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転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

04. 衝突する願望篇

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04-04 弱肉強食の世界①

資料等を含めててですが、皆様の支持もあり個人的に書いた作品では初めて50話まで投稿し続ける事が出来ました!!

あらゆる点がまだ成長途中であり、環境に振り回されまくっている私と亮太ですが、少しずつ成長していく姿を生暖かく見守って頂ければ嬉しく思います!

遠くから見ると町の中心でパンツ一丁で土下座している様に見える20人の男達は、少しずつ町に近寄って来ている亮太達の姿を顔を上げてチラチラと確認しながらほくそ笑んでいた。

「おうおう……仲間のためにわざわざこんな砂漠の町に来るだなんて、泣けるぜ……」
「まっ、その優しさはもれなく俺達を養う物になっちまう訳だがな……くくく……」
「無駄口を叩くんじゃねぇ……。全員戦闘体勢を緩めるんじゃねーぞ」

そう言って命乞いをしている筈の彼等のボスが言った言葉は彼等の本音であり。

実はパンツ一丁に見えていた彼等の容姿は、肌色の布服の上に下着を重ね着したカモフラージュであり、伏せられて見えないお腹辺りには彼等の武器である剣や、手斧、棍棒等が隠されていて。

更に、町の広場を360°グルリと囲む様に建てられている家の屋上には、一軒につき4人の飛び道具を用意した男達が家と同じ白色の布を被って隠れており。

その数は土下座の振りをしている男達よりも多い80人の盗賊達が今か今かと待ち構えていたのだが……。

「ボス!!! 大変です!!!」

その屋上でノコノコと広場にやって来た亮太達を精神的に追い詰める役目を担っていた彼等が逆に顔を青ざめさせながら、声を張り上げてボスを呼ぶ。

その尋常じゃ無い焦り様に、地上で待ち構えていた盗賊達もざわつく中で、ボスはあえて落ち着いた声で聞き返す。

「どうした何があった?」

「あの3人の奴等は偵察で、大規模な本隊が後ろから合流した様です!!!」

「なんだと?! その本隊はどれくらい居るんだ!?」

その質問に対して、最初に声をあげた男の隣で亮太達の姿を確認していた男が代わりに答える。

「1連隊 (1200人)程の人数で、中には騎士だけでなく騎兵や、空を舞う魔物に乗っている者達もいます!!!」
「なんだと?!! そいつらはヴァルハァムの奴等では無いよな!?」
「違います! ここら見辺ではたこともない肌の白い奴等です!!!」

その予想外の大軍の出現に、皆の脳内である事が思い浮かぶ。

「……奴等、仲間を捕まえた俺達を皆殺しに来たんだ……!!」
「もうおしまいだ……どうにも出来ねぇ……」
「落ち着けお前ら!! まだそうと決まった訳じゃ無い!!」

そう叫んで、皆を鼓舞しようとするボスであったが、皆の顔色は悪いままで表情も相変わらず強張っている。

「3人の捕虜を連れてこい……。俺がそれを駒にして交渉する事で時間を稼ぐ」
「わかりました、ボス!!」

そう言って、転生者達を隔離している家の屋上にいる男達が慌てて下の階へと駆け降りて行き、その事を確認したボスは次なる指示を出す。

「お前ら、腹の下に置いている武器を今の内に砂の下に埋めておけ。奴等に見つかっては厄介だからな……!」

その言葉に従って、彼の部下達が慌てて腹の下に隠していた武器をその腹の下の砂の中へと埋めていくのだがその途中で、彼等の上空を黒い影が覆う。

「なっ、何だ?」

思わず手を止めて空を見上げた彼等が見たものは、渡り鳥や航空隊の様にV字編隊で頭上を越えていくオリハルコンの子竜であるハルちゃんであり。

そのハルちゃんの上に跨がっている魔法少女のソルトを中心にして、左右をライオンの様なたくましい四足歩行の体型でありながら、鷲の様な容姿と大翼を持っているグリフォンが左右合わせて4頭とそれを操る騎兵が通過していき。

