プロローグ:おとなりさんは美少女でした
俺の名前は「楠木春哉」今年から高校1年生。
自分で言うのもなんだが、そこら辺に居そうなごくごく普通の男子高校生、になる予定だ。
しかし、俺は今何でこんな状況になってるんだ?
何でこんな美少女2人が俺ん家にいるんだ?
俺はいつから色男になった?
そう、これが俺の嬉しいんだか悲しいんだかわからない、苦痛の日々の始まりだった・・・。
事の発端は去年冬の某日。受験を控えているにも関わらず、勉強にも飽きた俺は、暇だったが為に、家の
自室のPCでチャットをしていた。
相手は「サクラ」という名前で、「私」と使っている事から女の子のようであった。
ちなみに俺のチャットでの名前は「ハルヤ」・・・うん。まったくどうでもいい話だ。
「こん」
「何歳?」
なーんていう初歩的な会話から始まり、話は住んでいる場所の話になった。
「どこ住んでんの?」
と、俺が聞く。
「私、来年の春から高校生になるんだけど、親の都合で引越しするんだょ^^」
おぉ・・・俺も来年から高校生なもんだから、興味をそそられてしまった。
「へぇ。俺ん家の隣かもね(笑)」
なんてふざけてみる俺っ。
「そうかもね(笑)」
・・・・・・ノリのいい子だな。俺は何となくこの子の顔を想像してしまった。
・・・俺は想像力が大きく欠けているようだ。チャットしてる子。すいません。
たわいもない雑談を繰り返していると、夕飯の時間になってしまったので俺はチャットをやめた。
俺は夕飯後もPCを開こうとしたが、親に勉強をしろと止められてしまった。
それから時は流れ、チャットの事もサッパリ忘れて、今年の初詣に行ったときの事だ。
神社には俺一人で来ていた。何ともさみしいな。あと・・・
「寒い。」
1月の気温は尋常じゃなく、俺は体温保持に苦戦を強いられていた。
すると、1月にも関わらず薄着を着こなすバカがいた。いや、バカな女がいた。
しかし、その女は周りから一際視線が注がれていた。
「何あの人・・・モデル?」
「うわぁ・・・かわいい~」
何て声も聞こえてくる。
俺はなるべくその女に気付かれないようにコソコソと列に並んだ。
しかし身をうずめるて隠れている俺に対して、
その女はわかっているかのようにスタスタとこちらへ直進してくる。
「よぉ!」
「・・・・・バレたか。」
「そりゃぁね。後姿でわかるし。」
「それよりお前、朝っぱらでこんな寒いのに、そんな格好でよく生きていられるな。」
「無敵だからっ。ヒヒ♪」
ニッコリした顔で、気安く俺に話しかけてきたこのバカ女・・・いや、この美少女は
俺と同じ中学で、中学の中じゃ名の知れた超?美少女「榎本 茜」である。
少々男勝りだが、男女共に校内では1位2位を争う人気っぷりだ。
何で俺が話しかけられてるのかって??それは聞くな。と言いたい。
「いやぁ~冷えるのぉ~。」
「お前はじじぃか。」
ボケる俺に対して、この美少女は的確にツッコミを入れてくる。
「つか、何でお前俺の所に並んでんの?」
「いーじゃん♪つ・い・で♪」
う・・・言い返せない・・・。
「しゃーねーな・・・。」心の中でそうつぶやいた俺は何て気の弱い男なんだろう。
そしてやっと賽銭箱が見えてきた所で、流れる人だかりの中に俺は一人の女に目が止まった。
マフラーなんかをしていて顔は見えにくいが、整った顔立ちと端麗な容姿に俺はつい・・・
「可愛い・・・。」
「え?なに??」
「え、あ、あぁ何でもない何でもない。」
「?」
・・・つい口に出してしまった。しょーがないだろ。本当なんだから。
そんな美少女は流れる人だかりの中にあっという間に消えていった。
やっと順番がまわってきた所で、俺は賽銭箱に5円玉を投げ入れた。
「受験受かりますように・・・。」
ボソっとつぶやく俺。こうなったら神頼みだ。
「ボソボソボソ・・・」
横で榎本も何かお願い事をしている。
あえてここは「何てお願いしたの?」なんて聞かない事にしよう。
当然の答え。ありきたりの答えが返ってくるに決まっているからな。
お参りを終え、家への道を歩いていると、
「ねー?お願い何か聞かないのぉ?」
顔をのぞきこんできた。正直かわいい。しかし俺は動じない!!
