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スパイなんですが、スパイ先が脳筋すぎるんです

スパイなんですが、スパイ先が脳筋すぎるんです

作者: 銀羽織

初コメディーです。

楽しんでいただければ幸いです。

とある寂れた酒場の奥。

ローブで顔を隠した怪しげな風体の人物がいる所に、騎士団の制服を着た、若い男が入ってきた。


「いらっしゃい」

「あの……ここが、絶対に聞いたことを他言しないっていう相談屋ですか?」

「他言しないのは本当だけど、相談屋じゃないよ。私は話を聞くだけ。人ってのはね、話すだけでも楽になるんだ。ほら、話してみなさい」

「……それじゃあ」




★★★




僕、ホントは人類の敵、魔族のスパイなんだ。

それで王国聖騎士団に騎士として潜入している。

……いや、言いたいことはわかる。魔族を聖騎士団にいれるとか王国ザルすぎだろ、とか。

うん、僕も思った。

てかザルすぎてワナかと思ってビビるくらいザルだった。

まあ、入団三日で、そんな疑いは雲散霧消したんだけど。

だって、脳筋なんだもん、彼ら。

誘い込みなんていう高等テクニックを使えるはずがない。

彼ら、落とし穴すら満足に作れないもの。

前なんか、聖騎士団長に「朝早くからお疲れ様です」って声かけたら、「朝飯? もちろんプロテインさ!」って帰ってきたからね? 共通点、「朝」しかないよ? ってかプロテインなんだ、朝ごはん。

あと、アレ。前に間違えて魔族の証である深紅の瞳を見られたんだけど、「ちょっと目が痛くて」って言ったら誤魔化せた。自分で言っといてなんだけど、瞳は充血しないよ? するのは結膜、つまり目の白いとこだからね? 深紅にもならないし。

そのくせ、剣の型とか剣舞とかは完全に覚えてるんだよね、彼ら。全部で何十時間とかかかるのに。脳味噌どーなってんだろ、ホント。

最近なんてさ、まだ入団して一ヶ月の僕に経理が任されてるからね? おかしいよ。

いや、スパイとしてはありがたいんだ。

でも、こんな聖騎士団を抱えてる国を落とすのに、僕ら魔族が十年以上かけてるかと思うと、ね……

ってかホントなんで? 実は魔族の黒騎士団も脳筋ばっかとかじゃないよね? どう思う? ね、あなたって確か情報通でもあったよね、ってねぇ!? なんで目を逸らすの!? え、ちょ、ホントなんで!? ね、ちょ、マジで──

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