その光景を見たもの皆が言葉を失う中で、町の正面から堂々と騎士の甲冑を身に纏った亮太とアルバイン達が遠くのほうから話しをしながら歩いて来るのが見える。

「そうなんだ、マスターは物凄く物好きでねー。性能が弱い弱いと言われていた僕達の事を見捨てずにずっと使ってくれていたんだー!!」

「なるほどねぇ、だからあんなにアルバインちゃんは亮太を慕っていたんだね」

「はい。マスターは私達にとって真のマスターですから!!」

良く聴いてみるとその声の主は複数いて、それが誰なのかと言うと先ず現在マリナとアルバインの隣に寄り添うように歩いていて。

その目を引かれるピンク色の羽っ毛があるショートヘアーとパッチリとした大きな目に、笑ったときにちらりと八重歯が見える可愛らしい少女であり。

身体には彼女が只の明るく元気な少女なのではなく、騎士である事を伝える片手剣が納められた鞘と左腕に寄り添うように装着されているライトシールドを装備し、身体を守る為の防具として通常の甲冑よりも薄く造られている軽甲冑と白いマントを背中で(なび)かせる。

そんな容姿をしている女騎士シャルロッテがマリナとアルバインと楽しそうに会話をしているのを、同じく横に並んでいる騎士達も嬉しそうに聴いていた。

「まさかこうして皆と肩を並べる事が出来る日が来るとは……感情深いね、エル?」
「ブルルル……」

その左隣を白く美しい毛並みを持ち、翼を生やしたペガサスにまたがりながらも長く鋭い槍を右手に持っている短髪の緑髪で、優しそうな青年である駿足の騎兵カイルが愛馬であるエルに話し掛けながらもその様子微笑みながら見守り。

「おい、皆気が緩み過ぎだ!! 敵が何時襲ってきてもおかしくない状況にあるのだから、各自警戒を緩めるな!!!」

そんな油断仕切っている四人に低くダンディーな声でアルバインの右隣から注意を促しているのは、両腕に反射の盾を構え、背中に【真実の口】を連想させる目を瞑っている顔があるイージスの大盾とゴツイ重甲冑に身を包んだ、ベテランの兵士を連想させる鉄壁の盾兵ガルムであり。

「やれやれ、この調子だとガルムの髪の毛が疲労で無くなってしまうのも、時間の問題ねぇ」

そんなガルムのその隣で微笑みを浮かべながらも周囲へ視線を送り、警戒を怠らずに両手持ちのロングボーガンを構えているのは軽いレザー装備に身を包み、前に1本アホ毛を残した茶髪のオールバックヘアーで姉御肌の無力化の弓兵ベレッタが続き。

「そうなって仕舞わないよう、この戦いを直ぐに終息させなければいけませんね~」

彼女の隣に透き通ったサラサラのブロンドヘアーと金の装飾が施された純白のドレス風のローブを身に纏い、片手にサッカーボール程の大きさの宇宙空間の様に星が瞬く水晶が先端に取り付けられている大杖を持つ、おっとりとしながらもナイスボディな聖女シャロンが付き従っている。


実は彼等は亮太が子供の頃夢中になっていたカードゲームの登場キャラクター達であり。

彼等の他にも魅力的な様々な種類のカードがあり、更に【騎士シリーズ】の譲位互換として新たなカードが次々と現れてしまい、価値が落ちてしまう事が有ったにも関わらず亮太は新しいカードに乗り換える事はせず、寧ろそれを乗り越える試練として試行錯誤しながら使い続け。

そのカードゲームのブームが下火になるまでアルバイン達を現役の戦士として使い続ける程に長年愛用されて来たカードの登場人物達であり。

その時の情報が反映されている為か、絶対の忠義と心からの信頼を送るアルバインを代表とする彼等達と亮太の関係はまるで長年の戦友の様であり。

更にその背後からは亮太に付き従う様々な役職の兵士達、総勢901人が隊列を組んで後に続いていく。

そのとてつもない戦闘力と団結感を臭わせる彼等の登場に完全に盗賊達の出鼻は挫かれてしまい、降伏を余儀無くされる状況になる。

「て、撤退しましょうボス!! 奴等がここまで訪れるその前に!!」
「俺達には数日前捕まえた奴等との戦闘のせいであらゆる物が不足してる!! あんな大軍は相手に出来ませんよ!!」

