挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
転生したので、役職がフリーターから仲間と戦う召喚士になりました 作者:礼状

02.アサツユ国建国篇

16/87

02-03 アサツユ村生活環境向上プロジェクト①

※クリーンディーゼルエンジンは静かではないと言う資料を見ましたので、描写を変更をしました。
亮太達が会議を終えた頃には時刻はお昼前となっており、話の纏まった亮太達は一旦お昼ご飯を取るために広場に出ると、大勢の人達が手術が終わる人を心配するかの様に未だに広場に残っていて。
村長の家から出てきた亮太達は再び囲まれる事となる。

「村長!! 話はどうなったんですか?!」
「村からいなくなったみんなが生きているのは本当でしたか?」
「俺達はこれからどうすれば?」

そんな一人一人の質問にヒデヨシと亮太が先程トレノから受けた説明通り、確かに行方不明者が生存していた事と、彼等がアサツユ村から離れた場所から来た他の大陸の人間達の町で働いている事などを出来るだけ柔らかく伝えていき。

その国の者達からアサツユ村の人達を連れ戻す為に働いている者達がいるから、もう少しだけ我慢して欲しいと言う事と牙猪達から村を守る為の対策を取ること、そしてアサツユ村に帰れないでいる仲間達がちゃんと帰って来ても暮らせられる様に村の生活環境を改善していく事を説明するのだが……。


「そんな事、我々だけで出来る訳が無いだろう!」
「例え犠牲が出たとしても、仲間達を助けに行くべきだ!」
「村長達は考える事を辞めて、現実逃避をしているのではないか?!」

と言った様な厳しい指摘を雨のように受ける事となるのだが、

「皆のもの静まれ! 静まらんか!!」
「ば、(ばば)様?」
「婆様が通られる!! 道を空けるんだ!」

突然人だかりの背後からあげられた老婆の一喝で静められ、亮太達の前に並んでいた者達が慌てて海を別けた様に左右に別れて老婆の道を造った者だから亮太達が驚かされる中、目線を地面から正面に上げていくとそこには腰の曲がった白髪の老婆がとことこと歩いてきており。

亮太達を見定めながら前で立ち止まった老婆は冷や汗を掻いているヒデヨシに目線を合わせて喋り始める。


「何をトンチンカンな事を言い出すのかと思ったら驚いたねぇ、皆真剣な顔で気も狂っておらんとは……」
「母様……ワシらは見せられたんじゃよ、仲間達がとんでもない規模の敵国の奴等に捕まり働かされているのを。みんな生きてはいるが死人の様じゃった」
「ふん。ワシに言わせればここにいる夢も希望も見失った私らのの方がよっぽど酷いと思っておったがそうか、地獄を見てきたのじゃなお前達は?」

その指摘を受けたヒデヨシ達の顔色は暗くなり、つい(うつむ)いてしまうが共にいたユリは違った。

「でも、私は希望も見ました! 大きな敵国が一筋縄で無いことや、お母さんや村の皆が形は選べなくても生きていた事!! そして亮太さんがただ嘘を言っている訳ではないことを私達に見せてくれている事です!」

「ユリちゃん……」

その気持ちを力強い声だけに寄らず全身で表してまで説得してくれているユリに亮太とマリナが心を熱くさせられ、それを聴いたヒデヨシの母と村人達も考えさせられる。

牙猪達を退け、狂人と化した家族を助けるだけによらず餓死寸前だった村人達に御馳走と広場と御店を建てて、2年間沈み混んでいたアサツユ村をもう一度活気で満たしてくれた事を。

「そこまで言うのならば納得出来るまでやれることを全てやってみんさい。ワシはあんた達を見守る事にするよ。皆も、試しに見てみるだけなら文句もないじゃろ?」

そう言ってヒデヨシの母は不敵に笑い、後ろに振り返りながら考えを決めかねている仲間達に告げる。すると先程亮太に引っ付いてきた少年マサノリが手と声を上げて同意する。


「ワシは亮太さんの話に乗ったぞ! このまま折角ワシらが大切にして来たものを全部奪われたままではおれんからのう!!」

その声に刺激された様にその他の若い男達も声を上げて同意していく。

「その通りだ! 俺達だって好きでずっと我慢していた訳じゃない! 今立ち上がらんで何時立ち上がるんだ!!!」
「その通りだ! ヒデヨシ様やりましょう!! 俺達はまだ死んではおらん!!」

