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はじめまして憂鬱と申します。何もかもが初めての事で右も左も分からず手探りでここまで来ました。
誤字脱字など多数あるやも知れませんが温かく見守って下されば幸いです。
一刀、古の大陸に降り立つ
 北郷一刀は混乱していた
昨日は学校が終わり、寮に帰って風呂に入り、部屋着に着替えて寝たはず。
だが、目覚めたら制服を着ていた。
 しかも周りは見たことがない場所。どう見たって東京では無いし日本でも無い。
ただ、テレビでは見たことある。雄大な山々、果てし無く広がる地平線。
その風景は中国にしか見えない。
 ここで混乱しても仕方ないと考えるの止め行動を起こそうと周りを見渡した時
足もとに落ちていた物に注目した。それは部屋に置いて有る筈の木刀と通学用鞄があった。

「なんでこんなのがこんな所に落ちてるんだ?」

と思いつつも、木刀と鞄を拾い歩きだした。
五分程歩くと街道を見つけ、その街道沿いに歩くことにする。
 すると大声でこちらに話す声が聞こえ、声の方に振り返ると大声の主は、
如何にも時代劇に出てきそうな、盗賊の格好をした三人組であった。
その三人組は俺の方を見ると一番偉そうな奴が言う。

「いい服きてんな。身ぐるみ置いてけや、兄ちゃん」

俺は言いたいことが他にも有ったのだがとりあえず即答した。

「嫌だ。消えろ」

三人組は見合って大笑いし、俺の周りを囲みいきなり手に持った刀で斬りかかってきた。
だが、俺は冷静だった。
相手はただ武器を振り回しているに過ぎない。動きを見れば判る。
その刀は俺に当る事無く地面に突き刺さり、その間に三人組のうちの一人の胴を木刀で薙いだ。
「がぁ」と持っていた武器を落とし、そのまま前向きに倒れこむ男。
残りの男たちは何が起こったのか判らず、

「この野郎!!何しやがった」

と大声を挙げるが、俺は何も答えず二人に向き合う。

「二人で一気にやるぞ」
「ああ」

と、残りの二人が同時に俺の方へ刀を向けてきたが、
先程と同じく、相手の刀を避けつつ男の胴を薙ぐ。示現流は弐ノ太刀いらずという言葉が有り
初手で仕留めるのが基本とされる。

「ぐえっ」

と、前の男と同じ様に倒れこむ男。
その様子を見ていた最後の男は、何が起こったのかも解らずに俺の方を向き構えるが
刀を持つ手が震えているのが解った。だから俺は

「まだやるか?」

と、少しだけ眼に力を込め言った。
男は言葉を聞いた途端に武器を捨て、脱兎のごとく逃げ出した。
 だが、逃げようと背中を向けた瞬間、男の後方に槍を持った女性が立っており
槍把(そうは・槍のお尻の部分)を逃げようとする男の鳩尾に突き当て気絶させ、女性は
「ニヤッ」と笑いこちらに歩いてくる。
だが、歩きながらも警戒は怠っていない隙のない歩き方だった。そして女性は言う。

「お見事ですな。最後のは余計なお世話だったかな」

 俺は、女性の問いに直ぐ答える事が出来なかった。先程、女性を見た時から汗が止まらない。
その女性は俺よりも身長は低く見えたが、威圧感が凄く正直怖かった。
だがそのままでは仕方ないので、木刀を握り直し乱れていた気組を立て直す。
そして彼女の問いに答えた。

「ありがとう。まあそいつは逃げようとしていたし、そんなに大した事じゃ無いよ。
それにしても見事なのはそっちじゃないか。俺に気配を悟らせず、近くに来るまで解らなかったよ」

