ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
Chapter:03 海竜
Episode:25
 彼女と一緒というのが、かなりの足枷だった。
 あたしひとりなら発動範囲なんて気にしないで魔法が使えるけど、彼女は巻き込まれたらただじゃ済まない。

 せめて足止めに魔法を使いたいけど、丁度いいものがない。その手の睡眠魔法やなんかは、効果の信頼性がいまひとつだ。
 いつあの暴れぶりに巻き込まれるか分からないのに、効くまでかけなおしているわけにはいかない。
 かといって、一人じゃ足止めもできないし……。

 と。
「――矢?」
 向こうから飛んできた十数本の矢が、次々と海竜の身体に突き刺さる。そしてすぐ海竜のウロコと周囲に、小さな氷が出来始めた。

――そうか!
 イマドはあたしと違って、魔法を発動させるよりも付与させる方が得意だ。今はたぶん矢に、冷気系の魔法を付与させたんだろう。
 その間にもある程度持続して効果を発揮する冷気魔法は、徐々に凍る範囲を広げつつあった。
 これなら、足止めができる。

「幾万の過去から連なる深遠より、嘆きの涙汲み上げて凍れる時となせ――フロスティ・エンブランスっ!」
 立て続けに、氷系の最上位を放つ。思惑通り、海竜の周囲が凍結した。
 驚いた海竜が咆哮を上げたけど、もう身動きが取れない。
 もっとも、ただ単に魔法を撃ち込んでもこうはいかない。イマドのおかげで水温が下がっていたからこそできた、ムチャと しかいえないやり方だ。

「――フロスティ・エンブランス!」
 こんどは後ろへ振り向いて、冷気魔法を魔法を海中に叩き込む。こっちはまだ水温が高かったけど、それでも何度か繰り返すと、どうにか渡れそうなくらいの橋が出来た。

「ルーフェイア、すごいね」
「だっていま、海竜……動けないし」
 襲われながらじゃさすがに、こんなことしてる余裕はない。

「えーっと多分、あたし言ったのと意味違うかも。でもたしかに、海竜動いてたら、こんなことしてられないよね」
「……え?」
 微妙に話がかみ合わない。

「ともかく、今のうちに行かなきゃね。よいしょっと……」
 足をかばいながらナティエスが立ち上がって、顔をしかめた。かなり痛むみたいだ。

「だいじょうぶ?」
「痛いけど、逃げなきゃだし」
 見たところ、血だけは止まってる。でもこれ以上は魔法でムリに治すより、ちゃんと治療したほうがいいだろう。




Web拍手 ←Web拍手です

FT小説ランキング  毎日OK:FT小説ランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票
 順位だけ見たい方はこちら

NEVEL Ranking  月に1回:NEWVELランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票


◇イラストいろいろです。随時募集中です♪◇
シエラ学院制服  Blue Ocean  ルーフェイア・シリーズ

自サイト美術室はこちら
掲示板はこちら。お気軽にどうぞ♪


筆者サイト
↑筆者サイトへ
最新話へのリンク、改行なし版等があります


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。