挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

05.日ノ本の灯が沈む時篇

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

76/103

05-05 黒船で来港②

「マイマスター。貴方には船内からでも外の様子を伺える筈です」

「今更何を……!! あっ……」

 その言葉に従って亮太が目の前に写し出したモニターには、全く想像していなかった光景が映し出されていた。

「空……砲……?」

「イエスサー。出港前に壮大な花火を打ち上げようと思いましてネ?」

 ペリーが言うとおり、モニターには尾張の港にいる信長の部隊に対して艦隊が砲撃を行っている映像では無く、“名古屋の軍港”から海上に向けて花火を打ち上げている六隻の黒船の姿が写されており。

 慌てていた秀吉達は思わず深い溜め息と共に苦笑いを浮かべて声をあげる。

「いやいや全く! 南蛮式のこんな壮大なドッキリを仕掛けられる何て思っても見なかったですよ!」

「HAHAHAHA!! 驚いて頂けた様で良かったデス!! でも、これで良くわかりましたね?」

 そう言ってにこやかな笑顔から突然真顔になったペリーは、ひきつった顔をしている亮太を見据えて語りかけ始める。

「マスター、それに戦闘能力の無い秀吉様達をこれから向かう尾張に上陸させる訳にはいかないと言う事が」

「……それは、どういう判断上から結論が生まれたのですかペリーさん?」

 何とか冷静を装いながら聞き返した亮太に、ペリーはゆっくりと頷いてから指を鳴らして見せる。
 すると先程までは外の様子を衛星からの映像の様に真上から写していた画面が切り替わり、動画投稿サイトの関連動画を紹介するフィルムの様に切り抜かれた6枚の画像が横に並べられている画面が現れる。

 そこに飾られた画像の一場面は何なのかと言うと……。

「……私が関わって来た戦闘のワンシーンですね」

「ザッツライト! これはマスターがこの世界に来られてから能力を振るわれ、自らの戦闘スタイルを披露された動画の1部です」

「わぁ……懐かしいわね……」

 やがて秀一家を猪タイプの魔物から大量の落石を持って助け出した動画が1.5倍速で流れ始め、思わずマリナが声をあげてしまうが今回の話の焦点はそこでは無いらしく。
 場面がラムセス率いるヴァルハァム軍が襲撃を掛けてきた、第二次アサツユ村防衛戦に移って来た所でペリーは静かに話始める。

「今回作戦に参加させて頂けるに辺り、マスターの戦闘記録を全てチェックさせて頂きマシタ。
 艦隊を指揮させて頂く提督と言う立場から正直にコメントさせて頂きますと……“司令官と言う立場を取っているにも関わらず、自ら剣を振るい英雄にもなりたい”と言う矛盾をはらんだマインドを持たれている様に思われます」

 その当然とも言うべき指摘に思わず亮太は膝の上に置いている手に汗を滲ませながらも、お医者さんの様に語りかけ自分の事を見詰めて来るペリーを見詰め返しながら、自らの不甲斐なさ故に悔しそうに返答する。

「その……通りだと思います……」
「亮太……」
「マスター……!」

 その言葉に両側に座って居るマリナとエリスが思わず慰めようと声をあげそうになるのだが、亮太も25歳生きてきた社会人の一人である。

「ペリーさん。私が抱えている問題点を教えて頂いても良いですか?」

 その言葉を受けたペリーは真剣な表情で眉をピクリと動かし、小さく頷いた後、亮太が召喚士と言う軍隊の司令官の様な職業でありながら犯している問題をあげていく。

「先ず、感情的になった時に経験が無いにも関わらず、自らの手で全てを解決しようとする事ですね」

「はい……」

 目の前に写されているモニターには、ラムセスによって殺されそうになったヴァルハァムの兵士の盾となる為に、転送の杖を用いて前に現れて反射の盾を用いて守って見せたのだが……。

「この後、奇襲を受けながらも冷静を取り戻したラムセスに追い詰められてしまい、立ち上がる事すら出来ない重傷を受けてしまいます。ここは自ら立ちはだかるのではなくルルさんに狙撃をしてもらうか、自らの代わりに武装させた兵士達を送り込む方が良かったかも知れませんね」

「将棋で控えの駒を使って仲間を守る理屈ですね……。その通りだと思います」

「ヒーローならば正しい判断でしたが、この時のマスターは限り無く一般ピーポーデシタカラネ?
 ただここで問題となっているのは、自らがキングの駒の一人であるにも関わらず自らも戦場に赴くと言う思想を捨てきれずに、そのまま発展させてしまった事デスネ……。
 これに関しては、指摘してくれなかった上官の方にも問題があるとは思いますが」