「聞かない。」
「えー?なんでぇ??」
「なんでも。」
それはね、当然の答えがきっと返ってくると思っているからだよ♪と心の中で再度つぶやく。
「えーとぉ、私の願いはぁ・・・」
「って!言うのかよ!?」
・・・思わずツッコんでしまった。
「俺が聞く必要ないじゃん。」
「うん。」
軽ッッ
「・・・別に言わなくていいよ。(わかりきってるし)」
「マジぃ??」
「マジ。(どーせ・・・”ひみつ”とかその辺だろ)」
そんなバカらしい会話をしながら家へと帰る俺達。
「達」なんて言葉がついている理由?それはね・・・
楠木家と榎本家が、目と鼻の先。つまり、家が向かいあってるからだヨ♪
そして俺らは俗に言う幼馴染って奴。
まわりには羨ましいなんてほざいてるヤロー共がかなりどころかメッチャいるが・・・
正直・・・ツラいぞ?
コイツと幼馴染ってだけで恨まれるし、イジられるし。いい事なんて一つも無い。
「はぁ・・・。」
想像するのもイヤになってきた。
「どうしたぁ?お前、なんか今日ヘンだぞ?」
「だぁいじょぶだッ。」
「そう?ならいいんだけど・・・。」
君はお気楽でいいですね。・・・と
「じゃねい♪また今度ぉ♪」
「おお。じゃあな。」
適当に返事を返した俺は隣の空き地(今は家を建設中)に目がいった。
やっと家の形が出来てきた頃で、日に日に出来ていくのが楽しみの一つだった。
時は流れ、受験の日がやって来た日の事・・・
俺は地元の男女共学高校「南方高校」へと受験に来ていた。
・・・榎本 茜と一緒に。
「よっしゃぁ!!今日は頑張ろうぜぇ!!なぁ!春哉!」
「お・・・おう。」
どんだけハイテンションやねんこの人。
俺は正直に言うと、緊張している。まぁ、これが当たり前なのだが・・・
そして早速、受験を受ける教室へと向かう。
俺と榎本は、あいにく!!!違う教室だった。
俺は指定された席へと向かう。窓側の前から3番目の席だった。
俺の前の席には、地元の中学では見た事の無いような可愛い女の子が座っていた。
その子はすでにもう周りから注目を浴びていた。
「あの娘カワイくね?」
「どこの中学かな?」
あーハイハイ。そういうヤツらに受験に集中しろと言いたい。
しかし、前の女の子はすっかり受験モード(臨戦態勢)に入っていて、耳には音声が入っていないような様子だった。
それに安心した俺は、鞄から筆記用具等を取り出し、受験モードに入ろうとした矢先・・・
肩を叩かれ、後ろを振り向くと、
「前の娘、カワイくね?」
「・・・・・若林。お前、いつから後ろにいた??」
話しかけてきたコイツは「若林幸太」見るからに幸せそうな顔つきをしたヤツ。
俺の・・・親友だ。
「まぁまぁそこは気にしない。それより・・・カワイイよなぁ?あの子。」
「お前なぁ・・・少しは緊張感を持てよ。」
「だって・・・」
「まぁ、お前は問題無いだろうケドさ。」
ちなみにコイツは頭が良い。俺よりはずっと。
「まぁね。」
・・・そしてつくづくムカツク野郎だ。
そんなやりとりをしている内に受験が始まってしまった。
カリカリカリカリカリカリカリカリカリ・・・・・
静寂が教室を包み込み、鉛筆の音が教室にこだまする。
カランっ
「?」
前の席の美少女が鉛筆を落としたようだ。
「すいません。」
試験監督の先生に話しかけるその声は、俺の中ではもの凄い美声だった。
なぜだか、周りの空気がふんわりと和んだ気がした・・・。のは俺だけだろうか。
そのおかげで、何故か集中できた俺は、「これは俺か!?」と思うくらいのテストの回答用紙を見つめて
いた。久しぶりに回答用紙に空欄が無く、答えでうめつくされていた。
そしてあっという間に全教科のテストが終了し、俺は緊張の糸もほどけて机につっぷしていた。
周りでは皆帰り支度をしていた。そして俺が目線を前にやると・・・
・・・アレ?
あの美少女の姿がない。先ほどから注目を集めていたあの美少女がいない。
机にはスクールバッグが置きっぱなしだ。どこにいったんだろう。
「持ってってやろうぜ♪」
「うわぁ!!何だよいきなり!」
「だぁかぁらぁ、あの娘に届けてやろうぜって言ってんの。」
・・・つくづくコイツには手が焼ける。
「その肝心のあの娘はドコに行ったんだよ。」
「わかんないから校門で待ち伏せしよぉぜぇ♪」
何でコイツこんなに楽しそうにしてんだ??
「どうするぅ?それとも探すぅ?」
「そのうちここに戻って来るだろ。」
「えぇ~ツれないなぁ。」
当たり前だろ。見ず知らずの人が自分の鞄持って校門で待ってたら誰だって怖いだろうが。
と、言いたかった俺だが。
「・・・職員室に届けるか。」
「おぉっナイスアイディーア♪」
流石にほっとけない。
という事で、話している内に誰もいなくなった教室から出た俺達は、職員室へ向かう事にした。
「ところで・・・」
「ん?」
「職員室って・・・ドコだ??」
「・・・・・・・・」
無言の空気が漂う。
「そういえば・・・そうだね。」
俺らって・・・アホだあああああああああああああああああああああああああああ!!
