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96 年末4
久し振りに近所の人と会い、アカデミーに入った後の事を色々と話した。
あと、隣のおばあさんが調子が悪いと笑っていたのが心配だった。
年だから気にするなって本人は言っているけどねー。
私たち三人は、このおばあさんにとってもお世話になったのだ。
わたしが炊事や家事を習ったのはこの人だったし、アスランやイヴァンも基本的な掃除はこの人が教えてくれた。

でも、加齢による体の衰えはどうしようもないからなぁ…。

私が焼いたケーキを男性陣が先を争って食べて、奥さん連中から怒られている。
すると、見回りの最中なのか、鎧に身を包んだジークさんが同僚の方とやってきた。

「お、やってるな」
「あれ、仕事は?」
「今してるだろ。見回りだよ、見回り」

なら、手に持っている肉は何なのだろう?
いや、いいんだけどさ。

そうやって、話していると

ゴーンゴーンゴーン

と鐘が鳴り始めた。
普段は深夜に鐘など鳴らないが、この日だけは新年を迎えた事を知らせる為に鐘が鳴る。
それは、キッカリ10回。
普段は9の鐘までしか鳴らないので、新年だけの鐘だ。

皆、先ほどまでの喧騒が嘘のように静かになり、鐘を聞き、鳴り終わると帽子を被っている人は帽子を、それ以外も近くに用意してある紙ふぶきを空に向かって投げる。

「ハッピーニュイヤー!」

の掛け声と共に。
私も手近にあった紙ふぶきを空に向かって投げる。
ジークさんは酒の入ったコップを投げた。
危ないなー…。

そして、男達は酒をかけ始める。

ここで、子供達は家へ帰る事になる。
これ以降はほとんどが酒を飲むばかりだからだ。
なので酔っ払いが増えて、治安が悪くなるんだよね。

私達は、近所の人に別れを告げて、実家に帰ってきた。
明かりをつけて、それぞれの部屋へと別れて行く。
最初、私はアトリエに帰ろうと思ったのだが、アスランとイヴァンの2人が「いいからいいから」と、こっちにまで引っ張ってきたんだよね。
ベッドの無い部屋でどうやって寝ろと言うのだろうか?

部屋に入ると、真新しいベッドと布団。それに新品のシーツが被せてあった。

あの2人、年末に買ったな。

私は明日2人に礼を言おうと思い、ベッドへと滑り込む。
外の喧騒を子守唄にして、眠りについたのだった。


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