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転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

04. 衝突する願望篇

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04-02 予期せぬ反乱

・恵比寿さんがへらへらしていた部分を修正しました。
・救援に向かう町の名前を統一しました。
亮太達の代わりにヴァルハァム王国が支配している大陸の解放に挑んでいた20人の転生者からなる部隊が壊滅したと言う、非常事態の報せを受けた亮太達は慌ててトレノとの連絡を取っていた。

《突然の連絡ですまない、皆》

亮太達からの呼び出しを受け、執務室を背景にしてモニターに写ったトレノは今までになく真剣で、尚且つとても険しい表情をしていた。

「一体何が起こっているんですかトレノさん?」

《その話についてなのだが、こちらでワープゲートを開くので出来れば執務室で話し合いたいんだ》

そう言ってトレノは時間の経過が亮太達がいる世界と比べて1/100となっている執務室に、この大陸に来た時と同じ様にワープホールを潜って来て欲しいと伝え。それに亮太達も同意する。

「分かりました、今から向かいますね」

そうしてワープホールを潜り抜け、急いで執務室へと訪れた亮太達を待っていたのは以前は本棚と大きな執務机とトレノしか居なかった落ち着いた部屋に、猫をそのまま人間の体格にした様なスーツ姿の獣人達が慌ただしく資料を運んでいたり。

天井と床下に写し出されている惑星全体と各大陸の状況や、転生者達の状況を事細かくモニターしている姿が目にとれる。

そして肝心のトレノはと言うと今回はフカフカの執務室のリクライニングチェアーでは無く、その隣に立っていて。

彼が何時も使用しているそのフカフカのソファーには漁業の神で、特に商売繁昌の神様としても信仰が厚い七福神の恵比寿(えびす)さんに似た格好をした細目でふくよかな男が座っており。

更にその膝の上に栗髪のロングツインテールの活発そうな少女が恵比寿さんと似た格好で座っていた。

そんな猫の獣人と神様らしき二人と言う何とも不思議な組み合わせの三人に、亮太達は暖かく歓迎される。

「おおお! 良く来てくれなはった綾瀬はんに亮太はん!! そしてマリナはんにアルバインはんも!!」

そう言って席から勢い良く立ち上がり、此方に満面の笑顔で駆け寄ってまで出迎えてくれたのは恵比寿とその娘であり。

二人が亮太のみならず、お付きのマリナとアルバインの名まで呼んだものだから亮太は嬉しく思うと同時に、恵比寿がどれだけ偉い方なのか分からず、一瞬どう対応すべきなのか迷ってしまうのだが。

「恵比寿のおじ様、お久しぶりです!! 相も変わらず弁財天(べんざいてん)さんに尻に敷かれておられるのですか? ふふふ」

「ほにぃ?!! そっ、そんなことあるわけ無いがな綾瀬はん!! ワテの家内はイツダッテウチュウイチのオヨメサンデスガナー」

「くくく……お父ちゃん顔が引きつっとるけど大丈夫?」

「何をバカな事を言っとるんよ、海老ちゃんまで!! わっ、わてはこの通り何時も通りよ!!」

そんな和やかに茶化しあいをしている光景を見たことで、彼等と初めて出会った亮太達の警戒心と緊張は幾らか解れ。
それを見越してか先程まで弄られて頭を掻き、平汗を流していた恵比寿が亮太達に微笑みながら向き直り、挨拶を交わす。

「亮太はんとアルバインはんに御会いするのは初めてやったね。ワテの名前は恵比寿、この宇宙で暮らす人々を豊かにする仕事をさせてもうてる者ですわ! 以後、よろしゅうに」

