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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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集会の名

 そのまま午前中をだらだらと過ごすとあっという間に午後になってしまった。クラスの面々は各自で昼食を取り始め、教室も休憩ムードに入った。ところが湧哉は教室から1人で廊下へ出ていた。廊下にも生徒がちらほらとみられる。行動は様々で、友達とただ話をしている者や、準備のために忙しそうに動きまわっている者もいる。
 そんな廊下を一人歩く湧哉。頭の中はこれから聞くであろうことでいっぱいだ。握りしめたスマートフォンには奥崎からの連絡が届いていた。
『準備ができた。図書室で待つ』
 今度こそ本当の話を聞けると信じて湧哉は歩みを進めた。

 湧哉が図書室に入るとそこには人影があった。言うまでもなく奥崎、古野濱、阿良田の3人だ。奥崎は立ったまま腕を組み、古野濱は椅子に腰かけている。阿良田は少し離れたところで壁に寄り掛かりながら本を読んでいたが湧哉が入ってきたことに気が付くと本をそっと本棚の上に置いた。
「よく来たな。座ってくれ」
 奥崎は湧哉を座るように促すと自分の腰を下ろした。湧哉も奥崎と対面するように椅子に座った。
「これから話すことは他言無用で頼む」
「……。わかりました」
 古野濱、阿良田に続いてやはり奥崎もこのことは秘密にしたいらしい。今更驚きはしない。古野濱と阿良田にも同じことは言われている。古野濱と阿良田が秘密にしろと言ったのは互いが同じ部活だということを周りに知られたくないからだと思っていたのだが、顧問である奥崎から部活のことを秘密にしろというのは理由がわからなかった。
「さて、どこから話そうかな。始まりを言えば畑原が私の着替えを覗いたところからだが―――」
「あれは偶然ですから!」
「フフッ、そうだったな。だが、きっかけはそこからだよ。一昨日も言った通り、私は切羽詰まってたんだ。記念館を残すというという目的のためになら藁をもすがる思いだった。そこで弱みを握った畑原を利用した。ここまでは話した通りだ」
「それで結局この集まりは何なんですか? 古野濱先輩は部活って言ってましたけど」
「直球だな」
「それを知るために来たんですから」
「確かに畑原に何も言わなかったのはフェアじゃなかったな。古野濱はが部活と言ったらしいが正確に言えば、部活の集まりじゃない」
「部活じゃない? じゃあなんだっていうんですか」
「何かと問われると説明が難しいんだがな……」
 奥崎は少し考えた後、何か思いついたのか口を開いた。
「簡単に言うとここは秘密組織だな。私たちはこの集まりを『ALM』と呼んでる」
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