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転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

01. 出会い篇

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01-04 初めての店舗召喚&カード召喚

シゲルから家を追い出された亮太達は南下して元来た道に戻るのではなく、より木々の密度が濃く、地元民でも近寄らない程多くの木々が迷路の様に入り組む樹海へと入っていく。

樹海内は前日から連日降り続いていた雨の影響もあって酷く地面がぬかるんでおり。
ぬかるんでいない石の上を踏めば表面がヌメヌメしていて滑りやすくなっているために亮太達は慎重に探索して行く。

「またとんでもない所に来ちまったもんだな……。まさに木を隠すならなんとやらだが……」

道を塞ぐ細かい木々を手で払い除けながら二人は道なき道を歩き始めてから10分以上が立っており、気づけば後方にあった筈の村が見えなくなるまで離れた場所に無事避難する事が出来ていた。

まさか命を助けた相手に命を取られそうになるとは考えていなかった亮太の表情は何とか笑顔を作ろうとはしているが空元気の為、ぎこちなさと陰がある。

(亮太、精神的に結構来てるわね……。今は私が支えないと)

そんな亮太を心配している事を前を歩くマリナは悟られ無いように気遣い、亮太が不必要に思い悩まないように出来るだけ会話を途切れさせずに話し掛け続けていた。

「もしかしたら村から討伐隊が追い掛けてくる可能性があったからね! さて亮太、そろそろ樹海の深い所まで来たから改めてだけど色々と準備をしましょうか?」

「準備? ……まさか彼等と戦うとか言わないよな?」
「違うわよ! これから行動するにあたってさっきみたいな危険な状況に亮太がまた陥っても大丈夫な様にするのよ。……とりあえす、気に入っている所悪いけどその死に装束から何とかしましょうか?」
「死に装束? ……あっ、そういやずっと着ていたの忘れたわ」
「嘘でしょ!? てっきりいじって欲しいから着ていると思っていたら、本当に忘れていただなんて! はあ……私達の旅は意外と短そうね~」

そんな少しオーバーリアクション気味なやり取りをしつつ、一先ず亮太は問題の解決法を聴くことにする。

「悪かったよ。それじゃあどうすれば良い? 確か今は日用品を扱う雑貨店があるけど」
「確かに、普段ならそれで事足りるんだけど。今お洒落してもやわい生地じゃ樹海の木々に引っ掛かってボロボロになるし、猪の様な魔物がいつ襲って来るか解らないから。
頑丈な装備を売っている防具屋を(あらた)に今貯まっているSPを使用して、召喚する事が出来る様にして欲しいの」
「なるほどわかった。……えーと、確か店の召喚メニューはこれだったな」

言われた通り亮太は何もなかった空間に半透明のメニューウィンドウを出現させ、店の召喚に纏わるメニューを開く。そこには現在亮太が扱うことが出来る店の種類が書かれており、その画面を亮太とマリナは寄り添いながら確認していく。


【レベル1】
・駄菓子屋 ・各種屋台 ・お惣菜屋 ・小さな自転車屋 ・和菓子屋 ・小型武器屋《所有中》・小型防具屋・小型本屋・お面屋 ・雑貨店《所有中》


「おっ、知らない間に武器屋が追加されているな。何でだ?」
「SPを使う事だけが召喚出来る店を増やせる訳じゃなくて、ある一定の条件をクリアする事でも召喚する事が出来るお店を増やす事が出来るみたいね! 今回、小型武器屋のアンロックが解除されたのは猪との戦闘を体験したからだと思うわ」
「なるほどな。つまりその条件さえ解れば無駄にポイントを使わずにすむって訳だな! それで、その条件は見れるのか?」
「残念ながら条件は解らないわ……。解放の条件は色々と試してみるしかないとは思う。とりあえず今回は武器屋に続いて、身体を守る物を身に付ける装備を扱っている防具屋をポイントを使ってアンロックしてみましょ!」
「わかった!……あっ、でも結構費用が高いなこれ」