その声を上げる中には牙猪達の襲撃を見張り台の上で苦々しく見ている事しか出来ずに避難していた若き侍であるミツナリの姿もあり。彼等のその熱意は火種となって村人達に引火していき、気付けば先程までは泣き出しそうな顔をしていたアサツユ村の人々は腕と声を上げて心を燃やし叫んでいた。

「ふっ、ふはははは!!! 先程までは死んでおった皆が生き返りおった!!! まるでワシと共にこの大陸に来ることに賛同してくれた夜の時のようじゃ!!!」

最早一つの燃える意志の塊となった仲間達にヒデヨシは嬉しさの余りに泣き笑いになりながらも亮太と向き合う。

「どうじゃ亮太!! ワシらの家族は!?」
「ええ! これなら乗り越えられそうですねヒデヨシさん!!」
「そうじゃろう、そうじゃろう!! よし! じゃあ戦の前に先ずは腹ごしらえじゃ!! 者共、食事の支度をせい!!」
「「「おおおおおお!!!」」」

この日、アサツユ村の人々は一丸となって悪夢と向き合い戦う事に決めた。

彼らの表情には少しの曇りも無く、ただ前に踏み出した者だけが見せる活力に満ちていた。


ーーーーー◇ーーーーーー

時刻は昼の一時過ぎを回り、暑く照りつける春の日差しと海から聴こえる波の音を聴きつつ。亮太達は新鮮な海の幸を食べ終えてからこれからについて話し合いを始めていた。

今回の話し合いはヒデヨシ達だけでなく村人達も同席する形となっており。亮太とヒデヨシ、そして二人の補佐役であるマリナとナガヒデが教室の先生のように食堂広場の端に立って皆の意見を聴きながら話を進行していく。


「なるほど……海に出れば敵国に襲われる可能性が出てくるし。地上で畑を作りたくても土に栄養がなくて良く育たないし、牙猪達に襲われる可能性があると言うわけですね……。ありがとうございます、現状が良く解りました」

既に村の中に設置された雑貨店で購入したボールペンとノートを活用して亮太がメモを取りつつ、次々と席についている村人達がてを上げて要望を伝えていく。
そんなメモを取る亮太にヒデナガが村人達に聴こえない程の声量で呟く様に声をかける。

「それと、前回の牙猪達の襲撃で村を守る物が殆ど壊滅させられてしまいました。もし、また奴等が襲ってくるとなると……」

「村が壊滅してしまう……と……。明らかにあの猪の大群は村を壊滅させる意図が有りましたからね。きっと牙猪達を差し向けた彼等の元に猪達が帰って来ないとわかれば異変を察知した彼等が偵察にやって来るのは時間の問題か」

「何か名案がありますか?」

その探るように聴いてきたヒデナガに亮太は微笑みながら切り返す。

「勿論。俺自身は対した事が出来なくとも一騎当千の仲間達が私にはいますから御安心ください。それでは皆さん、大変貴重な意見を本当にありがとうございました! 私自身はこの大陸に来てから三日も経っていないひょっこです!! また皆さんから意見を頂く事になると思いますが、引続きよろしくお願いいたします!」

そう言って亮太とマリナが頭を下げ、村人達が拍手をしてから自分達が使っていた食器類をお惣菜屋へと持っていく姿を見送る中で亮太達はある程度のやるべき事が決まりつつあった。

「ヒデヨシさん。まず村を守るために村の西側から伸びている森と森の間に挟まれた長い平野を視察したいのですが、良いですか?」

「うむぅ。別に構わんが昨日の猪達に荒らされるだけ荒らされた道じゃから、かなり進むのは難儀すると思うぞ? 大丈夫か?」

心配そうに訪ねるヒデヨシに亮太はにかっと笑ってから答える。

「大丈夫! どれだけ障害物があろうと、空から行けば問題ないですよ」
「え?! お前さん、まさか仏になって空を飛ぶとか言わんよな?」
「ははは、流石にもう一度死にたくはないですね……」
「え? それってどういう意味じゃ?」
「え? そのままの意味なんですけど」

