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 更新が大幅に遅れ申し訳ありません……
まだ課題が出きてない……試験は追試……昇格したくない……
何か色々と頭を巡っておりますが、気にせず行きましょう!!!!
雪蓮の決断
一刀が冥琳の許可を得て天幕内に入って行くと、そこには雪蓮が苦しそうに
自分の身体を掴んでいる姿が目に入る。その側では冥琳が雪蓮の身体を後ろから支えて
席に着かそうとしていた。そして、一刀に気づいた冥琳がこちらに向き声を掛ける。

「北郷殿、申し訳ないがもう暫くお待ちいただけるか?」

「ああ、構わないけど……雪蓮は如何したんだい?」

冥琳は雪蓮を席に着かせてから、
席に着き何かを耐えてるような雪蓮を見ながら答えた。

「雪蓮は気が昂ぶると自我を制御出来にくくなるのです。紅蓮様もそうでした。
孫家の者だけの血がそうさせるのでしょう。主に戦いや血を見るとこうなるのですが、
雪蓮の場合は更に怒り等でもこうなってしまうのです」

雪蓮の背を優しく撫でながら冥琳は続ける。

「今は自制する事が難しいですが、自制出来る様になれば雪蓮は更に大きくなれると
信じています」

そう言う冥琳の顔は心の底から雪蓮の事を安じる様に穏かだった。
暫くの間、雪蓮が元に戻るまで他の天幕で待つ事にした。

 一時待っていると天幕の中から冥琳が呼びに来て中に入る様に言われる。
一刀は恋に外で待っているように言って中に入っていった。恋は少し不満そうな顔をしながらも
外で待っていることに頷く。
 天幕に入って行き席に着いた雪蓮を見ると、いつもと変わらぬ様な雰囲気でこちらを見て、

「一刀、待たせてごめんなさいね。もう大丈夫だから。
それで……態々、貴方が私達の所に来た理由は長沙の事でしょう?」

といきなりこちらの用事を言い、一刀が答える前に更に続ける。

「今回は私達にとっても誤算だったわ…私達を裏切った韓玄は母様には従順だった。
それを母様は信頼して今回留守役にしたのだけど…確かに強者に媚びる性格ではあったわ。
それにしても母様が亡くなってから、こんなに早くてのひらを返すとは思ってもみなかったわよ」

そう言う雪蓮の様子が少し変わってきているのを見て、また心配になり冥琳は、

「雪蓮、落ち着け。北郷殿、この先は私が答えさせて貰う」

冥琳が後を続ける。

「先ずこちらの被害は長沙を失った以外は特に無い。先行させていた程普殿、その後に居た孫権様
及びその他の者に被害は無い。また長沙に居た孫家の親族らも無事逃げ出しこちらに向かっている。
明日中には全員がこちらに揃っている事だろう」

そう言うと冥琳は一度雪蓮へ視線をやり、今度は雪蓮が頷いて続ける。

「ここからは私が言うわ」

そう言って一度呼吸を整えてから、

「私達を貴方の下に匿って欲しい。冥琳から色々聞いたわ。そちらの軍師と話した事を。
その際の話とは別に私達から一つ認めて欲しい事が有るの。良いかしら?」

一刀は「とりあえず言ってくれるかい?」と、言って黙り雪蓮を見る。

「認めて欲しい事は……私の妹の蓮華、孫権を貴方の国で客としてあの娘を預かって欲しいの。
そして出来るなら貴方の側で政治の事を勉強させてやって欲しいの」

雪蓮の言葉に一刀は横に居る詠に視線を向ける。
すると詠は冥琳をジッと見つめ、冥琳も詠を見つめていた。
暫く見つめ合い詠は、

「そう……そう言う事。ちょっとコイツと話して良いかしら?」

そう言って冥琳に許可を取ると一刀を天幕の外に誘いだして、

「アンタは如何したい?向こうは稟や風の人質と云う手を見越して手を打って来たわ。
これでアンタが孫権をいい加減に扱えばアンタの名は下がるし、大事に扱えばその分、
孫権は北郷の庇護の下、生命の保証と北郷の状況を知る事が出来て、孫家の損には成らない」

