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転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

02.アサツユ国建国篇

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02-12新たなる門出

・広場でのシーンを改めました。
・鞭を操る転生者の戦闘シーンを改めました。
・条令に関する文を修正しました。

・今まで第三章の始まりがこの話からになっていたのですが、明らかにヴァルハァム王国との話の繋がりが解けていなかったので替えました。ややこしくしていてすいませんでした。(9/6)
壮絶な激戦を乗り越え、全ての残骸が片付けられた夜のアサツユ国の整地された広場では夜の7時から大宴会が開かれており。
450人と言うバレーボール大会が開かれるホールを半分埋める事が出来る程の人達が思い思いに楽しんでいた。


広場には亮太が召喚した10本以上の白熱ガス灯《Rank,R》が真っ平に整地され、土が敷かれた広場の周辺を30m間隔で間を置いて設置されており。

普段ならば自宅でロウソクの小さな火の明かりを頼りに夕食を取っていた人々は外に出て、アサツユ村に全員で帰って来れた事のお祝いと。

村を死守しようと奮闘してくれた亮太達への感謝と改めて友好関係を築くことが出来たヴァルハァム王国の兵士達との歓迎会を踏まえたお祭りが開かれており。


建て直され、300人以上が利用出来るようになった屋根付きの大広場には、祭りの屋台の様に前から召喚が可能となっていたお惣菜屋に、新鮮な野菜を取り扱っている八百屋。

そしてランクアップした為に新に召喚が可能となった様々な料理を用意してくれる小料理屋、お酒好きのアサツユの人達を熱狂させた酒屋、そして癖が強い猪肉ばかり食べていた彼等に本当の肉の味を教えて悶えさせた焼肉屋と言う充実したラインナップで、アサツユ国の皆を満足させる料理が振る舞われ。

今日この日、新たに友人となった大勢の生まれた場所も話す言葉も違うアサツユ国の人々は肩を組み、お酒を注ぎ合いながら談笑し合い、ご馳走を進め合いながらも親睦を深めていた。


そんな様子をアサツユ城の天守閣で日本酒を赤色の(さかづき)に注ぎ合いながら亮太とヒデヨシにヒデナガが楽しそうに飲みあっており。そして綾瀬とマリナとイスカ姫もオレンジジュースを紙コップに入れて参加していた。

「いやはや、まさか自分の城で旨い酒を飲みながら、仲間達と楽しく笑い会える日が来るとは夢にも思っておらんかったわ!! はははははは!!! ほれほれ、もっと飲まんか亮太に弟よ!!」
「ヒデヨシさん、飲むペースを抑えないと潰れますよ? ははは!!」
「亮太殿の言われる通り、ここ二年間程お酒には縁がなかったのですから、程ほどにしないと明日に残りますよ兄上?」

そんな苦笑いしながら赤い杯を突き出す二人の弟に、一升瓶を片手に満面の笑顔で頬を赤らめているヒデヨシが楽しそうに酒をついでいく。

そんな浮かれる男子達を尻目に、焼肉屋さんに作って貰った上カルビ丼とトマトとワカメにレタスが入っているサラダをドレッシングかけて美味しそうに食べている女性グループでも歓声が上がっていた。

「う~ん! このジューシィー感はやっぱり牛ならではよね~! はーい、マリナとイスカちゃんあーんして?」
「もっ、もう! 私も子供じゃ無いんだよお母さん? あむっ」
「ああ……お姉様からこんな素敵な御褒美を頂けるだなんて……。はむっ」
「どう? 美味しい?」
「程よい歯応えに、塩コショウで引き締められた肉のジューシィーな味が広がっていくわ……。お母さん!! おかわり!!」
「ああ! ズルいですよマリナさん!? 私にも、私にも!!」

そんなそれぞれが別の理由で目を輝かせて食いついてきた二人の少女に、綾瀬は嬉しそうに微笑みながら自分のカルビ丼を削って二口目を食べさせて行く。

「ふふっ。私もご飯も逃げないから落ち着いてね~」


そんな賑やかなムードに包まれているアサツユ国の人々を依りいっそう感動させる出し物が、海の方にヒューっと言う音と共に打ち出される。

「おっ……。打ち上げ出したな」

その亮太の言葉に答える様に、少し小さめではあるが空に花火が打ち出された。

「おおおおお!!!! 凄いではないか!!! なんなのじゃあの美しい爆発する花は?!」
「花火と言って、色がついた火薬と金属の粉末を混ぜたものを打ち上げて、空中で爆発させる事で鮮やかな光を楽しむ物らしいですよ」
「ほほう!! しかし見事なものじゃな!! まさか空に花を咲かせるとは!!」

