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転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

04. 衝突する願望篇

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04-06 弱肉強食の世界【Final】

・残酷な戦闘描写が含まれています、御注意ください。
時間はインゾがヴァルハァム陸軍のチャリオットに引かれるその数分前に巻き戻る。

「奴等、ボスに手を出しやがった!!! 迎撃準備だ急げよ!!!」

彼等が見守る中で、亮太達を町に誘き寄せて始末しようとしていたリーダーであるインゾが何らかの手段により始末されたのを見てとった盗賊達は敵討ちをする為に屋内や、町の入り口等のそれぞれの持ち場につく為に走り回る。

特に彼等の装備の中で目を引かれるのは、1m程の大きな矢の矢尻としてドングリ程の大きさに加工された火の魔石を用いた魔矢であり。

彼等はその矢を射出する為に屋上の四隅にそれぞれ一台、計四台のバリスタを用意しており、屋上で待機していた16人の兵士達は四人に別れてセットアップを行っていく。

先ず矢を発射する為の弦を巻き上げ機を回して引いていき、空いたその空間に装填を務める男が魔矢を装填し、射撃手が巨大な砲台を亮太達がいる方へと向けて照準を合わせる。

「畜生が!! こいつで奴等を焼肉にしてやるぞ!!! 気合入れろよてめぇらぁ!!!」
「おおっ!!!」

その雄叫びを皮切りに、町の入り口側にある6家の屋上から次々と魔矢が先頭を歩く亮太達目掛けて射出されていく。

すると魔矢が次々と地面に着弾していき、まるて火薬の込められた榴弾りゅうだん)の様に広範囲に炎が亮太達の姿が見えなくなる程に吹き上がり、彼等はそれを見て歓声をあげながら次々と撃ち込んでいく。

「ヒィィハァー!!! いいぞいいぞ!!」
「オラオラ!! ジャンジャン火矢を持ってこい!!!」
「奴等の息の根を止めてやるんだよぉ!!!」

その言葉の通り、彼等は亮太達よりも前に現れた転生者達に対してもその【息の根を止める】事を目的とした同じ手を用いており。

それは何かと言うと、現代で言えばナパームの様に炎で燃焼される際に大量の酸素が使われるため、着弾地点から離れていても酸欠によっての窒息死や、あるいは一酸化炭素中毒死を狙う事により無傷で装備品を手にいれ易くする手段としての効果を狙った物であり。

彼等は既に各家にいる者達と大声をあげあって、町の入口付近で力尽きているであろう彼等の持つ装備を御互いにわけあう際の取り分を主張する話合いを始める始末であった。

「今回は俺達が一番早く攻撃したんだ!!! 最低でも3割は貰うからな!!!」

「ふざけんな!!! お前らは合図より先に攻撃を仕掛けただけだろうが!!! そんなもん無効だ無効!!!」

「何だと!!? 俺は確かに合図に合わせて攻撃した!!! 難聴野郎がケチつけんじゃねーよ!!!」

やがて手柄の取り合いに彼等が夢中になり始めた所で、地上の方から地声を無理矢理に低くした様な変な声が聴こえて来た。

「敵、我々の火矢により戦闘不能となった模様!!!」

その声を聴いた盗賊達が慌てて火矢の炎が収まった敵集団へと視線を向けると、そこには炎に焼かれて甲冑が真っ黒に焦げ果てている騎士や、手首から先が無くなり赤色の液体を流しながら絶叫をあげる者、そして陣営を建て直すために負傷した兵士を二人がかりで担ぎ上げて行く者達等の様子が目に写り。

その哀れな敗者達の姿を見た盗賊達のボルテージは一気に高まって行く。

「クハハハハ!!! よし、よし、よし!!! おまえら追撃戦を始めるぞ!!!」
「奴等のきらびやかな装備を剥ぎ取ってやれ!!!」
「シャオラッ!!! 行くぞオラッ!!!」