 そう言いつつも場面は異世界での何でも有りの戦闘シーンが写し出され、秀吉が「うぉい?! ワシを置いてこんな楽しそうな事をしておったのか?! うおっ、なんだこのトンデモ大砲は?!」と言う歓声をあがる中で、ペリーはこのシーンを見てあきらかにテンションを下げていた。

「ここでの戦闘が、マスター達を鍛える処か少数精鋭主義を増長させてしまっています……。もし、ここでの戦闘が無ければ自分達の力押しで問題を片付け様と言う考え方に執着せずに、素直に増援を頼めていたかも知れませんネ……」

「確かにそうかもしれませんが、危機意識を持てずに転生者救出作戦を慌てて解決しようとし、皆を危険な目に会わせたのは間違いなく私の責任です……」

 その感想が生まれたのは、孤立した転生者達を救出する事を目的とした砂漠の町モカロフでの戦闘であり。
 この対盗賊との戦闘では高い戦闘力を持っていたにも関わらず、亮太達の経験不足が露呈して泡や全滅の危機に陥っていた処か、反乱を起こしていた転生者達に捕らえらてしまうと言う大失態を犯してしまっている。

「もし、この転生者が本気でマスターを殺しに掛かっていたり、ヴァルハァム王国の様な洗脳技術を持っている相手だった事を想定した場合……。間違いなくこの世界は崩壊していたデショウネ……」

「し、しかしペリーさん。マスターはその事を反省されたからこそ……恵比寿様に大規模な支援援助を頼まれ、少数精鋭での作戦行動を取らないように考え方を改めておられます」

 そう言って思わず擁護の声をあげたエリスにペリーは変わらずに鋭い視線を向け、今回ここまでして亮太を止めようとした自らの思いを打ち明ける。

「ミスアルバイン。……正直に申し上げますと、繰返しになりますがマスターはチェスで言う所の“キング”であるにも関わらず、情勢を理解出来ていない見知らぬ土地に半ば観光気分で行かれようとしているのです。秀吉様達も含めましてネ?」

「え……? そ、そんな事は有りませんよね、マスター?」

 その亮太に対して絶大な信頼を寄せているからこそ来る、盲目的とも言える彼女の思いは冷や汗をかき始めている左隣の亮太に向けられる。

「すまない……エリス。実はトレノさんからの情報と個人的に知っている歴史の知識しか知らないし。アサツユ国を整えた様に直接乗り込んで仕事をしようとしていたんだ……」

「え……あ……そうだったのですね……。すいませんマスター……理解が及んでおりませんでした……」

「いや、エリスが責任を感じる事では……」

「いえ! ペリーさんの言われる事は、マスターだけでなく側にいた私達にも非があります!! だからこそ、反省すべきなのです……」

「オウイェス……私が伝えたかった事のひとつを理解してくださった事に感謝します。ミスアルバイン。今回出てきてしまっている問題を片付けるにはマスターの考え方だけを改めるのでは無く、組織全体の考え方を改める必要が有るのデス」

 やがて正面に映し出されていた過去の失敗動画は、今回の舞台となる日本列島そっくりな形をしている日ノ本の全体地図に切り替わる。

「では、今までの失敗を踏まえて、これから行うミッションをどれだけ素晴らしい物に出来るかを考えて見ませんカ?」

 そのペリーの言葉を皮切りに動画に映る映像は、これから向かうこととなっている織田信長の領地である尾張(名古屋)に拡大されていく。

「シンプルに申し上げましょう。現在この日ノ本における尾張と言う場所は、日ノ本一の火薬庫だと思って頂きたい! それは何故かと説明しますと……織田信長が桶狭間の戦いで今川義元を討ち取れ無かった事に関係しています」

「やはりそこが肝になりますよね……」

 そう言って呟いたのは亮太達の座っているソファーの後ろで、秀吉と共には並んで立っている秀長であり。思わず亮太は聴いてしまう。

「秀長さん。信長が今川義元を討たなければ、忠実の歴史とどう違ってしまうのですか?」

「はい。元々今川家の領土は本国である駿河・遠江に、事実上支配下に置いた三河と尾張東部(今の名古屋市緑区大高や豊明市沓掛町辺り)です。
 しかし今回の戦いで今川義元を討ち取らずに人質に取った信長様は今川家に対して、馴染みがある松平元康を大名として三河を松平家の領地とする事、織田家と松平家と同盟を組むこと、そして多くの武将や家臣を討ち取られた事に対する多額の賠償金を要求しています」

 一見すると、平和に話が終わった可のように聴こえる話だが、この裏にはとんでもない落ちが待っていた。

「……私が心配に思っている事は、若き姫様である元康様が託された三河の者達は古くから織田家とは犬猿の仲であり、織田家よりもお世話になった今川家に恩があるのです。
 そんな彼等が素直に織田家の言うことに従うとは思えませんし、奇襲を受けただけで未だ今川家の兵力は殆ど衰えてはいないからこそ、信長様は今回の話に藁にすがる思いで飛び付かれている……」

