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第3話:初恋の人




目覚めると暗かった部屋は太陽の日差しによって明るくなっていた。




「おはようございます。」




声のした方を見ると、ララがエプロンを着て朝ご飯を作っていた。




「何やってんの?」




僕が寝ぼけた声で聞くと、ララは笑うのをたえていた。




「見てわかりませんか??ご主人様の朝ご飯を作っているのです。」




てゆうか……なんで敬語?




「何いきなりかしこまってんだよ…。ご主人様って…メイド喫茶じゃないんだから……。」




「私達幸福の支配人には偉い方がいらっしゃいます。その方に『あまりフレンドリーに接するものではない。』と注意されまして…。」



幸福の支配人…?




そんな職名あったんだ…。




「いや…でもなんか喋りづらいっていうか…。」



なんて言っていいかわかんない…。




「とりあえずタメ口でいいから。涼って呼んでいいし。」



「……うん!わかった。今ルナ様にも許しいただいたし。」




ルナ様?




「ルナ様って偉い人??てか今どうやって話つけたんだよ…。」




「ルナ様はすべて見てるし、交信みたいな事もできるから。はい朝ご飯できたよ。」




そう言ってララが料理をテーブルに置いた。




目玉焼きに白ご飯に味噌汁。



なんでこんな定番メニューしってんだろ??




「こっちの世界の料理わかるの??」



僕はテーブルのイスに腰掛けながら聞いた。




「当たり前でしょ。私だって……あ…涼…学校大丈夫??」




そう言ってララが時計を指差す。




8時…。



学校が始まるのは8時半…。



学校までは急いで20分…。




「ヤバっ!!」




僕はそう言って目の前にあった朝ご飯を口に掻き込んだ。



「おぉ早いね(笑)」




ララが笑いながら言った。



だが急ぐ僕にはあまり耳に入らない。




僕は制服に着替え玄関に走った。



「いってらっしゃい。」




僕の動作はそこで止まる…。




「…どうしたの?」




ララが後ろから心配そうに聞く。




「いや…なんでもない!いってきます!!」




そう言って僕は出て行った。




いってらっしゃいって言われたのは何年ぶりだろうか……。




エレベーターで一番下まで降りる。






そして走って歩道にでる。




すると…



そこには…



僕の初恋の人…。






柿村菜由…。




「あ…おはよ!やっと来た(笑)早くいかなきゃ遅れるよ??」




彼女は昨日僕をフったにも関わらず…いつも以上な接し方……。






「どうしたの??早く行こうよ。」




彼女は僕の顔を笑顔で覗きこんできた。




「あっうんゴメン!」




僕は赤くなった顔をかくすように歩きだした。




「待ってよぅ(汗)涼早いってぇ…。」




甘えた声で彼女が後ろから言ったので僕は足を止めた。






「なぁ…なんで今日一緒にこようと思ったの??」




僕は彼女の方を見て言った。




「う〜ん。なんか今日は一緒に来たかったの。あ…昨日の事なしにして??」




昨日の事?



僕が告白した事??




「それってどういう…。」




「私勘違いしてたみたい。涼の事好きだったのに…。昨日の告白…もう一回してもらっていい??」




僕がもっとも望んだ言葉を…恥ずかしそうに彼女が言った。




愛しいと思った。




「好きだ…。付き合ってくれる??」




昨日言った台詞を今もう一度…。




「嬉しい…いいよ。愛してるよ…涼…。」




そう言って彼女は僕の胸に飛び込んでくる。




夢かと思った。




彼女の体温を感じて夢ではない事を知った。





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