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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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成長

「ええっと、君は?」
 谷口は古野濱と面識がないらしい。
「3年の古野濱です! 今回のことは、私が畑原君に相談したから、畑原君が調べてくれたんです!」
 古野濱ははっきりとした声でそう言った。胸の前で右手を握りしめ、そこに左手を添えている。
「そうなのか畑原?」
「えっと……」
 古野濱に確認をするが彼女の表情に迷いはみられない。今までこんなのは見たことはなかった。
それなら―――
「そうです」
「そうか。それじゃあ古野濱さん、詳しい話を聞かせてもらっていいかな」
「はい!」
 そこから古野濱は詳しい話をした。どこかで盗撮されたこと。それを材料に脅されたことも話をした。具体的にどうというのはさすがに口にはしなかったが、谷口はそこまでは聞こうとしなかった。もちろん、ALMのことは伏せながらだった。というより古野濱の件はALMが絡まなくても話が進んだ。元々ALMとは関係のないところでの出来事だったためだろう。
 古野濱の話が終わると谷口は腕を組みながら難しい顔をした。
「もしかしたら他にも被害者がいるのかもしれないな。その辺のケアーも必要か……。会見なんかも開かにゃならんか……」
 谷口はこれから先のことを考えると頭が痛いのだろう。学校のイメージにも影響が出るはずだ。
「でもまあ、ありがとう。助かったよ」
「いえ、私も助かりましたから……」
「また何かあったら詳しく聞かせてくれ。畑原も今日はもういいぞ」
「わかりました。それじゃあ」
 二人は席を立ち職員室を出た。

「びっくりしましたよ。古野濱先輩が来てくれるなんて」
「畑原君が教頭先生と走り回ってるのが見えて。それで何かあったんじゃないかと思って職員室まで来てみたの。そしたらちょうど谷口先生に見つかったところで……」
 古野濱は少し困ったような顔をした。
「その時はどうしたらいいかわからなかったんだけど前に視聴覚室で畑原君が助けてくれたこと思い出して。それで、今度は私がって思って」
「ははは」
 あの時は古野濱というより奥崎を助ける意味合いが強かった。結果的にだが古野濱は自分も助けられたと感じていたようだ。
「私も少し頑張れた……かな?」
「はい、助かりましたよ。あのままだったらどうなってたか」
「そうだな。あれは確かに迂闊だった」
「阿良田君?」
 2人が出てくるのを待っていたのか阿良田は壁に寄り掛かって待っていた。
「これは一体どういうことなのか説明してもらおうか。ここじゃあ目立つから図書室に行くぞ」
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