そう言って恵比寿がにこやかに差し出された手に、亮太も慌てて挨拶を述べながら握り返す。

「こ、こちらこそ初めまして恵比寿さん!! 豊口亮太と申します!! よろしくお願いいたします!!」

その元気な返事を聴いた恵比寿は嬉しそうにうむうむと頷いた後、亮太の右となりに立っているアルバインとも握手を交わす。

「アルバインはんが大活躍している報告を娘と共に楽しく拝見させてもうてました、これからもよろしゅう頼んまっせ」

その予想外な賞賛の言葉を受けたアルバインは誇らしげに頬を緩ませつつ、恵比寿と握手を交わす。

「私に対する賞賛は全てマスターにも当てはまる言葉です……有り難く頂戴致します、恵比寿様」

そう言って謙遜な態度で言葉を返す彼女の姿に恵比寿も嬉しそうにうんうんと頷きつつ、アルバインのファンらしい娘の海老ちゃんが目を輝かせてアルバインと握手を交わした後。
遂に話し合いは始められた。


「ほな、折角集まって貰った訳やから話し合いを初めまひょか? 緊急事態やから立ったまま説明する事になるけど、許したってね?」

そう言って自ら恵比寿を名乗ったこの男は話を始めていく。

どうやら彼は本物の神様では無く、極限まで魔法を極めた賢者の一人であるらしく。

主に疲弊した惑星の者達を救う為に亮太達の様な転生者を用いて惑星全体を豊かにし、荒れ果てた地を繁栄させる活動を行っている事をぶっちゃけて説明する物だからトレノを含めて皆が仰天させられる。

「なっ?!! 恵比寿様は神様では無かったのですか?!」

中でも一番驚かされたのは彼に拾われ、ここまで大切に育てて貰ったトレノであり。

長年付き合っている彼にすら話す事を禁じられていたのであろうこの話を初対面である亮太達に話した事も含めて皆にとっては予想外だったが、複雑な表情のまま恵比寿は話を続ける。

「長年騙しとったのはホンマにすまんかったねトレノ……。せやけどこのままずっと皆はんを騙し続けるんわ、いい加減無しにしたいと思ったんやわ……、ホンマ堪忍な……」

その心からの謝罪を聴いたトレノは騎士の様に方膝を着いて頭を垂れながら声を上げる。

「……とんでも御座いません、恵比寿様。例え貴方が神ではなくとも、私を拾ってくださった恩人で有ることには変わりは無いのですから……」

「ありがとうトレノはん……」

そう言って、綾瀬達よりも長い月日を重ねて来たのであろう方膝を着くトレノを恵比寿が温かく抱擁して、背中を優しく叩く。

その一連のやり取りを見せつけられた亮太達は今回神としてでは無く、同じ人間として姿を表した恵比寿の強い覚悟をひしひしと感じており。

彼の行動に依りいっそうの注目が集まっていたその中で恵比寿は先ず現在起こっている問題が何故起こってしまったかを説明するために、経緯を再び語り始める。


「わてらは自分達の持つ力を役立てる為に、新たに発見された亮太はん達が現在訪れている地球と良く似た【惑星アルタリア】をわてらがやっている惑星を立ち直らせる為の活動をする舞台として選んだまでは良かったんやけど、ある問題が生じたんですわ……」

「その問題とは……ヴァルハァム王国ですか?」

そう言った亮太の質問は正解に近かったらしく、恵比寿はコクりと頷いてから説明を続ける。

「亮太はんが言うとおり、どうにも惑星アルタリアには野蛮で強力な力を持つ方達がいなさって、自分達が惑星全体を圧倒的な力によって支配したいと考えているみたいでね。
今までは現地の方たちに多くの賛同を得ながら行われていたワテの再生活動が、当初の予定よりも大幅に遅れてしまっていたんですわー」

その状況を重く見た恵比寿は、正面突破で邪魔する者達を凪ぎ払って彼等を追い出すのではなく。

亮太達がこの世界に訪れる一年程前から綾瀬がヴァルハァム王国の中に入り込む形で、イスカ姫等の賛同者を増やす活動していた様に他の転生者達もこの世界の各地を訪れていて、この惑星の情報や抱えている様々な問題点等を調査していたのだが。

