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転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

05.日ノ本の灯が沈む時篇

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05-03 緊急事態は突然に

・ライフラインに関する文章を追加しました。
・今回の工事で使用した賃金と支援金を後書きに追加しました。
・風力発電機の数を135機から→100機に減らしました。
 4日間と言う期間を用いて行われていたアサツユ諸島の整備と建築工事は無事に終わり。建設に関わっていた大勢の人々は自分達が築き上げた島や、基地等のそれぞれの場所で生活を送り始めていた。

 主に今回の諸島開発で何が変わったかと言うと、今回から本格的に行われた事の一つとしては大規模なインフラ整備が入っており。

先ず海上や山の上に建てられた風車による風力発電が開始されており、全部合わせると100機程の風車から生まれた電気を山の上に建てられた変電所に集め、そこから電線によって各家庭に電気が送られる事で家電製品が使用可能となっていたり。

高台に設置された貯水タンクから各家にパイプを通して水道を使える様にしたり、そしてその水を排泄する為の下水道を地下に巡らせつつ、新たに開拓した平地に建設された下水処理施設での汚水処理が朝から開始されていたり。

まだ数が揃えられていないので、飲食店に限定して置かれたプロパンガスを用いた火を使って各地の料理人達がその腕を振るっている。

まだ足りていないエネルギー問題に関しては、召喚された魔道師達が魔力を燃料としてエネルギーに変換する大型マナコンバーターを用いて不足分を補ってくれているのがアサツユ諸島のエネルギー関連の話となります。

そして今までは島の外から訪れる相手に対して、家の扉処かコントのセットの様に何も守る物が無かったアサツユ島にやっと島の外に防衛線と言う囲いと門が完成し、軍隊と言う身を守ってくれる鍵つきの扉と壁が出来た。

 よく「軍事力を持つことは間違っている!」と言う人がいるが、それは犯罪者や敵対している国が侵略を起こさない事を前提とした話であり。
 平和と愛を説かれる聖書に置いても、将来古代イスラエル人の祖先からキリストが産まれると言う予言を成就させる為に、常に敵国に囲まれていたイスラエル人は首都であるエルサレムにしっかりとした城壁を築き上げ、剣や弓等の武器や、防具も持っており。
 神による保護と敵対する勢力を全滅させた様な記述も勿論あるが、しっかりとした警備も出来ない丸腰のままではやはり国としては成り立たなかった事が伺える。

 こうした理由もあり、やっと【アサツユ村】から【アサツユ国】に形としてはなる事が出来た民達の表情は明るく。皆が自分達の事を戦国の地から逃げ出した逃走者ではなく、自分達が立派な国を持てたと言う安心感と高揚感を味わっている様子が各地で見られる様になってきた。

 その様子をアサツユ城の天守閣にある展望台で春の暖かな陽気を感じているジャージ姿の亮太と、髪をツインテールに纏めたメイド服姿のマリナが左にいて。
右隣には体にフィットするタイプのクリーム色の縦縞(たてじま)のニットを着用し、桜色のミニスカートと黒のニーソックスを履いたエリスが右側に並んで嬉しそうに眺めていた。

「やっぱり、ヴァルハァム王国に荒らされていた制海権を取り戻せたのは大きいな」

「うん!! 今まで外から来ていた海の魔物が居なくなったお陰で、皆安心して魚釣りが出来ているみたい!!」

 亮太とマリナの視線の先には、近海で漁を行っている汚れや錆び一つ無い動力付き漁船と、色とりどりのコンテナを積み込んだ2隻の大型貨物船とそれを囲うように護衛についている巡洋艦2隻と駆逐艦5隻が、ヴァルハァム王国方面へと向かう姿が目に写っている。

 その船達は浜辺に木製の小舟が置かれていたり、日干し用の木製の網が置かれていただけで港と言うより海水浴場だったアサツユ村の海岸から出た船では無く。
 今回の増築で、新生ヴァルハァム王国が取り仕切っていた名古屋の様な土地を港街として合わせて整備し、現代の港と同じ様に複数の漁船を収容できる停泊地を造るだけでなく、威勢の良い声が響き渡る巨大な海鮮市場や、物資を大型貨物船に載せる赤いクレーンが目に写るコンテナターミナル等が建設されており。
 これにより漁師を望む人達は今までと比べ物にならない収穫量と給料を貰え、食料や物資に困っている王女ナバルの元へと大型貨物船を用いる大量輸送が今日から行われている。

「発展しているのは漁業だけでは無いですよ、亮太さん! 陸地でも大勢の人達が町から三車線の道路を通したり、山をくり貫いて造った鉄道のお陰で以前ヴァルハァム王国が攻めてきた10キロ圏内までを整備する事に成功しているそうです!」

