挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

03.修練の時篇

28/97

03-01 未来地図を広げて①

・亮太達が復旧する西の平原の距離を3キロから→10キロに変更しました。
イスカ姫達を見送った亮太は周りでヒデヨシの激に感化され、木造の家を組み立てている皆の様子を誇らしげに眺めつつ。現在の時刻を確認するために召喚用のメニュー画面を目の前に展開していた。

「やれやれ、一日ってやつはどうしてこうも早く過ぎていくものかね……」

画面の右下にちょこんと置かれている時計は現在時刻が昼間の3時半頃であることを伝えており。

昼間から続いていた戦いのせいで散々邪魔された復興活動と、開拓作業をとことんやりたいと考えていた亮太はこれからの予定を頭の中で整理しつつ。後ろ首をポリポリと掻いていた。


「やりたい事が山程あると、ついつい早く片付けたくて落ち着かないんだよな……。なあ、マリナ? あっ……」

そう言って、綾瀬と共に新生ヴァルハァム国の拠点へと送り出した彼女の名を亮太はついつい口に出してしまい、この世界に来てからずっと支えてくれていた戦友が隣に居ないことに気づかされ、苦笑いを浮かべる。

「いけねぇな……。散々後押しをしておいて、これじゃあマリナに叱られちまう……」

そんな人肌が恋しくなっている亮太を気にして、ネズミ色の使い古しの着物を着たヒデヨシが駆け寄って来てくれる。

「どうした、どうした亮太よ? 折角の祭りの後にそんな湿っぽい顔をしおって。おっ、もしかしてこれは南蛮の時計かのう?」
「ヒデヨシさん、時計を知っているんですか? 確か戦国時代は俺達が言うところの2時間=一刻いっこく1時間=一時いっときとして扱っていたと言うのは知っているのですが」

「おおっ!! その様な便利な物を持っておるのにワシらの時の読み方をわざわざ調べておるとはなかなかなものじゃな! はははは!! まあ、以前遣えていた殿様が偉く南蛮物が好きでのう。ワシも褒美としてこう言う物を頂いておってのう、ほれ」

そう言ってヒデヨシが(ふところ)から取り出したのは、銀色の懐中時計であり。英語表記で現代と同じ12時間で区切られた時計であった。

「これは……。俺が住んでいた世界で扱われていたと同じ構造の時計だ……。あっ、良く見たら小さなソーラー電池までついているし。これを殿様は何処で買われたか解りますかヒデヨシさん?」
「いんや。どうにも差出人を言わないことを条件に買い取ったらしくてのう。怖くてそれ以上は聞けんかったわ」
「そうですか……」


そこまでの話を亮太は頭の中で整理し、トレノが話していた通り。この世界には大勢の転生者が送り込まれている事と、まだヒデヨシ達が暮らしていたと言う日ノ本の様に技術力のある大陸があるかもしれないと言う議題も浮かんでいた。

(まだまだ俺が知らないことは多そうだな、面白い)
「所で亮太はこれからどうする予定じゃ?」
「とりあえず、アサツユの皆が安心して生活が出来る様にしたいので。予定通り畑や民家等を用意するために西の平原の10キロ圏内の片付けを終えたいと考えていますよ」
「なるほど……なるほど……。そいつは本当に有難い話じゃ。亮太には土に頭を下げて埋めても、感謝仕切れんわ」
「あはは、折角力を貰ったのだから使わないと勿体無いですから」

そう言いながら苦笑いしている亮太とヒデヨシは一通り笑いあった後。御互いに真面目な顔で見つめ会う。


「それで、ヒデヨシさんの言いたいことは何ですか? 聴かせてください」
「ふむ。流石にお見通しか。実はのう、お前さんの事を先程からちらちらと気にしておる南蛮のおなごがおってのう……」
「え?! おなごって、誰です? あっ……」
「お? 気がついたか? 今、家を組み立てているうちの若い衆達の視線を独り占めにしておるあの娘じゃよ……」