遂に勝利を確信した彼等は身動きの取れないバリスタでは無く、近接戦闘を行うために自分達の手に馴染みのあるサーベルや、ボーガン等の武器に持ち換え。

町の出入口で疲弊している亮太達を貪り喰うために濁流の如き追撃を開始する。


その様子を荒布で全身を覆い隠している5人の者達がその後ろ姿を見送っていた。

「ふぅ……血気盛んな奴等で良かったよ」
「亮太の言うとおり、こんなに簡単に潜入できるだなんて……」

その正体は砂漠の民に変装した亮太、マリナ。そして……

「さっすがマスター!! 頼りになるねぇ!!」

新たに仲間として加わり、ニコニコ顔で亮太をおだてるシャルロッテと、

「大声を出しちゃ駄目……まだ敵は潜んでいるから……」

この様な潜入任務に手馴れていると感じ、恐る恐る召喚されたアサシン少女ルル、

「この町も……変わってしまったな……」

ヴァルハァム王国が支配する大陸に詳しい元ヴァルハァム王国軍団長ラムセスを加えた五人をメンバーとして、捕らえられている転生者の救助を第一に、敵が潜んでいる場所を無力化していくと言う潜入任務に出ていて。

亮太達は敵である彼等が狂戦士の如く興奮して冷静さを失い、馴れていない砂漠の道無き道を敗走していくひ弱な騎士達の後ろ姿を見せることで見事に誘導して見せたのである。

その姿を見送ってから、亮太は転生者達が捕まっていると言う町から少し離れた小屋が見える場所へと移動を開始する。

「俺達もああならない様に警戒を緩めずに行こう……」
「うん、了解よ」
「任せてよマスター!」


途中、急いで家の中から出てきた敵兵と接触しそうにはなったが、家と家の間に隠れたり、ルルに敵兵の首をコキッと鳴らして貰ったりしながら何とか町の裏側に辿り着いたまでは良かったのだが……。

「ちょっと待ってくれ……何だあの砂の中から上半身を出してウネウネしている化け物……」

亮太達が町の裏側の先にある砂漠の中に見たモノは頑丈な大岩の様な鱗を鎧の様に身に纏い、地元の人達からサンドワームと呼ばれている砂漠の中に生息しているギョロリとした目が恐いウツボの様な見た目で、しかも三階建ての建物程の長さと電車程の太さを持つ化け物であり。

そんなウネウネした化け物が6匹砂漠の中にポツンと建てられている、茶色の土壁で出来た一戸建ての牢屋周辺を守っている様であり。
その恐ろしい光景を見せつけられた亮太は急いで攻略方法を考え始める。


「ラムセスさんはあの化け物の情報を何か知っていますか?」

「ああ、あいつはサンドワームと言って、この大陸の砂漠周辺に生息している生き物でな。通常ならばあそこまでは大きいものはいない筈なんだが……」

そう言って顎の下を手で撫でながら語る彼の言葉が気になった亮太は追求する。

「つまり、あれは異常な成長している個体だと言う事ですかね?」
「ああ。本来であればあんな巨大な姿になる事は……そうか、そう言う事か……」

その指摘された言葉の違和感の正体に気がついたラムセスは視線をにやりと笑みを浮かべる亮太に合わせ、互いに答えを出しあう。

「「奴は体内に魔石を取り入れて魔獣化している!!」」

その息ピッタリに答えを出し終えた二人は頷き合い、視線を皆に向ける。

「皆、ここからはスピード勝負になりそうだ!! 今から作戦を伝えるから聴いてくれ!!」

皆が真剣な顔で亮太に向き直るのを確認してから亮太は話し出す。

「先ずサンドワームの体内には猪の魔獣の様に魔石が埋め込まれていて、心臓の様な役割を果たしている為に、その魔石を止めてしまえば自壊すると思う! そこでこいつを使う!!」

