挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

04. 衝突する願望篇

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

56/102

04-10 デザートストーム

何時も読んでくださりありがとうございます!

・この回から文章の始めに空白をあけ、一連の文章を纏めるやり方にしています。元々の文章力が合わさり余計に読みにくくなったとお感じになられましたら、感想等に書いて頂けると助かります!

「よし! ラムセス兄さん!! 僕がガイコツさんに止めを打ちに行くから、その間にラムセス兄さんはサンドワーム達の注意を引いてマスター達から引き離す作戦で行こう!」

《まて! お前が離れると亮太の護衛は誰が勤めるのだ!!》
 
「だからこそ、今倒せる敵を一つでも速く撃退して安全を確保するのさ!!!」

 時は亮太が搭乗していたが炎を纏った謎のガイコツに大破させられ、行動不能状態にあったスカイジェットに追い討ちをかけるように迫りつつあるサンドワームを迎撃する為に、シャルロッテ操るスカイジェットが空中に浮かび上がった所に巻き戻る。

「一秒でも速く敵を蹴散らしてマスターの安全を確保しないと!!」

 アルバインと同じく、亮太が子供の頃からカードゲームの中ではあるが一人の戦友として大切にされていた彼女も主人である亮太の事を敬愛していて。
 こうした形で再び同じ次元の人間として巡り会えた事もあり、主人の役に立ちたいと張り切っていたにも関わらず、騎士として主人の危機を救う事が出来無かった自分の不甲斐なさに強く憤っていた。

「……よくも僕達のマスターに酷いことをしてくれたね!!」

 猛烈に背中のバックパックと肩の追加ブースターを吹かせる事で高度50mまで上昇したシャルロッテの操るスカイジェットは照り付ける灼熱の太陽をもろともせず、空中で静止しながら両手のシュツルムバリスタの発射準備を開始する。

「えーと……シュツルムバリスタへのマナエネルギー供給開始。後は、オート照準システムと自動装填システムを起動だ!」

 発射準備が整い、風と火の魔力を用いる事で大砲の様に大矢を打ち出す事が出来る二丁のシュツルムバリスタを、シャルロッテはヘッドパーツと共に前方60m先の砂漠の中で串刺し状態のガイコツがいる斜め下に構える。

「……見つけた」

 そう呟いたシャルロッテはモニター中央に表示されている戦闘機に用いられている様なデジタル照準の中央に収まる様にガイコツを合わせていき。

「いっけぇぇぇぇ!!!」

 そして、モニター内でガイコツに対して照準が合わさった事を確認するやいなや、二丁のシュツルムバリスタを大地に落ちる雷の如く、ソ連軍の大量に相手に撃ち込む多連装ロケット砲の様な風を切る音と共に連続発射して行く。

 《ぐぎゃあああああ!!!》

 次々に着弾していった計20本近くの城壁すら打ち砕く大矢は、呻き声をあげているガイコツとスカイジェットの頭部パーツがある半径6mに次々に着弾し、まるで爆撃を行った様に地形すら変える威力をモロに受けた彼は悲痛な雄叫びと共に跡形もなく吹き飛ばされた。

「はあ……はあ……よし……今度はサンドワームだね……!!」

 かなり無茶に機体を急上昇させた為に彼女の体は猛烈なGに体を押し潰されており。
 全身の血液が足元に移動してしまった事による酸素不足により意識は朦朧とさせられ、視界で捉える物は色を失い白黒の景色となっている事を気にしていられる余裕もなく。
 彼女は鼻血を垂らしながらも力を振り絞って約150m先に見える、砂を海様に泳ぐようにして接近しつつある20頭を超える数の電車程の大きさを誇る巨大サンドワーム達の群れに対して照準を合わせ様とするのだが、突然悲報が飛び込んでくる。

 《亮太が突然足元に開いた穴に落ちていってしまった!!》
「ええっ?!! どういう事……!? マスターがいた地面の床が……抜けてしまうだなんて……!? ーーうわわっ?!」

 突然、叫び声に近いラムセスのとんでもない報告を受けてシャルロッテは動揺して力を抜いてしまう。

「あれ?……あれれれれぇ!!?」

 すると突然、先程までは軽快に機体を空へと浮かび上がらせてくれていたスカイジェットのブースター出力がまるで寝息をたてるようにして弱まっていき。
 上昇力を失った機体は次第に自由落下を開始してしまう。

「嘘でしょおおおおお!!?」

 慌ててシャルロッテが状況確認した所、どうやら亮太が意識を失った事により機体への膨大なエネルギー供給が途切れたらしく。
 更に不運な事に機体の限界を無視して急制動と、ブースターを吹かせ過ぎていた為に機体は燃料切れとオーバーヒートを同時に起こしてしまい。

 頭パーツの目に当たるデュアルアイはその光を眠る様に落としてしまい、機体のあらゆるパーツの隙間から白い煙を吐き、背中を地面に向ける姿勢のまま7トン近い重量を持つ機体は急降下を開始してしまう。

