箱庭 〜壱〜
【休憩】
うたたねまじりに夢を見た
ためいきまじりに恋をした
ときめきまじりに悦にいた
たまにはいいでしょ? 身を預けても
たまにはいいでしょ? 我を忘れても
頭を休めて 心を休めて 翼を生やして 飛んでみる
そんな昼下がりの青空
【風景】
風の中で立ち止まり ふと思い出す刹那の朝
風の中に立ち尽くし ふと思い出し悲嘆の息
見慣れた景色を 駅まで歩いて
見飽きた景色の 中へと溶けて
…繰り返しの毎日
…巡り続きの毎日
振り返れば瞬きの間に 大事なモノは無くなり 大切なキミも消えてた
風の中は常に渇いてる
やがて きっと いつかの景色は離れて
やがて きっと いつかは今の景色に…
【獣】
薄絹を破りて舞い散らした業より溺れた
離れた往路は心の距離と成りて遠ざかり
人外の理に肢体を晒して月明りに悲しむ
ああ…汝 罪深き
茶毛をまとう荒ぶる獣
帰りえぬ人の世を思いて哀しみの牙を研ぐ
【扉】
先んじて求め 手に入るなり 疎んじて笑う
独りよがり 一人きり 変わらないまま
変わらなかったのは ただのわがまま
欲しかったもの 僅かな時間だけ
無くなったもの 微かな時間だけ
押した身勝手な刻印
再び身勝手に押す
ただ 交わりの始末は
ただ 悲しみの結末にと
ただ 描いた夢の扉は
ただ 閉じて次の扉へと
【ただいま】
もうすぐ会えるね ただいま
なにを話そうか? 仕事のこと? 愚痴になるよ
なにを話そうか? 子供のこと? 喧嘩になるよ
なにを話そうか? 今日のこと? 昨日になるよ
ただいま その後が続かない 何も生まれない
ただ 今が幸せなだけ
ただ 今を見てるだけ
そのうち終わるよ こんなんじゃ
これじゃ駄目だよ 頑張らなきゃ
もう一度 よく考えて
ただ 今だけじゃなく
ただいま‥の後の言葉を
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