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転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

02.アサツユ国建国篇

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02-05 最後の砦

※文章の修正しました。(7/26)・騎士達の誓いの値段が間違っていたので修正しました。(8/4)
「せっかくアサツユ村の人達と和解出来たってのにこんな事になっちまうだなんて!! 本当、世話しない世界だなここは!!」
「仕方無いわ、この世界にはまだまともなルールも儲けられていない無法地帯なんだからね」

短い付き合いであったが、心を許せる相手であったアサツユ村の人々がごっそりと大移民してしまった為に、これからじっくりとアサツユ村の生活環境を良くしようとしていた亮太達の出鼻は挫かれ、敵国の挙兵と言う最悪の形で水をさされてしまう。

なので、自らが召喚したパジェロの助手席にメイド犬のマリナを乗せ、亮太はヒデヨシ達と話し合っていた防衛ラインをより強固な物とする為に。牙猪達によって舗装された道を下見を含めて西へと走り続けていた。

「……ヒデヨシさん達が、無事に新天地で暮らせるようにする為にも。厄介な奴等がこれ以上余計なことが二度と出来ないように徹底的に叩かないと……!!」
「感情的になりすぎては駄目だよ亮太? 冷静に行こう?」
「つっ……解ったよマリナ。ちょっと熱くなりすぎていたみたいだ。ありがとう」

そう言って亮太は焦る気持ちを抑えてくれたマリナの頭を感謝を込めて撫でるものだから、油断していたマリナは赤面してしまう。

「ちょ、ちょっと!? いいいきなり撫でられたらびっくりするじゃない!? もう……」

そう言いながらも照れ臭そうに頭を撫でる手を振り払わないマリナに、亮太がいとおしさを覚え、思わず優しく微笑む。

「本当に何時もありがとうな、マリナ。また俺が冷静さを失った時は遠慮無く叱ってやって欲しい」
「う……うん! 任せておきなさい!」

そうして御互いの思いを共有し合った二人を乗せた車は五キロ近く続いていた山と山に挟まれた西の道を抜け、様々な方向へ別れ道が出来ている交差点の様な地点に到着し、車をアイドリンク状態で停止させる。

「さてと、ん? トレノさんからメールが着てる……」
「どんな内容かしら?」

亮太に届いていたメールには今回の緊急事態に対処する為にとトレノから《10,000,000SP》とSR以上確定パックが5枚渡されており。手紙の内容はと言うと、状況の変化にしっかりと対処出来ずに亮太達を振り回してしまった事への謝罪と。

亮太達の安全を第一にして作戦行動をして欲しいと言う内容が書かれていた為に、実はマリナと共に焦りを覚えていた二人の心は折れずに済んでいた。

「トレノさんも……神様と俺達の間で働く中間管理職で大変なんだろうな。じゃあお言葉に甘えさせて貰おう」

そう言って亮太は軽く深呼吸してから、メールに添付されていたアイテムを引き取り。今度は画面に大陸地図を表示させる。すると、地図の画面には名古屋の港辺りからゆっくりと動いている二つの船のアイコンと、その横に付き添うように地上を行くチャリオットに乗って時速20キロ程で移動している陸上隊のアイコン。

そして亮太達が思わずギョッとさせたのは部隊の中で先行して、こちらに時速50キロと言うとんでもない速度で向かってきている強行偵察を担う牙猪達500頭であり。

亮太達がいる場所とこの牙猪達との距離は僅か50キロ程しか無いために、このままでは一時間もしないうちに何の準備も出来ていない亮太達の元に牙猪達が来てしまうと言う事もあり、亮太はすかさず事前に考えていた対処を開始する。

「一先ずストレートに頭上から雨を降らせて、牙猪達を無力化するけど良いか?」
「うん! 私もそれで良いと思う!」

マリナからも同意を得られた亮太は手早く画面を操作していき、敵の進行を程よく食い止める為に前回の戦闘と宴の中でランクアップし、より多くの水を産み出せるようになった召喚能力を用いて。偵察に出ていた牙猪達の頭上から状態異常を解除する大雨を降らせて大混乱に陥れて行く。


