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幽霊オッサン

作者:MTL2
さて、貴方に問いたい

幽霊女って可愛くないか?

貞子、メリ-さん、口裂け女、etc…
可愛くて仕方がない

貞子がテレビから這い出てきたら?
ぎゅっと抱きしめるだろ

メリ-さんから家の玄関まで来てるって電話があったら?
即座にパ-ティ-の用意だろ

口裂け女が「私、綺麗?」って聞いてきたら?
「鏡を見てみな、絶世の美女が映るぜ」と言うしかないだろ

まぁ、これは常識
そんな事で妄想してる奴等は世の中にごまんと居る
俺もその1人だが

さて、今日はそんな事を言いたいんじゃない
俺は幽霊女が好きすぎて現実に興味が無くなってしまったのだ
2次元の女でも3次元の女でも可愛いとは思えない
幽霊しか駄目なのだ!!

もし、呪いのビデオだとかメリ-さんからの電話だとか口裂け女との遭遇だとか…
そんな事は無い!奇跡に等しい!!

…俺も自覚しているのだ
所詮は都市伝説、現実じゃない

では、どうするか?

結論はこうだ
「有名じゃなくても良いじゃないか!!」

どういう意味か理解できるかね?うん?
つまり、だ
貞子とかメリ-さんとか口裂け女とかは誰もが知ってる「有名」な幽霊だ!
しかし!その地方でしか噂になっていない「マイナ-」な幽霊だとどうか?
誰がいつ、何処で、どうやって見たのか解らない幽霊より…
アイツが、何処で、どうやって見たとか確実な噂が流れる地方のマイナ-な幽霊の方が確率が高い!!

…まぁ、そんな噂は本当かどうかは解らないが
一応、俺が住んでいる県の曰く付きの所は全て行った

結果
全部はずれ

だがしかし!!!
ここは違う!!

そう!俺の新しい住居!!
高級マンションなのにクソ安いという典型的なアレ!!
最上階で自殺者やノイロ-ゼになった人が多数いる!!
そう!幽霊を寄せ付けやすい部屋なのだ!!

お解りかな?
ここなら100%!幽霊に出会える!!
ここまでの為に金は使い果たした!!
実家から飛び出して早10年!!
親父とお袋とも10年会ってない!!
だが!それも幽霊女に会う為が故!!
さぁ!カモン!!
幽霊女!!

深夜3時00分

「…ぅう」

体が重い
ずっしりと上に何かが乗っている様な…
頭が痛い
吐き気がする

あれ?
来た?来たんじゃないの!?
長い!長かった!!
このときを待っていた!!

「幽霊ちゃぁ----ん!!」

さぁ!我が腕の中に…

…に?

「おう、何だ」
「威勢が良いな!」

「…」

男の腕の中にいたのは
オッサンだった


翌日

朝8時00分

「…」

「そんな死人みたいな顔するなって!」
「え?何だって?何で来たんだ?」

「…った」

「え?」

「会いたかったんだよ!!」

「俺にか?」
「照れるじゃねぇか…」

「違ぇよ!!」
「頬を染めんな!気色悪い!!」

最悪だ
こんなオッサンを抱きしめただけでも最悪なのに
え?最後の金を出し切って済んだマンションに居たのはオッサンの幽霊?
ハゲかけたオッサン?

