第13話:班編成Ⅱ
偶然にもほどがある。
いつも昼飯を一緒に食べていたメンバーが、こうも固まってたまるか。
ってな事で、この遠足をする目的なんだが、随分と単純な理由だ。
『クラスの友好を深める為』だそうだ。
まぁ、それ以外何があるんだ?って感じだが。
ちなみに、この行事は毎年恒例らしい。
こんな、ガキっぽい事、前からやってたのかよ・・・。
そういや、目的地が気になるな。
あんま遠い所ヤダな・・・。
「まず、班の班長を決めてねぇ~♪」
そういや、代表が決まってなかったな。
よし!いっちょここは・・・!!!
「鹿原!!頼んだ!!」
「よし!わかった!!!」
「ちょ、ちょ、ちょい!!!返答早すぎだろ!もうちょい考えろよ!」
すかさず若林がツッコむ。
「いいじゃん、俺やりたいんだからさ。」
なんだ、鹿原やりたかったのかよ・・・。
俺は班長なんてこっちから願い下げだ。
「私もやりたい!!」
・・・桜も手を上げて立候補。
コイツも物好きだな。
「か、神崎さんも・・・!?」
鹿原が動揺を隠し切れない顔をしていた。
どうせ「俺が班長なんだから、言う事聞け。」なんて言って、無理難題を俺らに言おうなんて企んでいるのだろう。
「だ、だいじょうぶさぁ、神崎さん。俺が命令・・・あ、間違った。じゃなくて!班長するから!」
はい、見え見えです。鹿原くん。そして自分からバラすなんて、アホすぎです。
「私もやりたいの!!」
桜はそれに反論。
そこで、若林が話の間を通るように口を開いた。
「俺は、楠木春哉君を推薦しまー「ヤダ。」・・・・・・す。」
誰がやるか!班長なんて!
班長はリ〇バー班長で充分だ!!
「若林が俺を推薦するなら、俺はジャンケンを提案する。」
やっぱ決まらない時はこれしかないだろっ!
「さんせー」
「異議なし」
「いいだろう」
「賛成です」
上から順に、桜、若林、鹿原、柊さんだ。
「よっしゃぁ!!最初は・・・・「まった!」・・・・何だよ、盛り上がる所で。」
鹿原が音頭を取ったが、肝心な事を話していない。
「これって、負けた人が班長やるんだよな?」
一応聞いてみた。
「当たり前だろ!」
鹿原が即答。
や・・・ヤバい。俺は昔っからジャンケンだけは滅法弱い。
すんごい弱い。これでもかっ!てくらい弱い。
ジャンケンして勝った時の記憶ははるか昔な気がしてならない。
とにかく俺は運だけは物凄く悪い。と自覚している。
「じゃあいくぞぉ・・・!!最初はグー!!ジャンケン!!・・・ポンッ!!」
チョキ、グー、グー、グー、パー
ちなみにチョキは俺だ。一歩間違えば俺の一人負けが決定していたが、
柊さんがパーを出してくれたおかげで、それをまぬがれた。
・・・もう、嫌な予感がしてならない。
自分から提案しておいて、提案した本人が負けてしまっては面目が立たない。
しかも、苦手なジャンケンをチョイスしてしまった事を、俺は今とても後悔している。
「くそ、あいこか・・・みんな俺に勝ってくれよぉ・・・!!」
鹿原が嘆いていた。
その鹿原が気を取り直して言った・・・
「あーいこーで!!!・・・・・しょ!!」
俺は一瞬、何を出すか迷った。
しかし!!・・・・・これに決めた!!!
パー、チョキ、チョキ、チョキ、チョキ
・・・・・・・・・・・・・・ん?
何?君は何を出したのだって??
決まってるじゃないか。
もちろん・・・・・・・・・・・・・・・
「春哉、班長決定。」
「くそぉーーー!!お前ジャンケン弱えぇんだよぉぉ!!!」
・・・・はい。もちろんパーを出したさ。
おかしくない?これ、神様は何て不平等なんだろう。
この俺だけ何でこんな事になるんですか?
オカシイ。ウン、ゼッタイオカシイヨ、コレ。
「俺の・・・陰謀が・・・・・。」
鹿原が泣きそうになっている。
そんなに欲しいならくれてやるっての。
「鹿原、班長の権利をお前にやるよ。」
「バカヤロォ!」
突然、鹿原に大声で怒鳴られてビクッとした。
「ジャンケンは恨みっこなし・・・って言うだろ?」
いかにも鹿原は泣きそうな声でそう言った。
そういう所だけ仁義なのかよ・・・
桜もウンウンとうなずいている。
何だコレ・・・
「班長さん決まったら教卓に集まってぇ~♪」
ツッキーに呼ばれて、俺はしぶしぶ教卓に向かう。
「じゃあ、この箱の中の紙を一枚だけ取ってぇ~♪」
先ほど、くじを引いた箱の中に、新たな紙を入れたらしい。
俺は早速箱の中に手を突っ込む。
「・・・・・これだ!!」
取った紙を開いて見てみると、そこには『春秋山』
と、先生の筆記で書かれていた。
「そこが各班の遠足の目的地になりまーす♪みんな、頑張ってネ♪」
春秋山って・・・・・・・・・・・・・・・山じゃね?
はい、今回もあまり話が進む事なく、教室の中でダラダラしてますね。
次回、遠足編入ります。
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