「状況を知られるのは構わないが、機密を知られるのは困るな……けど、
俺には雪蓮が妹を心配して言っている様に聞こえたけどね」

そう一刀が自分の考えを呟く。そして、

「でもまあ、重要な事は基本的に君や稟、風達に一任してるし、機密は皆、自分で保管して
いるだろうし、大事な物は保管庫に置いてあるから大丈夫だろう。
ただ詠が心配しているのは孫権さんが来た時、護衛と一緒に密偵や暗殺者が来る事だろう?」

そう問うと詠は黙って頷き、

「そうよ。もし孫策が裏切ろうとした時、ボク達を混乱させる為にアンタや僕や他の軍師を
襲って混乱させる。その隙に孫権を脱出させ人質を救出してから万全な状態で戦いに挑む。
そんな事も考えられるのよ。まあ周公瑾がこんな愚かな方法を取るとは考え難いけどね。
確かに孫策はそう言う気持ちかもしれないけど、周公瑾は明らかに別の思惑があるわ」

そう一刀に向けて言うと詠は最後に、

「この孫策からの要求の根底にあるのは、軍師達の思惑とは別にアンタ自身の思惑を探る為
とボクは見たわ。この要求を呑む事でアンタが軍師達とは別の思惑があり、
それに基づいて行動していると考えられるし、呑まなければ軍師達の思惑が主だと考えられる。
これはそういう別の所での腹の探り合いでもあるのよ」

「…………俺にはそんな気持ちなんて無いのにな」

そう語る一刀の横顔が少し哀しそうに見えたが、一刀がこちらを振り向くと、

「じゃあ詠、戻ろうか。この件は俺に任して貰って良いか?」

そう言うと詠は少し考え、

「アンタは如何すんの?」

詠の問いに対し一刀はにこやかに笑って、

「その探り合いに敢えて乗ってやる義理は無いだろう?俺にはそんな気も無いし」

そう言って天幕に入って行った。その後ろ姿を見ながら詠は、

「フン、好きにすればいいじゃない」

そう呟き一刀に続いて天幕に入って行った。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

 天幕に入っての一刀の第一声は穏かにこう告げた。

「その条件を受け入れるよ、雪蓮。ただウチの中枢部の事は教えられないし教える気も無い。
それだけは覚えておいて。孫権さん自身が見て何かを感じ取ったと云うならそれは構わない。
後は詠が冥琳に話した事と変わらないと思う」

しかし、そう言うと一呼吸置き真剣な表情をして、

「只、一つだけ覚えておいて欲しい。もし……もしだよ。
謀略で俺の国を混乱させようとした時や誰かを殺め様とした時は………覚悟して欲しい」

そう言って一刀は雪蓮と冥琳の顔を交互に見て表情を崩し、

「それだけを守ってくれれば俺から何も云う事は無い。また稟や風にも俺からちゃんと
話はして置くし、君達に危険な無茶な真似をさせたりはしない」

雪蓮と冥琳は少し驚いた顔をしたが直ぐに立ち直る。
もう一度、一刀を見ると何時もの顔に戻っており、先程の表情が嘘の様であった。
二人が呆けている中、一刀は、

「後の細かい事は全て詠に聞いてるよね?」

と二人の方を向き尋ねる。二人は黙って頷いたので更に続ける。

「俺から一つだけ条件を追加したいのだけど聞いてくれるかい?」

一刀は話すと雪蓮と冥琳とで交互に視線を合わせる。
雪蓮は冥琳を見て二人がどちらとも無く頷くと「聞かせて」と一言だけ話し今度は雪蓮が黙り込む。
一刀は雪蓮を見ながら、

「ウチの主要産業の一つである水運業に支障が出るくらい、最近ウチの商船や
一般人を襲うやからが出没しててね。ウチにも水軍が居るけど数も少なく、
練度も低くてね。そいつらを何とかしたいので手伝って欲しい」