 嬉しそうに語るエリスの言う通り、以前からアサツユ町を中心にして行われていた陸路の整備と、山や陸地に造る畑や田んぼ、果樹園を造る工事も着々と実を結んでおり。
 このペースで行けば一ヶ月もしないうちにアサツユ町で暮らしている人達を養えるだけでなく、国外にも輸出する事が出来る程の収穫量が得られる予定となっており。
 そこを足掛かりにして、アサツユ国の発展だけに留まらず新生ヴァルハァム王国や、日ノ本を支援する事が出来る事も視野に入りつつあるので、その為の食糧庫の増設や田園地帯の中間地点にも新たな町を造る事など、アサツユ島だけでも色々と明るい未来が来ることを感じさせられるのだが……。

【ピイィ!! ピイィ!! ピイィ!!】

「うおっ?! 何だ!?」

 穏やかな空気は突然亮太の脳内で鳴り響いた、警報装置の様な甲高い音に水を刺されてしまう。

 《突然すまない亮太くん!! 重要な話があるから警備司令室にまで来て欲しい!!》

 そのあわただしい声の主は亮太達の上官に当たるトレノであり、今までに無いその様子に亮太は耳を立てているマリナとエリスにも分かるように復唱を行う。

「緊急事態の為に警備司令室に向かえば良いのですね?」

 《ああ! 日ノ本で大変な事態が起きようとしている様なんだ!! マリナくんとアルバインくんも連れてきて構わないよ!!》

「ありがとうございます! では、今から向かいますね」

 《待っているよ!》

 その言葉を最後にイヤホンから聴こえて来るようなトレノのとの通信は途切れ、亮太達は引き締めた表情でアイコンタクトを行いつつ頷き合い。三階の警備司令室に向かう事となる。


 ーーーーー◇ーーーーー


 何時も会議を行う際に使用している警備司令室には、亮太達が訪れた時には既に秀吉と秀長、そして正則が到着しており。
 三人は社長の机の様に警備司令室の入口を入り、短い通路を歩いた先に置かれている大きな事務机を背後にして、黒いスーツ姿で人間の姿をしている立ちっぱなしのトレノが、同じく立ちっぱなしの秀吉達に質問を受けている最中であった。

「……と言う事は、日ノ本に大地震が起きて沢山の犠牲が生まれてしまうと言う訳なのですか?! だとすればとんでも無い事になるぞ!!」

 その秀吉の驚く声に思わず反応してしまうのをグッと堪えつつ、亮太はトレノ達に挨拶を送る。

「お待たせしましたトレノさん!」

「やあ! 突然呼び出してすまないね亮太くん達!! 少し緊急事態が起きてしまったものでね!!」

「秀吉さんが言ってましたが大地震とは何ですか」

 そう言って真剣な表情で尋ねる亮太にトレノは咳払いをしてから、説明を再開する。

「こほん。実は恵美須様から伝えられた話によれば、3週間後に秀吉さん達の故郷である日ノ本を大地震が襲うと言う重大な報せが伝えられてね」

「大地震が日ノ本を襲うですって?!」

 そのとんでもない話に思わず狼狽える亮太達であったが、周囲を落ち着かせる為に落ち着いた様子でトレノは話を続ける。

「既にこの事は日ノ本を司る天皇陛下や、協力的な姿勢を見せていると言う織田信長に私と恵比寿様を通して話し合いが持たれていて。天皇陛下が亮太達の日ノ本での活動を認めてくださったお陰で、大地震に備える様にと言う御触書が日ノ本中に配られ始めているんだ」

「なっ、そんなあっさりと天皇陛下と交渉出来る物なのですか?!」

 国の象徴であられる天皇陛下との交渉が行われていたと言う事にも亮太達は唖然とさせられるのだが、トレノは「恵比寿様は神様を名乗るほどの力を持っておられるからね。お歳を召した陛下が青年の姿に若返れば、誰でも信じるさ」と言う言葉に亮太達も唖然としながらも納得するしか無かった。

