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非公式部活動ALM 作者:泉野 六
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かつての問題点

 悠を見つめる湧哉と奥崎。その視線を受けながら悠は説明を始めた。
「奥崎先生のおっしゃっていた署名活動ですけど時期的な問題があったんだと思います」
「時期って、そんなに関係あるもんなのか?」
「開発開始当初はいろいろと問題が上がってたんだ。ショッピングモールやデパートなんかは人を呼びよせるには有効ですけど、元々現地で商業を営んでいる人からしたら大打撃ですからね。役所には抗議の連絡が絶えなかったらしいです」
「君の言っていることはわかる。だが、署名を集めたのは開発が始まった後だ。新校舎の話が上がったのは開発が本決まりになってしばらくしてからだぞ。大規模な抗議運動もあったらしいがそれと署名となんの関係がある」
 奥崎は悠の説明に納得がいかないようだ。確かに時期がずれているのなら関係はないように思えるが悠は再び説明を始めた。
「開発が決まる前に一度、署名活動が行われてたんですよ。市議会の解散を求めるために直接請求を行おうとしたんです。ですが、そこまでする必要はないんじゃないかと住民は真っ二つになったらしいんです。おかげで署名は集まらなかったんです」
「おいおい、全く繋がらねえぞ」
「まだ話終わってないんだからそりゃそうだよ。ちょっと口閉じてて」
「全くだ。話は最後まで聞け」
「ぐ……」
 少し発言しただけで二人からバッシングを受けた湧哉。悔しいが話が終わるまでは黙っていた方がよさそうだ。
「進めてくれ」
「真っ二つに分かれた住民の確執はしばらくも残っていたんです。旧校舎が取り壊されるという話が出た時、先の署名活動に参加しなかった人の中にも今回は賛同してくれた人もいました。でも、それは逆に参加していた人が否定側になることもあったんです。自分の都合のいい時だけ署名するのかって」
「つまり、前者に後者が協力しなかったから同じように前者も後者に協力しなかったということか?」
「はい。みんながそうだったわけじゃありませんけど、前者と後者の人たちの代表者というかまとめ役ような人がいたんです。その人達の意地の張り合いみたいなものでした。誰かが声を上げてれば今のようにはなっていないんでしょうね」
 悠の話はなかなか苦い内容だった。互いに協力していればどちらの意見も聞き入れられたのだろうがそうできなかったために全て失敗してしまった。自分が否定されることは快く思えないものだが、だからといってそれをやり返してしまうのは悲しいことだ。
「学校だけの問題ではなくここの地域住民の問題ということか。私の視野ではそこまでは見えなかったな」
 奥崎も悠の説明に納得したようだ。だが問題はまだ残っている。
「それを踏まえたうえで今から何かできることがあるのか?」
 今後どうするのか。これこそが今もっとも頭を悩ませていることだ。
「文化祭を使って署名活動をしてみたらどうでしょう。デモンストレーションがあれば、成功する可能性はあると思います」
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