海岸から離れた所に浮いている双胴ガレー船から空へと亮太が用意したおもちゃ屋さんで購入した色鮮やかな打ち上げ花火が次々と打ち出されて、夜空を色鮮やかに彩り。
それを見ていたアサツユ村とヴァルハァム王国の人達は感動して目を輝かせながら見つめており、言葉が通じなくとも同じ思いを共有出来る事を食事の時から感じていた彼等は、より一層御互いに親近感を高めていった。


そんな感動的な祝賀会の翌日、アサツユ城の会議室にそれぞれの国の代表者達はそれぞれ二日酔いだったり、にこにこしていたり、緊張してカチコチになっていたりとしつつ。国連の会議室の様に、ドーナッツ状のテーブルとフカフカのリクライニングシートに座ってこれからの事について話し合っていた。


メンバーは【アサツユ村側】・ヒデヨシ・ヒデナガ【ヴァルハァム王国側】・イスカ姫・ハピカン親衛隊隊長 【亮太達】・亮太・マリナ・綾瀬と言うメンバーであり。先ず彼らの話の議題になったのは。

①、ヴァルハァム王国に対する防衛に必要な物と隊員達の育成方法。
②、450人を越える人達をどの様にしてまとめ、衣食住を揃えて、友好関係を築いていけるか。
③、これからの大陸の領土配分等の検討や、生活支援。
④、治安維持や、混乱を抑えるための最低限の法律の制定。

等を議題として話し合う。


「先ずはヴァルハァム王国からの侵略行為に対する防衛案何ですけども、これに関しては言いにくいかも知れませんがイスカ姫。お願いしてもよろしいでしょうか?」

「かっ、かか畏まりましたです!! ええーと、あれ……? あれ!? 持ってきた資料はどこへ!?」
「姫様、こちらに御座います」
「ありがとう! ハピカン!! 下に埋まっていたんだね……良かったー……。はっ!」

そんな顔を真っ青にしたり真っ赤にしたりと慌ただしいイスカ姫の可愛らしい姿に、皆は怒れる訳が無く、孫を見る様な優しい瞳で見詰めていた。

「すすすすすいません! ええーっとですね、《防衛に関してはヴァルハァム王国軍が武器としている大量の魔石を生産している事からその魔石を無効化する為に、魔石を探知するセンサーと妨害するための魔石の生産と強化や。
大陸の周りに防衛線を張ることにより、敵を近付け無いことを徹底して》ええーと……」

亮太に貰ったノートに昨夜親衛隊の皆と綾瀬と共に書き記した企画書をイスカ姫は作文を読む小学生の様に食い入るように見詰めながら、ヴァルハァム語で早口で話していたために。

言葉が解らない皆がポカンとしているのを見計らって彼女の隣に座っていた綾瀬が助け船を出す。

「ごめんなさい姫様、翻訳しますので少し時間を頂いてもいいですか?」
「はわわわ!? ごっ、ごめんなさい! あいたっ?!」

自分のミスに気づいたイスカ姫は慌てて謝ろうとしてテーブルにおでこをぶつけると言うお約束を華麗に達成していく、いっぱいいっぱいのイスカ姫に皆が慌ててフォローすると言う光景を乗り越えつつ。

その後は綾瀬の翻訳を交え、冷静さを取り戻した彼女は話を続けていく。

「昨日、アサツユ村を襲った巨大な魔石は移動するのが遅く、大量の魔力を一時的に暴走させる事で巨大化させているので。20プル以上は形を維持する事が出来ずに崩壊してしまうのです。なので、近くに魔石を内蔵した者が複数集まって互いに魔力共有でもしない限りは、あの姿になる事はないのです」


その説明を聴かされて、皆の頭に疑問が残る。

「では何故、あの巨大な魔石が現れたんじゃ? 基本的には強い魔石の力が無ければ、巨大化はしないんじゃろ?」

そのヒデヨシの疑問に、イスカ姫が慌てて資料を漁りながら答えを出す。

「えーとですね。それはきっと亮太さんが使用したトゲトゲの黒い石に関係があると思います」
「え、俺?」

思わぬ矛先が向けわれた事で、亮太は自分の事を指差しながら聞き返し。イスカ姫は静かに頷く。

「はい。亮太さんの召喚される物には大なり小なり、莫大な魔力が秘められていまして。その魔力を魔石が瞬間的に吸収する事により巨大化。さらに、その取り込んでいた魔力を制御出来なくなったために、魔石は暴走を始め。
全身から魔力を放出しながら崩壊していきました」

