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微妙にR-15表現有り?注意。
GLっぽいので注意。
第31話 プログラム式魔法
 
 あの後しばらくの間、ミルト君が盛大に落ち込んでしまった。反省しているのを何とかなだめて、立ち直らせるのに結構苦労した。
 そしてミルト君の手伝いもあって、実習のノルマは何とかクリア。そんな感じで、初めての錬金術の採取実習は終わりを告げた。
 
 ちなみに俺たちが戻ってきたのはだいぶ遅く、順位で言えば後ろから数えた方が早かった。まぁ、初めてなんだし、しょうがないと思う。
 
 
 
 そんなことよりも、俺は先ほどとっさに思いつきで使った魔法をずっと思い返し続けていた。
 
 
 
【auto trace《自動追跡》】
 
 あの時俺が放った【魔法の矢】は、全て狙っていた狼達に命中していた。
 普通あれだけの数の魔法を撃てば、どれかは外れるはずなのだが……俺は、外れる軌道だった魔法が軌道を変えて命中したのも確認している。
 恐らく、この属性はちゃんと発動している。【魔法の矢】に無い追尾能力を、属性で付与することができたと言うことだ。
 
 そして、もう一つ。
 
 
 
【for 1 to 20 magic arrow next《20本の魔法の矢》】
 
 
 
 俺はこの記述に、見覚えがある。
 俺が元の世界にいたときに、趣味でやっていたプログラム……その中でも比較的簡単な記述だ。
 あの時、何故この記述を思いついたのか?何故これが発動したのか?それは俺にはわからない。
 
 ただ一つ言えることは、この方法を使うことで、俺は魔法を非常に効率よく発動できるようになったということだ。
 
 
 
 ……恐らく引っかかっていたのは、プログラムで同じような経験をしてたからなんだろうな。何度も同じ記述をするのは、プログラムでも効率悪い事だしな。
 
 
 
「ご、ごめんっ!!」
 
 そんなことを考えていると、突然ミルト君が謝りだした。
 視線を移すと、そこには非常に申し訳なさそうに頭を下げるミルト君の姿。
 
「ぼ、僕のせいだよね……僕が勝手に走って行ったりしなければ、僕がきちんと狼を追い払っていれば……」
「は?いや、別にそのことはミルト君はちゃんと反省したし、もう気にするなって言っただろう?誰だってミスはある。次にそういうことをしなければ良いんだからさ」
「で、でも……ミハルちゃん、凄い怒ってるみたいだったから」
 
 
 ……俺が?あ、考え事をしてるうちに、顔をしかめてしまったのか。
 
 
「怒ってないって、単に考え事をしていただけだ」
「……考え事?」
「まぁ、色々とな」
 
 さすがに、考え事の内容はコイツにはいえない。というか、メイさんやセレスさんにも言うのはちょっとまずいだろう。
 まぁ、言ったところで、そもそもこんな記述できるのは俺だけなんだが……下手すると、上級魔法よりも難易度高くなりそうだし。
 
 
 そんな俺の様子を見て、ミルト君が不思議そうに首を傾げる。……ミルト君って、男だけど可愛いよな。
 
 
「まぁ、どうしても気になるんだったら、次はちゃんと俺を守ってくれれば良いだろ。今回は偶々狼を驚かせて何とかなったけど、次も上手くいくとは限らんからな?」
「う、うん……僕、頑張るよっ!」
 
 何やら背後に、炎のようなオーラを出して頷くミルト君。まぁ男としては、女の子に守られるってのは嫌だろうしなぁ……時々忘れるけど、俺って一応女の子だし。
 もっとも、あまり気合を入れすぎて怪我とかされても困るんだが……。
 
 
 
 
「むぅ……ひょっとしたら、セレナさんに続く更なるライバルの出現かもしれないね」

「私も、負けてはいられませんわね。いち早くミハルさんの姉として認められるように頑張らなければ」

「わ、私も……ま、負けませんっ」
 
 
 
 
 ……とりあえず、近くで様子を見ながらぼそぼそとつぶやいてるお三方の言葉は、無視することにする。
 セレナさんとか、いちいち休憩時間毎に良く来るよな……と本気で思う。まぁ、彼女に抱きつかれてるフォルは嬉しそうだから良いけど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 その日の夜。
 
 
 
 
 
