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今回は夏屶と凛の過去の話です。
Another World
作:北斗



白銀の守護神




『全軍に告ぐ。エリア2に黒が侵入。破壊神の存在有。各部隊、即刻出撃し、全勢力を挙げて阻止せよ』

部屋でゆっくりしていると急に警鐘が鳴り響いた。

「夏屶!」

「あぁ、行くぞ!凛」

おれと凛は部屋を急いで出て、そのまま門へと向かった。

外に出ると既に門のところまで黒の姿が見えるのが分かった。

「くそっ!もうここまで来てるのか」

予想外だった。
まさか敷地内まで攻め込まれてるなんて。
おれは愛刀の刃渡り2メートル近くある長刀を出す。

「門の前に防衛線を作り直せ。おれらは敷地内の黒を殲滅する」

はっ、と了解の声を上げ、おれの配下部隊は門へと向かって行った。

「僕は夏屶の援護をする。皆は敷地内に防衛線を敷いて住居エリアに黒を入れるな」

凛の指示で陣形を作っていた。

凛は大鎌を出し、戦闘体制に入る。

「凛、左は任せた」

「了解♪…夏屶」


凛とは反対に右へ行こうとすると呼び止められた。

「なんだ」

「右まで僕に任せるなよ♪」

「ふっ、誰に向かって言ってるんだよ」

「バカでドジでマヌケ……じゃない人です」

睨んでいると語尾を変えやがった。
賢い選択ではあるけど。

「とにかく死ぬんじゃないよ、バカ夏屶」

「分かってる。お前こそ死ぬなよ」

こんな時ですらふざけてくる気が知れないが、そういう明るさが闘いの緊張を良い意味で和らげてくれる。

凛の為にも死ねない。

おれは敷地内にいる黒を手の上で転がすように次々と斬っていった。

黒の数が少なくなってきた時、急に門が大きな音をたてながら崩れた。

「なっ……」

あれほど巨大な門が壊れるなんて普通は有り得ない。


……奴が来た


破壊神が


「凛、急いで門の前の奴らを助けに行け!」

「駄目、もう遅いよ…」

見ると崩れた場所から黒が次々と侵入してきていた。

おそらくは黒の中でも上位階級にいる奴ら。

「くそがっ!凛は…」

「夏屶、この数じゃあ僕ら二人じゃないと抑えれない」

おれの言葉は途中で遮られ、凛は言い終わった直後に数人の黒の相手をし始めた。

凛が言ったようにおれら二人じゃないと、いや、二人でも抑えれられない程の数がいる。

「お前らは陣形を崩すな。何があっても住居エリアを死守だ」

凛の部隊に指示を出しながらおれも黒の群れに斬り込んでいく。

さすがに相手が皆、上級というだけあってなかなか敵の数を減らせない。

四方を囲まれ、常に刀が身体に向かってくる。

速さでは負けるはずがないが、相手の数が多すぎる。
一人に絞って斬り掛ろうとしても、他の誰かから妨害を受ける。

おれの刀は防御の一辺倒だった。

「くっ…(どの部隊も助けに来れないってことは、奴ら、わざと門の外にいるな)」

この敷地内には奴ら、破壊神の直属の部隊がいるだけで、自身の姿はどこにも見当たらない。

助けが来ないということはおれらにとって絶望的だ。
かと言って唯一敷地内にいる凛の部隊を動かすわけにもいかない。

というより凛の部隊も戦闘をしていておれらを助けられる状態ではないだろう。

奴らの作戦が巧く出来すぎている。

「くそがぁぁぁぁ」

迫りくる刀を防ぎながら更に切り返して相手を斬る。
すぐに次の刀を弾き返し、他の刀を止める。

おれと凛の二人で30人近い敵を相手にしている。

ただの30人なら苦労はしないが、なにせ相手は黒最強の部隊。

さすがのおれも勝てるか、いや、この聖白園を守れるかが不安になってくる。

いや、駄目だ。おれが弱気になったら全てが終わりだ。
まだやれる。

おれは刀を持つ手の力を入れ直す。

再び敵に斬り込もうとした時、真後ろに気配を感じた。

「凛、どうし…っ……」

突然腹部に痛みが走る。
下を見てみると銀色に光る刀がおれの血を身に纏って、その光を鈍らせている。

頭の中に沢山の疑問が巡る。
この独特の刀を持つ人は…

「凛……な…ぜ」

身体を貫いているものから微かに振動が伝わる。
聞こえてくる声も震えていた。

「ごめ…ん…なさ…い…僕の…分まで…生きて…」

何を言っている。
おれはお前と一緒だ。
いつまでも守ると言っただろ。
なぁ……

「今…まで…あり…がとう…さよう…なら…」

「りぃぃぃん!!」

最後の叫びは言葉にはならず、自分の中だけで響いた。

そして、そのまま意識を無くした。


凛「なんか今回も夏屶がぶっ倒れてるんだよねぇ♪」

夏(長い…)

凛「それは夏屶が昔話なんかするからだよぅ」

夏(心の声に答えるな!)

凛「夏屶はぶっ倒れてても元気だね♪」

夏「誰のせいだ!」

凛「あっ…普通に喋った」

夏「面倒になったんだろうな」

凛「誰が?」

夏「それは…知る必要はない」

凛「そっかぁ♪作○かぁ♪」

夏「だから何故わかる!」

凛「凛だからだよ♪」

夏「理由になってない」

凛「じゃあ…………」

夏「何も無いのかよ!」











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