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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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奥崎の帰還

 阿良田への説明も済ませ、残りは奥崎へ伝えるのみとなった。しかし、奥崎へ電話を入れても全く通話には出なかった。
「奥崎先生どうしたのかな? もしかして何かあったんじゃ?」
「教頭に何か仕事を頼まれたらしいですけど、何をやらされているのかはさっぱりわからないんです」
 今回の騒動のきっかけだったが、そこの情報は何も入ってきてはいなかった。電話に出れない状況なのか、それとも古野濱の言うように事故か何かに巻き込まれたのか? さっぱりわからないのは少し心配だった。
「俺が職員室で話を聞いてこよう」
 湧哉と古野濱は騒動の関係者ということで、2人が奥崎の居場所を探せば何か関係があるかもしれないと勘繰られる可能性もある。阿良田はその辺を鑑みてか自ら名乗り出た。
「でもまだ生徒は入れないかもしれないよ? 私の場合は知ってることがあるからって言ったら入れてくれたけど」
「とにかく行くだけ行ってみよう。それでだめならまた時間を置いてから行けばいい」

 3人は職員室前までやってきたが戸の前には会議中の立て札があり、生徒はまだ入ることのできない状況だった。職員室に用事のある生徒たちが戸の前の立て札を見ては来た道を戻っていく。
「ダメですね……」
「これからどういう体勢で進むかを話し合ってるんだろう。ありのままに発表するのが正しいが、学校という組織的にはどう判断するか……。これに関しては結果が出てからでないと何もできないな」
「それって、もし隠すようなことになったらALMで何とかするってことですか?」
「一生徒としてそんなところに通っている、なんてことになるくらいならな。証拠がそろっている状況で発表しないというなら俺は許さない」
 阿良田はいつもの鋭い目つきに戻っていた。ここで教員たちがどのような判断を下すのか。
 もし発表したとすれば学校の評判は落ちる。それこそ全国的に。そうなれば入学希望者は減ることになり、学校の経営にも問題が出てくるはずだ。経営者側からすればそうなることは望ましくないが、後々それを取り上げられるよりもこちらから報告してしまった方が批判は大きくならないかもしれない。湧哉達生徒にも多少の影響が出ることになるだろう。簡単に判断することはできない問題になってしまっていた。
「おそらくはこの学校始まって以来の不祥事だ。古株の先生でもこういう対応は初めてだろうからな」
「もしかしたらもう奥崎先生も会議に参加してるのかもね。それなら電話に出ないのも仕方ないね」
「私がどうかしたか?」
「連絡がつかないんでどうしたのかなと思っ……へ?」
 3人が振り返るとそこには書類を抱えた奥崎が立っていた。
「3人そろっていったいどうしたんだ?」
「先生こそ今までどこにいたんですか? 私、連絡付かないから何かあったのかと……」
「教頭に役所まで行って来いと言われてな。しかも向うでなぜか会議に参加させられた。私が学校側の代表にされてたらしい。旧校舎跡地のこれからの予定なんかを聞かれたが何も聞いていなかったからわかりませんとしか言えなかった。飛んだ恥をかいた。全くいい加減にしてほしいものだ」
 奥崎の顔には苛立ちが浮きだっていた。旧校舎関係の代表は校長補佐の田島が請け負っていたはずだった。それを奥崎に無理やりやらせたということはやはり奥崎を遠ざけたかったのだろうか?
「ところで、何かあったのか。今日は会議なんてなかったはずなんだが……」
「ええ、いろいろと動きがありましたよ」
「?」
 珍しく奥崎はキョトンとした顔をした。どうやらもう一度説明をしなければならないようだ。
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