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転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

03.修練の時篇

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03-03 未来地図を広げて【Final】

・数字の小数点を3桁区切りではなく、日本基準の4桁区切りにしてはどうかと言うアドバイスを頂きましたので。修正させて頂きました。
大勢の人々が力を合わせて働いているアサツユ街に、長き一日の終わりを告げる夕日が少しずつ海に落ち始め。街が夕日色に染まり始めていた。

「みんなもう少しじゃあ!! もう少しで皆が安心して眠れる最低限の家の数を揃える事が出来る!! じゃからもう少しだけ頑張ろう!!!」

「「おおおおおお!!!」」

亮太達が視察のために出掛けた後、ヒデヨシは4時間弱と言う短い時間の中であったが、独学で大陸に来る前に学び、考案していた建築技術を用いて大急ぎで家を建て続けていた。

その方法はと言うと、先ずヒデヨシがアサツユの街に皆が住む為に必要な家の数と土地を踏まえた設計図と、アサツユ街全体の完成予定図を作成し。

その後に家の建設に必要な木で作る家の細かいパーツの設計図を完成させて、そのパーツ一つ一つをそのパーツ事の製造を専門とするグループに担当して貰うことにより。その仕事に熟練させる工場の様に最適化し。

その完成したパーツを組み立て、形とするグループが木々を地面に打ち付けて柱として骨組みとして屋根も作り。続けて柱と柱の間に細い竹や木等を網戸状にして、敷き詰められたそこに粘土を塗りつけて土壁を作って形にしていく。


そういった形で急ピッチで次々と完成した家の数は家族を住まわせる為の一軒屋が8件程と、独身の者が横並びに5人が暮らす部屋が設けられた長屋を9棟程完成させたのだが。

元アサツユ村の人だけでも143名と言う大勢の人達がいるために、まだまだ多くの家が必要とされており。

家を用意しきれなかった者達については話し合いの末、家が完成するまでの間はアサツユ城で寝泊まりして貰う事としていた。


「思っていたよりも、順調ですね兄上」

そう言って声をかけてきた人物は、亮太に貰った動きやすい青いジーンズと白のTシャツを身に纏ったヒデナガであり。

彼は両手に持った一枚の街の設計図と完成しつつあるアサツユ街を見比べながら。
ヒデナガは絶え間無く仲間達と共にまだ地面に倒されたままの横壁の木材をはめ会わせている兄ヒデヨシに声をかけ。

その言葉にヒデヨシは汗を拭いつつも、背後にいるヒデナガに顔を向けずに微笑みながら返事する。

「ふう~。そうじゃな! 特に今までヴァルハァムの者達に建物の設営や、荒れ地の整地を仕事として頼まれて働いていた仲間達から多くの技術を教えてもらえた事と。亮太の連れてきてくれた、器用で体力のある者達のお陰じゃな!」


ヒデヨシの言うとおり、数時間前まで捕虜として捕まっていたアサツユの村人100人程がヒデヨシ達の建築技術の足りていない部分をヒデヨシを含めたアサツユの人達に、建設の技術を教えながらもてきぱきと動いており。

それは短時間での技術の向上と、彼等が仲間の為に働いていると言う満足感から昨日までは奴隷であった事の後ろめたさから彼等の心を一時的に解放すると同時に。今働いているアサツユの人達の間には強い連帯感が生まれつつあった。


「今ワシらを見たやつは、ワシらが只の田舎者の集まりとは考えられんだろうな!!」
「ふふっ、そうだね兄上。私自身今目の前で起こっている事が夢ではないかと思える程だよ……」
「はははは!! よし! ワシが今起こっている事が現実だと教えてやるから、壁の右端を持ってくれ。ワシも左側を持つから、同時に持ち上げて立て掛けるぞ!!」
「ああ、わかったよ兄上。やらせて頂く」


そう言って、二人の兄弟に倒れていた地面から持ち上げて立てられたまだ骨組み状態の縦2400cm程の一枚の壁は、先に建てられていた家の柱と柱の間に見事にはまり。

直ぐ様、南蛮の商人から手に入れたと言う鉄の釘を角材で木々を合わせるために複数打ち込むことで固定することで、ヒデヨシ達は家の外壁の一枚を見事に立て掛けてみせ。

続けて、四方の壁も同じ様に完成させていき。途中から合流した仲間達と共に粘土状にした土壁を木々に塗り込んでいき。直ぐ様に風の魔石で風を送って乾燥させて行き。
残りの窓や玄関等は担当している者達に任せてヒデヨシ達は一息つく。

「ふむ、もう日が沈む時間か……。流石にこれ以上作業を続けるのは体力的にも限界じゃな……」
「皆に今行っている建設作業がある程度片付いたら、中止するように伝えておきますね」
「うむ、よろしく頼んだぞヒデナガ」

