何時もこんな駄文を読んで下さり有難うございます。憂鬱です。
今回の話の前半は大陸の話で
後半は全体の拠点を入れてみました。読んでみて漢中と変わらんじゃないかと
思われても仕方ありませんが御勘弁を……
次回からは群雄割拠編としての話になるかと思います。
今回はタイトル通り半分は某猫耳軍師様の視点です。
とある猫耳軍師の大陸分析及び北郷軍全体拠点フェイズ
彼女は自分の宛がわれた部屋で黙々と時に独り言を言いながら書簡に最近起った事を書いて居た。
その書簡は後に彼女の主である曹操に清書として出す前に纏めている所である。
彼女の名は姓を荀、名を彧、字を文若、真名を桂花という。
今、私は我が主君の華琳様に見せる書簡を作成中だ。
その書簡とは各地に放った密偵の報告を私が纏め月に一回華琳様に見せる事になっている。
この報告書の出来によってはその夜の華琳様の寵愛を受けられるか如何かが決まるのだ。
前回は連合内で各地の諸侯の事を纏め御褒め頂き閨にも呼んで頂いた。
今回も御褒め頂ける様に頑張って纏めようと思う。
まず手元にあった書簡を開き読んでいく。最初の報告は劉備の所だった。
今、彼女は平原の相から徐州の刺史に任命されていた。
劉備が平原に帰還して2週間程したある日、煌びやかな衣装を纏った朝廷の使者が訪れて
『徐州刺史に任ず。証とし印綬を授ける』
との証書と印を置いて帰って行ったとの事である。
これは我が華琳様に対しても一緒の対応でいきなり現れて証書と印綬を置いて帰った。
徐州は元々陶謙が治めていたのだが彼は連合の解散後、領内に帰還して直ぐに体調を崩し
帰らぬ人となっていた。それを良い事に彼の部下が好き勝手に領内を荒らしているとの事だった。
そこで徐州で良識派の陳珪・陳登親子や縻竺・縻芳兄弟は劉備達が徐州に入ると同時に
劉備に協力し徐州を荒らしていた者達を排除し徐州を安定させているとの事だが
下丕城以南は袁術が領地を狙っているとの情報もあり予断を許さない状況にあるとの事だった。
でもやっぱりあの女は油断ならない。
ついこの間まで義勇軍の大将だったのに何時の間にか華琳様と同じ刺史にまで登って来ている。
劉備の下に天地人の全てが揃いつつある。刺史にまで登った天の時と運を備え、
5州に通じ産物も多い徐州の地を得て、人材も関羽・張飛・孔明・鳳統等の傑物を集め
人心も安定しているという。これで徐州を完全に治める事が出来たなら大変な勢力になるが
彼女自身が例え徐州を完全に支配したとしても、勢力拡大の為他国へ攻め入る様な事が出来ない
甘い考えの持ち主なのでこちらに勢力を伸ばすことは殆ど無いと思うが……
軍師の孔明や鳳統は油断できない為、劉備軍の行動には逐一報告するように通達しておく。
次は袁紹の所の事。
連合で一番被害を被ったのが袁紹で次が従妹の袁術であった。
袁紹軍は連合参加時より兵を減らし更に追い打ちを掛けるように糧食不足が深刻になっていた。
そこで同盟相手だった冀州の韓馥を策略にて追い出して完全に冀州を我が物とした。
更に青州・并州にも勢力を伸ばし幽州をも狙っている。
しかし従妹の袁術がこれ以上袁紹の勢力が大きくなるのを嫌い并州の張燕や幽州の公孫賛、
青州の孔融と同盟し包囲網を完成させ袁紹の動きを封じ込めてしまった。
張燕などは度々袁紹領に侵略しているという。
それらに対抗する為に我らが華琳様や荊州の劉表と同盟して袁術を牽制して動きを封じ込めておき
公孫賛の後方に居る烏丸や張燕の後方に居る鮮卑ら異民族に使者を出して手を結ぼうとし
逆に彼等の動きを封じ込めようと画策しているらしい。
袁紹自身は大した事無いのだが配下は捨て置けない。
二枚看板の顔良・文醜や高覧・張合、軍師の田豊・沮授・審配や逢紀など数えれば切りがない。
今は勢力拡大の為団結している様に見えるが一門の袁譚、袁尚が袁紹軍の次席の座をめぐって争い
それが他の者達を巻き込んで泥沼化しているとの報告があったので
いずれ何らかの策を用いて袁紹の将軍達の仲をズタズタに引き裂いてやろうと思う。
次の書簡を手に取ると董卓及び軍師賈駆の捜索状況とあった。
董卓も賈駆も依然見つからないという事である為、私は董卓の本拠地やその周辺を探させた。
(華琳様は董卓の事など如何でも良いと仰り笑っておられたが何か知っておられるのだろうか?)