「うぐぐぐ……!! このままじゃあ僕、地面に落ちてパンケーキになっちゃうよ……!! どうすれば良いの……!?」

 警告音が響き渡るコックピットの中で彼女は色々な事を試して見たが、エネルギー切れを起こした機体は眠ってしまった様にシャルロッテの危機を救う事は無く、ただ沈黙を続けている。
 最早これまでかと彼女が諦めかけたその時、呆れた様な声をしたラムセスからの通信が届く。

 《まったく、後先考えずに飛び出すからそうなるのだ……》
「え?」
 《舌を噛むぞ! そのうるさい口を閉じて、腹に力を入れろ小娘!!》
「ぼ、僕はうるさい小娘じゃーーうわぁ!!?」

 反論は聴いていないとばかりにシャルロッテの乗る機体にトラックが激突した様な衝撃が襲い、彼女が乗る操縦席の正面から彼女の体よりも大きなマシュマロの様なエアバックが展開されて、彼女が「むぐぅ?!」と言う小さな悲鳴を漏らしながら押さえ付けられた所で。
 先程まで沈黙していた機体にエネルギーが供給されたらしく、非常電源で動いていた為に薄暗かったコックピットも元気を取り戻した様に再び外の様子と、ルルが乗る偵察機のサポートにより周辺状況が分かるレーダーも回復した。

 《やれやれ、後20秒程遅かったら砂漠の一部となる所だったぞ?》
「ラムセスにぃ……」

 舌を軽く噛んでしまい、ヒリヒリとする舌を出しながら涙目で呼んだその救世主の名は彼女と同じくスカイジェットに乗っていたラムセスであり。
 彼はシャルロッテが落ちてくるタイミングに合わせて少しでも距離を稼ぐために、まだ形を保っていた高さ30mの城壁から飛び上がり、見事にシャルロッテの機体をキャッチしつつ。
 ブースターを吹かせて地面に落下する衝撃をプラスマイゼロにすると言う離れ業をやってのけて見せ、背中にまだ残っている魔力燃料タンク二本をガス欠になったシャルロッテ機に接続して燃料補給する事により、停止していた機体の機能を回復させたのである。

 そのとてつもないベテラン顔負けの働きに、思わずシャルロッテもトキメイてしまうかと思いきや……。

「なんへぇ、何ほふぅるかぁ、ほひえて、ふれなはっははの?! おはへへ、ひはをはんひゃったひゃないひゃ?!」
【訳:何で何をするか教えてくれなかったの?! お陰で舌を噛んじゃったじゃないか!!】

 《……何を言っているかは大体分かったが、少しは勉強になっただろう?》
「へぇんきょう?」
 《ちゃんと人の話を聞いて素直に従うと言う教訓だ》

 そう諭しつつ、シャルロッテ機を抱き抱える様な姿で砂漠に着地したラムセス機はそっとシャルロッテ機を地面に立たせる。

 《……やれやれ、無茶はするものじゃないな。ルル、綾瀬達への救援を求める連絡は》

 機体のダメージチェックをしながら投げ掛けられたラムセスのその質問に対して、周辺の状況を何処かで逐一確認しているルルから返答が返ってくる。

 《現在、綾瀬さん率いる増援部隊が大ヴァルハァム陸軍の人達と共に此方に向かっています。到着まで後、2分ぐらいかと》

 その情報を得たラムセスは嬉しそうに呟く。

 《……そうか、閣下がお味方してくださるとは。これほど心強い事はない》

 その反応を聴いて、シャルロッテは機体に補給を終えて空になった燃料タンクの一つを正面から迫って来ているサンドワームに放り投げつつ質問する。

「でも、大ヴァルハァム王国の人なんでしょ? 裏切られる可能性も……」

 《安心しろ。閣下は誇り高き大ヴァルハァム王国軍の中でも常に義を重んじ、悪名高いイザベラ王女に最後まで屈しなかった素晴らしき戦士だ!》

 その言葉を吐いている内に、放り投げられた空のタンクは地中からシャチの様に大口を開けたサンドワームに噛み砕かれる寸前に、ラムセスがすかさず放った一本のシュツルムバリスタの大矢が比較的柔らかいサンドワームの口から脳までを貫通し。

 《キィヤァァァァァ!!?》

 食いしん坊なサンドワームは甲高い断末魔を上げながら白目を剥いて、勢いよく砂漠にスライディングさせられる事となり。
 二機のスカイジェットは全ブースターを吹かせてハイジャンプせる事で電車と同じ程の大きさを誇るサンドワームの上に陣取ってから御互いに背中を合わせつつ、周囲を鮫の様に周回し始めたサンドワーム達を見下ろす。

 《それまでは私が時間稼ぎを勝手出る! シャルロッテ、お前はルルに案内をして貰う事で亮太達の救援に向かえ!!》

「そんな! ラムセス兄でもこれだけの数を相手にするのは幾らなんでも無茶だよ! 僕も残る!!」

 《もう少しすれば増援が来るから心配するな! それに……私にはこの風の加護がある!!》

 その言葉を体言するかの様に、先程まで雲処かそや風一つ吹いていなかった砂漠にラムセスを中心とした強風が吹き荒れ始め。
 地中から顔を出して、その大きな瞳で此方を視界でしか捉える事が出来ないサンドワーム達は明らかに動揺してイルカの様な甲高い鳴き声を上げ始める。