その説明を受けた皆が亮太に視線を送り、素早く亮太が顔を横にそらせると言う茶番を挟みつつ。
その原因の追求は、実は亮太達にとってはかなりの安心を与えていた。

「なるほど。つまりあの台風の様な巨大な魔石は奴等が狙ってやった物では無く。偶然起こってしまった事故の様な物だったんだな」
「はい。基本的にはどれだけの魔石を集めようとも、巨大化させるだけの魔力を生むためには数千万個の魔石が必要で。それ集めるには、それだけの命を犠牲に魔石を産み出す必要があります。でも、それは余りにも愚かな事です。
それだけの命を失えば国は滅びますし、国力を失う程の犠牲を払ったとしてもその力を制御出来るだけの魔道士は、ヴァルハァム王国にはおりませんから」


その話し合いの結果、魔石の力を弱らせる事が出来る様な対抗策の研究を専門化であるイスカ姫達に頼み。亮太達は彼等を寄せ付けない様な大陸の開発を行っていく事で同意する。

その後の話し合いをダイジェストで説明させて頂くと。

②450人の住民に関しては、ヴァルハァム王国との戦い以前の様にアサツユ国とイスカ姫が率いる新生ヴァルハァム王国に別れて行動する事となり。

二つの国の発展支援と軍事力の増強を亮太と綾瀬が助ける事を約束し。大陸の土地を上半分と下半分を均等に分け会う形で同意する。


そして③番目の議題である最低限の条令に関しては綾瀬が名乗りをあげる。

「良かったら私に御手伝いさせて頂いても良いですか? 昨日のうちに提案をまとめて来たんですけども……」

そう言って微笑みながら彼女が白い大きな画用紙に大きく書いてきた条令案に皆が目を通していく。その内容はと言うと、過酷な物ではなく。国と人々を纏める上での最低限のものであった。


①国民は五日の間務めをなし,自分に与えられたすべての仕事をしなければならない。しかし,六日目と七日目は休暇日とし。緊急時以外は労働を強制する事はしてはならない。
それは家族の中にいる息子や娘も,雇っている男の労働者や女労働者も,家畜,そして自分と共に暮らす外人居留者にも適用される。

②父と母を敬うこと。
③子供を持つ親は子供を教え、支え、育て上げる責任がある。
③殺人をしてはならない。
④姦淫を犯してはならない。
⑤盗んではならない。
⑥仲間の者に対する証人となる時、偽りの証言をしてはならない。
⑦仲間の者の家を欲してはならない。仲間の者の妻を,またその労働者,家畜,仲間の者に属するどんなものも欲してはならない。

⑧相手の失敗や、間違いを恨み続けたり。怒りを覚え続けるのではなく先ず許し、和解して良い関係を互いに築きあげる事。
⑨重大な罪を犯している人を知った場合は報告し、然るべき仕方で裁き。
罪人に改善の見込みがある限りはその失敗を許し、御互いに出来る限りは和解する努力をする事。

そう言ったルールからかけ離れていた生活を送っていた者はその内容をじっくりと読み、余り細かいことは気にしない亮太はその条令を感心しながら見ていた。

「なるほど。何か小難しい事を書いているのかと思ったら解りやすくて、当然の事を書いているんだな」
「えへへ。解ってくれる亮太さん? これなら過酷な環境でも互いに力を合わせて頑張れると思う!!」

その条令はその後制式に認められ、世紀末と化していた大陸に一応の秩序が保たれる事となる。
警備に関しては御互いの兵士達に任される事となり。御互いに苦しいときは御互いの余裕のある部分の資産を支援物資として輸送すること等を定め。

住民達が何処に住むかはアサツユ国と新生ヴァルハァム王国が安全を確保している場所に限り、移住する権利が住民達に託す事などといった事も話し終え。
ある程度話を終えた亮太達はその事をトレノに報告する事とした。


「トレノさんにも連絡をしておかないとな」
「……寧ろ、トレノさんに連絡をせずにこれだけの事をして良かったの?」
「問題があれば直ぐに伝えてくれる人だから、大丈夫だよ」

そんなハチャメチャなやり取りを亮太とマリナはしつつ。大体の話が決まり、和やかな空気に包まれる皆がいる中で、タブレット式の半透明の画面を実体化させてトレノへと連絡を入れる。