ー資金:65,0000SPー

【召喚店舗アンロック】

・小型防具屋【25,0000SP】


元々の手持ち資金が低いために思わず狼狽える亮太であったが、そんな亮太のひきつった顔を見てマリナがすかさずフォローする。

「そんなに難しく考えなくても大丈夫よ? 日付が変わればポイントは補充されるし、召喚を繰り返す度に召喚士としてのレベルも上がるから最初の頃はイッパイ使った方が後々楽になるわよ?」
「最初の街でモンスターを狩るよりも、もっと先で経験値を稼いだ方が良いって感じかな?」
「その例えはちょっと私はわかんないけど。とにかくガンガン使った方がより良い物を召喚出来るようになるって事で覚えておいてね! じゃあ長くなってしまったけど、召喚の方よろしく頼むわね」
「じゃあ早速、アンロックをポイントで解除してっと。よし、小型防具店召喚!」


てきぱきとメニュー画面を操作し、亮太が最後に召喚承認ボタンを押した所で、まず目の前に生い茂っていた木々や地面にゴロゴロと転がっていた様々な大きさの石が元から無かった様に姿を消し。
綺麗に整えられた土地は十畳程の平らな平地となっており。

その整えられた土地に、地面から草花が成長するように地面から少しづつ競り上がるようにして木材の土台が出来上がっていき。やがて10分程が経った所で、亮太達の目の前には無事に完成したのは個人経営のパン屋さんの様な規模の店であり。

この店が防具屋である事を表す、盾のシンボルマークが描かれた小さな看板が出入口の扉に掛けられた防具店であった。

その小さくとも見事な店の出来映えに亮太は思わず興奮して、思わず店に駆け寄る。


「うおぉぉぉ!!! マジで何もないところからお店が出て来た!! 実際に目にするまでは信じられなかったけどこれは凄いなマリナちゃん!! うわおっ! 良く見たら店の中に沢山の甲冑が置いてあるじゃん!!」
「うれしいのは解るけどもう少し声を落としなさいよ! 誰かに見つかったら大変でしょ?」
「わりぃ、わりぃ! じゃあ記念すべき一人目のお客さんになって貰っても良いかな?」
「し、仕方ないわね……。どうせ素人の亮太が見てもどれが良いか解らないだろうし、本当に仕方ないから私が先に入ってあげるわ!」

そう言いつつも亮太が調子を取り戻した事を喜び、なんだかんだで新しい店に好奇心を刺激されていた彼女は遊園地に入る様にウキウキとした様子で来店していく。そんなマリナを見て亮太も嬉しくなり、つい頬を緩ませながら共に店へと入って行く。


扉に付けられた小さな鐘のカランカランと言う軽快な音に迎えられながら店に入った二人が見た最初の景色は、左右に透明のガラスケースに入れられて飾られている様々なアクセサリーや、服屋でハンガーに掛けられたTシャツの様に並べられた鎖かたびら、レザー装備がそれぞれ別の場所に掛けられている店内の風景であり。

その店内の左右に並べられた装備が飾られたコーナーを抜け、通路の行き止まりに当たる場所にはしっかりとした木製のカウンターが設けられており。その背後には様々な形状の盾が飾られていて、カウンターの真ん中に店主らしき銀色の全身フルプレートの甲冑を着用した店員が立っていた。

「いらっしゃいませ~ようこそわたしの防具店へ~」

その力が抜けるような癒し声の女性と甲冑のギャップが合わさり、更に言えば店には店員はいないと勝手に考えていた二人は度肝を抜かされる。

「あれっ!? 店員さんも一緒に召喚されるんだ!?」
「そんなの聞いてないわよ私!?」

そんな戸惑い浮き足立つ二人のテンションに流される訳でも無く、店のカウンターの中で全身甲冑で素肌が一切見えない女性はマイペースに話し続ける。

「あら~? もしかしてオーナーのリョウタ様ですか~? はじめまして~わたしは防具店全般を任せて頂く事になりましたリフレと申します~。よろしくお願い致しますね~」
「あっ、こちらこそよろしくお願い致しますねリフレさん」
「うふふ。優しそうな方でよかったです~」