そうヒデヨシに紹介された女性は、他の女性達と共に土地に散らばっている草を抜いたり、石を真面目に片付けている頭に小さな麦わら帽子を被り。

少しくすんだ金髪のセミロングの髪を後ろで密編みにしたポニーテールで、白と青のチェックシャツの上に青色のオーバーオールと白と青のスニーカーと言う農夫の格好をした150cm代の身長の美少女であり。

彼女とは何となく見覚えがあった亮太は、何となく親近感を感じてしまい。暫く見つめていると、彼女もその視線に気がついたのか振り返ったため、御互いに数秒ほど見つめあってしまい。慌てて御互いに視線をそらす。


その二人の様子に気がついた女性達は彼女をいじり。亮太もその美少女を狙っている若い衆達に睨み付けられて冷や汗を掻かされた挙げ句、にやにやしたヒデヨシにちゃかされる。

「いやー、やはり亮太はお目が高い。あんな南蛮で言う、天使の様な美女に目を付けるとは……。何か困ったことがあれば、この百戦錬磨のヒデヨシが手を貸すからな?」
「わかりましたヒデヨシさん。とりあえず、怖いお兄さん達に目の敵にされているのが困っているのですが、どうにかなりませんかね?」
「なるほど!! そいつは御互いに不味いよな!! よーし、任せておけい!! そなた、あそこにいる亮太殿が人手が足りないようなので付き合ってあげては貰えんか?」
「いや、ちょっと!! 頼まれた事と全然違うことを言っているじゃないですかヒデヨシさん!?」


そんな悲痛な亮太の叫びは向こうでは聞こえていないらしく、若い衆達はそれを聴いて威嚇するゴリラの如く興奮しており。逆に女性達は黄色い声をあげながら、呼ばれた事に驚いている彼女の後押しをしている。

そんな状況をなるべく平和的に解決したかった亮太は諦めて彼女の返事を待つことにするが、亮太が心配するまでもなく。
彼女は手についている泥や、汚れを井戸水で洗い落としてから亮太の元へと嫌な顔1つせずに駆けつけてくれた。


「あっ、あの。お呼びでしょうか?」

少し緊張した面持ちで、彼女は流暢な日本語で二人に語りかける。

「おう! よう来てくれた!! 実はのう、奥手の亮太殿がお前さんの事を痛くお気に入りのようでーー」
「えっ?!」
「ちょちょちょちょ!!? ヒデヨシさんおかしいですよセリフが?! 俺はただ人手が欲しくて!」
「……どうせなら、惚れた女の子と一緒にいたい。じゃろ? むふふ、解っておる……解っておる……」
「いや、何も解って無いですよ!? 何時俺が権力に物を言わせて、そんな悪大官みたいなことを言いましたか?!!」
「バカモン!! お前さんも一国を背負う者の一人なのじゃから、いい加減家庭を持たんといかんじゃろうが?!」
「俺は後継ぎや、人質として家族を持ったり子供を婿に出したりする戦国の人じゃないんですよ!!!」
「あ、あのー! お二人とも喧嘩はお辞めくださいー!」


正に私の事で争わないでと言わんばかりの状況に遭遇した少女は目の前で両手を絡ませながら、正面から押し合っている二人を交互に見詰めながらあたふたする事しか出来ずにいたのだが。その騒ぎを聞き付けた5人ほどの日焼けした者達がやって来た。

その中で先頭をきっているのは、元ヴァルハァム王国の軍団長であるラムセスとその元部下達であり。彼等は動きやすい白い布で造られた衣服を身に纏い、片手にはそれぞれ大工道具や、木材を持っていた。

「リョウタ殿。そろそろ揉め会うのは辞めにしませんか? 皆が見ています」
「ラッ、ラムセスさん! これには色々と訳があってですね!」
「そうじゃよ! これはワシが亮太の将来を考えてだなあ!」
「……その為なら、先程から困っておられる彼女を困らせても良いと?」
「うっ……。ごめんね」「ぐぐっ……。すまぬ」
「あっ、いえ私は大丈夫ですので!! お気にせず!!」