ーーーーー◇ーーーーー

牙猪達によって事前に整地された車4台分の横幅があるチャリオット用の道を、何の付加もなく進んでいた軍師ハシバ率いるチャリオット隊であったが、突然謎の妨害に(さいな)まれる事となる。

「大変です! 軍師ハシバ様!! 先頭をいっていた戦士達が、偵察に出ていた筈の牙猪に襲われている模様です!!」

「なんじゃと?! くっ、もしやあの村にいるであろう呪術使いが近くにおるのかもしれん……。まだ魔石で制御出来ている牙猪達をいったん下げさせよ! 代わりに200騎のチャリオット隊を向かわせるのじゃ!」

「かしこまりました!」

そう言って、隣に並走していた伝令兵が馬に鞭を入れて、前方にいる仲間達に指示を伝えるのだが。また数分たった所で、逆送しながらハシバの元へと戻ってきて、慌てた様子で悪い報告を伝える。


「ハシバ様! 大変です!! 我々が通ろうとしている道の数ヵ所が突然の大雨の為にチャリオットが通れない程になっていまして! 先を行く隊長が、遠回りの道を使用してもよろしいかと御尋ねになられております! 以下がいたしましょう?」

「ええい! 何故じゃと?! 確かに山の天気は変わりやすいとは言うが、今日は空に雲の一つも無い快晴な天気なんじゃぞ?! 何かが、わしの知らないところで何かが起こっておる……!!」


そのハシバの予感は当たっており、これは彼等のチャリオットで通るであろう道の先に亮太が大雨を降らせ続けて、チャリオットの速度を殺す作戦であり。

その結果、現代のゴム製では無い木製の円盤をタイヤに用いるチャリオットはぬかるんだ道の前では重荷でしか無く、ぬかるんでいない遠回りの道を選んで進まざるを得なくなった為に、彼等の予定していた到着時刻は倍以上に伸びることとなってしまう。

また、彼等が進撃を諦めない様に数十メートル間隔で酷くぬかるんだ道をあちこちに作り上げていた為に。彼等が諦めて元来た道を引き返して植民地に戻る事も阻止する器用さを亮太は発揮していた。


ーーーーー◇ーーーーー

そんな悪戦苦闘しているハシバと同じ程に亮太達も時間との戦いに追われおり、亮太とマリナは車内で防衛拠点を建造するために様々な事を同時進行で行っていた。

先ず時間が掛かるであろう防備の召喚を済ませる為に、多くの拠点と武器が封入されている【騎士達の誓い】が30パック封入され、なおかつかなり良いおまけが入っているらしい大きなボックス《30,0000SP》を購入し。

それにより新たなパックである【戦国の世】をアンロックしつつ。城と城壁、そして多くの兵士達を仲間に加える。

「あー……流石に30パックも購入すると開封するのも一苦労だな。刃物が無いから纏めて切れないし」
「召喚者にしかパックを触る事が出来ないしね……」

そんなちびちびと亮太が開封した結果は、かなり良い物であった。

【騎士達の誓い:3,0000SP】×30+αおまけ3パック+ボーナスカード一枚【合計166枚】
1・騎士《Rank,N~R》18
2・騎兵《Rank,N~R》15
3・弓兵《Rank,N~R》18
4・砲兵《Rank,N~R》10
5・剣5本セット《Rank,N+》7
6・防具セット《Rank,R~SR》8
7・弓セット《Rank,R》8
8・英雄の装備《Rank,SR》2
9・矢50~300本《Rank,N~R》6
10・砲弾セット《Rank,R~SR》5
11・火薬玉《Rank,R~SR》5
12・馬《Rank,R~SR》14
13・タクティカルソード《Rank,R+》2
14・ペガサス《Rank,SR》2
15・反射の盾ミラージュ《Rank,R+》2
16・無力化の弓ストナ《Rank,R+》2
17・聖者の杖ホーリーロッド《Rank,SR》1
18・聖剣カリバード《Rank,SR》2
19・城壁《Rank,R~SR》6
20・城門《Rank,R~SR》3
21・城《Rank,R~UR》4
22・投石機《Rank,R》3
23・自走式投石機《Rank,R+》4
24・バリスタ《Rank,R+》6
25・大砲《Rank,SR》6
26・夢想する女騎士シャルロッテ《Rank,R+》1
27・駿足の騎兵カイル《Rank,R》1
28・鉄壁の盾兵ガルム《Rank,R》1
29・無力化の弓兵ベレッタ《Rank,R+》2
30・聖女シャロン《Rank,UR》1
31・聖光騎士アルバイン《Rank,UR》1