一刀が言い終えると冥琳は空かさず、

「我らが手伝うのは構わないが、主に何をしたら良いのか教えて欲しいのだが?」

と訊ねて来たので、

「出してくれるなら甘寧を借りたい。もしくは新兵の訓練を頼みたい」

と一刀が云うと冥琳は少し悩みながらこう答えた。

「これは雪蓮や皆と相談してからで返答しても宜しいか?」

冥琳の返答に一刀は笑顔で「構わないよ」と応えて、

「俺からの追加条件はそれだけだ。追加条件の話だけど断っても俺の機嫌が悪くなるとか
考えなくて良いからさ。他の事で聞きたい事が有るなら、今聞くけど?」

そう一刀が二人を見回しながら尋ねると、

「私は特に言う事は無い。北郷殿を信じる事としよう」

それだけ言うと静かに何かを考える様に一刀を凝視していた。
雪蓮は冥琳が何も言わなかったのを不審に感じ冥琳を見るが、
冥琳は何も言わず雪蓮の方を一度だけ振り向いて頷いた為、

「ふーん、まあ冥琳が何も言わないから私は何の問題も無いわよ」

と雪蓮の返事の後、今度は詠が二人に向かって今後の事を話し始める。

「コイツの所に来てから貴女達には色々とやって貰う事が有るわ。
街道の治安活動の手伝い。未開拓地の開墾、各都市の清掃活動。そしてコイツの提案の事。
それと同時にやって貰いたい事が有るのよ」

詠は言うと懐から一枚の書状を出して冥琳に見せる。それを見て冥琳は、

「我等に袁術勢力の切り崩し工作を行えと?」

「ええ、これ位は独立を考えている貴女達でやって貰わないと、こちらとしても困るのよ」

詠は冥琳に向ける視線を幾分か穏かにして、

「いきなり、やれって事じゃないわよ?ある程度はこちらが御膳立てしてある。
貴女達の名をかたって、袁術の周りには不自然にならない程度には話をしてあるし、
袁術自身には大好物の蜂蜜を結構な量、孫策の名で送ってあるわ。それに……」

詠は最後に雪蓮達にとっては衝撃的な言葉を呟く。

「貴女達が袁術と接触した事を、僕たちが知らないと思っているのかしら?」

そう言うと詠と冥琳の視線が交差しながら詠は話を続ける。

「此処まで言えば解るでしょう?この後如何するか、貴女なら」

すると冥琳が天幕の外に居るであろう衛兵に向かって、

「誰か」

と言うと衛兵の一人が天幕の中に入って来る。冥琳はその衛兵に向かい、

「袁術殿に使者を出せ。内容は、
『我らは当初の予定通り、北郷軍の内部に偽り降って潜入する。北郷の情報を持って、
袁術殿の下に戻る。我等は袁術殿の為に働く所存』とだけ伝えてくれ」

と衛兵に告げ、衛兵は去って行く。そして冥琳は、

「これで良いのだろう、黄権殿?」

「ええ、上出来よ」

次に冥琳は一刀に向かって、

「北郷殿。この件の後の事はこの私に任せて貰っても宜しいか?」

と尋ねる冥琳は自信に満ち溢れていた。一刀が詠に視線を向けると、
詠は少し考えて黙って頷いたので一刀は、

「ああ、周公瑾の御手並み拝見とするよ」

「それにしても……」

冥琳は言葉を止めると一刀と詠を見回して、

「我らが袁術に接触していた事まで知っていたとは驚きましたな。ですが、
これで漸く分かりました。我らが袁術に接触した時に何の疑いも無く袁術が話を聞いてくれたのは
貴方達のお蔭だったのですな」