「え?」
「え?」
「ほら! 二人して馬鹿言ってないで早く行きましょう!」
「兄上。物事は深く考えない方が良いこともありますゆえ」

そんなやり取りをしている二人を補佐役の二人が引っ張り上げた所で亮太達は日本で言うところの愛知県の豊浜にあるアサツユ村から離れ、西の方角へと向かう事となるのだが……。


「こいつはたまげたな、まさか山と山の間の木々が左右に蹴散らされて車4台分くらい通れる位の県道が出来上がってるとは」

亮太の言う通りかつては木々や草花が生い茂っていた山と山の間だけでもそれぞれ幅が一キロ程ある広大な平野に、まるで舗装された道路のように整地された長い砂利道が出来上がっていたのである。

それを見た亮太は喜ぶと同時に、ヴァルハァム王国の者達が本格的に占領地を増やそうと息巻いているのを感じて寒気が走った。

「やはり、猪達は意図的に動いておったのじゃな。これは不味いぞ……」
「嫌な感じですよねヒデヨシさん……。だがこの道を作った以上、奴等が来たときに待ち伏せがしやすくなるかも」
「おっ、確かにその通りじゃ! 下手に森から来られるよりは良いかもしれんのう」

そんな話し合いをしつつ、亮太は当初の空から探索すると言う考えからは逸れたが早速足となる乗り物を準備することとする。

亮太がディスプレイを出現させ、召喚しようとしたものは二つ。

「行くぜぇぇ出でよ俺のドラゴン!」

まずはSR確定パックで偶然手に入れたオリハルコンの子竜《Rank,SR+》を亮太は目の前に召喚しようとメニュー画面を操作する。すると亮太達の目の前で金色で、車一台分程の大きさの魔方陣が展開されていき。思わずヒデヨシ達が目を見張り驚愕させられる。

「うおおぉぉ?! なんじゃ! 何が起きようとしておるんじゃ亮太!?」
「まあ見ていてくださいヒデヨシさん!」

そんなやり取りをしている間にも魔方陣の光が益々増して輝きが強くなっており、次の瞬間猛烈なフラッシュが亮太達の目の前で起こり。

亮太達が思わず目を瞑り、再び目を開けるとそこには電気をスパークさせながら光を失っていく金色の魔方陣と、大人の大馬程の大きさでアトランティス伝説等に出てくるオリハルコンと同じく『火のような反射をともなう金属合金』の金と火の色を混ぜ合わせた様な色の甲殻に身を包み。

身長と同じ程の長さの両翼に、しなる頑丈そうな尻尾を持ち、光輝く高貴さを持ちながら可愛らしいつぶらな愛らしい瞳を持つ飛竜が現れ。子竜は眠りから覚めたように可愛らしく大きく伸びをしてみせた。

そんな伝説上のオリハルコンに身を包む子竜の登場に一同は感嘆の声を上げて目を輝かせながら子竜に近寄り、きょとんとした様子の子竜を撫でたりして愛で始める。

「なんと言う! なんと言う神々しい生き物じゃ!! このような者に出会えるとはワシは夢の中にいるに違いない!」

鼻息荒く、子竜を眺めるヒデヨシ。

「きゃー! 見た目は凄いけどこの子とても温和で可愛い子ね! よしよし!」

ペットを可愛がるように頭を撫で、顎のしたを掻いてあげるマリナ。

「この大きさでありながら子供の様な仕草をすると言う事は……。成長したらどうなって仕舞うのだろうか……」

興味深そうに生体を分析するヒデナガ。そして

「よし、決まったぜ!」

ポンと手のひらの上に握り拳を置いた亮太に皆の視線が集まる。

「この子の名前はオリハルコンから取って、ハルちゃんだ! どうかな?」

それを聴いて一緒に名前を決めたかったマリナが少し拗ねる。

「あー! 一生に一度の命名なのにそんなに簡単に決めたらダメよー!」
「別に王子(プリンス)くんとかぶっ飛んだ名前じゃ無いから良いだろ? なー、ハルちゃーん?」
「キュ~!」

そう言ってにこにこしながら近付く亮太の言葉を理解しているのかは解らないが、ハルちゃん(仮)は嬉しそうに亮太に頬擦りする。それを見せ付けた亮太は嬉しそうに春ちゃんを撫でつつマリナに話を振る。