俺の言葉を聞き

「いえいえ。それこそ大した事では無いですよ。
しかし、そんな棒切れで三人の内の二人まで伸してしまうなんて。しかも一撃で」

その空気が嫌で、俺は木刀を下げ、そして彼女に向かい合い闘気を消し言った。

「ごめん。回りくどい事は嫌いでね。
とりあえず貴女の名前とここの地名を教えて頂けないか?俺は北郷一刀と云う。
どうも道に迷った様で近くの街まで行きたいのだが、
何せ場所すら分らないのではどうしようもないからさ。
そして、貴女をずっと貴女と呼ぶのも失礼だしね」

と彼女に向って言った。注意深く俺の方を見ていた彼女が

「ふむ、九割方は本当の事を言って居られる様ですな。
道に迷ったの所はどうも引っ掛かるが……まあ宜しかろう、私は趙雲と申す。
そしてここは許都と言う街の近くです。結構西には洛陽と言う街もあるが」

と自分の事を「趙雲」と彼女は言った。今の話を聞いて一刀は声には出さず

(夢じゃ無いかなと思ったけど……やっぱり現実か。しかし三国志の時代か……
そして彼女が趙雲だって。しかし趙雲は男だったと思ったが?)

と考えた時に漫画の知識が思い過った。

(タイムパラレルってやつか。誰だよ。タイムマシンは作れないとか言った奴は!!)

と考えていると「北郷殿」目の前に趙雲の顔があった。

「うわあああー!!!驚かせないでよ」

と一息入れ

「で、どうしたの趙雲さん」

と気を取り直して言った。すると趙雲は

「いやー北郷殿がものすごい勢いで考え込むので心配に成りましてな。
それで考え事は纏まりましたかな」

と趙雲が心配そうに聞いてきたので、

「ああごめんね、ちよっと自分の事なのに自分の事じゃないみたいな訳の判らない出来事に成っててさ。
それでさ悪いけどもうちよっと聞いていいかな」

と俺が言うと趙雲は「構わない」と言ってくれた。そのあとで彼女も

「私も聞きたい事があるのだが宜しいか」

と言って来たので「構わない」と言い俺は質問した。

「今のこの国の皇帝と国の名前、そして有力な武将の名前を聞きたい」

趙雲は少し考えて

「ふむ、今の皇帝は劉宏で国の名は後漢、権力では大将軍の何進にその右腕の袁紹、袁術。
軍事では天水の董卓、長沙の孫堅、陳留の曹操かな」

それを聞いて自分の頭の中の知識と併せていくとゆっくりだが結論はでた。
場所は後の許昌で、時代は後漢末期、黄巾の乱が起きる少し前の時期だと。
それだけ考えると趙雲に向き直り姿勢を正し御礼を言った。

「ありがとう趙雲さん。お陰で助かったよ。で、趙雲さんも質問があるんだよね?」

彼女は何か信じられ無い物でも見た様な顔をしたが俺に相対し居住まいを正し問いかけてきた。

「ええ。そうですな二つだけ聞いても宜しいか。まず一つ目に北郷殿は何者だ?
見た所、高い身分の方のように見えるがそうでも無いように見える。
更にそのように陽を反射する服はこの大陸にはまずあるまいし作れまい。
最近の噂の者でも無い限りはな。
もう一つだが考えが纏まった様だがこれから何所に行き、何をするのかお聞きしたい」

それを聞いた俺は彼女を見て言った。

「趙雲さん。これから話す事は本当の事なんだけど信じる信じないは趙雲さんに委ねるよ。
本当はあんまり話したく無いのだけど。自分が狂信者とでも思われ兼ねないからね。
でも俺は趙雲さんなら話しても良いと思うし、貴女なら信じてくれそうだから話すよ」

俺は少しずつ言葉を選びながら話をする。

「俺の名は北郷一刀。この世界から千八百年後の世界から来たみたいだ。
その証拠に趙雲さんの字は子龍で、たしか出身は常山郡だったよね。
俺の世界では貴女は男性で人気の武将なんだ。此処までは良いかな」

趙雲を見ると俺の事を鑑定するように無言で俺の目を覗き込んでいた。

「一つ宜しいか。字や出身地なんかでその話を信じる事は出来まい。
例えば同郷や私の友人に聞けば判ることだからな。
だから私はもっと確実な物を見せて欲しい」

そう言うとまた彼女は俺を鑑定するように覗き込んでいた。

(もっと確実な物と言うと未来の、いや俺の世界の物で良いだろうか?)

