115 南へ1
私は、次の日精霊の光球を無事調合し、買い物に出かけた。
今回は廃坑と言う冷えるであろう場所に行くので、体が暖かくなるような物を多目に持っていくことにしたのだ。
「祝福のワインを買って、終わりと」
アカデミーで祝福のワインを買った。
いや、自分で作ったのもあるけれど、ジークおじさん曰くまだまだ若くてあまり美味しくないらしい。
どうせなら、美味しい物が飲みたいので、アカデミーで売られている祝福のワインを買うことにした。
普通のワインでもいいけれど、普通のワインはアルコール度数が高いんだよね。
なので、お酒の弱い人は悪酔いしやすいんだ。
私は、前世では普通だったけど、今回はどうなんだろうなぁ…。
肝臓のアルコール分解の力が弱かったら、酒に弱いというけれど。
入学祝の時に飲んだワイン以降、飲んでないからな。
それに、ギルはなんか酒に弱そうなイメージがあるんだよね。
酔って潰れた護衛なんてただの役立たずなので、酔いにくい酒を持っていくことにしたのだ。
まぁ、生のまま飲ませたりはしないけどね。
後は干し肉や、野菜などを買い込み、準備は完了した。
そして、当日。
私は待ち合わせ場所に指定した城門前で、ミルカッセと2人ギルを待っていた。
「まさか、フレイとギルが一緒に旅をするなんてねー。昔から考えると、とても想像できなかったわ」
「そう?」
「うん。事あるごとに、ギルってばフレイに突っかかってたじゃない」
確かに、小さい頃のギルは私に突っかかることが多かったけど、あれって気になる女の子に意地悪をしていたって事でしょ。
珍しいことでもなんでもないと思うんだけどねー。
「フレイ、おまた…なんで、ミルカッセが?」
「言ってなかった?」
ギルと従者のアグネスが、馬を引いてやってきた。
ギルは、ミルカッセの姿を確認すると、なんかへこんでいた。
ミルカッセがついてくると言っていたと思ったけど、もしかして忘れてた?
「だって、婚約者でもなんでもない男と、採取とはいえ二人きりで旅行なんてする訳無いじゃない」
「……コレを機に」
「却下」
なんか、今将来が決まりそうな提案がされそうだったので、聞かずに却下しておいた。
「…まぁ、いい。フレイ、乗れ」
「あいさー」
私はよたよたと馬に乗る。
うん。アスランの場合は手助けしてくれるのに、コイツはしてくれない。
まぁ、いいけどね。
私が乗るのを確認して、ギルも馬に乗った。
うん。私と比べて随分とスマートに乗ったなぁ。
まぁ、私を乗せて二人乗りをするぐらいだから、そこそこの腕があるのだろう。
ミルカッセは従者のアグネスと二人乗りだ。
あと、地味に妖精も付いてきたのだが、妖精用にポニーを借りた。
ちなみに、今回は妖精はパメラを連れてきた。
ポポロは今回お留守番だ。
しかも、今回はハチミツは必要最低限以外は全て持ってきた。
さらに、勝手に蜂蜜を作って食べたら解雇と言っておいた。
ここまでやれば、蜂蜜を勝手に食べたりしないだろう。
ちなみに、水あめも一緒だといっておいたので、ポポロの顔は絶望に染まっていたな。
なぜ、妖精達を毎回連れて行くかと言うと、採取場所を覚えさせるのもあるけれど、素材を覚えさせないといけないのだ。
妖精達は、一般的な素材は勉強してきてくれているが、私が使うような素材は実は知らない場合が多い。
ストルデル川の水の採取を頼んだり、ベルグラドいもの採取を頼んだりしたとき、なんでそんなものを?って顔をされたもの。
どうも、アカデミーで習うこと以上は知らないみたいなのだ。
なので、私は妖精に必要となる素材を教えておかないといけない。
非常に面倒だと思ったのは、秘密だ。
ちなみに、今回も採取したものは一部持って帰ってもらう予定だ。
それにしても、一番驚いたのはパメラが一人でポニーといえど馬に乗れたことだ。
なんでも、暇なときに習ったらしい。
うん、私ってさり気にパメラ以下だった…。
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