その活動が余りに遅いと言う意見が恵比寿と同じ力を持つ他の賢者者達から出てきてしまい、武力による速やかな目的の達成を目指す毘沙門天を名乗る賢者に、恵比寿が転生者達を指揮する決定権が奪われてしまった事により平和的に行われていた活躍は一転して実力主義的なやり方が指示されていく事となってしまい。

次第に転生者の中でもその実力主義的な考え方の悪い影響が出始め、その優秀な功績を毘沙門天にとってトレノの様な立場の者に認められ、より良い能力を与えらた転生者達が突然次々と毘沙門天達の考え方に反旗を翻し、独自の考えに基づいて勝手に行動する様になる者が現れ始めているらしく。

その結果、転生者と転生者が争い合ったり、力無き住民達が苦しめられると言う、当初の惑星全体を繁栄させると言う目的からとんでもなく逸れている事態に発展してしまっており。

現在確認できている中でも20人中、10人以上の転生者達が捕らえられたり、暴走している事が伝えられる。


「……恵比寿さん。俺達はどうすれば良いですか?」

その報告を受けた亮太達に絶望が押し寄せる中で、亮太は自分達は何をすれば良いかを訊ねる。

「まず皆にやって貰いたいんは、現在無事が確認されていて毘沙門天側のやり方に異議を唱えている転生者の方達5人との接触と回収。そして暴徒化している転生者達を無力化する事とその転生者達に虐げられた無実の住民達へわてらが出来るだけの謝罪と援助ですわ」

そして、着実に世界を呑み込むだけの力を増し加えつつある大ヴァルハァム王国への牽制等が挙げられ、恵比寿は最後に亮太達を見据えて話を締め括る。


「今回の騒動に関しては上に立つわてらに全て非がある。せやから今回は権利者の上下関係を越えて全面協力する事と、わてが実際に現地に赴いて謝罪しに行く。
せやから亮太はん達には先ず、未だに敵に囲まれて孤立している5人の転生者達を救出して欲しい!!」

その言葉を待っていたかの様に亮太達の足元に惑星の全体図が現れ、次第にズーンされていく地図は大ヴァルハァム王国が支配しているアフリカ大陸に似た、地球で言う所のモロッコに当たる小さな町で制止する。

「このモカロフ町に3人ほどの転生者が潜伏しておます。亮太はん達には彼等の救助活動をお願いさせて貰います!」
「かしこまりました!」

その言葉を聴いた亮太達はビシッと足を合わせて向き直り、真剣に恵比寿からの指令を承諾し、その返事をを聴いた恵比寿は軽く頭を下げてからトレノに指示を出す。

「トレノはん。ワープホールを」
「かしこまりました恵比寿様! 綾瀬くん、亮太くん、マリナくんにアルバインくん。よろしく頼む!!!」

そう言って再び用意されたワープホールを通じて、亮太達は転生者達が隠れているとされているモロッコに似た地形の町へと飛び込んでいった。

その後ろ姿を感極まった様にほろ泣き状態で見送った恵比寿に、トレノは声をかける。

「……恵比寿様、今回の作戦は彼等は御存知なのですか?」
「いや、わてが独断で考えた作戦や」

その言葉を聴いたトレノは彼を責め立てる訳でも無く、業務机の上に置かれている急須(きゅうす)で温かい六茶を湯飲みに淹れながら微笑む。

「……毘沙門の奴等が慌てふためいているこの瞬間にも、わてが送り込んで言った仲間達から今も助けを求める救難信号が送られて来とる……。
例え奴等に止められようと、可能であるならばわては彼等を助ける義務がある」

心に秘めていた思いを静かに吐き出すかの様にそう語る恵比寿に、トレノは六茶が入った急須を傾けて湯呑みに入れて手渡し、恵比寿もそれを受け取る。

「ホンマ心配性やなお父ちゃんは……。大丈夫やって、亮太さん達やったら絶対に」

その光景を亮太達の活躍を影で追っていた彼の娘である海老がにこにことした笑顔で見つめていた。





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