その絶望的状況に先程まではいかにして敵を策に嵌めようかと思考していた彼等からは一切の余裕が無くなってしまい、大混乱に陥りそうになるのだが。

「やかましい!!! 落ち着きやがれ!!!」

ボスと呼ばれている男が空気を震わせる程の大声を張り上げて叱咤し、一同はびくんと身体を震わせてボスに視線を集める。

「先ず、捕らえている兵士を連れてこい!! そして目の前から迫ってきている騎士風の奴等と交渉を謀る!!! 急げ!!!」 

「しかしそれでは俺達の戦力が……」

「どのみちヴァルハァムの奴等に捕まれば、俺達は石にされちまうんだから気にするな!!! それよりも奴等を味方に引き込んで生き残りを謀るんだよ!!! 分かったら行け!!!」

「イ、イエッサー!!」

彼等はヴァルハァム王国陸軍の大規模な討伐隊の準備が行われている事を事前に商人達から情報を仕入れていた為に後の事を考え、慌てて亮太達との協力関係を築く事によりヴァルハァムの敵兵達を擦り付ける事により自分達は生き残ると言う目的の為に動き出すのであった。


ーーーーー◇ーーーーー


「ほーう……只の盗賊狩りだと言われて来てみれば、あれほどの軍勢を見つける事が出来るとは!! やはり戦場とは面白い物であるな、ふはははは!! 」

そう言って砂漠の山の上から8000人規模の兵士を背後に従え、数キロ先に見える町を見下ろしながら大笑いをしているのは、2頭の黒馬に引かれている二人乗りのチャリオットに一人で乗っている二メートルを越える巨漢の男ヴァルハァム王国陸軍大隊長、ガトラス・ギルガンドであり。

その獅子の様に荒ぶっている赤茶色の髪と瞳は彼の燃える情熱を体現している様であり、鍛え抜かれた日焼けした肌の上には茶色で、金の装飾が施された防具を身につけており。

その背中には彼が陸の王者である事を表すかの様な赤色のマントをはためかせている。


彼等は二年間もの間、小規模ではあるがチマチマと抵抗をしては各地を逃げ回っていた彼等を無視し、先ず逃げ場となる地を次々と占領して行き、国力を高めながら自然と追い詰めれば良いと考え行動に移した。

その結果、自然と残党勢力がこの地へと集められる事となり、今回の討伐戦に至ったのである。

そんな豪快そうな彼であったが町の攻略に対しては比較的慎重であり、突然現れた亮太達の騎士団の動きを観察していた。それは何故なのかと言うと、彼の軍師として働いている彼の存在が有るからだった。

「閣下、あの町にいる騎士達はもしかしますと、東の島に向かったラムセス隊を数日前に無力化した者達かもしれません」
「……例の魔物と奴隷を用いた魔石の量産と、試作の魔石実験が行われていた島か。ふむ……」

ごつい体格のガトラスとは正反対の細身でスラッとした体格でローブを見に纏い、黒髪の長髪で細目と言う30代前半のアジア系の見た目ではあるが、状況を見極めるその鋭い目線でそう語る軍師の姿には何処か貫禄があり。

共に大陸を制覇してきた彼が話すその内容を聴いてガトラスは何処か不機嫌そうに唸った後、結論を出す。

「よぉし!! 折角だから彼等と会いに行って見るか!!」

そう息巻いて語るガトラスに、アルダールは自由奔放な彼の考え方に慣れている様で、一言だけ伝える。

「閣下。彼等は旧式の装備しか持っていなかったとは言え、魔石を使用したラムセスの軍勢を返り討ちにしたであろう者達です。油断はされなきよう」

「がははは!! 分かっておるわアルダールよ!! よし、偵察隊を編成するぞ!! 我こそはと願い出る者はおるか!!」

そう言いながらガトラスが振り返ったその場所には、数千台の大小様々で形も違うチャリオットに乗っている彼に使える歴戦の兵士達がおり。

その者達皆が雄叫びをあげて手に持つそれぞれの獲物を天に掲げて呼応する。それを見たガトラスは嬉しそうに鼻で笑い、自らも1m20cmを超える長い両刃剣を振り上げて叫びをあげる。

「よかろう! では新たに我等の前に現れた者達が、真の戦士であるかを見極める為に顔を拝みに行くぞ!!! 皆の者、ワシに続けぇ!!!」

「オオオオオオオオォォ!!!」

こうしてこの大陸を代表する陸の王者は、新たに見えた同じ戦士と会うために偵察隊に名乗りを上げた【全軍】と共に8キロ先にある小さな町へと駆けるのであった。
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