そんな店主とオーナーと言う特殊な関係になった二人が名刺交換を始めそうな雰囲気になる中で、何故か頬を赤らませながらマリナが二人の間に割って入る。


「二人揃って大人の営業トークしてる所悪いけど、要するにリフレさんが今日からこの店を取り仕切っている訳なのよね?」
「あっ、はい~。そうなりますね~。何か問題がありましたか~?」
「あ……いや……。貴方に問題がある訳じゃないんだけど……その……。あっそうだわ! まだ仕事に慣れていないと思うから、今日は私が案内係りとして手伝うわ!」
「え? でも、説明は専門家のリフレに任せた方が良いんじゃーー」
「それで良いわね? 亮太!?」
「おっ、おう」

そんなお兄ちゃんが盗られるのを嫌がる妹に似たマリナの行動に何故25才男性である亮太が振り回されるかと言うと。

元々一人っ子で姉も妹もおらず。中学高校が男子校と言う経歴を持つために余り女性とも接した経験が薄かった為に、マリナの本音と言うなの女心が解らない亮太は混乱し、冷静にその姿を一歩引いて見ていたリフレは【本当は亮太に甘えたいから我が儘を言っているだけ】のマリナの行動を見て、甲冑の中で外からは解らないが思わず微笑んでいた。


「ふふふ、本当に可愛らしいお二方ですね~。さて、私は紅茶でも淹れておきますね~」

そう言い、あれでもないこうでもないと飾られている防具を見ながら言い合う二人を残してリフレはカウンターの後ろにある扉を開けて店の裏側へと消えていった。

そんなリフレの行動にも気づかない程にルンルン気分のマリナに、試着と言うことで亮太は数セット分の防具を着せられる事となる。

「じゃあ最後に動きやすいレザー装備! 甲冑と違って色々とアイテムを持ち歩けるバック等も気軽につけられるから、戦闘を行う以外の場合はこれが一番扱いやすいと思うわ!」

そう言って着替えさせられたのは、夕暮れ前の淡い青色を思わせる消防隊が着ている厚手で長袖タイプの活動服を思わせる様な見た目をした服で。そして衝撃を受けやすい膝、肘、上半身を守る為に茶色のレザーアーマー式のプロテクターが付けられ。

足はサバイバル用の頑丈な黒のロングブーツが保護し、手にも騎士の様なレザータイプの黒い小手を身につけ。頭には機動隊の顔を保護してくれる半透明のバイザーが付けられたヘルメットの様なものが被せられる。


「おー、まるで機動隊にでもなった気分だな。うん? でも防具は重い筈なのに何故か着る前よりもかなり身体が軽く感じるな、まるで1.5倍程に身体が動いてる感覚だ……」

その亮太の感想を聴いて、マリナは驚かされる。

「まさか正確に言い当てるだなんて……そうよ、亮太の言う通りこのレザー装備を帽子から足まで揃えると普段の移動速度と行動速度が1.5倍になるの。正し、防御力は気休め程度だけどね」
「なるほどな。じゃあ値段は安くは無いけども他と比べて手頃だしこれにしようかな?」
「そうね、一先ずはこれを繋ぎにしましょう。リフレさーん、この防具のセットを購入したいのだけど……。あれ、いないのかしら?」
「そういえばさっきお茶を持ってくるとか言ってたな。それじゃあさマリナ、ついでに聴いて良いかな?」
「何? スリーサイズは教えないわよ?」
「いや、突然聞くかいそんな事! そんな事してたらトレノさんに異世界から連れ戻されて、地獄に落とされるわ! 俺が気になっているのはこれだよ」


そう言いながら空間にタブレット端末に似た半透明なディスプレイを出現させて、あるメニューを表示させる。それをマリナがさささっと亮太の隣に近寄って、覗き見る。


「何なに? ああ、【カード式召喚】ね。良いわ、教えてあげる。【カード式召喚】は文字通りカードを触媒として行う召喚方法であって。亮太は召喚士としての能力をトレノさんにカードを通して贈られたわよね?」

「ああ、確か【比類なき召喚者】だったかな。もしかして【カード式召喚】って、あれと似たような物なのかな?」

「そうね、実はカード一枚一枚それその物に力が宿っていて、トレノさんの場合は能力付与と強化等を専門としているのだけど。亮太の場合は召喚士だから、カードに宿っている力を吸収して自分の物とする事によって何時でもそのカードに宿された召喚可能なものを具現化する事が出来るの。それが、カードを用いた【カード式召喚】よ」


