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星と別れて1人で旅する一刀だがそこにあの二人が現れる。 
一刀初めの一歩を踏出す
 星と別れてから一週間掛けて、一刀は許都まで戻っていた。
二人で旅をしていた時は寄り道をして、街道のいきつく場所を聞いたり、
街でお金を稼ぐ方法とかを、星に教えてもらいながら旅をしていた為、
濮陽に着いた時は会ってから三週間程掛ったが、
今回は荊州に行く事を目標としている為、寄り道をせずに真っ直ぐ許都に向かってきたが、
一人で長旅など初めてな為、焦らず歩いた。そして許都の宿屋で一泊し荊州に向かう事にした。

 起きて朝食を摂り街を出て半日行った所の街道で、誰かがこちらに向かって来るのが見えた。
こちらに向かってくるのは少女の二人組。さらに後ろから三人組の人影も見える。
彼女達は追われているらしく、俺に気づくと「しまった」と思ったのだろうか、
今来た道を戻ろうとしたが、後ろから来た三人組に阻まれて立ち往生してしまう。

 だが俺にはその後ろから来た三人組に見覚えがあった。
この世界に来て最初に会った者たちであり、俺に剣を向けて身ぐるみ剥がそうとして
俺と星に倒された盗賊達であった。俺はそいつ等に向かって

「どこかで見た連中だと思ったらお前らか。まだそんな事やってたのか。
もう少し痛い目に合わないと分からないみたいだな」

と言い愛用の木刀を握り睨む。
すると三人組はこちらを見て、金魚のように口をパクパクさせ息を吐き出すように言った。

「てっ、てっ、手前はあん時の」「げっ、げげげげ」「でっ、でっ、でたんだな〜〜〜〜〜」

三者三様の驚き方をして剣を抜いた。が、手が震えまともな構えも取れていないので俺が、

「オイオイ、そんな構えで本気に俺とヤル気か。なあ!!」

最後に気を入れ奴等を睨む、すると三人同時に剣を落としそのまま回れ右で逃げ出した。
「ふー」と小さく息を吐き、少女達に向き合いそして笑顔で話しかける。

「大丈夫?、怪我はないかい?」

すると、その内の一人が警戒しながらも答えてくれた。

「ええ、おかげさまで大丈夫です。危ない所を有難うございました」

と眼鏡をかけた少女が答えてくれた。
そして、もう一人の頭に某万博のシンボルみたいな物を頭に乗せた少女が

「いやー、お兄さんがいなければ危うく宝慧が切られてしまう所でしたよ」

(宝慧って…何?いやいやそれ以上に自分の命を心配しようよ…)

俺はこの間延びする少女に戸惑いつつ、

「それは良かったね。それで何で奴らに追い掛けられてたんだい」

と聞くと、眼鏡をかけた少女が眼鏡を直しながら話してくれた。
要点をまとめると彼女達は、自分が仕えるべき主を探して大陸を旅をしており、
奴等は少し先の街道を歩いていた時に、いきなりぶつかってきて有り金を置いて行けと言いだし
彼女達が隙を見て逃げ出すと、追いかけてきてここまで来たのだと言う。

その話を聞いた後、彼女達二人で大丈夫か心配になり、次はどこに行くのかと聞いてみると
「南陽」まで行くと言う。自分も途中まで一緒していいかと聞くと
「構いません」と言われたので一緒についていった。歩きながら自己紹介をお互いにした。
 
 眼鏡を掛け黒髪の利発そうな少女を戯志才といい、
頭に太〇の塔らしきオブジェを乗せた、金髪の少女が程立と言った。
彼女が程立、後の程昱かと思い少し驚いていた。

 俺が自己紹介をした時に、字は無いと言うと二人がお互いに目を合わせ、こちらを見入っていた。
そして俺の事は「一刀」か「北郷」と呼んでくれと言うと、
戯志才は「一刀殿」、程立は何故か「お兄さん」と呼ぶようになった。
理由を聞くと「お兄さんはお兄さんですから〜」と理解不明な答えを返してきたので諦めた。
 それからは、彼女達の歩く速さに合わせて街道を一路、南陽に歩いて行った。

 途中休憩を挟みながら、次の日の夜半に南陽の城門前に着いたが、城門は閉められていた。
翌朝まで開けてくれそうにも無いので、
その日は俺らと同じ、夕暮れまでに門を通れなかった、一人の商人と野宿することにした。
商人は張世平と名のった。

 交替で見張りをし一刀が番をしていた時、何人かの気配を感じ、
戯志才と程立そして張世平を起こし、皆を森に隠し様子を覗う。
やってきたのは六人の男たちで、自分達がいた所に誰もいない事に気づくと、
慌てて辺りを探索し始めた。その内の一人が