それでも見つからないのは変だと思い諸侯達を一人ずつ探る事にした。
すると馬騰が董卓の両親を保護していたことが解る。私はその時軍師の感として
「馬騰は董卓と裏で繋がって居たのでは?」
との仮説を立てそれに基づき密偵に綿密に調べさせた。
連合が結成される以前は頻繁に会っていたようだが結成されてからは馬騰は勿論の事
董卓にもその様な形跡はなかった。
「では連合に参加している諸侯の中では?」
とも考え調べてみたが連合に参加した諸侯の中にも馬騰と接触した者は居なかった。
ただ娘の馬超が北郷と会って居たのは付きとめたが何を話していたかは不明である。
最新の報告では北郷に董卓の配下であった呂布や張遼や華雄が居るという事なので北郷の下も
探させてはいるが見つかったとの報告は受けていない。
この件に関しては未だ調査中である為、華琳様にもこの事は触れずに置こうと思う。
次の報告書は長沙の孫堅と襄陽の劉表の工作戦の事である。
孫文台は今現在、大陸に居る諸侯の中で華琳様の最大の敵であると私は確信している。
しかし華琳様は北郷の方が気になるらしい。だが私は華琳様をこの大陸主とするには
必ず孫堅と劉備は立塞がると見ているので今の内から情報収集に力をいれている。
調べていると最近孫堅の動きが活発になっている。やはり洛陽で手に入れた名声は大きい。
領地に帰るとまず劉表の息が掛った長沙周辺の武陵、零陵、桂陽の太守に対し工作を施し
彼等を自陣営に引き込む事に成功している。
劉表は黙って見ていた訳では無かったのだが北郷に夷陵で敗れた話が伝わりそれを聞いた
各太守達の動揺を孫堅の軍師、周公瑾が見逃さず上手く浸け込まれてしまった。
これらの事によって今の孫堅軍には6万を超える兵と有望な将を多く抱えており
更に加わった周辺の軍も入れれば8万を超えると思われ、
それを持って劉表に戦を仕掛けるのも時間の問題かと思われる。
劉表も黙ってやられる訳では無く反撃を開始する。まず孫堅を自陣営に取り込んでいる袁術に
策略を仕掛けて袁術と孫堅の仲を裂こうとして成功している。
更に北郷とも争わせようと、朝廷に対し北郷一刀に零陵太守を与えるように画策していたが
これは盧植が朝廷に残っていた事もありこちらは失敗に終わっている。
その後、劉表は袁術に対し我が曹操軍と同盟し袁術を牽制し迂闊に動けないようにし
後顧の憂いを絶ってから孫堅と雌雄を決する為、軍を増強しているとの事だ。
最新の報告では徴兵を繰り返し5万以上の軍を集めたと報告が有った。
結論から言えば両軍がぶつかるのは時間の問題かと思われる。
この戦いの後で残ったのが孫堅であれば次の目標は北郷か袁術かと思われるが、
北郷と孫堅は良好な関係を築いているとの事なので恐らくは先に袁術を滅そうとすると考える。
そうなれば袁術では孫堅を止める事は出来る筈も無く我等とも国境を接する事になり脅威となる。
しかし劉表であれば荊州全土を手に入れる事となるが、劉表の優柔不断と陣営内の纏りの
無さが災いし今後の方針で、専守防衛になるか北郷もしくは袁術に戦を仕掛けるかで
時間がかかる事は目に見えている。
我等としては劉表に勝って貰いたいものだが……今後もこの地域は要注意である。
最後に残ったのは先程から度々名の出ている北郷である。
華琳様や孫堅から注目される存在だが、私は周りの軍師の方が注目に値する存在だと思う。
郭奉考、程仲徳、徐元直の三人は我が軍にも欲しい位の逸材であり敵に居るのは恐ろしい。
我が軍も最近有能な者達が育って来てはいるが(董昭・鍾繇・華歆・王朗・満寵・劉曄など)
皆、経験不足で経験を積んだ軍師は少ない為この3人は喉から手が出るほど欲しいのだ。
