挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

ブックマークする場合はログインしてください。
<R15> 15歳未満の方は移動してください。

後悔

作者:斉木柏
カーテンの隙間から漏れる光で朝が来たことを知る。
仕事か。
そう思いながら身体を起こすことは憂鬱だ。
もう少しベッドの暖かさに触れていよう。
そう思い、目を瞑る。
暗闇が広がる。
研ぎ澄まされた聴覚。
不意に聞こえてくるかすかな寝息。
起こさないようにゆっくりと横を見る。
昨夜腕を回したであろう背中がこちらを向いている。


温かな肌。
湿る指先。
濡れていくわたしの身体。

昨夜の事情が頭をよぎる。
何故わたしは身体を委ねたのだろう。
何故わたしは抱かれたのだろう。



飼い猫のことを考える。
そろそろお腹を空かせてわたしを起こしにくるだろう。
わたしが眠る場所には何もない。
猫は置いていかれたと思うだろうか。
わたしを恋しがっているだろうか。

帰ろう。
猫が待っている。

ゆっくりと身体を起こし、衣類を身につける。
鼻腔をくすぐる煙草の匂い。
振るった髪からも同じ匂いがする。
やけにはっきり見えるのは、つけたままのコンタクトがそうさせているから。

ずれた布団を掛け直し、朝の気温で冷たくなった皮膚を温めてやる。
踏みそうな位置に落ちているメガネを枕元に置く。
なぜミントブルーなんて珍しい色にしたのだろう。
面白い人だ。
メガネを置いた音に反応したのだろうか。
目が開く。


おはよう。

もう行くの?

うん。


再び布団を被り、寝息を立てる。
ドアを開け、広がった眩しさに目を細める。
雪がまだ少し残るこの暖かな日差しは、やがて夏が引き連れてくる暑さに変わるのだろう。
湿った土の匂いを吸い込む。

テレビの横にあった観葉植物を思い出す。


ランニングをする男性。
犬の散歩をする老人。
そろそろ桜が満開になる。



お花見したいね。

しようか。




そんな何気無い会話がどこからか聞こえてきた。




何故わたしは抱かれたのだろう。

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く場合の注意事項をご確認ください。

名前:

▼良い点
▼気になる点
▼一言
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