんぞ。)」
「(・・・・・・)」

 やっぱりポケットの中にいらっしゃったんですね。


 油断して歩いていたら【ヤマダトーイ】まで戻る間に例の新興宗教のビラを渡されてしまいました。

≪週末の辰迫る まもなく磁針が真罰としてなる 痴情は自国となるであろう・・・≫

 これ、誰か解読して読めたりします?
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