連合で会った時に何度か誘いを掛けてみたが、本人達はその気が全くないらしい。
軍師や官僚、武将と北郷に続々と人が集まりつつあり(あんな男の何処が良いのか解らないが)
勢力の方も来た報告書では劉焉・劉表らを主力軍なしで破り、劉焉に至っては虎の子の
青羌部隊まで北郷に味方してしまい、大幅な戦力低下を露見してしまった。
それを機に今まで大人しく劉焉に従っていた漢中の張魯が独立を宣言してしまう始末。
また、厳顔に敗れた事や張魯の独立により従っている太守達が動揺を見せていると報告もある。
逆に北郷は好機と捉えその太守達の取り込みを図っているらしい。
もう北郷達も領地に帰還している筈であり主力が戻った彼らが劉表、劉焉のどちらを叩くかの
情報は今の段階では入ってきてない。だからこれから書くのは予測である。
もし劉焉の方に行くようなら難攻不落の綿竹関や剣閣等の要塞も控えている為に
鎧袖一周とはいかないだろうし、張魯もそれを快く思わないだろう。
何せ自国の隣に益州全土を制圧した勢力が出来るのだから何かの手は打ってくると思われる。
恐らくは劉焉・劉表との同盟等の手を打って何とか北郷を止めようとするだろう。
そして漁夫の利を狙うと思われる。しかし今の劉焉では北郷を止められるか疑問が残る。
北郷にとっては益州全域を物にすれば恐らく現在、大陸最大の勢力と兵力を手に出来るのだ。
私が北郷の軍師なら迷わずこちらを進める。
次に劉表領に攻めるなら孫堅との対立、もしくは関係悪化は避けられないと考えられる。
しかし前にも述べたとおり現在、孫堅と北郷の関係は良好なのでこの可能性は殆ど無いと思う。
別の可能性としてあげれば北郷が孫堅の援軍に来るという事は考えられない訳ではない。
そうなれば劉表は大変苦しくなる。これにもし袁術まで加われば恐らく滅亡しかあり得ないが、
袁術は孫堅との関係悪化の事や我ら曹操軍を気にして動けないと予想する為、話から除く事にする。
もし北郷が援軍に来るとなると劉表は江陵、襄陽、江夏、夏口の各城に籠城して時間を稼ぎ
相手の兵糧切れを待つか、もしくは自分に有利な地での決戦しか手は無いと思われる。
此処に書いた孫堅に北郷が援軍に来る事は私の想像の為に華琳様に言う事が出来ないが
北郷に関しては不気味としか言えない。何度も密偵を送り続けているのだが情報が断片しか拾えず
最悪密偵が音信不通になる事が未だに続いている。未だ解決の糸口は見つかっていない。
なのでその断片的な情報から推測するしかない。
将については古参の趙雲、郭嘉、程立、徐庶に加え、虎牢関で猛将ぶりを見せつけた呂布、張遼
巳水関で敗れたとはいえ武は確かの華雄、厳顔や華雄を破った魏延など人材も揃っている。
兵も諷陵に入った時は3万程だったのが東州兵に青羌部隊、厳顔配下に加え
この度、董卓軍の兵も吸収し6万以上に膨れ上がっていると思われる。
領土も自領の諷陵に加え、巴郡。江陽などの蜀地方の東半分以上と荊州の夷陵までの
領土を獲得しその地域で色々と施策を施しているらしい。
その為商業も盛んになり税収も大幅に伸び、その金で至るとこから兵糧を買っているらしく
糧食不足に陥っているとの報告も無い。
只、不安要素も無いわけではなく多くの違う地域の者が集まるのだから諍いも多くなり
それが元で治安の悪化が起きているとの事だった。
しかしこれらは時間が経てば収まって行くものであるし、
これらの問題をあの3人が放置しておく訳もなく、いずれこれらの問題も解決すると思われる。
そうなれば脅威である為にこれからも多くの者を派遣し情報を手に入れなければならない。