 俺は、夕食を食べた後、一人で外に出て魔法の研究をすることにした。
 昼間に確認した、プログラムを使った魔法の記述。ひょっとしたら、繰り返し以外も何か使えるかもしれないと思ったからだ。
 属性に関しても同じ事が言える。昼間は瞬間的に【自動追跡】が閃いたが、他にも使える属性があれば知っておきたい。
 
 
 杖を握り締め、魔法のウィンドウを開く。……そういえば、俺はいまだに力を込めずに意識するということが出来ていないんだな。
 
 さて、それではまずは先ほどのおさらいから。
 
 
 
【for 1 to 3 light ball next《3つの光の球》】
 
 
 
 ふわり、と俺の周囲に3つの光る球が出現し、あたりを照らす。【光の球】は、見た目こそ【魔法の矢】に似ているが、大きめで何かに当てて衝撃を加えたりすることは出来ない。
 要は単に明かりを作るだけの魔法である。この手の魔法の問題としては、作っても魔法のウィンドウを閉じてしまうと消えてしまうことだ。
 ……つまり、この光る球を作ってる間は他の魔法が使えない。ダンジョンの中とか闇夜を照らしたい時は、普通はこれを使わずにたいまつやランプを使う事になる。……正直使い勝手が悪い。
 
 
 とりあえず、繰り返しは昼間使った通りに使えることは確認したので、次。
 
 
【wait 20 light ball《20秒遅延発動光の球》】
 
 
 プログラムが出来ると知って、やってみたかったことはこれである。
 遅延魔法。魔法は基本的に、使った後は大きな隙が出来る。遅延魔法が使えれば、その隙を狙ってきた相手に奇襲を加えることが可能なのだ。
 
 とりあえず発動させてみる。すると、発動して20秒ほど経過した後に光る球が出現した。
 どうやら、数値はそのまま秒数を表しているらしい。その後もいくつか試して、小数点以下の調整まで出来ることを確認した。
 
 
 そこでふと気づく、この数値が無かった場合はどうなるのだろうか?
 
 
【wait light ball《遅延発動光の球》】
 
 
 しばらく待ってみたが、発動する様子は無い。ひょっとして何らかの発動する条件があるのかと思い、色々と試してみる。
 すると、もう一度杖を握り締めてみたところで、光の球が浮かび上がった。つまり、数値を記述しない場合は、任意の時点で発動体を意識すれば発動させることが出来る訳だ。
 
 
 なら、これはどうなるのだろうか?
 
 
【wait light ball《遅延する光の球》】【wait light ball《遅延する光の球》】【wait light ball《遅延する光の球》】
 
 
 同じ記述を三つ、並べてみる。記述をしてから、先ほどの繰り返しを使えばよかったなとか思いつつ、発動させる。
 一回目は何も起きない。二回目は光の球が一つ。三回目以降はさらに一つずつ光の球が増えていった。
 
 
 これはつまり、任意での遅延をうまく使えば連続して何度も魔法を撃ち込むことが出来ると言うこと。まだ魔法を全て発動した後に隙が出来るが、そこはそこで別途考えれば良いだろう。
 
 
「……とりあえずはこんなところか」
 
 プログラムに関してはもう少し色々と覚えているのだが、魔法に使えそうなのはあまり思いつかなかった。……変数とか関数なんて使えそうに無いしなぁ。
 
 
 
 次は属性。これに関しては……正直、どこまで出来るのかがさっぱりわからない。
 とりあえず、範囲を広くしたり出来るのだろうか?でも、範囲をどこまで広くするとかそういった記述とかが出来るのか……。
 まぁいいや。考えてたってしょうがないのでとりあえず使ってみる。
 
 使うのは【探知】の魔法。とりあえず属性にrangeと記述してみる。
 
 
 
 ……普通の探知の魔法になった。
 
 
 
 使い方が悪いのか、あるいは何かが足りないのか……数値でも入れてみるか?
 そう思って再度【探知】の魔法に属性【range 10《範囲10m》】を記述してみる。
 
 
 突然、自分の周りの風景とその詳細が頭の中に浮かび上がった。
 
 
 どこに何が居るのか、何があるのかが詳細に描かれる。さすがにその姿をリアルタイムで表示までは出来なかったが、それでもこれはかなり有用である。
 範囲は半径10mほどか……?恐らく、数値がそのまま半径になるのだろう。
 