そう言って亮太が召喚して左手に手に取ったのは魔力を打ち消す上等な対魔の杖《Rank,SR++》であり、亮太はそれを魔力を扱う事が出来るラムセスにも手渡す。

「こいつを使ってあの魔獣を無力化しようと思うんだけど、どうかな?」

その提案に対してマリナが手を上げる。

「はい! その杖の効果だとサンドワームの魔石を停止させる事が出来るのだと思うけど、そうなった場合彼等が苦しんで暴れ回らないかしら?」

その意見を受けた亮太は考えきれていなかったらしく「あー……確かに……」と呟いてから、再びシンキングタイムに入る。

「うーん……じゃあサンドワームを気絶させて無力化して行く手段が取れれば一番楽だけど……」
「その為の手段が思いつかない……?」

その小首を傾げながら、聴いてくるルルに亮太は静かに頷く。

「……宝箱を前にして鍵が無い様なもどかしさだなぁ。どうしたものか……」

次第に行き詰まり始めた皆の意見を聴いていて、さっきからムズムズしていたシャルロッテが意見を出す。

「む~、じゃあ!! あの家の周辺に城を建ててサンドワームが邪魔出来ない様にするか、囮を出したら良いんじゃないの?」

その意見を出したシャルロッテに皆の注目が集まり、その視線に何処か嫌な予感がしたシャルロッテは苦笑いを浮かべる。

「あ、はは。ダメかな?」

しかし彼女の予想に反して亮太が彼女の元へと近付いて、両肩に“トン”と両手を置いて笑顔で話す。

「シャルロッテ、言い出しっぺの法則は知っているかい?」
「ま、まさか……僕を囮に……?」
「ああ! シャルロッテの俊敏性と、近接戦闘はピカイチだしね!」
「あううう……わかったよマスター! このままウジウジしているのは僕の趣味じゃないし!! 僕が突破口を開けて見せるよ!!」

その半分やけになって叫んでいるシャルロッテの反応を見て、亮太は苦笑いしつつも付け加える。

「ありがとなシャル。ただ、勿論不可能な仕事をさせるつもりはないよ。きっちりと対策を練ってから始めよう」

その言葉を聴いて、先程までは無理をしてでも問題を解決しようとしていたシャルロッテは目を輝かせて頷く。

「うん! よろしく頼むね、マスター?」
「おう! じゃあ皆、意見をよりいっそう纏めて行くぞ!」


ーーーーー◇ーーーーー


後方でそんな事が行われている事とは露知らず、負傷しているであろう騎士達へと襲い掛かろうとしていた盗賊達は唖然とさせられていた。

「なっ?!! どうなってんだこりゃ!??」

騎士達を追い散らし、彼等が地面に落としていった防具や武器等を彼等を手に入れようとした所、その装備が砂の様に次々と手の中で光の粒子となって消えてしまうのである。

これには様々な経験をしてきた盗賊達であっても直ぐには理解できず、何かしらの魔力が用いられている装備である事が分かり、戦利品を期待していた者達が顔を真っ赤にさせて怒り狂う。

「ふざけんな!!! 俺達に渡すもんは無いってか?!!」
「どれだけ貴重な魔石を使ったと思っているんだ!!!」
「奴等を許すな!!!」

そんな自分勝手で、盗賊らしい暴言を吠える彼等に対して返答する様に、突然背中を向けて逃走していた騎士達が足を止めて振り返り。

逃げるのでは無く、盾を構えた騎士達が正面に躍り出て古代のファランクス陣形の様に密集し始めた為に少し盗賊達は眉を潜めるが、彼等はそれ以上の事が起きている事に気づかされる。