「ほら、ハルちゃんも納得してる様だしいいだろ?」
「子供が言葉の意味を完璧に理解できてるわけないじゃない!! バカ!」
「うぉい?! 誰がバカだよ誰が!?」
「亮太の事に決まっているじゃない! ハルちゃんも一言言ってあげなさい」

その振りこそ解んないだろ! っと、亮太が突っ込もうとした所でハルちゃんが首を傾げながら喋った。

「バ……カ?」
「エエッ?!」
「あはははは!! そうよ、貴方のお父さんの呼び方だから良く覚えておくのよハルちゃん?」
「キュー! バカー!バカー!」
「おいおい止めろ、止めろ!! カラスじゃねーんだから悪口を覚えさせるのは教育上良くないぞ!!」


そんなやり取りを暫く繰り返した後、単純に相談もせずに亮太が名前を勝手に決めてしまった事が嫌だったマリナに亮太が謝った後、ハルちゃんは改めて亮太達の仲間に加わった。

そして、落ち着きを取り戻した亮太はもう一つ必要としていた物を召喚する。

再び周りを光が包み、光が消えた整地された道に現れたのはその砂利道を力強く走り抜ける事が出来る7人乗りの銀色の新車、パジェロ・ロングエクシード《Rank,SR+》が姿を現す。


その見たことも無い乗り物にヒデヨシが興奮した様子で車の外観と内部を気が済むまで見渡していく。

「おおおお! 今度は何なのじゃこの馬がいない車輪付の馬車は!?」
「あれ? 戦国時代だと馬車はいない筈では?」

その疑問を隣にいたヒデナガが解説してくれる。

「それはですね、我々が前に住んでいた尾張の国の港で一度外国から来た商人が馬車と馬を持ってきましてね。ただ尾張の道は馬車の車輪では走れない荒れた道でしたので、誰も買い手がいなくて商人の方は泣く泣く故郷に帰って行きましたけどね」

「それはまた可哀想に……。でも安心してください! この乗り物は荒れ地でも走れますし、馬も必要としないんです」

「「何ですって?!」」

同時に驚く二人のリアクションを見て、姿は似ていなくてもやっぱり兄弟なんだなーっと亮太は考えつつ。メニューを操作して車の鍵を開ける。

すると扉が開いた【ガチャ】と言う音と共に車の前後のランプが点滅したためにヒデヨシ達が声を上げて驚くのを亮太達は微笑ましくてついつい笑ってしまいつつ。
亮太は補助席の扉を開け、マリナが左側の後部座席の開けて見せる。

「さあ、どうぞお乗りください。これに乗って移動しますので」

戦国時代においては殆どが格上の者達にしか乗る機会が無かった駕籠かごに乗れると言う訳で、ヒデヨシだけで無くクールなイケメンであるヒデナガも少し緊張ぎみに車内へと入って行き、その広さと快適さに目を見張る。

「おっほっ!! なんと言う、まるで雲の様に柔らかく心地好い椅子なのじゃあ……。このまま眠って仕舞いたい衝動が……」

「座り心地だけでなく見たこともないカラクリや、頑丈な材質で作られていますね。亮太さん、貴方はいったい何処からこれだけの物を手に入れたのですか?」

はしゃぐヒデヨシに癒されていた亮太に改めて浮かんだヒデナガの疑問がぶつけられ、亮太は少し考えた挙げ句、無難な言葉を置いていく。

「そうですねぇ。解りやすく言うと文明が進んだ惑星から来た人間としか言えないですね」

「なっ?! そんな事が……いえ、これだけの技術を見せられた後ですから納得させられました」
「ははは、ヒデナガさんが賢い方で良かった。一から説明するとなると色々とややこしいんですよ。よし、マリナ! ハルちゃんに空から偵察をお願いしたかったんだけど、行けそうかな?」

それをヒデナガが乗った事を確認して後部座席の扉を閉めようとしていたマリナは動きを止めて、亮太に首を横に振る。

「ううん。ハルちゃんはまだ子供だから、細かい指示は出せないと思うわ」
「そうか……。まあ、仕方無いよな。ハルちゃん!! 出てきて貰ったばかりなのにごめんね。一度戻って貰っても良いかな?」
「くぅー……」