「えーと……つまり、織田信長は未だに敵に囲まれていて危機的な状況だから、今回の天皇陛下直々の救援活動を成功させる事で名を売って、それを弾みにしようと考えている……と言う事ですか秀長さん?」

「はい。私の予測が正しければデスガ……」

 そう言って、この部屋の中で一番の情報を握っていそうなペリーに秀長は目配せするとペリーは小さく頷き、補足を入れる。

「その通りです、ミスター秀長! そしてそれは我々だけでなく、今回のミッションに反対している者達も理解しているハズデス」

「それはどういった者達ですか? 私達に手を出せば、天皇陛下に対しても敵対する事になると言うのに……」

 その亮太の言葉にペリーは複雑な表情で答えた。

「その通りです。しかし、日ノ本の各地域では今も各地の地主である大名が大きな権力を握っていて。政府である幕府から独立していると言っても過言では無いのが、センゴクジェダイなのです……。
 なので、憎き敵国が強大な名声と支援を未来永劫受け続ける事となるであろう今回のイベントを、何としても自分達がやったとバレないように阻止しない訳にはイカナイノデス!! 見てくだサイ!! このムービーを!!」

 やがて映し出されてた映像は、完全武装した織田軍の軍勢が黄色い昇り旗に織田家の家紋を掲げながら、侍達が港全体にくまなく駐屯している光景であり。
 その中には明らかに様子がおかしい商人や、港が見渡せる森の中から見下ろしている者達や、お店に足軽の防具を身を纏いつつ身を隠している今川家の侍達を確認する事が出来た。

「ここに何も考えずに向かっていれば間違いなく襲われていましたね……」

思わず呟いた亮太を奮い起たせる様にペリーは声をあげる。

「ザッツライトデス、マスター!! 我々がこれから向き合う相手が今まで相手にしてきた、自分達から名乗りをあげて襲ってくる小規模な軍勢ではなく、“国家”を相手にすると言う事を御理解して頂けた様なので、私は一安心シマシタ」

「早速ですがペリーさん、これからどの様な編成で望む方が良いかを話し合えませんか? お恥ずかしながら、未熟な私だけではその答えが見いだせないのです」

「……本来であれば、一介の提督である私が司令官殿にアドバイスをするのは不自然であるとはオモイマスガ……。分かりました、出来る限りの案を皆さんと共に出しあってミマショウ!!」

その後、織田家との会談が予定されている時間である昼の1時までの30分を用いて亮太達は御互いにアイデアを出しあって考え方を改め、今回の作戦に望む事となる。
色々な資料や、戦国時代の時代背景を調べていた所。今までのノリで話を進めると、亮太達が戦国にタイムスリップした自衛隊の様に全滅するであろう事が分かったので。
話のテンポを悪くてしまっていて申し訳無いのですが、一度反省回を設けさせてください。

・ランクアップ費用をあとがきに追加しました。


◇資金:442,7075,0150SP

【ランクアップ費用】
◇蒸気船×6《Rank,UR》→《Rank,UR++++》【-2,4000,0000SP】
【改造内容】
・三枚羽のスクリューを二機追加。
・蒸気機関を高出力ディーゼル機関に変更。
・船の外面を木製から鉄製に。
・レーダー類の追加。

◇戦艦【長門】《Rank,UR+++》→《Rank,UR+10(Max)》【-7000,0000SP】
・バウスラスターの追加。
・機関を艦本式かんほんしきタービン4基(8,2000馬力)から、高出力ディーゼル機関2基(21,7600馬力)に変更。
・戦闘指揮所(CIC)及び、電子機器の追加。
・武装の一部近代化
【改装前】
45口径41cm連装砲4基
50口径14cm単装砲18門
40口径12.7cm連装高角砲4基
25mm連装機銃10基

【改装後】
45口径41cm連装砲4基
54口径127ミリ単装速射砲6門
多目的ミサイル用VLS(8基61セル、セット)2箇所
高性能25mm機関砲(CIWS)5基

◇装甲空母【大鳳】《Rank,UR+++》→《Rank,UR+10(Max)》【-7000,0000SP】
火薬式カタパルト二機追加。
バウスラスターの追加。
機関を艦本式タービン4基(16,0000馬力)から、高出力ディーゼル機関4基(43,5200馬力)に変更。
戦闘指揮所(CIC)及び、電子機器の追加。

・武装の近代化
【改装前】
10cm連装高角砲6基12門
25mm3連装機銃17基51挺
同単装機銃25挺(移動式)
爆雷6個

【改装後】
10cm連装高角砲6基12門
高性能20mm機関砲(CIWS)12基
多目的ミサイル用VLS(8基61セル、セット)2箇所

◇資金:442,7075,0150SP-38,0000,0000=404,7075,0150SP
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