そう言って服の袖で汗をぬぐいながら呟いたヒデヨシが言っていたとおり、既に太陽の下部分が地平線に潜り始めていて、アサツユの街は夕焼け色に染まりつつあった。


ただ、昼間からぶっ続けで建築活動を行っていたにも関わらず、アサツユの人々全員分の住む家が足りていない為。

家の完成を待つ人達には城の大広間で寝泊まりしてもらう計画がされていて、作業を終えた人々には自らが住む家を今すぐに建てなければ行けないと言う必要以上の重圧は取り除かれている。


また建築作業において力仕事が苦手な人には、嵐により破壊された広場を改めて修復するだけによらず改築して作り直した大広場で食事や飲料水の準備が割り振られていて。

彼等はバーベキュー場の様に調理用の釜戸が複数完備しされ、元々あった山の湧き水を街まで引いている三ヶ所の井戸から水を汲んで、バケツリレーの様にして木製の桶を利用して水を確保し。


調理を担当している広場でこの用意した物をフルに活用するために、再度亮太により設置されていたお惣菜屋、八百屋、そして酒屋の店主達が住人達と連携して重労働で疲れきっている街の人達に振る舞う夕食の準備を一緒になって行っており。

辺りには大釜で作られている味噌汁や、海で取れた魚を焼く臭いや。野菜を切る包丁の軽快な音が響き渡っている。

その為に多くの人は疲れてはいたがその表情は充実感と期待感に満ちた明るい物であり。彼等は長年待ち望んでいた平和な時を満喫していた。


そんな賑やかな街の中に西の平原を整地し、へとへとになった亮太達を乗せたボディのあちこちに泥がついているパジェロが帰還する。

「おおー。少し見ないうちに立派な街が出来てるじゃないか」

なるべく街の人達の邪魔にならないように入口で停車させ、亮太達は大勢の国籍を越えた人達により生まれ変わりつつあるアサツユ国の様子を車内で眺めながら胸を踊らせる。


「本当に良い国になりそうですな」
「ええ。この団結と意欲が衰えない限りは……必ず……」

そう言って、目を輝かせながら街を眺める助手席のロマネに亮太も同意しつつ。これからこの平和を守りたいと言う思いを再び燃え上がらせる。

「それじゃあ、俺達も車から降りて何か手伝……い……に……?」

亮太はそう言って、ヒデヨシ達と合流しようと座席から動き出そうとした所で、突然身体に力が入らなくなり。後ろを振り返った体勢のまま、ハンドルに頭を寄りかかる形でぶつけてしまい、

「亮太さん?!!」
「マスター!!!」

周囲に車の大きなクラクションと仲間達の悲鳴が響き渡り。亮太はそのまま意識を手離してしまう。

「マスターの体内にある魔力が底を尽きかけてる……!!」
「おい! それってかなり不味いんじゃねーのかアルバイン!?」

亮太に召喚され、魔力を共有しているアルバインはいち早く亮太に起きている事態を把握し。直ぐ様にあたふたしているレイラと共に座っている後部座席から身を乗り出して、車のバックドアを開け放ち、素早く外に出て運転席へと駆け寄りドアを開け放つ。

「マスター。失礼致します!」

先ずアルバインがした事はハンドルに頭をぶつけたままの亮太の身体をゆっくりと後ろに倒し。運転席の後ろの席に座っていたラムセス達に車の外に出てもらい。

直ぐ様アルバインは運転席を後ろに倒して、楽な体勢で亮太を寝かせる。

すると、気絶している亮太からは微かな寝息が聞こえ始め。アルバインを含め、彼の事を心配していた仲間達は少し安心する。


「マスターが休憩に入られたので、ゆっくりと体力が回復し始めている……。良かった、これならば暫くすれば体力が戻って目を覚まされると思います」
「ふむ……亮太様も私達と同じ人間と言う事ですな。ははは」

そう言って、亮太の寝顔を車外から眺めていたロマネは苦笑いを浮かべ。彼の心から出た本音に内心で同じ様な事を感じていた者達も、思わず共感してしまい共に乾いた笑い声をあげる。

「あったりめーだろ? こんな迂闊な天使や神様がいるかってんだ! リョウタは俺達と同じ様に限界があるし。尚且つそれを越えてまで誰かの為に奮闘してしまう様な人間だってことさ!!」
「レイラさん……マスターを庇ってくださる御気持ちはとても嬉しいのですが、マスターが折角眠っておられるのでお静かに……ね?」
「あっ、わりぃ……。つい気合が入って空回ってしまったよ……。ごめんな?」
「言いたいことをはっきり言えるのはレイラさんの良いところでもあるから。その……あんまり自分を攻めないであげてくださいね?」
「あ……ありがと……」

そんなやり取りをした後。彼等は改めて話し合い、その結果疲れきって眠ってしまった亮太の側にアルバインが護衛として着くこととなり。

他の仲間達は後片付けや、夕食の支度をしている者達に加勢して手伝うと言う事で話が纏まるのであった。

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