《やあ、順調そうだね亮太くん! まずみんなに、第一の試練を誰も欠けずに生き残れた事をお祝いさせて貰いたい! 本当にお疲れ様でした!》
「ありがとうございます。酷い目には会ったけど、皆のお陰で何とか生き残れました」

そう言いつつ、亮太はトレノが拍手している姿を皆に見えるように皆の方へと向けて、空中に浮かばせたまま放置する。

《初めてお会いする人はこの部屋にはいないようだね? それじゃあ皆が気にしているであろうヴァルハァム王国の現状を説明させて頂きますね》

そう言い終わったと同時に今までは顔程の大きさだったタブレット画面が形状を変化させて、自転車のタイヤ程の大きさの20インチのモニターを横に3つ並べたマルチウィンドウにして映像を流しながら説明を始める。


そこに写っていたのはヴァルハァム王国が魔石を通してアサツユ村の様に街まるごと洗脳して植民地としている、石造りで出来た水の都ベネェチアの様な街で作物を裸同然の格好で収穫している無表情な住民達と、それをにやつきながら見張るヴァルハァム王国兵の姿があり。

空には小さな竜であるワイバーンが4体程、空を舞っている映像が写る。

一見、その映像が続くのかと思いきや。突然映像に写っていたワイバーンを丸呑みにする程の全長30mを越える巨大で、黒く輝く分厚い鱗を身に纏い、巨大な両翼を羽ばたかせるドラゴンが突如空中から降り立った為に。大勢のヴァルハァム王国兵が悲鳴を上げて逃げ惑うのだが。

その兵士達の後を頭と上半身を隠す程の赤ズキンを頭に被り、中に白いキャバドレスに黒いミニスカートを着た女性が良くしなる長い鞭を逃げる兵士の背中に狙いを定めて鞭を振り、音速を越えた速度で大蛇の様に兵士達に襲い掛かかる。

するとバァン!!! と言う壮絶な破裂音と共に背中を強打された兵士達は短い悲鳴を上げながら、次々と吹き飛ばされ。壁や噴水、木などに叩きつけられ。身体を痙攣させて動けなくなる。


そして、焦点が合っていない目線のまま黙々と農作業を続けている住民達を赤紫のショートヘアーで、目付きが鋭いメイド服の少女が次々に彼等の背中にボーリングのピン程の大きさの判子の様な物を押し付けていき。

押された人は暫く身体を痙攣させた後に、正気を取り戻して戸惑っている様子が映し出される。


その様な亮太達の様にとんでもない力を発揮しながら暴れまわる彼等の映像に亮太達が度肝を抜かれ。《うーん……ちょっと暴れすぎかなー……》と言う、トレノの小さな一人言が混ざりつつ。
再びトレノからの説明が再開される。

《現在、ヴァルハァム王国の魔石による植民支配を行っている大陸に、亮太くん達の様な転生者を各街に3人ずつ。合計20人程送り込んで、彼等が支配している大陸の下半分をじょじょに解放している最中でして。
現在、彼等の奮闘もありヴァルハァム王国はアサツユ国処では無くさせる為の撹乱作戦を行っています。
そして私達にとって、彼等を打倒する為の最高の切り札を亮太くんに託させて貰います》


そう言ったトレノの言葉に対応したように、マルチウィンドウが亮太の目の前に戻って来て。驚くべき物がアンロックされた事を亮太は確認する。

「おいおいおい……。これってまさか……」
《ああ。これで彼等の中にいる協力者を救出し、兵力を削ぎに削ぐ奥の手さ。旨く利用して欲しい》


その画面に写されていたのは、ヴァルハァム王国にいるイスカ姫に味方してくれる様な人や、兵器を転送して手に入れる為の【ヴァルハァム王国の戦士達】と言う豪快な内容のパックが解放されており。

慌ててその内容を確認しにきたヒデヨシ達や、イスカ姫達が亮太に詰め寄る中で。その内容を具現化するにはここでは狭いからと言う理由で、アサツユ村から西に行った所にある広い草原で召喚を開始する事となる。

◇資金:713,8420SP

・白熱ガス灯《Rank,R》×25《50,0000SP》
・おもちゃ屋《20,0000SP》+打ち上げ花火費用《2,5000SP》
・小料理屋《30,0000SP》+450人分《27,0000SP》
・酒屋《30,0000SP》+350人分《13,5000SP》
・焼肉屋《40,0000SP》+450人分《58,5000SP》

◇資金:713,8420SP-151,5000SP=562,3420SP
+注意+
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