「おい、辺りを探してこい。まだ、そう遠くには行ってねえ筈だ。久しぶりの獲物だ抜かるなよ」

と、頭らしき奴に命令され辺りに散っていった。それを見て一刀は木刀を握り絞め

「皆、ここにいてくれ、ちょっと始末してくる」

とだけ残し森の闇に消えていった。それから2分もしない内に「ゴッ」「バキッ」の音と共に
「グェッ」「ギャァ」と、人の声が聞こえ辺りが静かになった。
そして5分程して皆の後から一刀が現れた。
魏志才がこちらを見て

「殺したのですか?」

と聞いて来たので、

「いいや、眠って貰っただけだよ」

と辺りを気にしながら言った。すると程立が

「何人眠って貰ったのですか?ー」

と間延びした口調で訊いてきたので「4人」と短く答える。
そして暫くの間、息を整えてから、闇に紛れて頭の方に向かって行った。

 辺りの声の異変に気付いたのだろうか?奴らの頭らしき男が口笛を吹き
皆を集合させようとしたが、集まったのは一人だけだった。
何度吹いても、手下達が帰ってこないので口笛を止め、元来た道に戻ろうと、
森の入口付近に来た時だった。手下を先頭に歩かせ、自分は後方を気にしていた頭の脇腹辺りに
イスノキの木刀がめり込んでいた。撃った自分が「これは痛い」と思う程の打込みだった。
その場で頭は倒れこみ、それを見た手下は、慌てて剣を振りかざしこちらに向かってくるが
動揺した剣先が相手になるわけも無く、難なく躱され一刀の打込みによって意識を失った。
そして、頭と手下5人を縄で縛り寝場所に戻り夜明けを待つことにした。

寝場所に戻ると、戯志才と程立のふたりに少し話掛け寝た。
二人はそのあとも何か話をしていたが…

 夜明けまで寝て、起きるとそろそろ城門が開く時間になっていた。
起きたのは自分が最後だった。すると、張世平が俺に向かって話かけてきた。

「昨夜は有難うございました。おかげでまた商売に戻る事ができます」

日本人の俺としては一度謝辞を言って貰えれば十分なのだが、
一緒に旅をしていた星によると、こちらでは受けた恩以上の事をしなくてはいけないらしい。

「本当に何と言えばいいのか、感謝のしようもございません。礼と言っては何ですが
今日は南陽で宿を取らせて頂きたく存じます。どうかご一緒の方もどうぞ」

と言ってくれたので彼女達にどうするか聞いた時、戯志才が何か言おうとする前に、程立が

「いいではないですかね〜」

と言った途端、戯志才が反論する。

「!?ちょ、ちょっと風、良い訳ないでしょう?私達には目的が……」

と話す戯志才の言葉を遮り

「稟ちゃん。ここは任せて貰えませんかね?」

と稟と呼んだ少女を見る。彼女は眼鏡を直しながら言った。

「何か、考えがあるのですか風?」

風と呼んだ少女と視線を合わせて、諦めたように『ふぅ』と小さく息を吐き出し

「一刀殿、私達は構いません。貴方はどうなさるおつもりですか?」

自分としても、断るのが失礼というなら受けるしかないと思っていたので

「では張世平さん、お世話になります」

と言い、頭を下げて、そのあとあの6人組を門番に引き渡してから南陽の門をくぐった。

 南陽の街は、今まで見てきた街よりも栄えていた。
街に人が行きかい、市には物資はあふれ、治安も街の中に関して言えば良い様に見えた。
市場を通り抜け、街の中心地に宿屋があった。宿屋の扉をくぐり記帳を済ませると
侍女が出てきて「荷物お預かり致します」と言い荷物を俺から受け取ると

「お部屋にご案内いたします」

と言って、先頭に立ち歩いて行った。そして部屋の前に立つと

「どうぞこちらです」

と扉を開け俺に先に入る様に促す。
 部屋は入ってすぐにリビングがあり、その奥にベットがある。
リビングには椅子が四脚と机があり、それら以外の調度品は無かった。

 部屋で一息ついていたら、張世平さんがやってきて自分の友人だという蘇双さんを紹介した。
昨夜あった事や俺の身の回りの話、彼等の昔話などして盛り上がる。
夕飯は程立や戯志才達も呼び、5人で色々な話をした。その時「天の御遣い」の話が出る。
許都の近くに流星が落ちたといい、近所の住民や旅人の多数がそれを見たと言う。
俺は、なるべく自然に見えるよう話題を違う方に持って行く事に努めた。
 俺が話を逸らそうとしていた時、程立と戯志才は俺の方を見ていた。
楽しい時は過ぎ、皆が部屋に戻り俺も部屋のベットで寝て3時間程した時だった。
部屋の扉がノックされ戯志才が控えめな声で言う。