此処まで色々見て来たがやはり私の予想では孫堅か劉備、もしくは北郷が華琳様の敵に
なりそうで今後も注意が必要だと思うし、前の3人には及ばないが袁紹、袁術も侮り難く
他にも西涼の馬騰や漢中の張魯など地方の軍閥も動きを活発にして中央の事を様子見している。
これらの事を踏まえこれからも華琳様に天下を捧げる為の策を考えねばならない。
先ずは軍と領民を増やす為に周辺に散らばっている黄巾党を併合し……
そして軍属の者達に畑を開墾させて……
そう言って彼女は自分の考えの中に入って行った。
これから乱世の世が始まり、最後に残るのは誰か?それは天にしか解らない……
【これから先は一刀が帰って来てからの話です。】
『北郷一刀の休日』
一刀が自領に帰って来てから6日程経っており、その間休みなく職務を遂行していた。
一刀が帰って来てから先ず驚いたのは自身の机に置かれた一刀のいない時に起きた事の報告書
および決済を迫る文官達の書簡であった。彼はそれを2日半掛けて全て終わらせた。
(途中に蒋苑や法正、月や詠に手伝ってもらったが)
次に自分に会いに来た黄忠に会う為に謁見の間に行き彼女と対面した。
俺が謁見の間にいくとそこには妙齢の女性がこちらを穴が開きそうな位見ていた。
まず一刀が黄忠さんの前まで行きそのまま
「黄忠さんですね。この度は我らに味方して頂き有難うございます。
俺が此処の太守をさせて頂いてます、北郷一刀です」
そう言って彼女に頭を下げて挨拶をし、そのまま話を続ける。
「黄忠さんの事は桔梗の手紙で色々と聞いてます。力を貸して下さるとか。心より礼を言います」
そういうと黄忠さんが初めに
「北郷様の事も桔梗から色々と聞いておりますわ。そして失礼ながら昨日、一昨日の二日間、
この城に来る時に街の様子を見させて頂き桔梗が言っていた事も納得しました。
街に人と物資、それと笑顔があふれて皆が貴方様の事をまるで家族の様に話しておりました」
そう言って微笑みながら言い
「しかも此処の街には烏丸族の者も居れば山越の者も居て更に驚かされましたわ。
しかもそれらの者と一緒に他の漢人の者も生活しているのに、それでいて不満はなさそうなのは
貴方様の統治が上手く行っているという事でしょうから感嘆に値しますわ。
更に驚いたのはその異民族の者からも貴方に対する賛辞の言葉しか聞けないという事でした」
一刀がそれを聞き照れくさそうにしているのを見て、黄忠は姿勢を正し話を続ける。
「私はそれを見て確信いたしました。貴方様こそが私の弓を捧げるに値する御方だと。
どうか私にも戦乱を鎮める御手伝いをさせて頂けますでしょうか?」
そう言って頭を下げた。その姿を見て俺は
「頭を上げて下さい黄忠さん。それはこちらからお願いします。未熟な俺に力を御貸し下さい」
俺もそう言って頭を下げると彼女は
「私の名は姓を黄、名を忠、字を漢升、真名を紫苑と申します」
「俺には真名が無いので北郷または一刀、どっちでも好きなように呼んでくれて構いません」
そう一刀が言うと彼女は
「では、御主人様と呼ばせて頂きますわ。先程ここまで案内して頂いた方がそう呼んでましたので。
構いませんか?御主人様」
多分彼女を連れて来たのは風だなと思いつつ彼女を見ると何が有ってもそう呼びそうなので諦めて
「もうそれでいいよ、これから宜しく。紫苑」
そう言って一刀はその話を締めくくった。
紫苑には桔梗の補佐兼、巴郡周辺の治安責任者を任せた。
本当はもっと大事な役職を頼もうとしたのだが、彼女には娘が居るとのことであり
子供の世話をしなくてはいけないとの事なので諦めて今回の役職となったのである。