ボーナスカード・騎士達の誓い《Rank,UR》
《騎士達の誓いで引き当てたカードの能力を強化し、ランクの限界突破を可能とする》


「おっ! 城と城壁が結構出たし、レアもコンプ出来た!! でも、兵士の数がやっぱり足りないかな……」

亮太はそんな不安を抱きつつも事前に計画していた通り、召還画面を開いて先程手に入れた城壁《Rank,R~SR》を選択して、アサツユ村の海岸沿いの日本で言うと中之浦からぐるりと円を描いて行き。

まるで町を造るシミュレーションゲームの様に、山の上でもお構いなしに実際建設するとなると年単位で時間がかかる所を、合計で20分弱の時間で亮太は西洋式の真っ白な城壁を外側と内側の二つに分けて築いて行く。

その内容はと言うと壁の厚さが3.5m、城壁の30mごとに屋根付きて円柱型の側防塔が組み込まれた城壁であり。その2重に造られた城壁が外側は高さ10m、その壁の間に20m程の移動スペースが設けられ、内側の城壁には外側よりも5m高い15mの高さの城壁が地中から競り上がる様に伸びて来ており。

その二重の城壁を亮太は万里の長城の如く引き延ばして、アサツユ村の右下に位置する現代で言えば【打合】に当たる場所まで城壁を建造して行き、合計で50キロ近い長さを誇り、侵略から身を守る城壁が築かれていく。


そして外敵から身を守る防御陣地である四階建ての建物と同じ様に分割された部屋と大きさを持つ側防塔の中には、大砲やバリスタ、弓などの遠距離から攻撃が出来る武器と専門の兵士達を共に配置していく予定を亮太達は建てており。

そしてその城壁の完成を待っているその間に、城壁とアサツユ村の中間地点に多くの仲間達を収容する為に純白の大きな西洋式の城を築城していく。その立派にそびえ立つ城壁の様子を見て、敵の進行に焦っていた亮太達の心にも少し余裕が生まれてくる。

「よし。これで守りの方は何とかなったかな」
「あっ、そう言えば海から来ている船はどうするの?」
「うーん。空からソルトやハルちゃんに攻撃して貰おうと思う。どうにも、船と陸上の敵が一緒に行動しているみたいだから、船から降りても助けて貰えるだろうしね」
《OK!! じゃあ早速行ってくるね!》


その説明を何時から聴いていたのかは解らないが、ホウキに乗ったソルトが亮太達の乗っている車の上を風を切る音ともに通りすぎて行き、彼女はガレー船がいると思われる空域へと飛んでいった。

「ソルト!? 聴いていたのか?」
《だって、ずっと皆が居なくなったアサツユ村にいても仕方無いでしょ? 私だけじゃ無くて、きっと皆も待っていると思うよ?》
「解った。皆、待たしてすまなかった。すまないがソルトは船に攻撃するのではなく、地上の奴等に目を光らしていて欲しい。ガレー船は足が遅いみたいだから、もう少し様子を見たいんだ」
《了解! 何かあったら連絡するね!》


その元気のいい声と共に彼女との通信は切れ。それと同時刻に城壁の建設が完了する。

「さてと。こっからが本番だ、気合入れていこうぜ皆!!」
「頑張りましょう!! 皆で!!」
《おおおおおおお!!!》

その言葉をソルトと同じ様に待っていたのであろう大勢の仲間達の時の声をBGMにして、二人を乗せた車は発車していった。使命を果たすため、友達の故郷を守り抜く為に。

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