「なるほどなぁ。要するに、ゲームやアニメで良く見るモンスターや、戦士達を召喚して戦わせるカードゲームをリアルで出来ますよって事だな! へへっ、実は中学生位までは友達と良くカードゲームで遊んでたんだよ」

そう言いながら亮太はうきうきとした様子で早速カードを購入する為に【カード式召喚】用のメニューを次々と開いていく。

「ふーん。亮太が召喚士の能力を与えられたのは仕事好きと言うことだけじゃなくて、カードマニアと言う事も含まれていたわけね」
「おう、中学生まではだけどね。……これが最初に買えるカードのパックか、良いねぇ」

中学生以来のカードゲームに触ると言う事もあり、懐かしさが込み上げて来た余りに少年に戻った様な感覚で亮太は召喚に使うための【カードパック】一覧を眺める。

ー資金:45,0000SPー

【パック紹介】

【レベル1】

【初めての食料:3000SP】

【初めての装備:3000SP】

【初めての仲間:5000SP】

【初めての道具:3000SP】


「うーん……正に初心者の俺でも大丈夫ですよと言わんばかりの【初めて】押し。取り合えず中身を確認する上で全部一パックずつ購入しても良いか?」
「全部買っても1,4000SPだから良いと思うわ」
「うし! じゃあマリナ様の許可を得たわけですから、早速購入してみましょうか!!」

そんなテンションが異世界に来て一番高くなると言う、明らかにカードマニアの片鱗を見せ初めている亮太にマリナが生暖かい視線を送るなか。

亮太は4枚のパックを馴れた手付きで画面を操作して購入する。するとアイテムストレージに購入したパックが納品され、それをうきうきとした様子で亮太は右手を前に突きだしてパックを受け取れる様にしてから具現化させる。

すると、それぞれ色の違う中に5枚のカードが封入されているカードが亮太のイメージ通りに右手の手のひらへと召喚された。


「よし、じゃあ先ずはこの【初めての食料】から開けて、遅くなったけどお昼ご飯にしようかマリナ様?」

そう言って亮太が選んだのは、様々な料理や食材が料理店のメニューの様に描かれたパックであり、今日の昼まで何だかんだで何も食べずに激闘を繰り広げて来た二人にとって今一番必要としているパックだった。

勿論、ずっと腹ペコだった事を言い出せずに辛い思いをしていたマリナは跳び跳ねる勢いでその話に強く賛同し、正面から抱きつく。

「やったあ! 実は私ずっとお腹が減っていたの!! ありがとう亮太!!」

異世界に来て初めて出会ってから見る、彼女本来の幼さが残るマリナの笑顔を見て。亮太は改めてマリナが自分の心を殺してまで教官件、護衛役を引き受けてくれていた事に気付かされる。

(マリナちゃんにずっと俺は無理させていたんだな……。早く俺も一人前になって、彼女の負担を少しでも減らさないと)

そんな事を考えていたために無意識に神妙な表情をしていたのか。コアラの様に抱きついていたマリナが不思議そうな表情で亮太を見上げる。

「どうしたの亮太さん? お腹いたいの?」
「ははは、いやそんなに喜んで貰えるならこのパックも本望だろうと思ってさ。よし、じゃあ早速パックを剥いていこうか!」
「うん!」

空いた左手でマリナの頭を優しく撫で、最早ツンデレキャラを忘れているマリナが撫でられて気持ち良さそうに目をうるうるさせているのを尻目に。亮太は【初めての食料】の開封をしていく。

まず亮太は【初めての食料】以外のパックを一先ずはカウンターの上に置かせてもらい、手早くパックの右上に付けられた三角形にくり貫かれている明け口から丁寧に開けていく。

そして中から現れた5枚のカードを手札の様に扇の形にして持つ。

「よしよし。何故かフルーツが多いが、ある程度はバランス良く出てきてくれたな。お酒はこれからの交渉に使えそうだし」

【開封結果】
・角切りスイカ5個セット【R】
・りんご【N】
・わーいお茶2L【N+】
・割り箸20本【N】
・日本酒:男咲き一瓶【R+】


その開封結果を見て初めてにしてはまあまあと言う評価を亮太が考え、ふと視線を落とすと伸ばした自分の腕と腕の間にいるマリナがスイカのカードを見て目を輝かせながら唾を飲み込んでいる事に気付く。