「一刀殿、夜分申し訳ございません。戯志才ですが御話があります。開けて頂けないでしょうか」

「今開けるから少し待って」

と言い木刀を持ち扉を開けた。そこには戯志才と程立がいた。

「どうしたの二人して?立ち話も何だから入りなよ」
「じゃあ失礼しますねー」「失礼します」

と二人とも入って椅子に座って貰った。

「ごめんね白湯しかないけど。じゃあ聞こうか。どうしたのこんな夜更けに?」

「回りくどいのは嫌いなので聞きます。一刀殿。貴方何者です?」

と戯志才が眼鏡を持ち上げながら言う。

「何者って言われても。俺は俺としか言い様がないけど」

俺が言うと彼女は小さく息を吐き

「訊き方が悪かったですね。言い直します。『貴方はこの大陸の人では無いですね?』
と言いたいのです。夕食のとき話を聞いておりましたが、聞き慣れない言葉が出て来ましたし
服の話の時も聞かない名前が出てきましたね。単語を上げれば
「ぽーりえすてる」「まっち」「てすと」「げーむ」とかですね」

と言いこちらを見て

「更に私達の名前、風の名前を聞いた時、少し緊張しましたし、いや、驚いたというべきか。
そして、私の名前の時は疑うような眼つきで、私を見ておりました」

彼女の視線が突き刺さる。

「先程、私達との話の中で噂の「天の御遣い」の話が出た時だけ話題を逸らそうとなさいましたね」
と言い程立に話を振ろうとした時

「……ぐぅ」

彼女は寝ていた。

「ちょ!?ちょっと起きなさい、風!!」

戯志才が慌てていると云う、珍しい光景であった。

「!?・・・おぉー。稟ちゃんの話が長い為、本気で寝てしまったのですよ〜。ええとですね、
風が思うにですよ〜お兄さんは風の事や稟ちゃんの事、そして「天の御遣い」の事などを
詳しく知っているのかなーと思いまして。単語の事は地方の独特の言葉と言う事であれば
納得出来ないことでも無いですし、なにせ、風達も全てを知っている訳でも無いですから」

と眠そうに言った。だが、

「でも、風達の名前の時と「天の御遣い」の時の不自然さは納得はできませんね~
説明して頂けますか、お兄さん?」

そこで俺は真剣にこちらを見る程立の眼に気づいた。だから俺は彼女を見て

「俺が天の御遣いだったらどうする?」

と訊いてみた所、程立は

「ええと〜。何もしません。唯、ついて行くだけです」

と、事も無げに言った。言われた俺は

「はぁ、……はい?」

と不意を突かれ変な声が出る。それを聞いた戯志才も慌てて

「ちょっ!?風本気ですか?貴女何を考えているのです。説明しなさい!!」

それを聞き、この場を混乱させた張本人はやっぱり事も無げに

「言葉の通りですよ〜。お兄さんに着いて行く。唯それだけですね〜」

すると戯志才が

「それでは説明になってないでしょう風!!もっと詳しく言いなさい」

と声を大きくし言った。

「稟ちゃんもお兄さんも。夜中なので声は控えて下さいね。ええと〜先程寝ている時に夢を見ました。
風と稟ちゃん、二人の目の前に太陽が落ちてきて辺りが真っ暗になりました。
ですから、二人で落ちた太陽を持ち上げると辺りは明るくなりました。だから思ったのです。
『太陽とは天の象徴』これは稟ちゃんと二人で天の御遣いを支えよとのお告げだと、これが理由です」