 
 この属性付与による魔力消費は気になったが、先ほどから全然減っている気がしない。……ひょっとして、俺は減っている感覚が無いだけなのでは?とすら一瞬思ってしまうが、まぁそれは良いだろう。
 
 
 そして恐らく、この属性を【光の球】につけると半径10mの巨大な光の球が出来上がるはずだ。……さすがに近所迷惑なので、今はやらないが。
 
 
 
 他にもいくつか試しては見たが、明確に効果を発揮していたのは【範囲】のみだった。
 あまり長く外に出ていると心配されるので、とりあえず家の中に戻る。今分かったことだけでも、十分すぎる収穫だろう。
 
 
「ただいま」
「あ、お帰りなさ~い、ハルちゃん♪」
 
 
 戻ってきた俺を見て、即座に抱きついてくるフォル。最近、フォルのスキンシップが、より大胆になってきている気がする。
 
 
「あらあら~、ハルちゃんおかえりなさい~」
「ただいま……って、イセリナまでくっついて来るなよ」
「あらあら~、良いじゃないの~。おね~さんもたまにはハルちゃんのぬくもりを感じたいのよ~?」
「はぁ……しょうがないなぁ」
 
 暴れるとフォルが怪我をするかもしれないし、本当に仕方なく我慢する。
 
「あらあら~?ハルちゃん、おね~さんが抱きついても嫌がらなくなったのね~?」
「嫌がった方が良いのか?……まぁ、襲ってこなけりゃ別に良いよ」
 
 イセリナは実際美人のお姉さんだし、フォルもとても可愛い女の子である。他意が無ければ、多少抱き付かれるくらいは構わない。
 ……まぁ、あんまりくっつかれると暑苦しいので、程ほどにはして欲しいのだが。
 
 
 
 
 
「あらあら~?と言うことは、ハルちゃんは優しくされる方が良いのね~」
 
 
 
「は?何を言ってるって、ちょっと待て、どこに手をっ!ひぅっ!?」
 
 
 
 
 
 
 急に胸をまさぐられて走った電流に、思わず声を上げてしまう。しまった、最近そういうことが無かったから油断した!?
 
「お師匠様~?そういうことは……」
「ふふ、大丈夫。この前はおね~さん、強引にしすぎちゃったのよ。ハルちゃんは、ゆっくり優しくされ方がいいのよね~?」
 
「ち、ちがっぁぅっ!?」
 
 抵抗したいのに、体が勝手に反応してしまって思うように抵抗できない。
 
「ほら、力を抜いて~?おね~さんに身を任せれば、ちゃんと気持ちよくしてあげるわ~」
「そ、そんなことっ……できるわけがっ……はぁぅっ!」
「どうして~?ハルちゃんは、おね~さんの事が嫌いなのかしら~?」
「そういうことを言ってるんじゃ……はっぁあっ!!」
 
 
 イセリナの言葉通り、確かにイセリナの手つきは優しい。本気で暴れれば、簡単に抜け出すことは出来るだろう。
 
 だが……。
 
 
 
「ハルちゃん、本当に大丈夫?苦しかったり、痛かったりしない?お師匠様ダメだよ、ハルちゃん嫌がってるよっ!」
 
 そうすると、自分にしがみついたまま、心配そうな目で見てくるフォルを巻き込んでしまうはずだ。とてもそんなことは出来ない。
 
 
 
「ひぅっこのっ卑怯……ものぉっ!」
「あらあら~?おね~さんにはその言葉の意味は良く分からないけど、本当に嫌だったら暴れてもいいのよ~?」
 
 
 
 くっコイツ絶対気付いてっ……ってそこはっ!?
 
「だっダメッ!?そこはっ!!」
「あらあら~、ここはまだちょっと早かったかしら~?」
 
 なぞるように下ろされていく手を感じて、反射的に俺はそこを守る。そこだけは……絶対に守っておかないといけないっ!
 