 やがてトレノを通して伝えられた指令は以下のものである。

第一に、関東地方と中部地方を襲う大地震により発生するであろう大きな津波から防ぐ為の防波堤、及び20mを超える城壁の建設。

第二に、耐震強度が全く無い家に住む人達に頑丈な新たな家の提供。

第三に、防災訓練及び防災マニュアルの配布と指導。

第四に、被災者の為の体育館等の避難所の設営と施設の増築、及び備蓄食料・水・寝床となる物の準備。

第五に、地震による土砂崩れや、崩落の危険性がある場所から住民達を避難させる事。

第六に、安全に支援物資を届ける事が出来、備蓄する事が出来るだけの場所の確保。

第七に、地元住民の方との協力態勢の確保と移動手段及び道路の確保等があげられた。

 その情報を聴いた秀吉が恐る恐ると言った様子で、今回起こるとされている災害がどれ程の規模の被害を生み出し、どれだけの範囲に及ぶのかを聴く。

「幾ら能力を持つと言っても、分からない事には対処出来んからのう」

「そうですね。では、司令室のモニターに写しながら説明させて頂きますね?」

 そう言ってトレノは司令室の映画スクリーンの様な画面に日ノ本の全体地図を映し出して、室内の警備隊員達も思わず見守る中で詳しい説明を行う。

「今回の大地震は近畿から東海、北陸にかけての広い範囲で起きるとされていて。
 亮太くんがいた所で言う所の福井県、石川県、愛知県、岐阜県、富山県、滋賀県、京都府、奈良県、三重(越中、加賀、越前、飛騨、美濃、尾張、伊勢、近江、若狭、山城、大和)に相当する地域が被害に会うこととなり。
 具体的な被害を言うと地滑りにより幾つかの村や町が押し潰されて消え、津波を弱める防波堤の無い陸地には8mの津波が押し寄せ、陸地に居る人達が海に引きずり込まれると言う甚大な被害が及ぶであろう事が予想されています」

 そのとんでもない話を聴かされた亮太達は思わず息を飲み、正則が思わず「……日ノ本の真ん中部分の陸地と海岸線全てが被災地となるのか」と震えた声で呟く。

 そんな不安と恐怖に飲み込まれている亮太達を見たトレノは怯むことなく激を飛ばす。

「君達に私達が創造の力を託したのは、今言った様な残酷な未来を雨露を払うが如く振り払う為なんだ!! 安心して欲しい、君達には絶望を取り壊し希望を生み出す力だけでなく、対処する為の知恵も、信頼できる友も居るのだから」

「……わかりました、出来る限りの事はやって見せます」

「そうじゃ、ワシらはもう無力な農民では無いんじゃ!!」

「例え一つの村であっても救って見せます」

 その言葉に一同は勇気を奮い起こし、一致団結して絶望に挑む決意を固める。

「では具体的な指示を皆のデータベースに送らせて貰うね。各自確認して欲しい」

 そう言ってトレノから送られてきたそれぞれの使令は以下のものである。

 【亮太】:トレノ、秀吉、秀長と共に尾張の港(現在の名古屋港)に物資を載せた船で上陸後、協力者である織田信長と顔合わせを行う。
 その後、任される予定となっている三河へと道を整備士ながら進行し、三河を仕切る松平家の当主松平元康と話し合いのうちに三河を震災に耐えれる国とした後、同じ様に今川家、北条家と話し合いを持ち。
 今回の震災で多大な被害が予想される武田家が納める甲斐や、上杉家の納める越後に赴き同じ様にコンタクトと協力を願う。

 もし反対された場合は人命を第一とし、権力者の無力化を伴う実力行使も已む無しとする。

  その使令を受けた亮太に、今川家から始まる戦国時代の猛者達の中に放り込まれる亮太達に皆が同情する中で、トレノも供に赴く事を付け加える。

 【秀吉】:アサツユ諸島の管理指揮をする為に正則が必要である為、弟の秀長と力を合わせて織田家が納める尾張と、当主が亡くなったばかりで荒れている美濃(岐阜県)、海賊と化している伊勢に、必要であるならば【源家】の武士達を引き連れて出向き。
 亮太と同じ様に既にお上から届けられている書状を元にして協力を呼び掛ける。
 無事協力状態になれたならば他の小国の大名達に共に呼び掛けて貰い、崩れやすい山岳地帯や海岸にいる住民達に、大地震の三日前までには完成させる予定となっている安全な避難場所に着て貰うと言う様にと伝えて貰う。
 そして避難地帯となる空地の整備や、住宅の建設を秀吉達が請け負う事とする。

 激しい反対が予想されるが、その時は反対者達を皇居の側まで転送し説得して貰う手段も用意している。

「とりあえず大間かに決まっている事はここまでだ。残りは三週間と言う期間をかけて調整して行こうと思っているから、よろしくお願いするね。では一時間後に名古屋港に集合と言うことで私からの話は以上とかせて貰います。質問等があればどうぞ」

 その説明を聴いた亮太達は新たな使命の元にその後も話し合いを交わし、早めの昼食を取ってから名古屋港から日ノ本へと向かう事となる。
◇資金:992,2065,0150SP+【支給額三日分】6000,0000SPー【建設工事中で使用した食費、衣服、消耗品等の費用、給料等】350,0000,0000SP-【新生ヴァルハァム王国に対する支援金】200,0000,0000SP=442,8065,0150SP

補足としてアサツユ島以外の四隅島や、外を守ってくれている12時計島でもアサツユ島と同じく漁や、農業は行われていまして。

農業においては亮太が託された品質の良い種や、収穫時期を半分にしてしまうとんでも無い効果を持つ肥料により収穫量が増え。
漁業に関しても、現実では意味が違うのですが、海の生体を活性化させる海面活性剤を用いているので、魚の絶滅を心配する事もなく大量の魚を釣り上げる事が可能となっていると言う、御都合主義が行われています。
+注意+
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