試しにスイカセットのカードをマリナに寄せると、マリナの尻尾がバタバタと左右に振られ。逆に離すと彼女自身の気持ちを表すかの様にしゅんとしてしまう。

ネタ的にはかなりベタなのだが、まるで大阪の某肉まん屋さんのCMの様に一喜一憂するマリナの姿に疲れていた亮太も思わず微笑んでしまう。


「お待たせしました~。あら~……素敵な防具を選ばれたのですねマスター。そしてお二人の仲がよろしいのを見れてよかったです~」

そう言いながら、カウンターの裏にある裏口から現れたのはティーセットと美味しそうなクッキーや、ケーキが載せられたおぼん両手でを持ったフランス貴族の様な美女であり。

彼女が着ている美しい白いロングドレスに負けないほどに美しいブラウンカラーでカールがかかったロングヘアーと透き通るように白い肌、そして芸実品のようなモデル体型で整った顔立ちを彼女は持ち合わせていた。


そんな突然のどっきりに亮太達はただただ開いた口が塞がらない様子で、謎の美女に釘付けにされていたが。ふと我に帰り、震える声でまず一番に浮かんだ質問を彼女に答えをとう。


「ええーと……もしかして貴方は先程まで甲冑姿だったリフレさんですか?」

その問いにたいして謎の美人はにっこりとした笑顔で答える。

「はい、マスター。私はこの防具店の店主をさせて頂いています、リフレですよ」

「「嘘でしょょょ?!!」」

思わず声を合わせて驚きの声をあげる二人の姿を見て、リフレは思わず可愛らしく右手を口に当てて笑う。

「ふふふ、ごめんなさいお二人とも。甲冑姿でおもてなしするのは失礼かと思いまして着替えさせて頂きました。よろしければ茶菓子のクッキーとケーキを作りましたので一緒に召し上がりませんか?」

その魅力的な御誘いを受けた二人は御互いの顔を見合せ、頷き会う。

「スイカは晩御飯の後にして御言葉に甘えるとしようかマリナちゃん」
「そうね、せっかく準備してくれたんだもんね」

そこから始まったお茶会は30分ほど続き。その後、本来の目的であった防具セットを亮太達は購入しようとするのだが、お金が少し足りなかった為に少し割り引きしてもらって防具を購入すると言う恥ずかしい流れもあったが。

亮太達が真剣にこれからの旅の方針を決めようと意見を出しあい始めたそんな時であった。突然港の村の方から何かを知らせる様にカーン! カーン! カーン! と言う大きな鐘の音が響き始めたのと、息も絶え絶えに彼等の後を追ってきていたユリが店の扉を開けて、倒れ込んできたのは。


慌てて扉を開けた所で倒れているユリへと駆け寄る亮太達。

「ユリちゃん?! どうしたんだこんなに泥だらけの擦り傷だらけで?!!」
「お兄さん達ごめんなさい……無理を承知でお願いがあります……。私達を今一度……助けて頂けないでしょうか……?」
「一体何があったんだ?」

その質問に対してユリが返した答えは亮太達の想像を上回るものであった。

「お兄さん達が撃退してくれた……猪達の中で……。生き残っていたものが猪の大群を率いて村の方へと……濁流の様な物凄い勢いで木々を倒しながら駆けていくのを……。ここに来るまでに見たんです……」


その言葉を聴いて、亮太達は自分達がしっかりと後先を考えずに猪達と戦った結果が火種となってしまい大勢の人を飲み込まんとする炎になってしまった事に気付かされる。


「何てことだ……。リフレさん! 店はこのままにしておきますのでユリちゃんの世話をお願いします!! マリナ、着いてきてくれ!! 猪達の動きを何としても止めるぞ!!」

「かしこまりました、マスター」

「わかったわ! 道案内はまかせて!!」

新に得た力に後押しをされながら、共に二人は走り出す。

自らが撒いてしまった災いの種を回収するために。
・文章の修正をしました。(9/2)
+注意+
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