「あいつ……さっき手が取れてた筈なのに治ってやがる……」
「おい、あいつの甲冑も傷ひとつ無くなってるぞ!!」

彼等が驚くのは当然の事であり、実は魔矢により負傷していた様に見えていたのはペイントボールを用いた偽装であり。

例えば腕を無くした様に見えていた兵士には手の部分の籠手を外して貰って、赤色のペイントボールを握って貰うことにより出血している様に見せ掛けていたり。

炎で真っ黒焦げにした甲冑はシンプルに黒いペイントボールを正面からぶつけて真っ黒にすると言うものであり。

彼等が被害を与えたと思っていた相手が実は皆無傷であった事が明らかになった為に狼狽えると思いきや、彼等は怒りを増して火の魔石を用いた弓矢を構え出すのだが……。

「アララララララララァイ!!!!」

突然彼等からして4時の方角から地鳴りの様なチャリオットの轟音と、それに負けない程の時の声が聴こえてきたのである。

「なっ?!! 右側から敵襲!!!」
「おいまさかあれは!??」
「ヴァルハァムだぁ!!! ヴァルハァムの騎兵達が攻めて来やがったんだ!!!」
「チクショウ!! 固まってんなぁ!!! 退避、退避だ!!!」
「駄目だ、遅すぎるぅ!!!」


先程までは優勢に見えていた150人に及ぶ彼等の命運は、突如として現れた4000台近い数のチャリオットと言う名の砂漠の嵐に次々と飲まれていく。

それはさながら巨大なクジラが大口を開けて魚達を飲み込んでいくかの様に壮大で、有無を言わさない自然の摂理であり。

次々と悲鳴をあげて逃げ惑う盗賊達に剣や、投げ槍に矢が容赦なく襲い掛かり。彼等の命運は尽きたかに見えたその時、切羽詰まった声で綾瀬がヴァルハァム語で砂漠に吹き荒れれる嵐の主に向かって大声をあげる。

「大陸軍隊長ガトラス殿とお見受けします!!! 私は新生ヴァルハァム王国軍所属のカナ・アヤセ!!! 彼等の事についてお話があります!!!」

その大声は戦闘地域一帯に響き渡り、その間に盗賊の何人かはチャリオットを操るヴァルハァムの騎兵に討ち取られていたのだが、その声を聞き入れたガトラスが号令をかける。

「ムッ、行方不明となっていた遠征軍の綾瀬殿か?! 皆、引き続き敵を殺さずして無力化せよ!!!」
「ハッ!!!」

かつての同僚であった綾瀬の意思を汲み取り、素早く状況判断を行ったガトラスはテロリスト認定されている盗賊達を部下に拘束させつつ。

車輪の周りにタイヤの様に風を纏わせているチャリオットに乗ったまま、進み出てきた綾瀬の隣に横付けして彼女を見下ろす形で向き合う。

「ほほぅ、確かに何度か修練所で見掛けたお嬢さんだ! それで、何故島の開拓を頼まれていたお前さんがこんな辺境の地に居るんだ?」

「それに関しては話せば長くなりますので、先に今ある危険な状況について御報告致します! 先ず、盗賊である彼等の体内には彼等を意のままに操る事が出来る魔石が埋め込まれている為に、迂闊に攻撃を加える事は大変危険な状況にあります!!」

「なんだと!?」

その報告を聴いた幾人かの騎兵達に動揺が広がり、縄によって盗賊達を縛っている兵士達の顔には汗がにじみ出る。

それはこの大陸において魔石の事を一番理解し、かつ用いているのは彼等ヴァルハァム王国側である為であり。

彼等は幼い頃から学校で魔石が秘めている莫大な力とそれに比例する危険性もはらんでいる事を学んでおり、更に軍事用の魔石を扱うとなると三年間の研修期間を乗り越えた1部の者以外には用いる事が禁止されている程であり。

ガトラスに取ってその様な魔石一つで町を吹き飛ばす威力がある軍事兵器が盗賊達によって扱われている事は勿論、それを綾瀬が知っている事や、彼と共にいる謎の騎士達の存在等の突っ込みたい所は山ほどあったが。