それを聞いていた戯志才が驚き顔を真っ青にして程立に話しかけた。

「風!!その夢の話本当ですか?」

友人のそんな姿は初めて見たのだろう。程立の声も心配そうに

「稟ちゃん?どうしたのです。そんなに慌てて……まさか!?稟ちゃんも!」

「ええ!!私も同じ夢です。貴女と二人で太陽を持ち上げる夢です」

二人が興奮と驚きで、言葉を継げなくなっていたので俺が話をする。

「オイオイ。俺が「天の御遣いだったら」という話をしただけで俺がそうとは……」

「言ってないよ」と言う言葉を遮る様に二人の眼が言っていた。冗談事ではないと。
真剣に視線を向けているので、俺は小さく息を吐き、姿勢を正し二人に言った。

「これから話す事は、俺には真実だけど、君達には嘘言にしか聞えないと思うけど聞いてくれるかい?」

俺の声色が変わった事に気付いたのだろう。二人はお互いを見合い、俺の方を向き頷いた。

 俺が説明すると、信じられないという顔をする二人に程立の字を言った。

「君の字は「仲徳」だったと思う。それと戯志才さん、君は偽名だよね。
本物は曹操に仕えているはずだから。そう俺は知っていたんだ、君達の事を。だから驚いた」

だから俺は二人の反応が返ってくるまで待つことにした。
少しして二人はお互いを見合い何か囁くと魏志才が

「偽名を使い申し訳ありません。私は姓は郭、名は嘉、字は奉考と申します。」

と聞くと俺は言った。

「君が郭嘉さんか。会えて光栄だよ」 

と言って彼女に微笑かけて

「で、話を戻すけど俺の言葉を信じる?」

彼女達に問いかける。
 少し間が空いて郭嘉が問かけてきた。

「一刀殿にお聞きしたい。貴方は未来から来られたと言われた。では、このあとこの大陸に
起こる事もご存じかと思われますが、貴方は何をなさるおつもりでしょうか?」

俺は言葉を選びつつ、彼女の質問に答える。

「つい此間まで俺は、自分の世界に帰る事を考えていればいいと思っていたんだけどね。
最近は、それだけじゃ駄目なのかなって考えたりもする。
眼の前で助けを求められているのに、見知らぬふりなんか俺には出来ないし。
でも、俺に出来る事と言えば、自分の範囲内で人を助けるくらい。
今からさらに治安は悪くなり、大混乱が起きて弱い人が更に弱い人を襲う、そんな時代が来る。
一ヶ月間旅をして、兗州辺りでは兆候もあった。
でも、俺一人では救える数は限られてくる。どうしようか考えている所だよ。
荊州に行くのは自分のケジメの為で、そこに情報が無ければ、
この世界に根を張り、この世界の為に生きようと思う」

彼女達は俺が話終わるのと同時に、座っていた椅子から離れて片足をひざまずいて、郭嘉が

「一刀殿、いきなりで申し訳ないが我ら二人の主になって頂けないでしょうか?
私達二人、己で武器を取り闘う事は出来ません。
しかし、貴方の頭となり知恵を振り絞り、共に考える事はできます。
我ら二人、色々な国に行き、色々な人に会い主となって頂く人物を探しておりました。
しかし、今ここで我ら二人の主となって頂く方に巡り合え、
我らの旅はここに終りを告げたものと信じます。どうかお願い致します」

いきなりの事にびっくりして言葉を無くした一刀だったが、

(彼女達が真剣に俺の事を主と思ってくれているのに呆然自失としていたら彼女達に失礼だろう)

と自分を奮い立たせ

「自分じゃ、どこまでやれるか分からないけど、君達が俺の事を主と呼んでくれる限り
俺は、君達の期待を裏切らない様に努力していきたいと思う。
けど本当に俺でいいのか?二人とも。俺で良いなら顔を上げてくれないか?」

二人が顔を上げた時、二人とも眼が真っ赤だった。そして自分の真名を告げた。

「私は姓が程、名を立、字を仲徳、真名は風と申します。」
「私は姓を郭、名を嘉、字を奉考、真名を稟と言います。」

二人が言った後

「俺は姓が北郷、名は一刀、字は無いし、真名も無い。一刀が真名に近いので一刀と呼んで欲しい」

そして、二人に席に着いて貰い、これからの事を話し合った。まず俺から話した。

「これから俺達はどうしたら良いと思う?。風、稟。君達の考えを聞かせて欲しい」

すると稟が

「向こうの世界の情報を集めるなら……」

と続け様とするのを遮り、

「俺の情報の事は考え無くていいよ、稟。君達が仲間になってくれたのなら話は別だよ。
俺はこっちの世界に残るよ。それが君達への礼儀だし。俺も覚悟を決めたよ」

「本当に宜しいのですかー?」

「いいよ、風。後悔はするかも知れないけど、俺はこっちの世界で今、出来る事をする。
それこそ、俺がこっちの世界に送られた理由だと思うから」

すると稟が短く「解りました」と言い、風も「了解したのですよ〜」と言ってくれた。

そして朝まで今後この世界で起こると思われることとそれに対する対策とを話し合っていた。
途中に出てきた張世平と蘇双の二人ですがいずれ大役を任せようかなと思い登場させました。
横山さんの三国志にもそんな人が出てたので・・・
WIKIで調べて貰えばすぐ出てきます。
もっと早く投稿するつもりでしたが友人と酒を飲んでいたのでこんな時間になってしまいました。
あと書いていても読み返しても思ったのですが長い。
なぜこんなことに・・・Orz

次回ですがわかりません。まだ何も書きあがってません。今から必至に書きあげてみようかと思います。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
恋姫無双 稟 風


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