挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
非公式部活動ALM 作者:泉野 六
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

67/150

助っ人は?

 結は体を曲げて椅子に座っていた。そのせいで椅子は机から離れ後ろの机に接してしまっている。要は姿勢がとても悪い。こんな態度で授業を受けていたら叱咤されてしまいそうだ。
「結?」
「んー……?」
 悠が声を掛けるが返事に普段の勢いはなかった。
「部活の方、まとまらなかったのか」
「そうねー。昨日と全く一緒。少し体を動かした後に話し合いしたんだけどさー、全くダメだねあれは。もうこのまま何もしなくていいんじゃないかと思っちゃうよ」
「そんなにひどいんだね……」
 このクラスには他のソフトボール部の部員がいない。そのため部内の話を聞くということはあまりなかった。というより、他の部活と比べると話題に上がることが少なかった。
「どっちかっていえばうちの部は弱小だからね。それは私も周りもわかってるんだけどさ。だからって皆こんなときばっかり本気で口開くんだから。普段の部活ではそんなこと全くないに。嫌になっちゃうよ。最後にはそれはあんたがやりたいだけでしょとか言い出しちゃう子もいるしさ。私に言わせればそれはあんたもだろって話。そもそも―――」
 クラスに関係者がいないこととと周りにいるのが湧哉と悠だけだからなのか、結の口からは普段ため込んでいたであろう愚痴があふれ出てきた。声は小さかったが沸々とした怒りが感じられる。
 これには湧哉も悠も顔を見合わせるしかなく、開いている周りの席に腰かけると相づちを打ちながら結の話を聞いていた。
「―――そんなわけなんだけどさー」
「そっちに比べ出ればこっちはだいぶいい感じだなぁ」
「ねえ、ハタハタ実行委員変わるからうちの部活のまとめてくれな~い?」
「お前……」
「さすがにそれは無茶ぶりだね」
「わかってるよ! 言ってみただけー」
 結は言うだけ言ってすっきりしたのか姿勢を正すと椅子に腰かけなおした。
「そう言えばそっちはどうなのよ?」
「進み具合はいい方だな。屋台にも触りだしてるしメニュー何種類か出てたから。不安要素があるとすれば当日の人数は配置だな」
 湧哉はぐるっとクラスを見渡しながら説明をした。調理係は相変わらず意見を出し合っているのか机を囲んで円を作っていた。屋台係は段ボールを切り分けようとアタリを取り始めている。こうしてみてもやはり順調だ。だがよくよく見ると柳鳥の姿がない。更に首をひねると部活組への説明を終えた澤と2人で何やら話をしていた。気にはなったがそれを遮るように結が口を開いた。
「違う違う。こっちじゃなくてさ」
「は?」
「悠とハタハタが二人でやってること。今日もなんかやってたんでしょ?」
「それは……。順調なのか?」
 湧哉の返事は悠への問いかけになってしまった。湧哉には順調なのかがいまいちわからなかった。目標の意見数から考えると全く進んでいないに等しいが、悠はそこまで心配はしていない様子だ。取り壊しに賛成という意見が少ない位からだろうか? しかし今言ったように全体から見るとまだ少ないわけだ。悠はどちらを重要と考えているのだろう?
「今の具合だと進みがいいとは言えないかな。でも、もうすぐ助っ人も増えるかもしれないしまだまだこれからだよ」
「悠がそう言うんなら大丈夫そうね。うらやましいー。しかし助っ人とはね。この文化祭のこの時期によく見つかったわね」
「ハタハタの提案だったんだー」
「へぇー。ハタハタって意外と優しいところあるんだよね~」
「だよねー。僕もそう思ってたんだよね~」
「う、うるせえ!」
「なにハタハタ! あんた照れてるの?」
「誰が照れるか!」
 先ほどの悠は全く突っ込んでは来なかったが、結はお構いなしに指摘してくる。反論しようにも実際照れているわけで、ただ大声でそれを否定することしか湧哉にはできなかった。
 そう言えば助っ人である古野濱の件はどうなったのだろうか。予定通りならもう話は済んでいるはずだが、頭に血が上っている湧哉はそこまで考えてはいられなかったようだ。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