「お師匠様っ聞いてるの?お師匠様!」
「ふふふっハルちゃん、前の時はここが物凄い敏感だったものね~」
「だっダメ……そっちは絶対にダメっ!!」
「あらあら~、じゃあこっちはいいのね?」
「ひゃんっ!?」
 
 
 フッと耳に息を吹きかけられ、同時に胸の先を摘まれる。体中に走った電撃のようなショックに、体がビクッと跳ねる。
 
 顔が、体が、どんどん熱くなっていく。このまま流されてしまうのではないか?そんな恐怖が、()の心を覆っていく。
 
 
 
「お師匠さまっ!!」
「ふふふっかわおぐっ!?」
 
 
 
 何とか耐えようと眼を閉じて体を縮こませていたら、突如体が後ろに引っ張られた。何とかこらえつつ、何事かと眼を開けると、そこにはイセリナの顎を打ち抜くフォルの姿があった。
 
「ダメだって言ってるでしょ!もう!!」
「はれはれ~」
 
 脳震盪を起こしたのか、眼を回した様子でその場に倒れこむイセリナ。……何とか助かった、のか?
 
「あ、ありがとうフォル」
 
 
 
 
 
「私だって、私だって我慢してるのにっ……ハルちゃんが嫌がってるから、我慢してるのに、お師匠様ずるいっ!!」
 
 
 
 
 
 ……は?
 
 
 
 
 
「ふぉ、フォル……?」
「私だって、ハルちゃんのこと大好きだもん!ハルちゃんをいっぱい撫でたりして、可愛い姿見たいもんっ!!」
「わっ!ちょっとフォルッ!?」
 
 
 今度は突然フォルに押し倒される。え?いや、本当にどうしたのフォル!?
 
 
「あの時のハルちゃん、とっても可愛かったもん!私の手で、もっともっと可愛くなって欲しいもん!!」
「フォ、フォル!?ひゃっ……!ちょっ……っと、何するのっ!?」
 
 そのままフォルが()の胸をもみ始める。突然のことに動揺し、抵抗することを忘れてしまう。
 
 
 
「やっだめっ!フォル、やめてっ!!」
 
 
 
 思わず上げる叫び声。……その叫び声を聞いたからか、フォルの手の動きが凍りつくように止まった。
 
「やだ……嫌だよ。ハルちゃんに嫌われたくない。でも、ハルちゃんの可愛い姿見れないのもやだ。嫌だよ……」
 
 そういってフォルが()の胸に飛び込んでくる。……いや、泣きたいのはこっちの方だよ。
 
 
 
 
 
 それからしばらく、フォルは俺の胸で泣き続けた。……いつも元気に見えてたけど、本当は色々と思うところとかあったのかもしれない。
 まぁ、一番の原因はイセリナだと思うけど。まったく……本当に何でこんな人が俺の主になったのやら。
 
 
 
 しばらくしてようやく泣き止んだフォルは、俺に頭を下げて謝りだした。俺は謝るフォルを笑って許し、その頃には夜も遅かったので一緒のベッドの中で眠ることにした。
 
 
 
 
 イセリナ?……一応、風邪は引かないように毛布はかけておいたけど?
 
 
「うう、ハルちゃん……一緒のベッドに」
 
「やかましいっ!とっとと寝ろっ!!」
 
 
 徐々にミハルが強化されてきました。果たして魔法についてこういった理屈はどれだけ通用するのか、不安でしょうがなかったりします。

 後ついでにR-15っぽい表現と、明らかなGL的表現が出てきました。でも、ミハルは心は男の子ですけどね!別にGLでも無いんじゃないかな!?
 ……はい、すみません。見た人の気分を害さないためにも、GL表現有りと追加しておきます。逆にガチGLを期待する人には期待はずれになりそうですが。

 さて、ここからが本題です。

 しばらくの更新停止、済みませんでした。というか、これからも恐らく更新はそこそこ遅れます。
 理由はまぁ、色々とあるのですが……リアルと書いて現実とか、色々と面白げな小説に手を出し始めたこととか、新しい小説のネタを思いついてしまったこととか……あ、過去書いたアレはスルーで。
 1日1話が出来れば理想なのですが、恐らく今後は作者のレベルでは難しいと思われます。具体的には作者の忍耐レベルが低いんです。ああ、ファンフィクションとか作ってみたいなぁ……とか。
 とりあえず、当面はこの小説がメインです。何日か後に唐突に変な小説を上げたりするかもしれませんが、そちらが主軸になったりすることはあまり無いものと考えてください。
 万に一つ方針が変わった場合は、こことか活動報告辺りに記述します。その時は……ついにネタが切れたのだと、生暖かい目で見守っていてください。


+注意+
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