最悪なんてレベルじゃねぇぞ、オイ

「まぁまぁ、ドンマイドンマイ」

「うるせぇよ…」
「俺の幽霊女とのラブラブスト-リ-を返せよ…」

「そんなに気にしてたのか…」
「お前、ボンキュッボンの姉ちゃんが好みなのか?うん?」

「キュキュキュッでも良いよ…」
「兎も角、幽霊女プリ-ズ…」

「俺の知り合いに居るけど紹介してやろうか?」

「マジかよ!!!」

「立ち直りが早ぇな」
「どうだ?若いのが好みか、熟女が好みか」

「出来れば若いの!」
「熟女も悪かねぇけど、やっぱり若いのが良いな!」

「そうかそうか、ちょっと待ってろよ!!」

ピピッピ

「あ、もしもし?」

幽霊のくせに携帯を使い出したんだが…
最近の幽霊はハイテクだな、オイ

「梅ちゃんか!俺だよ俺!!」
「そうそう、マンションの」
「うん、うん」
「頼むぜ」
「じゃぁな~」

ピッ

「すぐに来れるってよ!!」

「おお!有り難てぇ!!」
「…で、どんな娘なんだ?」
「何歳ぐらい?」

「120歳だよ」
「小皺が増えてるって嘆いてたなぁ~」

「帰って貰え」



昼12時30分

「何だよ…」
「幽霊界じゃ若い方だぜ?」

「お前は何歳なんだよ…」

「7歳だよ」

「うそん…」

「まぁ、それはそうとよ」
「飯食わないのか」

「食うよ」
「確かカップラ-メンが…」

「…お前の台所、カップ麺のゴミばっかりじゃねぇか」
「掃除しろ!掃除!!」

「えぇ-」

「…てか、カップ麺しか食ってねぇのか」

「作るの面倒だし」

「仕方ねぇなぁ-」
「俺が作ってやろう」

「…えぇ」

「お前、料理は作れないんだろ?」

「作れる!」

「何種類?」

「…1種類」

「そら見ろ」
「俺が適当に作ってやるからな!」

「…幽霊なのに?」

「幽霊舐めるなよ?」


昼13時15分

「…マジかよ」

食卓には和風の料理の数々
サンマの塩焼きからほうれん草のおひたしに味噌汁

「驚きだぜぇ…」

「ハッハッハ!俺の腕は凄いだろう!!」

「いや、ウチにこれだけの食材があった事に…」

「それは俺も驚いた」


夜22時00分

「…寝よう」

「おう、お休み」

「…てか、アンタはいつまで居るんだ?」
「と言うか居るのは決定なのか」

「おいおい、俺の方が先に住んでるんだぜ!?」
「居るのは当たり前だろ!」

「…それもそうだな」
「お休み」

「おう、お休み」




「…何で俺は納得したんだ」


朝8時00分

「…んぁ」
「何で食卓に美味しそうな朝飯が並んでるんだ」

「あら、お早う」
「良いお目覚めね」
「昨日は激しかったからかしら♪」

「その顔でキメぇ台詞言うなよ」
「埋めるぞ」

「冗談の通じねぇヤツだ」
「朝飯、作っといてやったぞ」

「…許す」

「よしよし」
「てか、ポストに手紙が溜まりまくってるけど」

「面倒だから読んでねぇんだよ…」
「全部、基本は無視だ」

「それは読めよ…」


昼14時05分

「…寝ようか」
「暇だし」

「おいおい、平日の2時に寝るなんて何処のニ-ト様だよ」

「仕事には行っている!」
「金は必要だからな!!」

「…今日は休みか?」

「今週いっぱいは休みだ」

「あ、そなの…」


夜21時00分

「始まったぁあああああ!!」

「うぉっ!?何だ何だ」

「コレだよ!「恐怖映像200連発」!!」

「…同類見てもなぁ」

「バカヤロウ!美人が居るかも知れねぇだろ!!」
「もしかしたら好みのタイプとかも!!」
「そしたら現地急行で即結婚だ!!!」

「恐怖映像を婚活目的で見る人間が居るとは思わなかったぞ」


深夜1時00分

「…」

「落ち込むなよ」

「お前が横で「あ、コレも偽物だな」とか言うから…」

「結局、半分以上が偽物だったな」

「畜生…、可愛い子居なかった…」

「落ち込むなよ」
「俺が居るじゃないか」

「そのケは俺にはない!!!」


朝5時00分

「…早く起きてしまった」

「ク-ラ-を効かせすぎたんじゃないのか?」

「むぅ…」
「…寝よ」



「寝れねぇ」

「解る解る」


昼13時00分

「暇だ」

「彼女の1人や2人、連れてこい!」

「現実の女に興味はない!!」

「えぇ」

「幽霊女だけだ!!」
「紹介してくれ!!」
「ただし美人!!」