その言葉を聴いたハルちゃんは開けられている運転席の窓に恐竜映画の様に顔を突っ込んで、亮太の顔をじっと見て、弱々しく一鳴きしてからゆっくりと顔を引っ込めて行く。

その仕草は何処か寂しそうで、亮太が胸を痛める中で亮太がハルちゃんを戻そうとした所で、召喚したモンスターに関係する画面の中で【召喚】や【回収】の他に【命令】と言う選択肢がある事に気付かされる。

「これは……」

何となくそのアイコンを亮太がタッチしてみると【ピピッ】と言う音ともに音声認識システムらしきものが作動し、画面に【命令を声に出してください】と言う説明文が出現した。

亮太はまさかと思いつつも、外で待機しているハルちゃんと画面を一往復してから話しをしてみる。

「えー……周りに怪しい奴がいないか、空から見張っていて欲しい」

その声を認証したのか画面からはまた【ピピッ】と言う音が響いたかと思うと外にいたハルちゃんが声をあげて返事をしながら再び顔を運転席に入れて来たので亮太は優しく頭を撫でながら、目を会わせて語りかける。

「頼んでも良いかな、ハルちゃん?」
「キュキュー!!」

まるで命令を了承したかの様にハルちゃんは竜なのに笑顔を浮かべてから一鳴きしてから顔を車内から外に引っ込めて、車から少し離れた所でその火の様に輝く金色の大翼を広げて見せる。

その美しさに沸く亮太達の歓声を受けながらハルちゃんは楽しそうに大きく風を起こしながら空へと元気よく羽ばたいて行った。

「よし! 俺達も行くぞ!! マリナ、乗れたかい?」
「ええ! 大丈夫よ!!」
「よーし、じゃあ遅くなりましたが。偵察に行きますか」

そう言って車と共に亮太の手に召喚されていたエンジンキーを差し込んでパジェロの力強い音を放つクリーンディーゼルエンジンを始動させると電気が供給され始め、室内を冷やすクーラーが入り、標準装備の内蔵式のカーナビが起動する。

暫くは自動車メーカーのロゴが映された後、画面には現在地の地図が表示されるがふと何故人工衛星が無いのにカーナビが使えるのか亮太は不思議に思う。

「なあマリナ、何でカーナビが使えるんだ? まさかGPSが衛星無しでも使えるとか!?」
「……亮太、散々ヒデヨシさんの家で惑星全体の映像を見ることが出来たでしょ? これはその技術の応用で、神様達が見ている惑星の状態の1部をそのまま流してているのよ」

そのとんでも説明に亮太を始め皆がぽかんとしている様子を見て、マリナは自分がまた知っていることをそのまま喋っている事に気付かされるが、後の祭りである。

「……はは、まあそんな所だろうとは考えていたが。まさか神様の使いだったとはのう」
「あっ、いや!! これはその、言葉のあやで!!」

またしても墓穴を掘ってしまい、顔面蒼白となるマリナであったが。周りの反応は意外と軽いものであった。

「まあ、良いんじゃないかマリナ。バレちまっても?」
「よよよ良くないわよ!!! そんなことが知れ渡ったら私達……」
「どうもならないですよねヒデヨシさん?」
「まあのう。大体、あんだけの事をしておいて逆に人間の力であった方が恐ろしいワイ」
「え? でも……」

思わぬ反応で肩透かしを食らったマリナが呆然とする中で、前に座る二人はくくくと笑ってから答えをだす。

「「俺/ワシ達は同じ修羅場を潜り、共に釜の飯を食った仲だからな!!! 細かいことは良いんだよ!!!」」

正に台本でも用意していたんじゃ無いかと思えるほどに息ピッタリに返事をする二人に、マリナはまだ良く理解できていない様子ではあったが、前の二人が楽しそうに笑い合う姿を見せられて何も言えなくなってしまう。

「マリナさんの戸惑いは正しいですよ。この二人がただたんに意気投合し会える様な似た者同士であっただけですから」

そんなマリナに、左側に座るヒデナガが何故か嬉しそうにフォローを入れる。

「そんなものなんですかね?」
「ええ、そんなものなんです。誰かを信じられると言うのは」

やがて四人を乗せた車は走り出す、まるでこれからの人生を形にしたような長く険しい道を。






+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