冥琳は何かを隠す様にそう話すと、それからは詳細な話を詠と冥琳、
そして一刀、雪蓮の四人で話しあってから一刀達は帰って行った。

~ その帰りがけの一刀達 ~

 馬に揺られながら一刀は独り言のように呟いた。

「さて残るは江陵か……」

「ええ、後は明実達と合流して考えた方が良いかもね。落とせそうなら落とせば良いし、
時間が掛かりそうならば、そのままにして白帝城まで帰るのが一番ね」

一刀の言葉を聞き洩らさなかった詠はそう答えくぎを刺すように言う。

「後、何度も言うけど、孫策達の事はこっちでも目を光らせて置くけど、
アンタも良く見張って置きなさいよ。もし周瑜辺りが何か仕出かしたりしたら
孫家の面々は本当に只じゃ済まないわよ」

その詠の問いかけに一刀は「ああ」と言うだけに留めただけだった。

~ その頃、雪蓮達は ~

「何か言いたそうだな、雪蓮?だが少しだけ待ってくれるか?これが終わったら話す」

先程から黙って自分を見ている雪蓮に、これからやる事を頭の中で整理している冥琳は
そう雪蓮に言って集中した。それから5分ほどして、

「お前が聞きたいのは北郷殿の提案のことだろう?」

「ええ。貴女が何も言わない事に違和感を感じたのよ。普段の冥琳ならもう少し詳しい事まで
話を詰めると思ったわ。それが何も言わずに一刀を信頼するなんて言うもんだからさ……」

すると冥琳は何事も無かった様に、

「私に考えあっての事だ。まだお前にも話す事ができないほどの物だがな……」

そう答えると冥琳は雪蓮に向かって、

「お前も色々とやる事があるだろう?そろそろ私は自分の天幕に戻る事にするよ」

何か言おうとする雪蓮を他所に、話をそこで中断させて天幕の外に出て行った。


 天幕を出た冥琳は、急ぎ早に自分の天幕に戻ると其処には周泰こと明命が待っており、

「おかえりなさいませ、冥琳様?」

「ああ、明命か。如何した?」

冥琳は自分を迎えた明命が自分を気にしているのが分かった為、なるべく自然に振る舞いながら、

「私の事は気にするな。それよりもお前に聴きたい事がある。お前に袁術への接触を頼んだが、
誰かに悟られたり、接触して来たりはしてないか?」

冥琳のいきなりの言葉の意図が良く解らずも、

「私が袁術に接触した時、袁術の側に居たのは腹心の張勲だけでした……。
確かにすぐに受け入れてくれたのは不審に思いましたが、誰にも気づかれ無かったと思います」

明命はその時の事を良く思い出しながら話す。すると冥琳は、

「そうか……明命少し近くに寄れ」

言葉に従って明命は冥琳の傍に近寄ると、

「我らが袁術に接触した事を北郷はなぜか知っていた。
私がお前に頼んだ為、この事はお前と私しか知らぬ筈。明命すぐに北郷の―――」

そう冥琳が囁いていると明命は冥琳の話が終わる前に慌てて、

「ちょっ、ちょっとお待ちください、冥琳様。その事は私しか知らされていませんし、
私も細心の注意を払って袁術の下におもむきました。道中は変装していましたし、
主に夜間に移動しましたので尾行されていたら気づきます」

明命の慌てる姿を見て冥琳は明命の混乱の原因に気づき、

「まあ待て、落ち着け明命。私はお前が裏切ったとは思っておらんし、
その様な事をする奴で無い事は良く知っている。だからお前に頼むのだ」

その言葉に安心したのか明命は落ち着いたので冥琳は、

「ここまで言えば解るな?恐らくは袁術の側近の中に北郷への内通者が居るのだろう。
それが誰なのかを探る事だ。それと北郷領への密偵を更に多く潜入させろ」

冥琳からの命令に「了解しました」と答え、その場を後にした。
 
 その夜、冥琳の天幕では夜明けまで明かりが消えなかったと云う。
 G・W明けに研修を入れられて、反抗しましたが無理でした…orz

何とか追試も終わり投稿できるまでに漕ぎ着けました。
これも研修中に応援して下さった皆様のお蔭です。
この場を借りて御礼申し上げます。

 次回は姉妹喧嘩を入れてから、他の方々の話に移りたいと思います。
恋姫無双 稟 風


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