 《さあ、分かったらさっさと行け!! ルルが消えた亮太達の機体から発信されている信号を辿っていると言っているから、道案内は彼女に頼ると良い!! 》

 そう叫びながらラムセスはサンドワーム達を近付けないように、両手のシュツルムバリスタを砂嵐の中にいる彼等に向かって次々に撃ち込んでいき。
 見事その数秒後に3つのサンドワーム達の悲鳴が轟く中で、沈黙しているシャルロッテに不信感を覚えたラムセスはなるべく声を落ち着かせながら声をかける。

 《どうした? もしかして先程無茶したせいで優れないのか?》

「ううん、もう大丈夫だよ! 今から僕がマスター達を無事に助け出して見せるから、だからラムセス兄も負けちゃダメだからね!!」

 《……ふん、心配には及ばない。私は誇り高きヴァルハァムの戦士だ。……さあ、行ってこいシャルロッテ!!》

 その後押しを受けたシャルロッテは瞳を輝かせながら八重歯がちらりと見える、満面の笑顔でブースターに火を入れて飛び立つ。

「えへへ、約束だからね! シャルロッテ行くよ!!!」

 モニター内の上に設置されているバックミラーの様に後方を映すカメラから送られてきている映像の中に映るラムセス機が小さくなっていく姿を確認しつつ、シャルロッテはルルとの交信を行う。

「ルルちゃん、聴こえる? マスターの位置を教えて欲しいんだけど!!」
 《分かりました。直ぐに発信されている信号を辿れる様に、ナビデータを送ります》

 彼女の言葉通り、シャルロッテ機のメインモニターの上部分に目標地点の方角を指示する前を指している緑色の矢印が現れる。

「サンキュールルちゃん!! えーと……転生者達が捕まっていると言っていた家の下を指しているね?」

 《そうです。どうやらその家の下には蟻の巣の様な地下塹壕が掘られている見たいで、マスターとマリナさんがそれぞれ別々の部屋に居る様です》

「ふむふむ。了解したよルルちゃん!!」

 元気よく返事を返したシャルロッテに、ふと疑問に思った事をルルは質問する。

 《所でシャルロッテさん、地下にはどうやって行かれる御予定ですか?》
「え? そんなの決まっているじゃん!! こうするのさ!!」

 そう言って砂漠の上に建っている家に対して、シャルロッテは機体に付けて貰っていたまだ半分程の燃料が入っている燃料タンクを切り離して放り投げ。
 思わずルルに嫌な予感が走っている間に彼女は家に叩きつけられ、土壁に埋まってしまったタンクに対してシュツルムバリスタを放つ。

「行っけぇぇぇぇ!!!」

 すると勢い良くタンクに突き刺さった大矢は、火花が引火した為か中の燃料と共に大爆発を引き起こし。
 家が吹き飛ばされた事により現れた家2件分の大穴の前に機体を着地させたシャルロッテは、笑みを浮かべながらルルに感想を聴く。

「どんなもんだい!! ルルちゃん、このまま突入しても良いかな?」
 《………………》
「あれ? ルルちゃーん?」
 《あっ、すいません。呆気に取られていました……》
「はははは! 流石のルルちゃんでも僕の行動は読めなかった訳だね!!」

 アメリカ人の様なテンションで絡んでくるシャルロッテに、ルルはあくまで冷静に対応する。

 《はい、マスターが爆風に巻き込まれてたらどうしていたのかを考えていました……》
「うぐぅ?!! そっ、それは……!!」
 《きっと鬼神のごときアルバインさんに刺し身にされていたと思います》
「ひいっ?!!」
 《……まあ、今回は運良く出入口を造れた様なのでアルバインさんも満足してくれるでしょう》

 そのフォローを聴いて、地獄絵図が脳内から取り払われたシャルロッテは冷や汗を掻きながらほっと溜め息を吐くのだが、今度は代わりに悪いニュースが入り込んでくる。

 《……シャルロッテさんが出入口を開けてくださったお陰で、内部に魔力粒子を侵入させて内部の状況を確認出来たのですが。……どうやら地下にいる転生者達がマスター達を監禁している様ですね》

「何だって!? 彼等は助けを求めていたんだよね、もしかして僕たちを騙してたって事!?」
 《わかりません……少し恵比寿様に問い合わせてみますね》
「いや、それじゃあもしもの事があった場合間に合わなくなる!! 僕が先行して調査しに行くから、もしもの時は他の皆におまかせするね!!」

 そう決断したシャルロッテはスカイジェットと共に、自ら開けた穴からダイブしてしまう。

 《シャルロッテさん!!》

 思わず大声をあげたルルの言葉を最後に、シャルロッテとの交信はこの後潰える事となる。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