その夜、彼女や董卓軍のメンバーを交えて歓迎の宴を開いて大いに賑わったのだった。
次の日には軍師勢や武将達を集め会議を行った。自分に協力してくれるという
恋、霞、華雄、詠、音々らの今後の役職を決める為である。
一番最初に決まったのは霞で彼女には騎馬軍を任せる事にした。
俺の軍では星や軍師である稟が騎馬隊の指揮を執っていたが、正式な将軍と言うわけでは無く
臨時に率いて貰っていたに過ぎない。だから今回神速の張遼が味方になってくれた事により
初めて騎馬隊に正式な将軍が決まった事になる。騎馬隊に関しては彼女に一任することにした。
次に華雄で、彼女にも騎馬を率いて貰うとの話が出たが結局、星と歩兵を任せる事に決まる。
たまに星が兵達の訓練をサボっている為、彼女に訓練を頼もうという事になった。
そしてその補佐として詠に訓練計画を作ってもらう事をこの場で決めた。
更に月と詠には俺の補佐と詠には緊急時には軍の指揮権を行使できる様にして
普段は偽名を使って生活してもらう事にし詠の名を黄権、月を董旻と呼ぶ事にした。
最初は戸惑っていた彼女達も最近では偽名を呼ばれても普通に返事をしている。
最後に恋と音々だが彼女達に関しては稟が考えた親衛隊将軍と軍師と言う形で決まった。
恋は「家族が養えるなら」と言い快諾して、音々も「恋殿がそう言うなら」と言ってくれた。
その日の内に色々決め翌日は休みを貰えた。起きて身支度を整えると朝食の為先ず食堂に向かう。
近くまで来るとワイワイと聞こえて来たので覗くと
そこには華雄と星、霞、恋の4人が話し合いをしていた。ゆっくり食堂内に入っていくと
「なんや一刀、今日は休み聞いとったで。こない早い時間にどないしたん?」
と霞が俺に気づき話しかけて来た。その横で饅頭を食べていた恋も
「……おはよう…食べる?」
と手に持っていた饅頭を半分に割り小さい方を差し出してきた。おはようと挨拶しそれをもらうと
「主よ、少し熱めですがどうぞ」
といって湯気の出ている御茶を入れてくれた星に御礼を言い御茶をすする。すると
「一刀、お前の軍の事で今3人と話していたのだが、騎馬に関しては霞に任せるとして
歩兵に関して言わせて貰えば今、星と話してもう一度編成しなおそうと話していたのだ」
と華雄がそう言ってきた。俺が「何か有ったのか?」と星の方を見ると
「使える部隊と使えない部隊が混同されて居りまして、隊としての連携が阻害されています」
と俺に向かって言ってきた。たしか明日の会議で編成に付いて話が有ると伝えると
「それなら良い。その会議に自分も参加させてもらう」
と言って彼女は御茶をすすりだした。俺は横にいた霞に騎馬隊の方を聞いてみると
「烏丸の連中や最初に居た奴等は問題あらへん。問題なのは最近入った奴らや。
馬の扱い方がなってへんし騎射に移る時に時間が掛り過ぎるんや。今どないしようか考えてんねん」
そう言っていたのでそれも明日の会議に行ってみると言うと笑って「おおきに」と言っていた。
最後に恋に尋ねると最後の饅頭を頬張り終えてから
「………恋が本気出すと皆が怯える」
とだけ言っていた。それはそうである。彼女はこの大陸でも最強の武将、呂布なのである。
なので戦の時の闘気等はそこらの将では比較にならない。
その彼女の闘気を浴びて兵が怯えるというのだ。仕方ない様な気もしないが
その様な状態で戦場にいけないのでこれも稟や万里に良い方法を尋ねてみる事にして
彼女達と一時話していた。その時に霞が
「アンタの所は不思議やな、ウチみたいな降将に軍を預けるなんて。普通はもっと時間をおいて
裏切らんか様子を見て使うで。何の前触れもなしに軍を預けられた時は流石に自分の耳を疑ったで」