その一言を言われた二人は何も言い返せなくなり、駆けつけてくれた少女に謝って終わると言う何とも言えない結末を迎えてしまうのだが。それを見たラムセスは満足したのか、会話の流れを切り替える。

「では、リョウタ殿。貴方にお仕えしたいと申す仲間を4人連れて来ましたので、どうぞお連れだってください」
「もしかして、その為に?」

その言葉を聴いて、亮太がラムセスの後ろに視線を巡らせると。そこには亮太が暴走しているラムセスから助け出したちょび髭が良く似合う、ふくよかな中年のおじさんと。
若い男性兵士が二人に、駆けつけてくれた少女と良く似た格好をした気の強そうな女性が一人並んでいた。

彼等の顔は迷いなく亮太に向けられており、その光景を見た亮太は思わず武者震いしてしまう。

「ええ。これからまた土地の見地をされると思いまして」
「ありがとうございます! 今は人手と皆さんの意見も聴きたいと思っていたので、助かります! よろしければ、お名前を伺っても良いですか?」

その言葉に左端に立っていたちょび髭のおじさんが一歩前に出て声をあげる。

「はい! 私はヴァルハァムで元々は商人をさせて頂いていたロマネと申します!! ヴァルハァムの事は大陸の隅々まで知っておりますので!! 何でもお聴きください!!」

続けて白い短髪の高校生ほどの少年二人が緊張した面持ちで声をあげる。

「わ、私はミランと申します! 頑張りますので、よろしくお願い致します!!」
「ルクマンです、以前までは記録員を担当していました。よろしくお願い致します」

そして最後に、親衛隊から唯一抜けてまで残ってくれた元気な少女が声をあげる。

「うっし!! 最後は俺だな!! 名はレイラ!! 姫様達を守るために巨大な魔石を撃破してくれたアルバインに惚れてここに残った者だ!! よろしくな!!」
「あっ、もっもうレイラさんたらー」

そう言って自己紹介した彼女は、御互いに似た格好をして隣にいる数時間前に高出力のレーザーにより魔石を焼き払った、甲冑を着ていない157cm程のアルバインの肩を抱いて満面の笑顔を浮かべる、程よく焼けた肌に金髪のポニーテールで男勝りで気の強そうなつり目の美少女であり。

ヴァルハァム語を喋る彼女の発言が召喚能力を通して翻訳されて伝わった事により、亮太は先程から目を奪われていた少女が、凛々しい女騎士として戦ってくれたアルバインである事に驚かされた。

「なっ?! 君があのアルバインだったのか?!」
「ははは!! はい!! 名乗り遅れてしまい、すいませんでしたマスター!! 私がアルバインです!!」

その発言にさっきまで彼女をマークしていた男達からも「嘘だろ?!!」と言ったような驚愕の声をあげ、彼女の事を知っていた女性達から「え? 知らずに声をかけていたの? 男ってバカよねー」と言ったような話し声が聴こえて来る。

そんな発言をする物だから男達も剥きになってしまい、激しい言い合いが後方で始まってしまったため、「またか……。失礼致します!」とラムセスが溜め息をついて、仲裁をしに行ったところで、改めて亮太は挨拶をしてくれた皆を歓迎する。

「皆、激戦の後で疲れている中。集まってくださりありがとうございます。これから、夕方の5時までに西の平原の整備を出来るだけ行い。明日からの作業を楽にする為の下準備をしたいと考えています!
皆さんには、私が瓦礫をどかした場所の地形の状態を確認して頂いていて、記録し。そして、何が必要かをその資料を元に話し合っていきたいと考えていますので。無理せずじっくり行きましょう!!」

その言葉に皆も同意の声をあげて同意してくれ。喧嘩を納めたラムセスも合流した7人は一度中止となった西の平原の整地と調査を再び開始する。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