「そうだな-」

「貞子は!?」

「ブル-レイのご時世に何を言ってるんだ」

「メリ-さんは!?」

「スト-カ-何とか罪で捕まった」

「口裂け女は!?」

「フランスに乙女心を学びに留学に」

「マジかよ」


昼17時00分

「…たけのこの里だろ」

「きのこの山だろう」

「い-や!たけのこだね!!」

「きのこの良さが解らんかぁ!!!」

「…ハ-フ&ハ-フって知ってるか」

「アレは邪道だ」


夜19時00分

「おぅ、オムレツ」

「美味いだろう?得意料理だ」

モグモグ

「…」

「どうした?」

「美味い」

「そうだろ!」

「たけのこだろ」

「いや、きのこだな」

「「ハ-フ&ハ-フは邪道」」


深夜2時00分

「眠い」

「寝なさい」

「うるせぇ」
「貞子ちゃんが俺を癒す」

「6回見ただろ、それ」

「貞子は至高」

「メリ-さんは?」

「最高」

「口裂け女は?」

「パ-フェクトゥ」

「俺は?」

「…」

「ハ-フ&ハ-フは?」

「「邪道」」


昼13時00分

「寝過ぎた」

「味噌汁どうぞ-」

「どもども」
「美味い」

「そりゃ良かった」

「うむ」

「…」

「…」

「…話が有る」

「何だ?」

「明日、成仏する事になった」

「急だな」

「急だ」

「…何で?」

「満足したから」

「こんな野郎と過ごして満足したのか?」

「まぁな」

「…」

「そんな目で見るな」
「そのケは無い」

「安心した」

「多分な」

「不安になった…」

「…まぁ、そんな所だ」

「成仏するのか」

「うむ」

「…」

「…世話になったな」

「俺が世話になった」

「…そうだな」

「…ポストでも見るか」

「溜まってる新聞をどうにかしなさい」


夜22時00分

「…最後の晩餐だ」

「俺が作ろう」

「お前が?」

「最後の日ぐらい、ゆっくりしてろ」
「俺の手料理を振る舞ってやる」

「有り難ぇな」
「…1種類しか作れないんだろ?」

「1種類で充分だ」


「…出来た」

「ほう、オムレツか」

「美味そうだろ」

「美味そうだな」

「…」

「…」

モグモグ

「うん、美味い」

「…そうか」

「中々じゃないか」
「俺には劣るが」

「そうだろうな…」

「…」

「…」

「…ポストの中にお袋からの手紙が入ってた」

「お前の母親からのか」

「親父が7年前に死んでたそうだ」

「…知らなかったのか?」

「知らなかった」
「ずっと実家は留守にしてたし、手紙なんて読まなかった」
「引っ越ししまくってたから電話番号も知らせてなかったし」

「…親不孝者め」

「否定はしない」

「…」

「…このオムレツな」
「親父から教わった」

「ほう」

「唯一、出来る料理だ」
「親父が得意だった」

「…そうか」

「…昔、親父と大げんかした事がある」

「ほうほう」

「たけのこの里かきのこの山かで大げんかした」

「…馬鹿馬鹿しいな」

「…そうだな」

「…」

「…」

「…親父、アンタが化けて出るとは思わなかった」

「親不孝者の息子が心配で成仏できなかった」

「…痩せたな」
「誰だか解らなかったよ」

「…そうか」

「…俺のオムレツ、美味いか」

「あぁ、美味い」
「しっかりマスタ-してるじゃねぇか」

「…あぁ」
「…本当に成仏しちまうのか」

「息子の元気な顔が見れたからな」
「安心した」

「…そうか」

「母さんに迷惑かけんじゃねぇぞ」
「偶には顔を見せてやりなさい」

「…おう」

「カップ麺ばっか食うな」
「他の料理も覚えろ」

「…おう」

「幽霊女にしか興味がないのはどうかと思う」
「普通の女に興味を持て」

「それは無理だ」

「オイ」

「…」

「…」

「…元気でやれよ」

「…おう」


朝7時00分

「…」
「…この部屋、広かったんだな」
「朝飯は、と」

机の上にはオムレツとサンマの塩焼き

「…」

モグモグ

「…うん、美味い」

ピピピピ!ピピピピ!!

「…そうか、今日から仕事か」

カチッ

「…行くか!」
読んでいただきありがとうございました

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