と考えていると自分のポケットに入っている、携帯の事を思い出し彼女に聞いてみた。

「趙雲さんこれは携帯というからくりで
人や物を写す事が出来るんだけどその機能を試したいんだが良いかな」

と俺が言うと信じられないという顔をして

「それではその「けーたい」とやらで貴方自身を写す事は可能ですかな?
可能なら貴方を写して頂きたい」

そう言ったので携帯のカメラを自分に向け撮影ボタンを押す。

「ぴろろ〜ん」
と音が鳴った時に槍を向けてきたが何事も無かった為退いてくれた。
それから彼女に写した画像を見せる。

「はい。俺の顔だけど解るかな?」

と画像を見入り驚きながら趙雲は言う。

「おおー、本当に一刀殿が居られる。本当にすごい」

そして一通り堪能した後に彼女は姿勢を正し俺に向って頭を下げた。

「本当に申し訳ない。字を当てられた時点で間違い無いと思っていたのだが何分私の性分で
確実な物でないと信じる事にしないと決めているのだ。気分を害してしまって済まない」
 
 趙雲が本当に済まなそうに謝る為に居心地が悪くなり俺も

「それは仕方ないと思うよ。俺だって信じて貰えるか半信半疑だったから。だからもう頭を
上げてくれないか、趙雲さん。そうしてくれないと俺は如何したらいいか解らないからさ」

 趙雲が顔をあげた時、本当に一刀が困っているのが目に入り彼女は微笑んでいた。そして

「ではあともう一つの質問だが答えて頂いて良いかな。
北郷殿が未来から来たのは信じよう。だからこの後はどうするのかをお聞きしたい」

俺は考えていた事を彼女に話した。

「その事なんだけど帰る方法を見つける事を第一にして、もしも帰れない時の事を考えてさ、
こちらの世界の知識を学ぼうと思う。最初に始めたいのは字を覚える事とお金を稼ぐ事かな。
どのくらい時間が掛るか分からないけどね」

と正直に言う一刀を見て趙雲は、

「ふむ其処まで考えておいでか。北郷殿、良ければ私も途中までご一緒しても宜しいかな。
私は読み書きが出来るしこちらの世界の常識位なら貴方に教える事も可能だがどうだろう」

 正直、今の俺は赤子とそんなにかわらない。誰かに助けて貰わねば生きていけない。
でも荷物には成りたくないのであえて聞いた。

「趙雲さんが良いなら俺としては正直願ってもない申し出で嬉しい。
だけど、俺には金も無いし何もあげられる物も無いけど本当に良いの?」

「そんな事は気にしなくてよろしい。私が良いと言うのだから。
私としても未来の事を聞けるなどそうそうある事では無いし。
それでも貴方が気になると言うのならいつでもいいから
私に受けた恩とやらを違う誰かに帰してやって頂きたい。
私はそれで満足だ。では北郷殿準備はよろしいか?」

と俺の話も聞かず無理やり連れて行こうとする趙雲は少し照れているようにも見えた。

俺は覚悟を決めて彼女に向け頭を下げた

「趙雲さんこれからよろしくお願いします」

すると彼女は笑いながら言う。

「趙雲でよろしい。わたしも一刀と呼ばせて貰う」

目覚めてから色々な事が合った。
だが何だかこの人に会えただけでこの世界に来た価値が有ると思えるほど良い笑顔だった。

そして二人で歩きだした。空は透き通る様な青空だった。

良く最後までお読みくださいまして有難うございます。SSは今まで読み専だったのですが色々な物語が有り、読む内に自分でも書いてみたいと思い素直に欲求に従う事にしました。何分初めてでお見苦しい点などございましたらお教え下さい。
恋姫無双 稟 風


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