謙遜にも最悪の事態を懸念して綾瀬の話を聞き入れる事とするのだが……。

「アッアッアッアッ……なんだ……体が……体が熱くなってきやがっ……」
「ッツ!! 何だこいつら様子がおかしいぞ!? 退避しろ急げ!!!」

拘束されていた盗賊の一人が全身をサウナにいる様に真っ赤にさせて、白い湯気を出し始めると言う異常反応を示し始め。

その異変に気がついた騎兵達が慌てて彼等からスタントの様に飛び引いて、少しでも距離を離そうとするのだが。

「うぁぁぁぁぁ……だ、駄目ーー」

熱を帯始めた男が突然火だるまとなってしまい、その燃え盛る男の炎が次第に大きくなっていき半径30mが火山の噴火口の様に燃え盛ると言う異常な自体となり。

特に捕らえられた盗賊達が密集して置かれていた場所の傍にいた300人近い騎兵達が巻き込まれて共に燃え上がってしまい、圧倒的優勢に見えていたヴァルハァム王国陸軍は大混乱に陥る。

「誰か! 誰か火を消してやってくれ!!! このままじゃ死んでしまう!!!」
「ああああ熱い!!! 熱い、熱い、熱い!!!」
「何と言う事だ……!!! 一刻も早く盗賊達から離れよ!!!」

100名の騎兵を指揮する100人隊長が急いで部下達に避難指示を出す中で、まだ炎を纏っていなかった盗賊達が次々と身体の中に埋め込まれた火の魔石を発火点として燃え上がり始める。

「うぐう……体が……熱い……」
「誰か……冷たい水を……」

そしてガトラスは燃え盛るパチパチと言う音の中で、炎に包まれている盗賊達が死ぬことも出来ずに悲痛な声をあげながら燃え続けている事に気がつく。

彼等の身体は既に肉体の魔石化が行われていたらしく、全身に溶け込んでいる火の魔石を燃料にして燃やされながらも生かされている彼等の無惨な姿を見て、ガトラスは全身を怒りに震わせて叫ぶ。

「何たる愚行の果て……!! これ程に醜い戦いはあの女王が来たとき以来ではないか!!!」

その地獄絵図に思わず声を張り上げて叫ぶガトラスを嘲笑うかの様に各所で巨大な炎が噴火し、このままでは彼の率いていた部隊の1/3がその炎に飲まれつつあった。

「各隊散開せよ!!! くっ、魔石を扱える者がいないだけでこの有り様とは……!!」

何とか被害を減らそうと軍師のアルダールが声を張り上げて指示を飛ばすなかで、その状況を打開する鍵となったのは亮太に代わって騎士達の指揮を任されている綾瀬であった。

「皆、道を開けて!! 私が彼等を無力化します!! アイスバインド!!」

彼女は全身を燃えあがらせて道連れにしようと近付いて来る盗賊達から騎士達に守って貰いつつ、空から地上を監視しているソルト達と連携して異常な行動を取っている盗賊を見つけ出し、氷の魔法によって凍結させると言う荒業で次々と無力化していった。

「……とんでもない魔石使いだ」
「全ての盗賊達を凍らしてしまうだなんて……」

思わずその神話の様な光景を呆然と見つめている彼等を余所に、綾瀬はその氷漬けにした彼等を熱から保護する為、砂漠に長さ15m、横幅8m、深さ5mの学校のプールの様な大きな穴を開けていき。

その中に厚さ4㎝の氷を貼って、氷漬けになっている盗賊達を騎士達の手伝いを受けつつ放り込んでいった。

その彼等の手早く迷いなく動く一連の流れを見て、ヴァルハァムの兵士達は感心し。

まだ御互いに素性を知らないために深く交わる事は出来ないが、彼等は胸に手を当てて敬礼する事によって命を救ってくれた綾瀬と騎士達に敬意を示して見せた。

「実に素晴らしい働きを見せて貰った! 心から感謝する、綾瀬殿に騎士の皆!! このガトラス、この恩は一生忘れん!!」

「これぐらいの事、御安いご用ですよ閣下」

その声を聴いて綾瀬は笑顔になる訳でも無く、感情を殺した虚ろな目で一言返すだけに留まる。

こうして多数の犠牲を伴い、新たな謎も同時に生まれた盗賊討伐戦は一応の一区切りがつくこととなる。
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