「それは俺が稟や風、万里に打診したんだよ。華雄や霞を遊ばせておくのは勿体無いってね。
最初は稟も風も首を振ってくれなかったけど、最後には諦めてくれたよ」
すると横で聞いていた華雄が
「一刀。お前は少し人を疑う事を覚えたほうが良い。我らが裏切らないという確証はないのだぞ?」
すると話を聞いていた恋が
「……華雄、駄目。一刀良い人。裏切る駄目」
そう言われた華雄は大慌てで恋に対し
「だっ、だ、誰が裏切ると言った、恋。もしもの話だ!!私が月様を助けてくれた一刀を裏切るなんか
万に一つも有るものか!!」
そう大声で言う華雄を見て星と霞が意地悪な笑いを浮かべ、霞に至っては尻尾と猫耳を生やして
「ふ~ん、もしかして華雄っちは一刀の事が……」
「ほほう、華雄殿は我らが主の事がお気に召された様子で……」
と二人して華雄を弄り出して楽しんでいた。弄られた華雄の方は必死になって反論しているが
口でこの二人に勝てるわけも無くプルプル震えていた。そして
「ええい~貴様等許さんぞ。星に霞。そこに直れ!!その性根今直ぐ叩きなおしてくれる」
そう言って自分の横に置いてあった戦斧を持って星と霞を追いかけまわしだした。
俺と恋はそれを見て笑って、3人に切りの良い処で止めるように言ってその場を後にした。
食堂を出て何処に行こうか考えていると向こうから下士官達がやって来て俺に挨拶して
「御使い様。郭嘉様がまた向こうで血の池を作っておられましたが……」
「その横で程立様が介抱されてましたが、また何事か郭嘉様が言われてまた倒れられました」
それを聞いて溜息を吐いて俺は、下士官達に礼を良いそちらに行ってみた。
すると何本かの書簡が散ばっておりその中心では風が稟を介抱しているのだった。俺が書簡を纏め
「今回の原因は何なの?また艶本?それとも妄想?」
と訊ねると風はあっさりと「両方なのですよ~」と答え稟の鼻血を止めようとしていた。
「は~い稟ちゃん。トントンしますよ~。ト~ントン、ト~ント~ン」
「ううっ、すみません風。この鼻血が憎い。この妄想体質が憎い」
そう言う二人を見つつ「ウチの軍勢には変わった奴が多いな~」と考えていると
「その筆頭はご主人様なのですよ~。自覚が無いとはいわせませんよ~」
「人の心を読むのは勘弁してくれ風。俺の何処が変だって言うんだ?」
そう風に返すと風に介抱され復活した稟が
「ほ~う自分の所業を棚に上げられて、自覚が無いと言われますか。一刀様は?
まず極度の御人好しで、且つ我らに心配させる事ばかりなさる御方が変では無いと?」
そして止めを刺すように風が
「ええと~それに自分では隠しておられるのでしょうけど、私たちは知っているのですよ~
西の区画にある孤児院に月一で通って寄付や遊び相手をしている事もですね~」
そう言われ両手を上げて降参し
「風、それを何処で聞いたんだ?皆には内緒にしてくれって言って置いたのに」
すると風の頭の上の宝慧が
「星は何でも知っている。空は皆を見ている。兄ちゃんのやって居る事なんて筒抜けよ」
「これこれ宝慧。ご主人様はバレて無いって思っていたのですよ。あれで」
そう言う風をよそに稟が眼鏡を直しながら
「それに副業も沢山お持ちの様で。服の意匠に、食品開発。探せば幾らでも出て来そうですね」
そういわれ彼女達にはこれからも隠し事は出来ないと心に思う。すると
「ふっふっふ。そうですよ。私たちに隠し事をしようとは甘いですね~。
外に出るなとは言わないですけどもっと注意した方が良いと思いますよ~」
「また読む……了解もうしないよ。それで話は戻るけど今回の稟の鼻血の原因は何だ?
