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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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教頭の粗

 阿良田は奥崎を鋭いまなざしで再び睨み付けていた。それに対し、奥崎は落ち着いた目でそれを受けている。購買での時とは対照的だ。自分の非を認めたことで余裕ができたのかもしれない。
「だから今回は正攻法でいく」
「これ以上何ができるって言うんです? 既に記念館の取り壊しも時間の問題だと思いますが」
「私もそう思っていたが、面白いことを考えるやつもいるもんだよ」
 奥崎は少し笑いながら湧哉に顔を向けた。
「私は文化祭の討論会にかけてみようと思う」
「それって、門紅のやろうとしてる―――」
「全校の前で議論しようっていうんですか?」
「そうだ。これなら真っ向勝負ができる。秘密だ秘密だと言って裏でこそこそする必要もない。堂々と動ける。まあ、問題点もあるが」
「……」
 阿良田は話しを聞く気になったのか腕を組みなおすと静かに奥崎の反応を待った。
「まずは教頭だ。何かにつけて仕事を押し付けてくる。彼を何とかしないことには私は動けない。それと、古野濱に言われるまで気にもしなかったが、校長の件だ。確証があるわけじゃないが、校長に話を聞かれた後に教頭から指示が出されるようになったことを考えると可能性は高いだろう。どちらにせよ教頭はどうにかしないとならないから、そちらが先になるな」
「それってこの間言ってた粗探しをするってことになるんですかね? でもそれって俺が探させられた限りじゃ一度もなかったわけですけど」
「いや、モノがあることは確かだ。しかし探す場所がわからないんだ」
「写真を探せって言ってましたよね。ってことはやっぱりあのカメラなんじゃないですか?」
 湧哉は深夜の校舎に忍び込んだ時のことを思い出していた。教頭のパソコンのフォルダを開きまくった末に何も見つからず、結局引き出しにあったデジカメを持ち出した。湧哉自身はその中に何が保存されていたのか見ていないが、写真を探すならそこが怪しいはずだ。
「いや、なかのフォルダを調べたが探している写真はなかった」
「今だから聞いちゃいますけど、教頭の粗って何なんですか?」
 湧哉の質問に他の3人は一瞬固まった。奥崎は苦笑いを浮かべ、古野濱は机の上に置いた自分の手を見つめたまま動かない。阿良田までも目を閉じて俯いている。
「……これって、聞いちゃまずい感じでした?」
「いや……、いいんだ。今日は隠し事はなしにするつもりだったしな……」
 奥崎はそれから少し間を置くと少し早口でこういった。
「探していたのは女子生徒の写真だ」
「え? それって……」
「言ってしまえば盗撮だ」
「はあ!?」
 自分自身犯罪すれすれの事にかかわった湧哉だったが、相手である教頭が法を犯していようとは夢にも思わなかったのだ。
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