挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
非公式部活動ALM 作者:泉野 六
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

22/150

悠の計画

「で、何かいい答えは聞けたのか?」
 職員室を出ると湧哉は悠に結果を聞いた。
 田島の計画は失敗していてそれらは悠の計画と似たようなものだった。これが成功するだろうか?
「大きくプラスになることはなかったけど、話をしておいてよかったと思うよ。収穫はあったね」
「でも記念館案内とか観覧室とか俺も聞いてなかったけどそれだけじゃダメっぽくないか?」
「それはわかってたよ」
「は? じゃあなんで話したんだよ?」
「情報収集かな。それに先生も手伝ってくれるって言ってくれたから良かったよ」
「まてまて。俺にもわかるように話せ」
 結論ばかり言う悠の言葉はまるでゴールだけが書いてある地図だった。途中の道筋がなければそこにはたどり着けないというのに。
「最初から僕の考えは決まってたんだ。それにさらに付加できるものがないかと思って田島先生に話を聞いたんだよ」
「付加できるものって?」
「それはわからないよ。付加内容を僕が思いついてるなら話を聞く必要ないでしょ?」
「そう言われればそうだけどさ……」
 だったら最初から言っておいてくれればいいものの。これでは一緒にいる意味はなさそうなものだ。湧哉は金魚のフン状態だった。
「じゃあ本命は何なんだよ?」
「わが渡ヶ丘高校の文化祭にはすごいビックイベントがあるじゃない」
「まさか……"あれ"に出るつもりなのか?」
「文化祭で一番注目が集まるからね」
「だからってあの〝なんでもぶっちゃけ大会"でどうやってアピールするつもりなんだよ?」
 ぶっちゃけ大会、正式には渡ヶ丘高校大討論会だ。開校当初から毎年行われており、事前に申請をしていれば個人から団体まで参加は自由。討論中の途中参加、はたまた討論相手をその場で指名できる。討論が成り立つのであれば何でもありの文化祭メインイベントだ。
「主題は旧校舎の取り壊しについて。もう討論相手の候補も考えてあるんだ」
「もしかして俺がやることってその討論相手じゃないよな……」
 この討論会では出来レースもありなのだ。お互いで話を合わせあたかも討論しているかのように話を進めるのだ。
 実際にそれが行われるのを湧哉も去年見ている。討論をしている演技をする演劇部に、屋台の宣伝をするクラスなんかもいた。湧哉の言った"なんでも"というのはこのことを指している。
「いやいやいや、いくらなんでもそんなことはしないよ」
 湧哉の疑問を悠は笑い飛ばした。それを見てほっと一息つく湧哉だがどうしても聞いておきたいことがあった。
「それじゃあ俺の役目って何なんだよ」
「課題終わってからの方がいいんじゃないかな? 結構大変だと思うよ」
「これ以上悪くなるとかないだろ……」
「そっか。それなら言うけど。ハタハタには意見集めをやってもらおうと思う」
「意見集め?」
「今回の題目"校舎の取り壊し"についての意見だよ」
「なんだ? それだけかよ。それなら文化祭に必要ですって言ってクラスごとにアンケートでもとれば楽勝じゃん。集計は時間かかりそうだから早めにやっとかないとな」
「卒業生の意見もだからね」
「卒……業生?」
 現状でかなり参っていたので何を頼まれようと問題はないと思っていた湧哉だが想像以上の返事が返ってきた。
「記念館に昔の生徒名簿があったでしょ? あれに卒業後の連絡先なんかも書いてあるからそこから意見を聞いてほしいんだ。もちろん全員連絡が取れるとは思ってないけどできるだけ多くね」
「お前、どれだけあると思ってるんだよ!? 四十年分だぞ!! それに生徒名簿なんてそう簡単に見られるもんじゃないだろ!?」
「奥崎先生に頼んだらオッケーだって」
「な、なにぃ!?」
 いつもいつも苦行をさせる奥崎がここにも。直接ならまだしも間接的被害を受けるとは思ってもみなかった。
「あの人余計なことを……!!」
「聞かないほうが良かったでしょ?」
「ああ、そうだな……」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