両方って事はこの間の艶本と同じか?でもあの艶本は俺が没収したろう?稟には刺激が強いって」
すると稟は紙で鼻を押えつつ、今回の原因と言うべき物を俺に差し出した。そこには
『八百一・特別編~俺が愛した最後の女達~』とあり裏を見ると作者の欄に『宝慧』とあった。
少し読んだだけでも内容・質は明らかに稟にはアウトでありこれはそのまま没収とし、
原因を作った『宝慧』とやらの飼い主をその場で捕まえてそのまま万里の下に連れて行き
印税やらその他を新たに作る孤児院の建設費用に立てる事にした。
その際、俺の副業もばれる事になりそれも孤児院の費用に充てることとなってしまう。
その後2人で万里に約二時間の間こってり絞られてようやく解放されたのである。
万里に絞られた後、風は仕事が有ると自分の執務室に行くと言って別れて俺は街に出る事にした。
市場に行くと夕方の買い物の時間であった為、今晩のおかずを買い求める主婦の行列ができていた。
俺が行くと皆がこちらを向き挨拶をしこちらへやって来て
「今度、何処の家で子供が産れる」だの「ウチの亭主が酒飲みで今度注意して下さい」やら
「今日の城のおかずは何?」とかの他愛もない話をしてきてくれる。
それが終わると子供が集まって遊ぼうとやって来る。子供に教えた鬼ごっこや達磨さんが転んだ等の
遊びはここら近所の空き地で十分遊べる為に子供達の間で爆発的に広がっていた。
ある程度遊び彼等を区画ごとに纏めて集団で家に帰す。人数が少ない所は俺が送っていく。
子供達を送り城に帰ろうとすると前に月と詠を見つけた。俺が話しかけると
「アンタ此処で何してんの?あっ、もしかして僕の月に手を出そうとして……」
そんな事を言う詠を月が嗜めようとする。
「一刀様こんにちは。詠ちゃん、一刀様にそんな事言っちゃあ駄目だよ~」
そう言う月に向かって詠は俺の時とは全く違う口調で
「月。男は信じちゃあいけないってあれだけ言ってるのに……コイツも一皮むけば狼になるのよ」
「でも、一刀様は良い人だって詠ちゃんだって解って居るでしょう?」
「月は優しい子だから、こう言っているけど僕は騙されないからね!!」
そう言う詠をわざと無視する様に月に向かって
「月、今日は俺と一緒で休みの筈だろ?街に買い物か?」
と言うと少し困ったような顔をしていた月が笑顔で
「はい。久しぶりにゆっくり出来そうだったので詠ちゃんと一緒に過ごそうと思って」
俺と月が楽しく話していると詠が横に来て俺の腿のあたりを蹴って
「へ~え、僕を無視するなんていい度胸してるわね。しかも僕の目の前で堂々と月と口説くなんて」
蹴られた腿を擦りながら俺が
「痛いな!!今の話をどう聞いたら口説いてる様に見えるんだ詠?それに普通人の足を蹴るか」
「アンタだから蹴ったのよ!!アンタなんかそこらの犬でも口説いていれば良いのよ!!」
その一刀と言い争いをしている親友である詠を微笑みながら見つめている月が居た。
漢中で万里には言ったが詠がここまで自分を飾らず男性と話しているのを月は見たことが無い。
詠が自分を飾らずに話す相手と云えば自分や仕えてくれていた恋、霞、華雄、音々くらいだ。
それ以外の者は軍師の時の詠しか知らない。
しかしここに来てからの詠は自分を隠す事を忘れてしまっているかの様だった。
月は詠がそうなったのは恐らく一刀の影響だと思っている。
一刀の周りにいる者は皆、自分を飾らずにいる。それは主君である一刀もそうだし、
軍師の稟や風、将軍の星、焔耶達、そして市民達までも一刀を家族の様に接している。
その一刀の影響は自分や自分に付いて来てくれた者達に良い影響を与えてくれていた。
恋や霞、華雄や詠は一刀の事を昔からの友人の様に呼び捨てにし、霞や詠に至っては一刀を
叩く事もある。しかし一刀はそれに対し何も咎めず、一刀も親しい友人の様に接する。
また一刀の配下の者達も気さくで有るのも幸いしているようだ。
付いて来てくれた兵の中には馴染めてない者もいるが大多数の者は
そんな北郷の雰囲気に安心し皆はあっさりと北郷の一員となっていった。
それは自分の目の前で言い争いをしている詠も同じ様で洛陽に居た時より生き生きして見える。
詠が自分を飾らずにいる事が自分の事の様に嬉しい月は言い争いを続ける二人に向かって
「一刀様、そろそろ城に帰りませんか?詠ちゃんもね?」
その笑顔を見た瞬間、今まで言い争いをしていた二人が黙ってしまう程の笑顔がそこにあった。
三人はその後もワイワイと話しながら城へと帰って行った。
こうして一刀の休日は賑やかに且つ穏やかに過ぎて行った。
今回もここまで御読み下さって有難うございます。
体に帯状疱疹が出来て早3週間大変でした。
痒みと疼く痛みが交互に襲ってくるなんて反則です。
作者は病弱な為、結構色んな病気になっておりますが今回の様に
眠れないというのは初めてでして二度とこの病気にはなりたくありません。
今回も何度も校正作業をしておりますが、何か文法の誤り・誤字脱字など
有りましたらお教え下さい。
次回は群雄割拠編、第一弾として紅蓮達の事や桃香達の事などを書こうかと
思っております。
恋姫無双 稟 風
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。