「何で気付かなかったんだ・・・。」
「何か受験受かるか心配になってきた。」
「やっぱ探そうか?」
「いや、校門で待とう。」
「マジ?」
「マジだ。」
「最初に校門ヤダって言ったの誰だよ・・・。」
む、俺はそんな事一言も言ってねーぞ。
「俺はヤダとは言ってない。他の意見を出しただけだ。」
普通に俺は反論してしまった。
こんな事をしていても仕方が無いから、最初の意見に戻ってしまい、
結局俺達は校門であの娘を待つ事になった。
ー30分後ー
「・・・暇だねェ。」
「・・・そうだな。」
一向にあの子が来る気配がない。
「もうあの娘帰ったんじゃない?」
と、若林。
「このバッグどうするんだよ。」
と、俺。
「そうか・・・。」
と、若林。
「そのバッグ私のだから返して。」
と、俺・・・って・・・え?
「あぁ!!」
やっと現れたと思ったらいきなり俺の背後に現れたのだ。
「あ、ゴメン・・・教室に置きっぱなしだったから・・・持ってきて君を待ってたんだ。」
「えぇ!そうだったのぉ!?ありがとう。」
笑顔を見せたその娘の顔はとても可愛らしかった。
「私、用事あるから!じゃ!そういう事で!」
タッタッタッタッタッタッタ・・・
彼女はそう言うと足早にどこかへ去っていってしまった。
「足・・・速いな。」
「そこじゃないだろ。」
「ゴメン。」
「何も・・・聞けなかったな。」
「うん。どこの中学だとか、今まで何してたかとか、どこに住んでるの・・・とか。」
「とりあえず名前だろ?」
「あ、そーだった。」
あの娘の顔・・・どっかで見た気がする・・・。と、俺は帰り道で思考を巡らせていた。
・・・忘れた。まぁ・・・いっか。
「じゃあな。」
「おう。」
若林と別れ、俺は帰宅した。
そういやぁ榎本の存在忘れてた。まぁ・・・いっか。
そして数日後、家に受験結果が届いた。
結果は・・・
「合格」
「イエエエエエエエエエエエエエエイ!!!!!!」
家族に結果を発表した瞬間、家中バカ騒ぎが始まった。
なぜこうも俺の家の住民は俺以外にもともな奴がいないのだろう。
「やったね兄ちゃん!!」
コイツは俺の弟。「楠木秋人」今年で中2になる予定だ。
そうだ、榎本はどうだっただろうか。
プルルルルル プルルルルル・・・
榎本の携帯に電話を掛けてみた。
「はい!もしもしぃ!!」
「うわっ!うるせっ!!」
「まわりがうるさいもんで!!」
「俺と同じ状況・・・という事はお前も合格か。」
「おう!そうだ!」
「おめでとう。じゃあな。」
「え、ちょっまっ・・・!」
ブチっ
俺は強制的に電話を切った、うるさいかったからな。あー耳に響く。
榎本ん家も俺ん家と同じようにバカ騒ぎしていたようだ。
家が近いから同じ日に通知が届けられたってワケだ。
そうだ、
あの娘は・・・どうだっただろう・・・。
俺の頭の中にあの美少女の顔がスッと浮かんだ。のは気のせいだろうか・・・。
そして入学式一日前の朝。
新しい制服を見て何かとウキウキしていた時の事だ。
ピンポーン♪
家にはあいにく俺しか居なかった。
「メンドくせぇな・・・。」
しぶしぶ俺は玄関へと向かった。
「はい・・・。」
ガチャっ、ドアを開けた先には・・・
「おはようございます。。隣に引っ越してきた神崎 桜と言います。これからよろし・・・あ!!」
「あ・・・!!」
ドアの先に立っていたのは・・・受験の時出会った、あの美少女だった。
「ま、まままず入ってよ。」
ダメだ俺。驚きすぎて、全然呂律がまわんね。つーか家入れちゃったケド・・・いいのか?
まず玄関のドアを閉めて桜サンを玄関の中に入れた。
そーいやこの娘・・・・あ!!!思い出した!初詣の時も見たぞ!!
何となく自分の中で納得していると、さらにドアが開き・・・
「おっはよー!春哉ぁ!遊びに来た・・・って・・・え!?誰この人?」
「どうも、おはようございます。最近できた隣の家に引越してきた、神崎 桜って言います。」
俺、そして美少女2人が玄関で鉢合わせ。
へ~んな空気が流れたのを感じたのは、俺だけであろうか。
「は・・・はは。」
これが俺の平凡ではない日常の始まり・・・だった。
まだまだ文章力不足でお見苦しい所が多々あると思いますが、
そこんとこよろしくお願いします。。。
ていうか、高校生って美少女って言うんですかね?
決めかねてます。。。
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